近鉄名古屋駅

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近鉄名古屋駅*
駅ビルの近鉄パッセビル
きんてつ なごや

KINTETSU-NAGOYA -
(1.1km) 米野
所在地 名古屋市中村区名駅一丁目2-2
北緯35度10分9.13秒 東経136度53分3.5秒 / 北緯35.1692028度 東経136.884306度 / 35.1692028; 136.884306 (近鉄名古屋駅*)
所属事業者 近畿日本鉄道(近鉄)
所属路線 名古屋線
キロ程 0.0 km(**近鉄名古屋起点)
電報略号 ナコ
駅構造 地下駅
ホーム 4面5線
乗降人員
-統計年度-
108,792人/日
-2008年-
開業年月日 1938年昭和13年)6月26日
乗換 名古屋駅
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 名古屋市交通局(地下鉄)
- 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線

名鉄名古屋駅-名鉄名古屋本線
備考 ** 正式な起点は伊勢中川駅
* 改称経歴
- 1940年 関急名古屋駅→参急名古屋駅
- 1941年 参急名古屋駅→関急名古屋駅
- 1944年 関急名古屋駅→近畿日本名古屋駅
- 1970年 近畿日本名古屋駅→近鉄名古屋駅
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正面改札口
地下改札口

近鉄名古屋駅(きんてつなごやえき)は、愛知県名古屋市中村区名駅一丁目にある、近畿日本鉄道(近鉄)名古屋線である。

正式には名古屋線の終着駅であるが、列車運行上は当駅が起点となっている。近鉄の前身となる大軌グループの東方進出の区切りとなった駅でもあった。歴史も参照。東海旅客鉄道(JR東海)・名古屋市営地下鉄・あおなみ線の名古屋駅や、名古屋鉄道(名鉄)の名鉄名古屋駅と隣接している。

当駅からの接続路線

駅構造

頭端式ホーム4面5線の地下駅。頭端部にJR連絡改札口、地下改札口、名鉄連絡改札口がある。ホーム中央連絡階段からの通路の端、近鉄ビル(近鉄パッセ)の中地下1階に正面改札口がある。

のりば

のりば(桑名 四日市 鳥羽 賢島 大阪方面)
番号 発着種別 開扉 ホーム長 備考
1 普通 片側 4連  
2 準急
急行(一部)
両側 5連 1番線側のホーム長は4連
3 急行
準急(一部)
両側 6連
4 特急 両側 8連 ラッシュ時は急行・準急の到着にも使用(到着後は回送)
5 特急 片側 8連  

2 - 4番線は乗車側と反対側を降車ホームとしているが、朝ラッシュ時は両側をすぐに開き乗車側からも降車できるようにしている。ただし、1番のりばのホーム長さが4両分であるため、2番線の5両編成は乗車側(3番のりば側)のみ開閉する。名古屋線の普通列車は最大で3両であるため、1番のりばのホーム端1両分は電車が停車しない。

3番線の乗車位置は青の位置1-24だが、5200系使用時は乗車位置が異なるため、米野寄り4両分は赤1-12、後ろ2両は青17-24になる。

現在、土休日のみ18時04分着の急行は5番線に入線する(到着後は回送になる)。

特急については主に名伊特急が4番のりばを、名阪特急が5番のりばを使用する。当駅発着の特急はほとんどが米野駅富吉検車区米野車庫)または富吉駅(富吉検車区富吉車庫)との間で回送されるが、一部列車は運用とダイヤの都合上、ホームで折返し整備を行う(車内清掃が完了するまで乗車することはできない)。

当駅自体が比較的浅い地下にあり次の米野駅も地平のため、同駅方トンネル坑口付近の勾配は25‰で距離も短い。

配線図

近畿日本鉄道 近鉄名古屋駅・米野駅 配線略図
近畿日本鉄道 近鉄名古屋駅・米野駅 配線略図
黄金駅
凡例
出典:[1]、および、[2]
左端が近鉄名古屋駅で白線クロスハッチは降車用ホーム、
中央のトンネル坑口脇が米野車庫、右端が米野駅
地下区間で立体交差するJR在来線・新幹線・あおなみ線の配線は、
本図では省略している。


1・2番線に入線する場合はすべてのホームから出発列車がポイントにいない場合に限り進入可能となり、3-5番線に進入する場合は1・2番線の列車に左右されない。逆に、出発時は3-5番線の列車はすべてのホームへ入線する列車がポイントにいる限り発車できない。

利用状況

当駅の利用状況の変遷を下表に示す。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

  • 輸送実績(乗車人員)の単位は人/年度である。
  • 乗降人員調査結果は任意の1日における値(単位:人)である。調査日の天候・行事などの要因によって変動が大きいので、年度間の比較には注意を要する。

駅周辺

その他の施設は、名古屋駅の駅周辺を参照。

バス路線

歴史

近鉄名古屋線の前身の一つとなる伊勢電気鉄道が名古屋進出を計画した当初は、現在の名古屋駅のかなり南方の地点に設ける予定であった。しかし、国鉄との連絡のため、鉄道省の用地を利用して桜通側に地下ループ線(方向転換を要しない構造)を建設し、その上に駅ビルを建設する計画に変更された。その後、伊勢電気鉄道は伊勢進出で体力を使い切って経営に行き詰まり、大阪電気軌道(大軌)傘下の参宮急行電鉄(参急)に合併され、名古屋進出は大軌・参急などが出資した新設会社の関西急行電鉄(関急)によって果たされる。この時に通常の折り返しターミナル構造に変更されている。

当駅の開業により、大軌グループによって大阪から名古屋に至るまでの路線が完成した。特に、名古屋 - 伊勢間の輸送では鉄道省の運営する参宮線(当時は亀山駅 - 鳥羽駅間)の乗客が7割も減るほどの影響を与えた。

なお、予算の都合から1面1線の配線にする計画も存在したが、結局は将来の発展を見込んで3面3線となった。しかし、それでも戦後の輸送量増加には対応できず、1967年に4面5線への拡幅改造が行われている。

また、1938年の開業後、1941年に隣接して名古屋鉄道(名鉄)の新名古屋駅(現:名鉄名古屋駅)が開業したが、この当時は近鉄名古屋線も狭軌(1067mm)を採用していたため、戦中・戦後を通じて名鉄と線路が接続され、戦後の一時期には、団体専用列車に限って相互直通運転が実施されていた。詳しくは名鉄名古屋駅を参照。

年表

かつての外観
(2005年1月19日撮影)
  • 1938年昭和13年)6月26日 - 関西急行電鉄のターミナルとして開業。当初の駅名は「関急名古屋駅」だった。開業時より地下駅であった。
  • 1940年(昭和15年)1月1日 - 参宮急行電鉄が関西急行電鉄を合併。駅名を「参急名古屋駅」に改称。
  • 1941年(昭和16年)3月15日 - 大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道に改称。駅名を再び「関急名古屋駅」に改称。
  • 1941年(昭和16年)8月12日 - 名古屋鉄道が新名古屋駅(現:名鉄名古屋駅)に乗り入れ。地下連絡開始。
  • 1944年(昭和19年)6月1日 - 関西急行鉄道と南海鉄道が合併し、近畿日本鉄道が成立。駅名を「近畿日本名古屋駅」と改称。
  • 1950年(昭和25年)8月4日 - 名古屋鉄道との団体臨時列車の相互直通運転実施( - 1952年9月30日)。
  • 1959年(昭和34年)11月27日 - 標準軌化工事完成。
  • 1966年(昭和41年)11月 - 名古屋近鉄ビル完成。
  • 1967年(昭和42年)12月1日 - 2面2線増の改良工事完成。
  • 1969年(昭和44年)4月 - 国鉄連絡改札開設。
  • 1970年(昭和45年)3月1日 - 駅名を「近鉄名古屋駅」に改称。
  • 2006年平成18年)3月23日 - 名古屋近鉄ビルが公示地価上昇率1位になる(前年比38%上昇)。
  • 2006年(平成18年)10月14日 - 改札内精算所を移転。自動精算機が更新され、JR線連絡改札口付近にも1台増設された。
  • 2007年(平成19年)4月1日 - PiTaPa使用開始。同時にICOCAとも相互利用開始。

備考

きっぷ、カード、改札等について

正式にアナウンスされてはいないが、新型タイプの自動券売機にスルッとKANSAIカードを挿入することにより乗車券の引き換えが可能であり、実質的には利用することができる。また、パールカード11(回数券カード)はすべての自動券売機で使用可能である。
  • JR連絡改札口では、近鉄側でPiTaPaまたはICOCAを、そしてJR東海側でTOICASuicaSUGOCA、およびmanaca(2012年4月21日より)のいずれかを2枚重ねでタッチすれば、乗り継ぎが可能なシステムを導入している。
    • ICOCAのみでJR連絡改札口を利用することはきない。当改札では、ICOCAは近鉄側のPiTaPaエリアでの相互利用として認識されるものの、JR東海側のTOICA相互利用として認識されないためである。ICOCAのみを使用しJR東海と近鉄を乗り継ぐ場合は、一旦出場する必要がある。この相互利用に関する問題は、桑名駅での乗り継ぎの際にも生じる。
    • また当連絡改札口は、近鉄側からのPiTaPaによる乗り継ぎと、JR東海側からのSuicaまたはmanacaによる乗り継ぎもできない。この乗り継ぎの場合も、一旦出場する必要がある(いずれの利用条件についても、当駅構内およびJR名古屋駅構内の当連絡改札口付近にもその旨の注意書きが掲示されている)。
  • 名鉄連絡改札口には近鉄と名鉄の職員が交代で配置される。近鉄線と名鉄線の普通乗車券を2枚まとめて投入すれば、正しく乗り継ぎ処理が行われる(2012年2月29日までは、名鉄線用にトランパスも利用可能であった)。
    • 近鉄線のPiTaPa・ICOCA取り扱い開始時から約8か月間はICカードに対応していなかったため一旦改札口を出る必要があったが、その後近鉄線のIC乗車カードにも対応するようになった。
    • さらに2011年2月11日からの名鉄線へのmanacaの導入、および2012年4月21日からのTOICA・manacaの相互利用開始にも対応したことで、当連絡改札口では、近鉄線のPiTaPaまたはICOCAと名鉄線の磁気式乗車券の組み合わせ、および名鉄線のmanacaまたはTOICAと近鉄線の磁気式乗車券の組み合わせでの、乗り継ぎも可能である。
    • なお当連絡改札口においては2012年4月21日現在、名鉄線のmanacaまたはTOICAと、近鉄線のPiTaPaまたはICOCAとのIC乗車カードの2枚同時使用による乗り継ぎはできないため、この乗り継ぎの場合、一旦出場する必要がある(いずれの利用条件についても、当駅構内および名鉄名古屋駅構内の当連絡改札口付近にもその旨の注意書きが掲示されている)。
  • 自動精算機が設置される(回数券カード、PiTaPa、ICOCAに対応。ただしスルッとKANSAIカードには非対応)。
  • 特急券および定期券の購入が可能である。
  • 上述の一般用改札口のほかに団体改札口が設置されている。JR名古屋駅広小路口の改札を出た通路を進んだ突き当たりにあり、当駅の正面改札口から各ホームを結ぶ通路に出られるようになっている。使用しないときは、シャッターで閉鎖されている。

到着・発車時の放送

  • 近鉄特急の到着時・発車前の車内チャイムは「思い出」。以前は「この道」であった。
  • 特急の発車時(1分前)に限り、ウェストミンスターの鐘(チャイム)とヨシフ・イヴァノヴィチ作曲の「ドナウ川のさざ波」が発車メロディとして流れる。以前はこの発車メロディのみであったが、後述の自動放送更新後にさらにブザーが加わるようになった。普通、準急、急行、回送電車の発車時はアナウンスとブザーのみである。
  • 自動構内放送は、以前は番線にかかわらず到着時が男声、発車時が女声であったが、2009年12月上旬に自動構内放送が更新され、2・4番のりばが男声、1・3・5番のりばが女声になっている。特急列車以外は到着列車の両数案内もされているが、乗車位置については自動構内放送では案内されていない(主に急行列車の到着前に駅員が乗車位置案内を行う事は多々ある)。なお、自動構内放送の更新に伴い、発車直前の次の停車駅案内はなくなっている。

その他

  • 近鉄の駅では最東端かつ最北端[3]に位置する駅である(最南端は賢島駅、最西端は大阪難波駅)。
  • 開業時からあるホームの柱は丸型で、拡幅されて建設されたホームには角型の柱である。架線は剛体架線を採用している。
  • 駅構内および1階改札口にあるコンビニニエンスストア「K PLAT」では、買い物の決済手段として、PiTaPaとiDが利用可能である。名古屋地区でPiTaPaが使用できる数少ない店舗である。
  • 発車標は都心の主要駅としては南海難波駅京急横浜駅などと並び、2011年6月まで反転フラップ式案内表示機(ソラリー)が使用されていたが、現在は液晶ディスプレイに更新されている。
  • 伊勢神宮参拝などで要人が利用することがあるため、貴賓室が設置されている[4]
  • 2009年3月20日に阪神なんば線が開業したことで山陽網干駅もしくは山陽姫路駅から当駅まで標準軌私鉄の路線が繋がった。しかし、4社通しの切符は現在のところ発売されていない(ICOCA・PiTaPa利用なら4社通しで乗車可能)。

隣の駅

近畿日本鉄道
名古屋線
急行・準急
近鉄名古屋駅 - 近鉄蟹江駅
普通
近鉄名古屋駅 - 米野駅

関連項目

脚注

  1. ^ 川島令三、『全国鉄道事情大研究 - 名古屋都心部・三重篇』、ISBN 978-4-7942-0700-5、168p、草思社、1996
  2. ^ 川島令三 編著、『東海道ライン 全線・全駅・全配線 第4巻 豊橋駅 - 名古屋エリア』、ISBN 978-406-270014-6、15p、 講談社、2009
  3. ^ 2007年(平成19年)9月30日までは現在の養老鉄道揖斐駅が最北端だった。
  4. ^ 首相動静 - 1月4日 asahi.com(2010年1月4日付). 2010年1月24日閲覧

外部リンク