フーコーの振り子
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フーコーの振り子（フーコーのふりこ、フランス語：Pendule de Foucault）は、長い振り子（通常10m以上）の底に質量の大きいおもりをつけたもので、地球が自転していることの証明に使用される。レオン・フーコーが1851年1月8日にパリのパンテオンで公開実験を行い、地球の自転を証明した。
概要
フーコーの時代、地球の自転は常識となりつつあったが、それを物理的に証明する方法は開発されていなかった。フーコーは、振り子を振れさせると、赤道以外の場所では、地球の自転によって振り子の振動方向がみかけ上少しずつ回転するようにずれていく（北半球では右回りに、南半球では左回りに）はずだと考えた。1851年にまず自宅地下室で2mの振り子を用いて実験を行い、同年2月パリ天文台にて公開実験を行って、成功を収めた。さらにナポレオン3世の厚意により、同年3月から12月にかけてパンテオンにて公開実験が行われた。このとき用いた振り子は、パンテオンの大ドームから全長67mのワイヤーで28kgのおもりを吊るしたものであった。この振り子のオリジナルは、パリのメチエ博物館に保存されている。また公開実験が行われたパンテオン内でも振り子の展示を見ることができる。
フーコーの振り子は、コリオリの力が関係している。このため、この振り子の発明者はフーコーではなくガスパール＝ギュスターヴ・コリオリだと言われることがあるが、実際にはコリオリは自身の発見したコリオリの力が地球の自転の証明に使えるとは考えなかった。
フーコーは在野の研究者で、いわゆる職業科学者ではなかったため、公開実験を見た科学者たちは、このような簡単な実験は既に誰かが思いついて行っているはずだと考え、過去の記録をあたったが、そのようなものは存在しなかった。
フーコーの振り子が1周するのに必要な時間は、次の式で表される。この式もフーコーが発見した。
- 1周に必要な時間（日） = 1日/sinθ（ここでθは振り子の場所の緯度）
- 時間で計算するには、24時間/sinθ
この式が正しいことは、後に他の科学者によって証明された。フーコー自身は式は提示したが証明は行っていない。
フーコーの振り子が見られる場所
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- 札幌市青少年科学館（北海道札幌市）[1]
- 弘前大学文京キャンパス（青森県弘前市） - 理工学部棟に日本最大[2]のフーコーの振り子が設置されている。
- 霞城セントラル山形県産業科学館（山形県山形市） - 2～4階の吹抜けに設置。
- 宮城県宮城第一高等学校（宮城県仙台市)
- 郡山女子大学（福島県郡山市） - 創学館に18m/60kgの振り子が設置されている。
- 栃木県子ども総合科学館（栃木県宇都宮市）
- さいたま市青少年宇宙科学館（埼玉県さいたま市）
- 茨城大学工学部（茨城県日立市）4階から1階までの高さのフーコーの振り子が常設展示。
- 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校（千葉県千葉市）
- 渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校（東京都渋谷区）
- 東京ディズニーシー(千葉県浦安市) - フォートレス・エクスプロレーションのペンデュラムタワーに常設展示。
- 国立科学博物館（東京都台東区） - 日本館地下1階に、4階から地下1階までの高さの大きなフーコーの振り子が常設展示。
- 葛飾区郷土と天文の博物館（東京都葛飾区）
- 千代田区立九段中等教育学校（東京都千代田区）
- 東京都立日比谷高等学校（東京都千代田区） - 約1/10の大きさの模型が設置されている。
- 東京学芸大学（東京都小金井市） - 自然科学系研究棟1号館に設置されている。実験の授業で活用されている。
- 工学院大学附属高等学校（東京都八王子市） - イベントの際に4階から1階までの高さの大きなフーコーの振り子が展示される。
- 自修館中等教育学校（神奈川県伊勢原市） - らせん階段中央に5階から2階までの高さの大きなフーコーの振り子がある。
- 慶應義塾高等学校（神奈川県横浜市）
- 横浜市立南高等学校（神奈川県横浜市）
- 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校（神奈川県横浜市）
- 新潟県立自然科学館（新潟県新潟市）
- 富山県立高岡高等学校（富山県高岡市）
- 山梨県立科学館（山梨県甲府市）
- 岐阜市科学館（岐阜県岐阜市）
- 浜松科学館（静岡県浜松市）
- 名古屋市科学館（愛知県名古屋市） - 生命館の吹き抜けに設置されている。[3]
- 大阪大学豊中キャンパス（大阪府豊中市） - 理学部棟にフーコーの振り子が設置されている。
- 常翔学園高等学校（大阪府大阪市） - 北館高層棟の吹き抜けに設置されている。
- 仰木西公園「宇宙の窓」(滋賀県大津市) 昭和61年完成 施主:住宅・都市整備公団関西支社仰木地区開発事務所
- 京都市青少年科学センター（京都府京都市）
- 京都市立堀川高等学校（京都府京都市）
- 奈良県立奈良高等学校（奈良県奈良市）- 4階建ての北館の南西端に、屋上から地上に降ろす形で設置されている。
- 神戸市立青少年科学館（兵庫県神戸市）
- 姫路科学館（兵庫県姫路市）
- 就実高等学校 （岡山県岡山市）
- あすたむらんど徳島（徳島県板野郡板野町）
- 愛媛大学城北キャンパス（愛媛県松山市）
- 九州大学伊都キャンパス（福岡県福岡市） - 工学部棟にフーコーの振り子が設置されている。
- 福岡県立八幡高校(福岡県北九州市) - 本館中央吹き抜け部分に設置されている。
- 大分県教育センター
- 福済寺（長崎県長崎市） - 境内の観音立像の内部にフーコーの振り子がある。
- 東海大学熊本キャンパス（熊本県熊本市） -本館の中庭に設置されている。
- 鹿児島市立科学館（鹿児島県鹿児島市）
- 鹿児島県立錦江湾高等学校（鹿児島県鹿児島市） -本館の中央吹き抜け部分に設置されている。
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参考文献
- アミール・D.アクゼル 著、水谷淳 訳『フーコーの振り子 : 科学を勝利に導いた世紀の大実験』早川書房、2005年。ISBN 4-15-208680-7。
