ワールドシリーズ最優秀選手

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2008年のMVPコール・ハメルズ。同年リーグチャンピオンシップシリーズMVPも受賞している。

ワールドシリーズ最優秀選手World Series Most Valuable Player Award)は、ワールドシリーズで最も勝利に貢献した選手に与えられる賞。通常はワールドシリーズMVPと呼ばれる。

1955年に制定され、当初はスポーツマガジン(SPORT Magazine)によって選出されていたが、現在はシリーズ最終戦で記者の委員会と関係者の投票によって選出される[1]

最初の受賞者は1955年ジョニー・ポドレス。レギュラーシーズンでは9勝10敗だったが、シリーズで2戦2完投勝利を記録[2]1956年ドン・ラーセンが史上初の完全試合を達成し受賞[3]1960年ボビー・リチャードソンがシリーズ記録となる12打点を挙げ[4]、ヤンキースはピッツバーグ・パイレーツに敗退したにも関わらず選出された[5]1977年レジー・ジャクソンは第6戦で3打席連続本塁打を放つなどシリーズ記録の5本塁打を記録して受賞し、ミスター・オクトーバー(Mr. October)の称号を得た[6]1979年ウィリー・スタージェルが史上最高齢の39歳で受賞[7]1996年ジョン・ウェッテランドがシリーズ記録となる4セーブを挙げて[8]選出された。

複数回受賞者はサンディ・コーファックス1963年1965年)、ボブ・ギブソン1964年1967年)、ジャクソン(1973年1977年)の3選手。複数選手の受賞は1981年ロン・セイペドロ・ゲレーロスティーブ・イェーガーの3選手、2001年ランディ・ジョンソンカート・シリングの2選手と2度ある。

コーファックス(1963年)、フランク・ロビンソン(1966年)、ジャクソン(1973年)、スタージェル(1979年)、マイク・シュミット(1980年)の5選手がシーズンMVPとワールドシリーズMVPを同じ年に受賞。ボブ・ターリー(1958年)、ホワイティ・フォード(1960年)、コーファックス(1963年, 1965年)、ブレット・セイバーヘイゲン(1985年)、オーレル・ハーシュハイザー(1988年)、ジョンソン(2001年)の6選手がサイ・ヤング賞とワールドシリーズMVPを同じ年に受賞。スタージェル(1979年)、ダレル・ポーター(1982年)、ハーシュハイザー(1988年)、リヴァン・ヘルナンデス(1997年)、コール・ハメルズ(2008年)、デイヴィッド・フリース(2011年)の6選手がリーグチャンピオンシップシリーズMVPとワールドシリーズMVPを同じ年に受賞している。

コーファックス(1963年)はサイ・ヤング賞・シーズンMVP・ワールドシリーズMVPを同シーズンに受賞した唯一の選手。スタージェル(1979年)はリーグチャンピオンシップシリーズMVP・シーズンMVP・ワールドシリーズMVPを同シーズンに受賞した唯一の選手。ハーシュハイザー(1988年)はサイ・ヤング賞・リーグチャンピオンシップシリーズMVP・ワールドシリーズMVPを受賞した唯一の選手。

なお、この賞とは別に、ワールドシリーズで最も顕著な活躍をした選手に対して、全米野球記者協会ニューヨーク支部によって選定されるベーブ・ルース賞がある。こちらはワールドシリーズ敗退チームから選出されるケースも稀にある。

歴代受賞者[編集]

年度 受賞選手(受賞回数) 守備位置 所属チーム 成績
1955 ジョニー・ポドレス 投手 ブルックリン・ドジャース 2勝0敗・防御率1.00・2完投
1956 ドン・ラーセン 投手 ニューヨーク・ヤンキース 完全試合
1957 ルー・バーデット 投手 ミルウォーキー・ブレーブス 3勝0敗・防御率0.67・13奪三振
1958 ボブ・ターリー 投手 ニューヨーク・ヤンキース 2勝1敗・防御率2.76・13奪三振
1959 ラリー・シェリー 投手 ロサンゼルス・ドジャース 2勝0敗・防御率0.71
1960 ボビー・リチャードソン 二塁手 ニューヨーク・ヤンキース 1本塁打・2二塁打・2三塁打・12打点
1961 ホワイティ・フォード 投手 ニューヨーク・ヤンキース 2勝0敗、防御率0.00、7奪三振
1962 ラルフ・テリー 投手 ニューヨーク・ヤンキース 2勝1敗・防御率1.80・16奪三振
1963 サンディ・コーファックス(1) 投手 ロサンゼルス・ドジャース 2勝0敗・防御率1.50・18イニング・23奪三振
1964 ボブ・ギブソン(1) 投手 セントルイス・カージナルス 2勝1敗・防御率3.00・27イニング・31奪三振
1965 サンディ・コーファックス(2) 投手 ロサンゼルス・ドジャース 2勝1敗・防御率0.38・24イニング・29奪三振
1966 フランク・ロビンソン 外野手 ボルチモア・オリオールズ 打率.286・1三塁打・2本塁打・3打点
1967 ボブ・ギブソン(2) 投手 セントルイス・カージナルス 3勝0敗・防御率1.00・27イニング・26奪三振
1968 ミッキー・ロリッチ 投手 デトロイト・タイガース 3勝0敗・防御率1.67・27イニング・21奪三振
1969 ドン・クレンデノン 一塁手 ニューヨーク・メッツ 打率.357・3本塁打・4打点
1970 ブルックス・ロビンソン 三塁手 ボルチモア・オリオールズ 打率.429・2二塁打・2本塁打・6打点
1971 ロベルト・クレメンテ 外野手 ピッツバーグ・パイレーツ 打率.414・2二塁打・1三塁打・2本塁打・4打点
1972 ジーン・テナス 捕手 オークランド・アスレチックス 打率.348・4本塁打・9打点
1973 レジー・ジャクソン 外野手 オークランド・アスレチックス 打率.310・3二塁打・1三塁打・1本塁打・6打点
1974 ローリー・フィンガーズ 投手 オークランド・アスレチックス 1勝0敗・2セーブ・防御率1.93・6奪三振
1975 ピート・ローズ 三塁手 シンシナティ・レッズ 打率.370・3得点・1二塁打・1三塁打・2打点
1976 ジョニー・ベンチ 捕手 シンシナティ・レッズ 打率.533・1二塁打・1三塁打・2本塁打・6打点
1977 レジー・ジャクソン(2) 外野手 ニューヨーク・ヤンキース 打率.450・5本塁打・8打点
1978 バッキー・デント 遊撃手 ニューヨーク・ヤンキース 打率.417・1二塁打・7打点
1979 ウィリー・スタージェル 一塁手 ピッツバーグ・パイレーツ 打率.400・4二塁打・3本塁打・7打点
1980 マイク・シュミット 三塁手 フィラデルフィア・フィリーズ 打率.381・1二塁打・2本塁打・7打点
1981 ロン・セイ 三塁手 ロサンゼルス・ドジャース 打率.350・1本塁打・6打点
ペドロ・ゲレーロ 外野手 打率.333・1二塁打・1三塁打・2本塁打・7打点
スティーブ・イェーガー 捕手 打率.286・1二塁打・2本塁打・4打点
1982 ダレル・ポーター 捕手 セントルイス・カージナルス 打率.286・2二塁打・1本塁打・5打点
1983 リック・デンプシー 捕手 ボルチモア・オリオールズ 打率.385・4二塁打・1本塁打・2打点
1984 アラン・トランメル 遊撃手 デトロイト・タイガース 打率.450・1二塁打・2本塁打・6打点
1985 ブレット・セイバーヘイゲン 投手 カンザスシティ・ロイヤルズ 2勝0敗・防御率0.50・18イニング・10奪三振
1986 レイ・ナイト 三塁手 ニューヨーク・メッツ 打率.391・1二塁打・1本塁打・5打点
1987 フランク・ヴァイオーラ 投手 ミネソタ・ツインズ 2勝1敗・防御率3.72・19.1イニング・16奪三振
1988 オーレル・ハーシュハイザー 投手 ロサンゼルス・ドジャース 2勝0敗・防御率1.00・18イニング・17奪三振
1989 デイヴ・ステュワート 投手 オークランド・アスレチックス 2勝0敗・防御率1.69・16イニング・14奪三振
1990 ホゼ・リーホ 投手 シンシナティ・レッズ 2勝0敗・防御率0.59・15.1イニング・5奪三振
1991 ジャック・モリス 投手 ミネソタ・ツインズ 2勝0敗・防御率1.17・23イニング・15奪三振
1992 パット・ボーダーズ 捕手 トロント・ブルージェイズ 打率.450・3二塁打・1本塁打・3打点
1993 ポール・モリター 指名打者 トロント・ブルージェイズ 打率.500・2二塁打・2三塁打・2本塁打・8打点
1994 開催中止
1995 トム・グラヴィン 投手 アトランタ・ブレーブス 2勝0敗・防御率1.29・14イニング・11奪三振
1996 ジョン・ウェッテランド 投手 ニューヨーク・ヤンキース 5試合・4セーブ・4.1イニング・6奪三振
1997 リバン・ヘルナンデス 投手 フロリダ・マーリンズ 2勝0敗・13.2イニング・7奪三振
1998 スコット・ブロシアス 三塁手 ニューヨーク・ヤンキース 打率.471・2本塁打・6打点
1999 マリアノ・リベラ 投手 ニューヨーク・ヤンキース 1勝・2セーブ・4.2イニング・3奪三振
2000 デレク・ジーター 遊撃手 ニューヨーク・ヤンキース 打率.409・2二塁打・1三塁打・2本塁打・2打点、
2001 ランディ・ジョンソン 投手 アリゾナ・ダイヤモンドバックス 3勝0敗・防御率1.04・17イニング・19奪三振
カート・シリング 投手 1勝0敗・防御率1.69・21イニング・26奪三振
2002 トロイ・グロース 三塁手 アナハイム・エンゼルス 打率.385・3本塁打・8打点
2003 ジョシュ・ベケット 投手 フロリダ・マーリンズ 1勝1敗・防御率1.13・16.1イニング・19奪三振
2004 マニー・ラミレス 外野手 ボストン・レッドソックス 打率.412・1本塁打・4打点
2005 ジャーメイン・ダイ 外野手 シカゴ・ホワイトソックス 打率.438・1本塁打・3打点
2006 デビッド・エクスタイン 遊撃手 セントルイス・カージナルス 打率.364・8安打・4打点
2007 マイク・ローウェル 三塁手 ボストン・レッドソックス 打率.400・1本塁打・4打点
2008 コール・ハメルズ 投手 フィラデルフィア・フィリーズ 1勝0敗・防御率2.77・13.0イニング・8奪三振
2009 松井秀喜 指名打者 ニューヨーク・ヤンキース 打率.615・3本塁打・8打点
2010 エドガー・レンテリア 遊撃手 サンフランシスコ・ジャイアンツ 打率.412・2本塁打・6打点
2011 デビッド・フリース 三塁手 セントルイス・カージナルス 打率.348・1本塁打・7打点
2012 パブロ・サンドバル 三塁手 サンフランシスコ・ジャイアンツ 打率.500・3本塁打・4打点
2013 デビッド・オルティーズ 指名打者 ボストン・レッドソックス 打率.688・2本塁打・6打点

脚注[編集]

  1. ^ World Series Most Valuable Player Award” (英語). Baseball Almanac. 2010年1月26日閲覧。
  2. ^ 1955 World Series - BRO vs. NYY” (英語). Baseball-Reference.com. 2010年1月26日閲覧。
  3. ^ World Series History 1956 World Series” (英語). MLB.com. 2010年1月26日閲覧。
  4. ^ All-time and Single-Season WS Batting Leaders” (英語). Baseball-Reference.com. 2010年1月26日閲覧。
  5. ^ 1960 World Series - PIT vs. NYY” (英語). Baseball-Reference.com. 2010年1月26日閲覧。
  6. ^ "Reg-gie! Reg-gie!" smacks three home runs in consecutive at-bats” (英語). MLB.com. 2010年1月26日閲覧。
  7. ^ Barry M, Bloom (2007年10月29日). “World Series MVP rewarding to Lowell” (英語). MLB.com. 2010年1月26日閲覧。
  8. ^ All-time and Single-Season WS Pitching Leaders” (英語). Baseball-Reference.com. 2010年1月26日閲覧。

外部リンク[編集]