蒲郡駅

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蒲郡駅
南口駅前広場(2008年7月)
がまごおり
Gamagōri
所在地 愛知県蒲郡市
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海・駅詳細
名古屋鉄道(名鉄・駅詳細
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蒲郡駅(がまごおりえき)は、愛知県蒲郡市元町および港町にある、東海旅客鉄道(JR東海)・名古屋鉄道(名鉄)のである。

概要

蒲郡市の中心駅で、「観光交流立市宣言」をした観光の街「蒲郡」の玄関口である。JR東海・名鉄ともに駅員が配置されている。かつてはJR東海と名鉄の共同使用駅であったが、蒲郡駅付近連続立体交差事業(鉄道高架化)の完了により、駅舎改札が分離された。

JR東海の東海道本線と、名鉄の蒲郡線が乗り入れ、接続駅となっている。蒲郡線は当駅が終点となっている。1888年(明治21年)に官設鉄道(現在の東海道本線)浜松駅 - 大府駅間の開通と同時に開業し、のちの1936年昭和11年)に三河鉄道(現在の名鉄蒲郡線)が乗り入れた。なお駅設置当時、駅が所在していた当時の蒲郡村は「かまごおり」と読んでいたが駅は「がまごおり」で開業しており、これが現在の「がまごおり」読みのルーツとされている。

蒲郡駅周辺の鉄道高架化事業(正式名称:蒲郡駅付近連続立体交差事業)は、踏切による交通渋滞事故、鉄道による市街地分断を解消し、魅力的で質の高い街づくりを目的とするもので、高架化および南口再開発2008年平成20年)3月に完了した[1]。南北連絡通路コンコース)の完成で南北地下道は廃止されたが、北口周辺の地下街は現在も営業中である。今後は北口広場において既存の市営駐車場駐輪場を高架下に移設し、北口広場の再整備を行い、既存施設の移動が完了次第、コンコース西側の高架下(1,191m2)に「観光交流センター」や誘客効果が見込める有名店を含む商業施設を設置する予定である。これらの施設は当初2011年(平成23年)の開業が予定されていたが[2]、工事発注の遅れがあって先延ばしになっており2013年(平成25年)3月ごろの完成を目指している。

かつては南口から竹本油脂本社工場と日本通運蒲郡支店への貨物専用線[3]が伸びていた。現在は南口土地区画整理事業が完了し、当時の面影はほとんど残っていないが、蒲郡市民会館臨時駐車場に当時の枕木レールが保管されている。

歴史

地上仮駅舎時代の北口

駅構造

高架駅。南北連絡通路を挟んで、JR東海・名鉄の改札口がそれぞれ設置されている。コンコースは広めに確保されている。

JR東海

JR 蒲郡駅
北口(2008年6月)
がまごおり
Gamagōri
三河三谷 (2.3 km)
(2.3 km) 三河塩津
所在地 愛知県蒲郡市元町1-1
北緯34度49分22.972秒 東経137度13分34.874秒 / 北緯34.82304778度 東経137.22635389度 / 34.82304778; 137.22635389
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 東海道本線
キロ程 310.6 km(東京起点)
電報略号 コリ
駅構造 高架駅
ホーム 2面4線
乗車人員
-統計年度-
7,428人/日(降車客含まず)
-2013年-
開業年月日 1888年明治21年)9月1日
備考 駅長配置駅管理駅
みどりの窓口
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島式ホーム2面4線を使用している。内側の2・3番線が本線、外側の1・4番線が待避線副本線)で、朝・夕方には普通・快速の緩急接続が行われている。

ホームは2005年(平成17年)に高架化された。高架化以前は北口側に駅舎があり、駅舎とJR東海・名鉄のホームを結ぶ跨線橋があった。この跨線橋は「鉄道院明治43年」の文字が刻まれた歴史あるもので、1953年(昭和28年)の東海道本線電化で約1mかさ上げされ、高架化工事による仮設跨線橋の供用開始まで使用された。

貨物営業を行っていた頃は、駅舎東側に1面1線の有蓋車用貨物ホームがあり、駅南側には竹本油脂本社工場専用線「竹本1番線(有効長52m)」「竹本2番線(有効長31m)」と国道23号線を横切り三河港木材埠頭へ伸びる日本通運蒲郡支店「日通専用線(約500m)」(当初は日本通運と三和倉庫などで出資の臨港線)の貨物専用線があった。戦前旧海軍貯木場の木材輸送、戦後は蒲郡港へ運搬船で運ばれてきた石炭輸送が主な輸送品であった。運行は日本国有鉄道(国鉄)が代行していた。

駅長駅員配置駅(直営駅)である。管理駅として、蒲郡市内にある3駅(三河大塚駅三河三谷駅三河塩津駅)を管理している。

駅構内には、みどりの窓口がある。TOICAおよびTOICAと相互利用しているIC乗車券の利用が可能であり、TOICA対応のタッチパネル式自動券売機3台と自動精算機がある。また改札口と各ホームにLED発車案内板、各ホームにエレベーターエスカレータが設置されている。

なお、2007年から2008年にかけて東海地方で放映されたTOICAのテレビコマーシャルは蒲郡駅改札口付近で撮影された。

のりば

番線 路線 方向 行先
1・2 東海道本線 上り 豊橋浜松方面[8]
3・4 東海道本線 下り 岡崎名古屋方面[8]

駅構内施設

コンコース JR改札口 JR東海道本線ホーム
コンコース
JR改札口
JR東海道本線ホーム


名古屋鉄道

名鉄 蒲郡駅
南口(2008年7月)
がまごおり
GAMAGŌRI
◄GN21 蒲郡競艇場前 (2.3km)
所在地 愛知県蒲郡市港町1-1
駅番号 GN  22 
所属事業者 名古屋鉄道(名鉄)
所属路線 蒲郡線
キロ程 17.6 km(吉良吉田起点)
駅構造 高架駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度-
(統計年度:2013年)
1,385人/日(降車客含まず)
乗降人員
-統計年度-
(統計年度:2013年[9]
2,741人/日
開業年月日 1936年昭和11年)7月24日
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島式ホーム1面2線を使用している。ホームの有効長は4両分で、電車はホーム中央付近に停車する。かつては行灯式発車案内板があったが、現在の電車は全て吉良吉田駅普通電車のため、撤去された。終日駅員配置駅である。電車はワンマン運転であるが当駅は有人駅かつ終着駅であるため途中の駅とは異なり、到着するとホーム側の全てのドアを開ける。自動券売機タッチパネル式のものが1台あるが、自動改札機および自動精算機は設置されていない。ホームにはエレベーターが設置されている。以前の名鉄のホーム番号は国鉄・JRからの通しで5・6番線であったが、改札の分離に伴い1・2番線となった。

manacaに関しては、対応する設備が一切設置されていないため取り扱いを行っていない。券売機での乗車券購入・窓口の対応も不可(TOICAとmanacaが乗車券機能の相互利用を行っているため、JR蒲郡駅ではmanacaの利用は可能)。

2012年2月29日に利用終了となったトランパスの利用可能エリアからは外れていたが、当駅から乗車してトランパス対応駅(精算機または窓口での精算が可能な駅)で下車する場合は、当駅の自動券売機で無料発行される乗車駅証明書を持って乗車し、下車駅での精算という形でトランパスが使用できた。

1972年(昭和47年)4月1日に名鉄が高架化された際、南口には1階にバスターミナルを設けた5階建ての「名鉄蒲郡駅ビル」を同年12月に竣工させた。しかしテナントの相次ぐ撤退や観光客減少のため、蒲郡駅周辺連続立体交差事業の際に解体された。また、ホームは当初立体交差事業により建て替えられる予定であったが、従来のものをリニューアルして継続利用している。蒲郡線の立体交差部分延長に伴う工事に際しては、一時的に東海道本線旧下り地上ホームを使用していた時期もある。

2008年(平成20年)6月29日より名鉄蒲郡線は全列車が当駅 - 吉良吉田駅間の2両編成折り返しワンマン運転となった。そのため通常はホーム両端の1両分ずつには電車が停車しない。

バックミラーが設置されている2番線が主に使用され、1番線は深夜留置臨時団体列車等を除きほとんど使用されていない。

のりば

名鉄蒲郡駅プラットホーム
番線 路線 行先
1・2 蒲郡線 西浦吉良吉田方面

駅構内施設

名鉄改札口 名鉄蒲郡線ホーム
名鉄改札口
名鉄蒲郡線ホーム


配線図

蒲郡駅 構内配線略図



豊橋方面
蒲郡駅 構内配線略図

吉良吉田方面

岡崎・
名古屋方面
凡例
出典:[10]
黒線が東海道本線、赤線が蒲郡線


利用状況

  • 「愛知県統計年鑑」および「蒲郡の統計」によると、近年の1日の平均乗車人員の推移は以下の通りである。
年度 JR東海 名古屋鉄道
1995年 7,254 2,007
1996年 7,125 1,863
1997年 6,789 1,737
1998年 6,500 1,470
1999年 6,358 1,419
2000年 6,634 1,364
2001年 6,755 1,298
2002年 6,959 1,329
2003年 6,932 1,417
2004年 6,885 1,322
2005年 6,771 1,364
2006年 6,907 1,421
2007年 7,118 1,443
2008年 7,260 1,429
2009年 7,192 1,389
2010年 7,263 1,392
2011年 7,193 1,340
2012年 7,280 1,336
2012年 7,428 1,385
  • 『名鉄120年:近20年のあゆみ』によると2013年度当時の1日平均乗降人員は2,741人であり、この値は名鉄全駅(275駅)中154位、 西尾線・蒲郡線(23駅)中8位であった[9]
  • 『名古屋鉄道百年史』によると1992年度当時の1日平均乗降人員は4,498人であり、この値は岐阜市内線均一運賃区間内各駅(岐阜市内線・田神線・美濃町線徹明町駅 - 琴塚駅間)を除く名鉄全駅(342駅)中103位、 西尾線・蒲郡線(24駅)中4位であった[11]

駅周辺

北口

北口駅前広場は1967年(昭和42年)12月5日の広場完成時とほぼ同じ構造で、西側がタクシープールおよびタクシーのりば、東側が市営駐車場および自家用車専用乗降場である。バスのりばは駅前の道路上に通常のバス停同様に設置されている。愛知県下でも早期に完成した地下道・地下街は、高架化完成に伴い閉鎖された南北地下道を除き引き続き供用されている。かつては北口側がより賑わっていたが、セイフーヤオハン)蒲郡店の撤退や駅前ビルの空室が目立ち、現在では南口側に取って代わられた感がある。今後は北口駅前広場の整備が予定されている。

南口

アメリカズカップ挑戦艇

南口駅前広場は、かつては西側(蒲郡駅南交差点)が駅前広場への車両入口、東側(港町3東交差点)が駅前広場からの車両出口となっており完全な一方通行になっていた。2008年の高架化事業に際して整備され、総面積は全体で約12,000m2に拡張された。西側(約2,800m2)がタクシープールおよびタクシーのりば、市営駐車場および自家用車専用乗降場、東側(約3,600m2)がバスのりばおよび竹本油脂専用となっている。バスのりば中心には観光交流立市「蒲郡」を象徴するモニュメントとしてアメリカズカップに参戦した「ニッポン・チャレンジ」のヨット(JPN-3)が設置されている(同チームのベースキャンプ地は蒲郡港であった)。南口駅前広場から竹島埠頭へ続く道路は50m道路として整備されメインストリートとなっている。

道路・交通機関

公共施設・教育施設

金融機関・郵便局

商業施設

宿泊施設

バス路線

南口バスのりば

蒲郡駅前バス停(南口)

  • 1番のりば(ラグーナ方面のりば) 名鉄バス東部:蒲郡市内線・ラグーナ蒲郡線
    • 丸山住宅行き(竹島遊園・三谷温泉ラグーナ蒲郡三河大塚駅経由)
    • ラグーナ蒲郡行き(竹島遊園・三谷温泉経由)
    • 【直行便】ラグーナ蒲郡行き
    • 三河大塚駅行き(竹島遊園・三谷温泉・ラグーナ蒲郡・ラグーナヒル経由)
    • 【直行便】三河大塚駅行き(ラグーナ蒲郡・ラグーナヒル経由)
  • 2番のりば(市民病院方面のりば) 名鉄バス東部:豊橋線・蒲郡市内線・西浦病院循環線
    • 豊橋駅前行き(蒲郡市民病院前・竹島遊園・三谷温泉・ラグーナ蒲郡・三河大塚駅・丸山・前芝経由)
    • 蒲郡市民病院前行き(蒲郡駅北口・蒲郡高校前経由)
    • 西浦病院循環線 - 市民病院方面(竹島遊園・八百富町経由)
  • 3番のりば(西浦方面のりば) 名鉄バス東部:西浦病院循環線
    • 西浦温泉前行き(競艇場前・前野口・形原駅前・西浦駅前経由)
    • 西浦病院循環線 - 西浦温泉前方面(競艇場前・前野口・形原駅前・西浦駅前経由)
    • 形原温泉あじさい祭り会場直行バス「あじさい号」※形原温泉あじさい祭り期間に運行
  • 4番のりば
  • 5番のりば
    • その他(予備)
  • 6番のりば
  • BOATRACE蒲郡無料バスのりば
    • BOATRACE蒲郡行き専用

蒲郡駅北口バス停

  • 名鉄バス東部 蒲郡市内線
    • 蒲郡市民病院行き(蒲郡高校前経由)
    • 丸山住宅行き(蒲郡駅前・竹島遊園・三谷温泉・ラグーナ蒲郡・三河大塚駅経由)
  • 愛知県立豊橋特別支援学校Bコース蒲郡線乗り場

隣の駅

東海旅客鉄道
東海道本線
特別快速
豊橋駅 - 蒲郡駅 - (一部幸田駅) - 岡崎駅
新快速
豊橋駅 - (一部三河大塚駅又は三河三谷駅) - 蒲郡駅 - (一部幸田駅) - 岡崎駅
快速
豊橋駅 - (一部三河三谷駅) - 蒲郡駅 - (一部幸田駅) - 岡崎駅
区間快速・普通
三河三谷駅 - 蒲郡駅 - 三河塩津駅
名古屋鉄道
蒲郡線
蒲郡競艇場前駅 - 蒲郡駅

脚注

  1. ^ 2008年3月27日付東日新聞
  2. ^ 2008年6月25日付東日新聞
  3. ^ 蒲郡駅-蒲郡港岸壁間1.1km『地方鉄道及軌道一覧 : 昭和18年4月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 新實守 著「三鉄ものがたり」、徳田耕一 編『名鉄の廃線を歩く』JTB、2001年、158頁。ISBN 978-4533039232 
  5. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、900頁。 
  6. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、1012頁。 
  7. ^ 「鉄道記録帳2003年4月」『RAIL FAN』第50巻第7号、鉄道友の会、2003年7月1日、23頁。 
  8. ^ a b 駅構内の案内表記。これらはJR東海公式サイトの各駅の時刻表で参照可能(駅掲示用時刻表のPDFが使われているため。2015年1月現在)。
  9. ^ a b 名鉄120年史編纂委員会事務局(編)『名鉄120年:近20年のあゆみ』名古屋鉄道、2014年、160-162頁。 
  10. ^ 川島令三、『東海道ライン 全線・全駅・全配線 第4巻 豊橋駅 - 名古屋エリア』、p.9、 講談社、2009年6月、ISBN 978-4062700146
  11. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、651-653頁。 

関連項目

外部リンク