「M51 (モッズコート)」の版間の差分

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2014年3月9日 (日) 00:23時点における版

M51 Fishtail Parka
M-1951 PARKA SHELL

M51は、狭義には1950年代に採用された米軍の極寒防寒衣料の51年型モデルの軍用パーカ。現在では「モッズコート」という呼称が定着しているが、90年代までは「モッズパーカ」「シェルパーカ」などと呼ばれることが一般的であった。 M51は「パーカ」のほか、「ジャケット」や「トラウザーズ」もあり、しばしば混同されるがアイテムとしては全くの別物である。

概要

米軍規格(milspec)mil-p-11013(1951年3月14日)[1]により規定される名称は、「PARKA SHELL M-1951」となっている。

いわゆる「フィールドジャケット」の上に羽織る「パーカ」として使用し、にはフードが縫い付けられ、フラップ付き大型ハンドポケットが両脇に設置されている。両肩にはトレンチコートサファリジャケットのようなショルダーループ(ショルダーストラップやエポレットとも呼ぶ)がある。

フィッシュテール

また、特徴的な造りとして、裾の後ろが燕尾状に先割れしており、裾に縫い込まれたドローコード(絞り紐)にて下腿に巻きつけられるようになっている。その裾の独特の形状から欧米等では「フィッシュテールパーカ」などと呼ばれている。特徴あるフィッシュテールを持つパーカは、このM51のほか、前身である「M-1948パーカ」およびM51の後継である「M65パーカ」などがある。

生地など

生地はオリーブグリーン色の薄手の平織りコットンナイロン地である。 生地のヴァリエーションとして、厚手のコットンサテン生地の製品も見られ、この厚手生地のタイプは一般的に「初期型」とされていたが、米軍仕様書では1951年3月の初版スペックからすでにコットンナイロンオックスフォード地を指定している[1]ことが確認された。したがって厚手生地の製品の位置付けについては、謎が残されている。

スライドファスナ、スナップボタン
正面は大型のスライドファスナ(ジッパー)およびスナップファスナ(ドットボタン)にて閉じる仕様となっている。スライドファスナは、CONMAR製のアルミまたは真鍮、TALON製のアルミまたは真鍮、CROWN製亜鉛仕上げなどが観察される。またスナップファスナの主なメーカーは、RAU、スコービル、ユナイテッドカーなどが観察される。

なお、このパーカ本体(シェル)にはアタッチメントとして、ウールパイル地の防寒ライナーと獣毛でトリミングされた防寒フードを取り付け、より防寒機能を向上させることができる。

呼称

欧米においては一般的に英国モッズに愛用されたことから「モッズパーカ」あるいは燕尾状の裾の形状から「フィッシュテールパーカ」などと呼ばれている。大量のデッドストックがイギリスに渡ったのが、普及した理由の一つという説もある[2]

「モッズコート」の呼称は、1990年代以降の日本のアパレル・ファッション業界が発祥と思われる。[3]国内における「モッズコート」の定義そのものに混乱が見られ、広義の「モッズコート」は、「ミリタリー風コート」とほぼ同義で使われていることなどが多い。 また、米軍衣料のM51やM65は、「パーカ」のほかに「フィールドジャケット」なども存在し、このことが混乱に一層の拍車をかけている。

脚注

関連項目