許されざる者 (1992年の映画)
許されざる者 | |
---|---|
Unforgiven | |
監督 | クリント・イーストウッド |
脚本 | デイヴィッド・ウェッブ・ピープルズ |
製作 | クリント・イーストウッド |
製作総指揮 | デヴィッド・ヴァルデス |
出演者 |
クリント・イーストウッド ジーン・ハックマン モーガン・フリーマン リチャード・ハリス |
音楽 | レニー・ニーハウス |
撮影 | ジャック・N・グリーン |
編集 | ジョエル・コックス |
配給 | ワーナー・ブラザーズ |
公開 |
![]() ![]() |
上映時間 | 131分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 |
![]() 米国外:5800万$ 全世界:1億5900万$ |
『許されざる者』(原題:Unforgiven)は、1992年公開のアメリカ映画。製作会社はワーナー・ブラザーズ、監督・主演はクリント・イーストウッド。脚本はデイヴィッド・ウェッブ・ピープルズ。イーストウッドが、師と仰ぐドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げた「最後の西部劇」[1]。
第65回アカデミー賞 作品賞受賞作品。『シマロン』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に続き、アカデミー作品賞を受賞した3作品目の西部劇である。また、2004年に米国連邦議会図書館が新規登録した作品の中の1つである。
作品解説
仮題は『The William Munny Killings』。製作期間は僅か39日で、物語の舞台となった「ビッグ・ウィスキー」という街のセットも32日という短期間で用意された。
イーストウッドはこの映画の脚本を製作の10年以上前から既に買い取っていたが、期間を置いたのは自身が主人公のマニーと同じ年齢になるのを待っていたためである。映画化の権利は元々はフランシス・フォード・コッポラが持っていて土台となる脚本もコッポラとデヴィッド・ピープルズが書いたものである。『マディソン郡の橋』や『ミリオンダラー・ベイビー』など、イーストウッドは現在も出演と製作を頻繁に兼任しているが、当時は「出演と製作の兼任はこれが最後である」と公言していた。
クレジットタイトルには表記されていないが、メインテーマはイーストウッド自身が担当している。
ストーリー
1880年のワイオミング州。小さな牧場を営むウィリアム・ビル・マニーは、かつて列車強盗や殺人で名を馳せた伝説的なアウトローであったが、11年前に妻と出逢ってからは改心し酒も止めていた。二人の子供にも恵まれたが、作物は満足に育たず、3年前に妻にも先立たれてしまった。
そんな或る日、スコフィールド・キッドと名乗る若い賞金稼ぎがマニーを訪れた。キッドによると「泥酔して娼婦の顔を切り刻み、目玉をえぐり出し、乳首を切り取ったカウボーイが、保安官ダゲットの裁量で、馬7頭分の賠償金を支払うという約束だけで自由の身になるという事件が起こった。怒った娼婦たちが、カウボーイを殺した者に1000ドルの賞金を出している」という。キッドは冷酷無比であるという伝説を持つマニーと手を組み賞金を得ようと考えていたのだ。しかしマニーには11年という長いブランクがあった。馬も自由に乗りこなせなくなり、二人の子供もまだ幼い。それでも、不当に殺された娼婦の敵討ちをすれば大金が手に入り、生活が楽になると考えたマニーは悩み抜いた末、再び銃を手に取ることを決意した。マニーはかつての相棒ネッド・ローガンを連れて街へ向かった。
その頃、ダゲットは噂通り暴力的な方法で街を牛耳っていた。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
---|---|---|---|
ソフト | TV | ||
ウィリアム・ビル・マニー | クリント・イーストウッド | 山田康雄 | 瑳川哲朗 |
リトル・ビル・ダゲット | ジーン・ハックマン | 石田太郎 | |
ネッド・ローガン | モーガン・フリーマン | 田中信夫 | 坂口芳貞 |
イングリッシュ・ボブ | リチャード・ハリス | 中村正 | 小島敏彦 |
スコフィールド・キッド | ジェームズ・ウールヴェット | 家中宏 | 佐久田修 |
W・W・ブーシャンプ | ソウル・ルビネック | 牛山茂 | |
ストロベリー・アリス | フランシス・フィッシャー | 藤波京子 | 弥永和子 |
ディライラ・フィッツジェラルド | アンナ・トムソン | 田中敦子 | |
スキニー・デュボイス | アンソニー・ジェームズ | 千田光男 | |
ナレーター | 佐々木勝彦 |
スタッフ
- 監督/製作:クリント・イーストウッド
- 製作総指揮:デヴィッド・ヴァルデス
- 共同制作:ジュリアン・ルドウィッグ
- 脚本:デイヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
- 撮影:ジャック・N・グリーン
- 編集:ジョエル・コックス
- 音楽:レニー・ニーハウス
- キャスティング・ディレクター:フィリス・ハフマン
- プロダクション・デザイン:ヘンリー・バムステッド
- 美術:エイドリアン・ゴートン/リック・ロバーツ
受賞/ノミネート
- 第65回アカデミー賞
- 受賞・・・作品賞/監督賞/助演男優賞/編集賞
- ノミネート・・・脚本賞/主演男優賞/撮影賞/美術賞/音楽賞
- 第50回 ゴールデングローブ賞
- 受賞・・・監督賞/助演男優賞
- ノミネート・・・ドラマ部門作品賞/脚本賞
- 第46回 英国アカデミー賞
- 受賞・・・助演男優賞
- ノミネート・・・作品賞/監督賞/脚本賞/撮影賞/音楽賞
- 第27回 全米映画批評家協会賞 作品賞/監督賞/助演男優賞/脚本賞
- 第57回 ニューヨーク映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第27回 カンザスシティ映画批評家協会賞 作品賞/監督賞/助演男優賞
- 第13回 ロンドン映画批評家協会賞 作品賞
- 第18回 ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/助演男優賞
- 第37回 サン・ジョルディ賞 外国作品賞
- 第18回 報知映画賞 外国作品賞
- 第67回 キネマ旬報ベスト・テン 委員選出外国語映画第1位/外国語映画監督賞
- 第48回 毎日映画コンクール 外国映画ベストワン賞
- 第6回 日刊スポーツ映画大賞 外国作品賞
エピソード
![]() | この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- マニーの子供の名前はそれぞれ「ウィル」と「ペニー」であるが、これはチャールトン・ヘストン主演の映画『ウィル・ペニー』の作品名に因むものである。
- イーストウッドが劇中で着用したブーツは、30年以上前にイーストウッドが『ローハイド』で実際に着用していた物である。
- イーストウッドがハックマンに対し要求した役のモデルは、ロサンゼルス市警の元本部長であるダリル・ゲイツである。
- ハリスが電話で出演依頼をされた際、偶然にもイーストウッドが出演と製作を担当した西部劇映画を観賞していたという。
光ディスク
製作10周年を迎えた2002年11月8日にDVD『許されざる者 スペシャル・エディション』が発売された(2005年9月2日に再発売)。また、2007年4月20日に第3世代型光ディスクであるHD DVDとBlu-ray Discで発売。いずれも特典映像および音声が収録されている。なお、収録内容は全ての記録媒体において等しい。
映像特典
- 10周年記念ドキュメンタリー
- メイキング映像
- イーストウッド・ドキュメンタリー
- イーストウッド・オン・イーストウッド
- マーベリック:Duel at the Sundown
音声特典
- 映画評論家リチャード・シッケルによる音声解説
脚注
外部リンク
- 許されざる者 - Rotten Tomatoes(英語)
- 許されざる者 - Box Office Mojo(英語)