アトレ

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東京圏駅ビル開発から転送)
株式会社アトレ
atre co., ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
150-0013
東京都渋谷区恵比寿四丁目1番18号
恵比寿ネオナート6階
設立 1990年(平成2年)4月2日
(東京圏駅ビル開発株式会社)
業種 サービス業
法人番号 1011001016231 ウィキデータを編集
事業内容 JR東日本との駅ビル共同開発
駅ビルの管理及び運営
直営店の運営
代表者 一ノ瀬俊郎代表取締役社長
資本金 16億3,000万円
(2016年3月31日時点)
発行済株式総数 5,219株
(2016年3月31日時点)
売上高 441億1,259万2千円
(2016年3月期)
営業利益 58億4,514万1千円
(2016年3月期)
経常利益 59億8,827万5千円
(2016年3月期)
純利益 19億3,129万8千円
(2016年3月期)
純資産 384億9,822万5千円
(2016年3月31日時点)
総資産 836億9,226万9千円
(2016年3月31日時点)
従業員数 447名
(2021年4月1日現在)
決算期 3月31日
主要株主 東日本旅客鉄道株式会社 91.5%
(2013年3月31日時点)
主要子会社 宇都宮ステーション開発株式会社 100%
高崎ターミナルビル株式会社 100%
水戸ステーション開発株式会社 96.6%
外部リンク https://www.atre.co.jp/
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株式会社アトレ (atre co., ltd.) は、アトレatré)などの駅ビルを共同で開発・運営するJR東日本グループの会社。旧商号は、東京圏駅ビル開発株式会社(とうきょうけんえきビルかいはつ、The EKIBIRU Development Co. TOKYO,)。

東日本旅客鉄道(JR東日本)の連結子会社

概説[編集]

1990年4月、JR東日本グループの駅ビル事業会社である「東京圏駅ビル開発株式会社」として設立される。同年9月に「アトレ」1号店となる四谷店を開業。その後、新浦安店、大井町店を開業。4店舗目となる恵比寿店から、駅ビルの総合演出を行うプロデュース型の開発を開始した。アトレの新規出店を進めるだけではなく、JR東日本の既存駅ビル(目黒、亀戸、大森)を吸収合併してリニューアルし、アトレへと転換を進める。2005年3月には、その開発手法を利用し「Dila西船橋」の開発運営を受託。同年6月に小型商業施設の「アトレヴィ」を秋葉原に開店した。

2005年11月に会社分割を行い、それまで行っていたオフィスビル事業を分離。2007年4月には、吉祥寺駅の駅ビル型商業施設である株式会社吉祥寺ロンロンを吸収合併した。

このように、駅ビル商業施設開発運営会社に特化しながら発展し、JR東日本グループの駅ビル事業を集約させている。2009年4月には中心的な運営店舗であるアトレに合わせ、商号を「株式会社アトレ」に変更した。

2015年4月1日にJR東日本より宇都宮ステーション開発株式会社高崎ターミナルビル株式会社水戸ステーション開発株式会社の株式の譲渡を受け、子会社化した。

2019年1月10日、台湾台北に初の海外店舗を開業した[1]。しかし、入居するショッピングセンターの賃貸借契約が満了するため、2023年12月で閉店することを同年10月に発表した[2]

2020年6月17日にアトレ竹芝が開業。最寄り駅は浜松町駅だが徒歩6分の距離に位置しており、駅ビル・駅ナカではない施設で初めて「アトレ」を名乗る初の事例となる。

「アトレ」とは、「魅力」を意味するフランス語「attrait」に由来する。当社より前に「アトレ」を名乗っていたアトレ川越川越駅に隣接)は丸広百貨店が運営するショッピングセンターであり、資本・業務その他一切の関係はなく、川越駅の駅ビルは、JR東日本グループのもうひとつの主要駅ビルブランドである「ルミネ」を名乗っている。

事業[編集]

以下の店舗面積および開業日は株式会社アトレの企業情報・店舗情報のデータをもとに記載している。

首都圏エリア[編集]

ショッピングセンター事業[編集]

アトレ[編集]

総合演出型の駅ビル・駅ナカ商業施設事業。東京都心など首都圏の駅で店舗展開する。2020年9月現在、25店舗を運営する。

店舗名 店舗面積 開業日 備考
恵比寿 本館 12,645㎡ 1997年10月1日[3]
西館 4,948㎡ 2016年4月15日
目黒 1a 4,926m² 1967年11月25日 旧ヒルトップガーデン目黒
1b 2,823m²
2 1,947m² 2002年4月2日
五反田 1 791m² 2008年3月14日 2020年3月26日に「アトレヴィ五反田」より改称[4]
2 740m² 2020年3月26日
竹芝 タワー棟 7,905m² 2020年6月17日
シアター棟
品川 5,046㎡ 2004年3月3日
大井町 1 9,487m² 1993年3月11日[5]
2 950㎡ 2011年3月3日
大森 1 20,337m² 1984年9月14日 旧大森プリモ
2 1,723m²
川崎 26,398m² 2012年3月29日 旧川崎BE(1958年12月開業)[6][7]
2018年2月17日にエキナカ店舗開業
大船 1,598m² 2016年12月5日 旧Dila大船(2006年2月2日開業)[8]
四谷 1,540㎡ 1990年9月28日[9]
信濃町 3,332m² 2021年2月1日 旧アトレヴィ信濃町(1993年2月26日開業)[10]
中野[11] 2026年予定
吉祥寺 12,899㎡ 2010年4月1日 吉祥寺ロンロン(1969年12月3日開業)
上野 6,563m² 2002年2月22日
浦和 South 3,559m² 2015年11月25日
North
West 1,936m² 2018年3月16日
松戸 6,971m² 2012年3月16日 ボックスヒル松戸(1977年4月2日開業)[6][12]
秋葉原 1 2,928m² 2010年11月19日 アキハバラデパート
2 1,451㎡ 旧アトレヴィ秋葉原(2005年6月2日開業)
亀戸 12,472m² 2006年3月24日 旧亀戸エルナード(1978年10月12日開業)
新浦安 6,910m² 1993年2月26日[5]
取手 7,648m² 2020年3月26日 ボックスヒル取手(1988年9月21日開業)
プレイアトレ土浦 7,475m² 2018年11月16日 「土浦ウイング」として1983年4月2日開業
詳しい沿革は「プレイアトレ土浦」を参照[13]
微風南山 6,000㎡ 2019年1月10日 初の海外(台湾)店舗[14]
2023年12月に閉店予定[2]
アトレヴィ[編集]

小規模型の商業施設。2020年4月時点、6店舗。「ヴィ」は、フランス語で生活・人生の意味。一号店となった秋葉原店はアトレ秋葉原2に名称変更している。

店舗名 店舗面積 開業日 備考
大塚 3,781m² 2013年9月12日
巣鴨 1,605m² 2010年3月25日
田端 1,581m² 2008年7月30日
東中野 1,237m² 2012年8月31日
三鷹 3,340m² 2010年4月1日 三鷹ロンロン(1999年10月29日開業)
2014年10月10日にDila三鷹を統合

北関東エリア[編集]

ショッピングセンター[編集]

北関東エリアの直営店舗はプレイアトレ土浦を除いて存在しないが、2015年4月1日に宇都宮ステーション開発高崎ターミナルビル水戸ステーション開発を子会社化すると共に、各社店舗の経営権・資産を譲受し、運営を各社に委託という形態を取っている。

  • 宇都宮ステーション開発運営
    • パセオ宇都宮駅ビル。※1974年11月1日に宇都宮ステーション開発が「ラミア」として開業。
    • VAL小山:小山駅ビル。※1978年7月16日に旧小山ステーション開発が開業。
    • Dila小山:小山駅改札内商業施設。※2019年10年にJR東日本より譲受し、宇都宮ステーション開発に運営委託。
    • VAL古河:古河駅ビル。※1987年3月28日に旧小山ステーション開発により開業。
  • 高崎ターミナルビル運営
    • 高崎モントレー高崎駅ビル。※1982年4月14日に高崎ターミナルビルにより開業。
    • イーサイト高崎:高崎駅構内商業施設。※2006年3月15日に旧ジェイアール高崎商事により仮開業され、その後2010年12月12日に高崎ターミナルビルにより正式開業。
    • アズ熊谷熊谷駅ビル本館及び構内商業3施設。※1987年4月24日に旧熊谷ステーション開発により開業。
    • イーサイト前橋:前橋駅構内商業施設。※2007年12月25日に旧ジェイアール高崎商事により開業。
    • イーサイト籠原:籠原駅ビル。※2011年3月20日に高崎ターミナルビルにより開業。
    • イーサイト上尾:上尾駅構内商業施設。※2010年3月14日に高崎ターミナルビルにより開業。
  • 水戸ステーション開発運営
    • EXCEL水戸駅ビル(北口)。※1985年3月24日に水戸ステーション開発により開業。
    • エクセルみなみ:水戸駅ビル(南口)。※2011年5月25日に水戸ステーション開発により開業。

直営店事業[編集]

2011年1月14日より、子会社『株式会社アトレスティル』を設立して移管している。

過去に運営していた店舗[編集]

かつて行っていた事業[編集]

かつてオフィスビルの事業も行っていたが、2005年11月の会社分割によって株式会社JR東日本ビルディングの事業となった。

沿革[編集]

台北・微風南山アトレ
  • 1990年
    • 4月2日:東京圏駅ビル開発株式会社設立。
    • 9月28日:アトレ四谷店開業[9]
  • 1992年
    • 3月:JR大宮西口ビル(オフィスビル)開業。
    • 4月:JR八丁堀ビル(オフィスビル)開業。
  • 1993年
    • 2月26日:アトレ新浦安店開業、JR信濃町ビル開業[5]
    • 3月11日:アトレ大井町店開業[5]
  • 1994年7月 - JR大宮西口ビル2(オフィスビル)開業。
  • 1997年10月1日:アトレ恵比寿店開業[3]
  • 2002年
    • 2月22日:アトレ上野店開業。
    • 4月:アトレ目黒店(JR東急目黒ビル)開業。
  • 2004年
    • 3月3日:アトレ品川店(JR品川イーストビル)開業。
    • 4月:「株式会社目黒ステーションビル」(ヒルトップガーデン目黒運営)と、「亀戸ステーションビル株式会社」(亀戸エルナード運営)を吸収合併。
  • 2005年
    • 4月:「株式会社秋葉原」(アキハバラデパート運営)と、「株式会社大森プリモ」を吸収合併。
    • 6月2日:アトレヴィ秋葉原店開業。
    • 11月1日:会社分割を実施し、基幹設備保有事業を東日本旅客鉄道に、オフィスビル事業を株式会社JR東日本ビルディングにそれぞれ吸収させる。
    • 11月15日:大森プリモがアトレ大森店に名称変更。
    • 12月2日:ヒルトップガーデン目黒がアトレ目黒店1に、従来のアトレ目黒店はアトレ目黒店2に名称変更。
  • 2006年3月24日:亀戸エルナードがアトレ亀戸店に名称変更。
  • 2007年4月1日:「株式会社吉祥寺ロンロン」(吉祥寺ロンロン、三鷹ロンロン、西八王子ロンロンの3店舗運営)を吸収合併。
  • 2008年
    • 3月14日:アトレヴィ五反田店開業。
    • 7月30日:アトレヴィ田端店開業。
  • 2009年
    • 4月1日:商号を株式会社アトレに変更。株式会社ジェイアール東京企画開発、株式会社ジェイアールかいじ企画開発、株式会社水戸サービス開発、京葉企画開発株式会社の4社の会社分割(吸収分割)により、スキップ北小金、スキップ南柏、牛久アステアの3店の運営事業他を承継。
    • 10月1日:株式会社川崎ステーションビル川崎駅)、株式会社ボックスヒル松戸駅取手駅)の2社を吸収合併。
  • 2010年
    • 3月25日:アトレヴィ巣鴨店開業。
    • 4月1日:吉祥寺ロンロンがアトレ吉祥寺店に、三鷹ロンロンがアトレヴィ三鷹店に名称変更。
    • 9月21日:アトレ吉祥寺店が全館グランドオープン。
    • 11月19日:秋葉原駅電気街口(アキハバラデパート跡地)の新駅ビルが完成し、アトレ秋葉原店1として開業。同時に、アトレヴィ秋葉原店がアトレ秋葉原店2に名称変更。
  • 2011年
    • 1月:直営店事業を子会社「株式会社アトレスティル」として分社。
    • 4月:アトレスティルが「株式会社SC開発」を合併。
    • 10月:西八王子ロンロンJR東京西駅ビル開発株式会社に事業譲渡。
  • 2012年
    • 3月16日:ボックスヒル松戸がアトレ松戸に名称変更[12]
    • 3月29日:川崎BEがアトレ川崎に名称変更[7]
    • 4月:牛久アステアを株式会社ジェイアール東日本都市開発に事業譲渡。
    • 8月31日:アトレヴィ東中野店開業。
  • 2013年9月21日:アトレヴィ大塚店(JR大塚南口ビル)開業。
  • 2015年
  • 2016年
  • 2017年:国外展開のため三井物産との合弁会社アトレインターナショナル(AICO)を設立[21][22]
  • 2018年4月:Dila西船橋を千葉ステーションビル・Dila拝島をJR東京西駅ビル開発に譲渡、Dilaの運営から撤退。
  • 2019年
  • 2020年
    • 3月26日
      • ボックスヒル取手がアトレ取手に名称変更。
      • アトレ五反田2が開業。同時に、アトレヴィ五反田店がアトレ五反田に名称変更。
    • 6月17日:WATERS takeshibaに、アトレ竹芝開業
    • 10月:いわき店を東日本旅客鉄道に移管。
  • 2021年
    • 2月1日:アトレヴィ信濃町をアトレ信濃町に名称変更。
  • 2024年1月10日:簡易株式交換により東日本旅客鉄道の完全子会社になる予定。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「ロンロン」は他に、中山駅に中山ロンロンがあったが、こちらは株式会社ジェイアール東日本都市開発の運営となっている。2013年8月29日、中山ロンロンはビーンズ中山へ改名された(当該記事参照)。

出典[編集]

  1. ^ JR東「アトレ」台北に海外第1号店 日本製品人気取り込む日本経済新聞』朝刊2019年1月11日(アジアBiz面)2019年1月17日閲覧。
  2. ^ a b アトレ、台北の店舗を12月末に閉店”. NNA.ASIA (2023年10月3日). 2023年10月4日閲覧。
  3. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '98年版』ジェー・アール・アール、1998年7月1日、183頁。ISBN 4-88283-119-8 
  4. ^ 「アトレ五反田1・2」3月26日(木) AM10:00 GRAND OPEN! 2020年3月10日付、株式会社アトレ
  5. ^ a b c d 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '93年版』ジェー・アール・アール、1993年7月1日、183頁。ISBN 4-88283-114-7 
  6. ^ a b 2012年3月 『アトレ松戸』、『アトレ川崎』誕生! 株式会社アトレ・プレスリリース2012年1月10日
  7. ^ a b 2012年3月 はじまりの春。川崎BEは、アトレ川崎へ。 2012年3月29日(木)オープン! 株式会社アトレ・プレスリリース2012年2月15日
  8. ^ 2016 年 12 月 5 日(月)アトレ大船GRAND OPEN!! 2016年11月9日付、株式会社アトレ
  9. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '91年版』ジェー・アール・アール、1991年8月1日、191頁。ISBN 4-88283-112-0 
  10. ^ “スポーツの聖地”神宮外苑へ入口に食を楽しむ5ショップが誕生「アトレ信濃町」2021年2月1日(月)リニューアルオープン 2021年1月14日付、株式会社アトレ
  11. ^ 中野駅の新駅舎・南北自由通路は26年開業 新駅ビルにアトレ”. Impress Watch (2023年9月1日). 2023年9月9日閲覧。
  12. ^ a b 2012年3月 『アトレ松戸』2012年3月16日(金)AM10:00グランドオープン! 株式会社アトレ・プレスリリース2012年2月8日
  13. ^ JR東日本プレスリリース 土浦駅ビル「ペルチ土浦」リフレッシュオープン!(最終ページの施設概要に「運営管理者/株式会社アトレ」とある)
  14. ^ ~「アトレ」初の海外出店~台北・Breeze南山「atre」2019年1月10日(木)グランドオープン 2018年12月14日付、株式会社アトレ
  15. ^ 2018年4月1日(日)8館目のペリエが西船橋に誕生します!(千葉ステーションビル)
  16. ^ JR東日本グループ事業の再編についてのお知らせ 2014年12月26日付、東日本旅客鉄道株式会社
  17. ^ ~ JR東日本グループ共通ポイント ~「JRE POINT(ジェイアールイー・ポイント)」を開始します』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道株式会社、2015年7月14日http://www.jreast.co.jp/press/2015/20150710.pdf2016年3月23日閲覧 
  18. ^ ~JR 東日本グループ共通ポイント~ 「JRE POINT」 2 月 23 日スタート 「JRE POINT スタートキャンペーン」を開催します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道株式会社、2016年2月9日http://www.jreast.co.jp/press/2015/20160205.pdf2016年3月23日閲覧 
  19. ^ “JR東日本 「JREPOINT」スタート”. 交通新聞 (交通新聞社). (2016年2月25日) 
  20. ^ “「アトレ恵比寿西館」開業”. 交通新聞 (交通新聞社). (2016年4月18日) 
  21. ^ a b アトレが台湾進出、微風南山にSC出店へ2017-08-09,ワイズニュース
  22. ^ アトレと三井物産、台北に衣料などの商業施設 18年秋開業2017-08-08,日本経済新聞

関連項目[編集]

外部リンク[編集]