炎のランナー
| 炎のランナー | |
|---|---|
| Chariots of Fire | |
| 監督 | ヒュー・ハドソン |
| 脚本 | コリン・ウェランド |
| 製作 | デヴィッド・パットナム |
| 製作総指揮 | ジェイク・エバーツ ドディ・ファイド |
| 出演者 | ベン・クロス イアン・チャールソン イアン・ホルム |
| 音楽 | ヴァンゲリス |
| 主題歌 | 『タイトルズ』 |
| 撮影 | デヴィッド・ワトキン |
| 編集 | テリー・ローリングス |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 124分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | 550万$ |
| 興行収入 | $58,972,904[1] |
『炎のランナー』(ほのおのランナー、原題: Chariots of Fire)は、1981年公開のイギリス映画。監督はヒュー・ハドソン。第54回アカデミー賞作品賞受賞作品。当時の時代背景の中で権威主義的排他的なイギリスを描きながらもイギリス的尊厳を彫り込んだ作品になっている。
目次 |
概要 [編集]
走ることによって栄光を勝ち取り真のイギリス人になろうとするユダヤ人のハロルド・エーブラムスと、神のために走るスコットランド人宣教師エリック・リデル、実在の二人のランナーを描いている。舞台は1919年、エーブラムスが入学するケンブリッジ大学と、リデルが伝道活動をする北スコットランド・エディンバラから、1924年のパリオリンピックへと移ってゆく。
おおむね実話に基づいているが、リデルと妹の確執、エーブラムスと友人モンタギューの関係、エーブラムスとシビルの出会いなど、いくつかは映画用に潤色されている。ヴァンゲリスが作曲したサウンドトラックの中の『タイトルズ』は、日本でも耳にする機会の多い有名な曲となった。
原題について [編集]
" Chariots of Fire " というタイトルはウィリアム・ブレイクの『ミルトン』の序詩"And did those feet in ancient time"からとられている。詩では "chariot of fire" と単数形。ブレイクがモチーフとしたのは、旧約聖書『列王記』においてエリヤが炎の戦車(Chariot)に乗って地上を見下ろすシーンである。
以下は詞の抜粋である。
|
Bring me my bow of burning gold! |
わが燃えたぎる黄金の弓をもて |
この詩はチャールズ・ヒューバート・パリーによって1916年に曲をつけられており、英国では愛国歌として歌われている『エルサレム』である。映画のラストで聖歌隊によって歌われている。
キャスト [編集]
| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
|---|---|---|
| ハロルド・エーブラムス | ベン・クロス | 野島昭生 |
| エリック・リデル | イアン・チャールソン | 田中秀幸 |
| サム・ムサビーニ | イアン・ホルム | 千葉耕市 |
| アンドリュー・リンゼイ卿[2] | ナイジェル・ヘイヴァース | 塩沢兼人 |
| オーブリー・モンタギュー | ニック・ファレル | 神谷和夫 |
| ジェニー・リデル | シェリル・キャンベル | 高島雅羅 |
| シビル・ゴードン | アリス・クリーグ | 有馬瑞香 |
| ヘンリー・スタラード | ダニエル・ジェロル | 江原正士 |
| サンディ・マクグラス | スチュアート・ロジャー | 千田光男 |
| 皇太子 | デイビッド・イェランド | 鈴置洋孝 |
| バーケンヘッド卿 | ナイジェル・ダヴェンポート | 大宮悌二 |
| ケンブリッジ大学門衛主任 | リチャード・グリフィス |
あらすじ [編集]
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
1978年のロンドン、ハロルド・エーブラムス追悼の礼拝が始まり、アンドリュー・リンゼイ卿がスピーチを行っていた。物語は、彼らが胸には希望を抱き、踵には翼をつけて[3]、走ることに夢中だった時代へさかのぼる。
1919年、ケンブリッジ大学に入学したハロルド・エーブラムス。彼はユダヤの血をひいているため、潜在的な差別と偏見を受けており、その鬱憤をぶつけるように陸上競技にのめりこむ。障害物のアンドリュー、中距離のオーブリーとヘンリーとともに「ケンブリッジ大学4人組」として華々しい活躍をしていた。
スコットランドには、宣教師の家に生まれたエリック・リデルがいた。彼にとって、自らの才能によって競技会で勝利することは神の恩寵を示すもの、つまり走ることは信仰と同義だったが、妹のジェニーは彼が陸上に熱中することを好ましく思っていない。しかし、父や兄は彼が競技を続けることを奨励し、スコットランド代表として大会出場する際には彼の伝道スピーチが併せて行われ、多くの人々が聞き入った。
1923年、ハロルドは競技会でエリックに敗北し、激しいショックを受ける。そこへサム・ムサビーニが現れ、ハロルドは彼から本格的な指導を受ける。一方エリックはジェニーに、中国へ布教に赴く決意と、その前にオリンピックに出場すると言う決意を伝えた。
ハロルドはケンブリッジ大学のトリニティとキース双方の寮長から呼び出され、非英国系かつプロコーチのムサビーニを雇っていることはアマチュアリズムに反し大学にもふさわしくないと批判を受ける。二人に反論して退出したハロルドは、友人達から100mと200mのパリ五輪代表に選出され、エリックも代表であることを告げられる。
ドーヴァーからパリへの出航の日、エリックは、記者から予選の日が日曜日(=安息日)であることについて質問を受け、初めてその事態について知る。敬虔なキリスト教徒である彼は、選手団長のバーケンヘッド卿に相談し、日程変更を掛け合ってもらうことになった。しかし、事態は好転しないまま、パリへ到着する。英国チーム最大のライバルは、近代的なトレーニングを積み、士気も高い米国チームであり、C・パドック、フィッチ、ショルツといった強豪選手が名を連ねていた。
5月4日、パリ五輪が開会した。期間中に開かれた親善パーティの席上、エリックはデイヴィッド王太子・サザーランド公・カドガン卿ら、英国オリンピック委員会の要人に引き合わされる。結局、対仏交渉は不調に終わっており、エリックは祖国と国王への忠誠のため出場するよう説得されるが、神への信仰はそれに勝るとして拒否する。そこへ、貴族であるアンドリューが入室し、出場種目を変更するよう、つまりアンドリューが400mの代表枠を譲ると提案する。全員が賛成し、エリックは100mを棄権した。
200mに出場したハロルドは、パドックに敗北し、ムサビーニから叱咤される。100m出場を目前に、ハロルドは不安な心情をオーブリーに吐露する。直接、競技場へ行かないムサビーニは、ハロルドへの手紙に お守りを同封した。王太子の激励、アメリカの応援団、レースへの緊張が高まっていく。ハロルドは100mで優勝した。ムサビーニも、英国国歌吹奏とともに最も高い所に掲げられたユニオンジャックをホテルから見、ハロルドの優勝を知る。英国本国の人々も、彼の優勝を知り喜ぶが、ハロルドの心は晴れない。ムサビーニはそんなハルロドに深夜まで付き合って慰労するとともに、恋人と新生活へ歩むよう勧めた。
400mに出場するエリックに、アメリカ選手は警戒する。ショルツは旧約聖書の一節を記したメモをエリックに渡した。エリックはそれを握りしめてレースに臨む。要人や英国チームの選手達、そして妹のジェニーが見守る中、彼は優勝した。英国へ戻った彼らは大歓声で迎えられるヒーローだった。エリックやアンドリューが迎えられ、静けさの戻った駅に、一人降り立ったハロルドは、愛するシビルと再会し、二人で肩を寄せあい歩み始めるのだった。
再び1978年、『エルサレム』の合唱で、追悼礼拝は終わり、アンドリューとオーブリーは「彼は勝った」と、ハロルドを思い出すのだった。
評価 [編集]
1999年に英国映画協会が選出したTop 100 British filmsにおいて、19位にランクインしている。
受賞・ノミネート [編集]
| 映画祭・賞 | 部門 | 候補 | 結果 |
|---|---|---|---|
| アカデミー賞 | 作品賞 | 『炎のランナー』 | 受賞 |
| 助演男優賞 | イアン・ホルム | ノミネート | |
| 監督賞 | ヒュー・ハドソン | ノミネート | |
| 編集賞 | テリー・ローリングス | ノミネート | |
| 衣裳デザイン賞 | ミレーナ・カノネロ | 受賞 | |
| 脚本賞 | コリン・ウェランド | 受賞 | |
| 作曲賞 | ヴァンゲリス | 受賞 | |
| 英国アカデミー賞 | 作品賞 | 『炎のランナー』 | 受賞 |
| 助演男優賞 | イアン・ホルム | 受賞 | |
| ナイジェル・ヘイヴァース | ノミネート | ||
| 監督賞 | ヒュー・ハドソン | ノミネート | |
| 脚本賞 | コリン・ウェランド | ノミネート | |
| 作曲賞 | ヴァンゲリス | ノミネート | |
| 撮影賞 | デヴィッド・ワトキン | ノミネート | |
| 衣裳デザイン賞 | ミレーナ・カノネロ | 受賞 |
その他 [編集]
- 本作で技術指導を務めたトム・マクナブは、後に小説『遙かなるセントラルパーク』を発表し、ベストセラーとなった。長距離マラソン大会に出場する人物たちの群像劇である。
- 本作のプロデューサーはハロッズオーナーの息子であり、ダイアナ妃死亡時に死亡したドディ・アルファイド。
2012年ロンドン・オリンピック [編集]
- 2012年ロンドン・オリンピック開催を記念し、本作が舞台でリメイクされた。
- 開会式ではセント・アンドリュースのウエストサンド沿いをランナーたちが走る有名なシーンが上映され、テーマ曲が演奏された。そしてシークエンスにMr.ビーン(ローワン・アトキンソン)が紛れ込むというコミカルな演出がなされた。
- 表彰式においてテーマ曲が流された。
脚注 [編集]
- ^ “Chariots of Fire (1981)” (英語). Box Office Mojo. 2011年6月2日閲覧。
- ^ モデルは、1928年のアムステルダム五輪金メダリストのデヴィッド・バーリー卿
- ^ ギリシャ神話のヘルメス(=ローマ神話のメルクリウス)の伝承
関連項目 [編集]
- 炎のランナー (アルバム) - ヴァンゲリスのこの映画のオリジナル・サウンドトラック
- パブリック・スクール
外部リンク [編集]
- 炎のランナー - allcinema
- 炎のランナー - KINENOTE
- Chariots of Fire - AllMovie(英語)
- Chariots of Fire - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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