渋谷教育学園渋谷中学高等学校

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渋谷教育学園渋谷中学高等学校
地図北緯35度39分50.1秒 東経139度42分10.9秒 / 北緯35.663917度 東経139.703028度 / 35.663917; 139.703028座標: 北緯35度39分50.1秒 東経139度42分10.9秒 / 北緯35.663917度 東経139.703028度 / 35.663917; 139.703028
過去の名称 中央女学校
渋谷商業実践女学校
渋谷女子商業学校
渋谷高等女学校
渋谷中学校・高等学校
渋谷女子中学校・高等学校
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人渋谷教育学園
設立年月日 1924年
創立記念日 2月26日
共学・別学 男女共学
中高一貫教育 完全一貫制
課程 全日制課程
設置学科 普通科
学期 3学期制
学校コード C113311300051 ウィキデータを編集(中学校)
D113311300059 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 13552G
所在地 150-0002
東京都渋谷区渋谷1-21-18
外部リンク 渋谷教育学園渋谷中学高等学校
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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渋谷教育学園渋谷中学高等学校(しぶやきょういくがくえん しぶやちゅうがくこうとうがっこう、英語: Shibuya Education Academy Shibuya Junior & Senior High School[注 1]は、東京都渋谷区渋谷一丁目に所在する男女共学私立中学校高等学校略称は、渋渋[1]

高等学校からの入学者を募集しない完全中高一貫校である。

姉妹校である渋谷教育学園幕張中学校・高等学校千葉市美浜区)と教育理念を同じにしている。

概要[編集]

2001年まで開校していた渋谷女子中学校・高等学校を前身とし、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校での教育実践手法を渋谷の地で実現すべく、1996年平成8年)に改組し、設立された完全中高一貫校である。

渋谷という地の利を活かし、自由で「自調自考」の理念の下、国際社会に対応できる人材の養成が行われている。隣接して同学校法人により英国人子弟のための「ブリティッシュ・スクール・イン・東京」が設置されている。海外の大学への進学のためのガイダンスが行われている。

「自調自考」は学校行事(現地集合・現地解散など)や入試問題(暗記に終始せず、理由も問う問題)などにも現れている。また、授業は教諭と生徒で作り上げるものとし、「シラバス」を配布している。国内の大学だけでなく海外の大学進学にも力を入れ、海外生活を一度もしたことがない一般入学の生徒でも海外大学に進学できるような教育が行われている。実際、国内の高校別海外大学合格者数では全国トップレベルとなっている。

開校時に竣工した校舎は地上10階・地下2階であり、最先端の教育工学が取り入れられている[2](10階、地下2階は生徒立ち入り禁止)。運動施設については1階に第一体育館、地下1階に講堂と体育兼用のメモリアルホールがあり、隣接地に第二体育館があるが、屋外運動施設はテニスコート1面しかなく、多摩川河川敷に「登戸グラウンド」と「宿河原グラウンド」がある。しかし、これらのグラウンドは一部の部活動でしか使われず、ほとんどの生徒が足を踏み入れることはない。

教育方針[編集]

  • 「自調自考」:基本理念。自らの体で調べ、自らの心で考える。
  • 「高い倫理感」:若人の倫理的潔癖さを尊重し、心性の成長・陶治を目指す。
  • 「国際人としての資質を養う」:国際理解へのより一層の視野の拡大をはかる。

沿革[編集]

  • 1924年 - 実業家の小池茂實(1882-1943、長野県出身[3])と小池慶三により豊多摩郡和田堀之内村和泉(現:杉並区)に中央女学校開校(校長・小池澄)[4][5]。無試験入学の私立学校で、4年制の女学科と2年制の裁縫科があった[6]。のちに中村善造と川田てつが同郡代々木八幡町幡ヶ谷(現:渋谷区)で経営[5]
  • 1933年 - 中央女学校が休校。
  • 1934年 - 渋谷区渋谷の現在地に移転して再開、渋谷商業実践女学校に改称。
  • 1943年 - 愛泉女学校・東洋家政女学校を統合して、渋谷女子商業学校に改称。
  • 1946年 - 渋谷高等女学校に改称するとともに、学制改革に伴い渋谷中学校を開校。
  • 1948年 - 渋谷高等学校を開校するとともに、男女共学定時制課程を設置。
  • 1953年 - 渋谷中学校が休校。
  • 1960年 - 中学校を渋谷女子中学校として再開、定時制課程を女子校にする。
  • 1962年 - 学校法人田村学園と姉妹校に。同法人理事長の田村哲夫学校法人渋谷教育学園理事に就任(1970年より理事長)。
  • 1963年 - 高等学校を渋谷女子高等学校に改称。
  • 1965年 - 中学校と定時制課程が休校。
  • 1996年
    • 2月 - 渋谷女子高等学校の新校舎が完成
    • 4月 - 渋谷中学高等学校が開校。
  • 2001年 - 渋谷女子高等学校を閉校。
  • 2006年10月 - 第二体育館が完成。
  • 2016年2月 - 田村哲夫銅像設立。

学校行事[編集]

  • 4月 入学式/始業式/健康診断/校外研修(中1のみ)/新入生歓迎会(中学のみ)
  • 5月 生徒会役員選挙/進路説明会/校外研修(中2・3のみ)/講演会(中1・2のみ)
  • 6月 歌舞伎教室(高1のみ)/スポーツフェスティバル/英語スピーチコンテスト/生徒総会
  • 7月 オペラ鑑賞教室(高2のみ)/終業式
  • 8月
  • 9月 飛龍祭(学習発表会)/始業式
  • 10月 校外研修(高3以外)
  • 11月 国語科スピーチ・ディベートコンテスト(中学のみ)/音楽祭
  • 12月 終業式
  • 1月 始業式/百人一首大会(中学のみ)
  • 2月 中学入試/合唱コンクール(中学のみ)/学校長生誕祭/創立記念講演会
  • 3月 卒業式/終了式/オーストラリア研修(中3希望者のみ)

進学実績[編集]

首都圏の難関大学を目指す学生が多く、関連校の渋谷教育学園幕張高等学校同様に、海外の名門大学に進学する学生が多いのも本校の特徴である。

交通[編集]

部活動[編集]

  • 運動部:剣道/サッカー/柔道/卓球/ダンス/テニス/バスケットボール/バトン/バドミントン/バレーボール/ボクシング エクササイズ/野球/陸上/水泳
  • 文化部:ESS/Peer Tutoring/英語ディベート/演劇/お琴/合唱/競技かるた/クイズ研究/軽音楽/コンピュータ/茶道/将棋/吹奏楽/鉄道研究/美術/文芸/ボランティア/模擬国連/理科/料理
  • 研究会・同好会:囲碁同好会/映画研究会/社会科研究会/水泳研究会/数学研究会/ドアノブ社/討論同好会/ビジネスイノベーション

部活動は女子柔道部が全国大会レベルにある。2005年(平成17年)第23回福岡国際で、谷亮子不在も一因して中村美里が48キロ級で優勝し、2007年(平成19年)嘉納治五郎杯東京国際柔道大会(ワールドグランプリ2007)52キロ級で優勝する。

その他[編集]

  • 渋谷教育学園の教育目標は、「自分で調べ、自分で考える」を意味する自調自考[7]である。各教室の壁(天井の低い一部教室を除いて黒板の上)には、校長自筆の「自調自考」が掛けられている[8]校風はかなり自由で、制服の着用基準[要出典]や携帯電話・電子機器等の持ち込みなど[要出典]、生徒が自ら判断することが求められる[9]
  • 自調自考教育の一環として特別授業が設けられ、中1は「人間関係」、中2は「自我のめざめ」、中3は「新たな出発」、高1は「自己の社会化」、高2は「自由とは」、高3は「自分探しの旅立ち」、とアイデンティティの確立を目標としたテーマで、月に数回程度、「校長講話」がなされる。講話後に感想文の提出が課せられ、全てに校長自身が目を通す。
  • 「自調自考論文」の提出が高校2年夏休み明けに課せられ、自身が最も興味を持つ事柄を、1年間ほどかけ研究して論文にまとめる。その成果は飛龍祭(学習発表会)で閲覧することができる。
  • 幕張校同様、特待生制度を実施している。
  • 文部科学省スーパーイングリッシュランゲージハイスクール (SELHi) に指定されるなど、英語教育に力点を置く。隣接する関連校にBritish School in Tokyoがあり、入学式にはイギリス大使が参加して答辞は二ヶ国語で行われる。スポーツフェスティバルでもブリティッシュスクールの生徒がかつて共に参加した名残で二ヶ国語で実況され、飛龍祭のパンフレットは英語が併記される。1学年中に約1割程度、帰国子女が在籍する。

出身者[編集]

関連学校[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 校門公式サイトでは、単に渋谷中学高等学校(しぶやちゅうがくこうとうがっこう、英語: Shibuya Junior & Senior High School)と表記されることがある。

出典[編集]

  1. ^ 学習計画”. 渋谷教育学園渋谷中学高等学校. 2022年8月28日閲覧。
  2. ^ 『2000年 私立・国立価値ある学校(ラッキースクール)を探そう 首都圏男子校+共学校』旺文社、1999年7月26日。ISBN 4-01-008952-0 
    NASAでも使用されている、目に優しい蛍光灯を使用している。また、中学生徒が使う机と椅子はオーストラリア製で、普通のものより大きく作られている。
  3. ^ 小池茂實 歴史が眠る多磨霊園
  4. ^ 中央女学校『東都学校案内』三省堂、1926年
  5. ^ a b 中央女学校『東京府史. 行政篇 第5巻』東京府、1937年
  6. ^ 中央女学校広告官報. 1928年02月23日
  7. ^ 教育目標 | 渋谷教育学園渋谷中学高等学校 2017年7月15日閲覧
  8. ^ 田村哲夫 (2015). 教えて!校長先生 渋谷教育学園はなぜ共学トップになれたのか. 中央公論新社. p. 48. ISBN 978-4-12-150543-9 
  9. ^ 竹俣 紅 公式ブログ - そういえば、写真が…渋渋学園祭 - Powered by LINE 2017年8月27日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]