コミッショナー特別表彰

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特別表彰で贈られるトロフィー

コミッショナー特別表彰( - とくべつひょうしょう、Commissioner's Historic Achievement Award)はアメリカMLBにおいて、歴史的偉業や功績を残した個人やグループに贈られる賞。この賞は定期的に贈られるものではなくMLBの最高責任者であるコミッショナーの自己判断で贈られる。受賞者にはティファニー社が制作した金色の野球ボールをモチーフにしたトロフィーが贈られる。[1]

現在までバド・セリグコミッショナーによって、選手12回、チーム1回、非選手に1回の計14回贈られている。1998年のシーズンに当時の本塁打記録更新争いを繰り広げたマーク・マグワイアサミー・ソーサが初の受賞者となった。

受賞者一覧[編集]

受賞者・受賞年 イメージ 功績・受賞理由 脚注
マーク・マグワイア
1998年受賞
Mark mcgwire.jpg マグワイアは、1998年シーズンにシカゴ・カブスのソーサとともに、それまでのMLBの本塁打記録であったロジャー・マリスが1961年に記録した61本を超える熾烈な本塁打争いをした功績を称えられて初の受賞者となった。四球(162)、出塁率(.470)、長打率(.752)でリーグトップの成績を残し、本塁打は最終的に70本に達し37年ぶりに新記録を更新した。この記録で1シーズンに60本塁打以上を放った3番目の選手となった。マグワイアはその後も本塁打を重ね583本塁打でキャリアを終えた。 [2][3][4]
サミー・ソーサ
1998年受賞
Sosa swinging4.png 1998年シーズンはソーサとマーク・マグワイアの本塁打争いでナショナルリーグ中地区に注目が集まった。ソーサの所属するシカゴ・カブスはマグワイアの所属するセントルイス・カージナルスを破った。中地区は102勝したヒューストン・アストロズが地区優勝したが、カブスは90勝で地区2位となりナショナルリーグのワイルドカードを勝ち取った。本塁打では66本とマグワイアに敗れたものの打点(158)、得点(134)でリーグトップの成績を残し、同賞とMVPを受賞した。ソーサはその後も本塁打を量産しシーズン60本塁打以上を3度記録した。これは現在のMLB記録となっている。 [5][6]
トニー・グウィン
2001年受賞
Tony Gwynn.jpg グウィンはデビューから引退までの20年をサンディエゴ・パドレスでプレー。20年間で首位打者8回、オールスター選出15回、ゴールドグラブ賞5回を獲得した。1994年には打率.394と1941年以来最高打率を記録するなど、デビューした1982年を除きシーズン打率が.300を切ることはなかった。2001年を最後に通算打率.338、3141安打の記録を残して引退。安打数は歴代18位にランクしている。2007年に殿堂入りを果たした。 [7][8]
カル・リプケンJr.
2001年受賞
Cal Ripken Jr. in 1993.jpg リプケンは、今まで不滅の記録と思われていたルー・ゲーリッグの持つ2,130試合連続出場の記録を打ち破った。鉄の馬(Iron Horse)と呼ばれていたゲーリッグにあやかって、彼の耐久性は「鉄人(Iron Man)」と呼ばれた。最終的にその記録を2,632試合まで延ばしキャリアを終えた。 リプケンはボルチモア・オリオールズで21年プレーし、遊撃手として431本塁打を記録している。2007年に殿堂入りを果たした。 [9][10]
シアトル・マリナーズ
2001年受賞
MarinerMooseFlag.jpg コミッショナー特別表彰において唯一の個人以外での受賞。2000年シーズン終了後マリナーズは、遊撃手アレックス・ロドリゲスをテキサスレンジャーズに放出。 代わりにNPBオリックス・ブルーウェーブから外野手イチローを加えて、2001年のマリナーズは116勝46敗の記録で地区優勝。2位のオークランド・アスレチックスと14ゲーム差をつけた。 1シーズン116勝を記録したのは1906年のシカゴ・カブス以来。イチローは、ルーキー・オブ・ザ・イヤー 、リーグトップの打率.350、盗塁56を記録し、アメリカンリーグMVPに選出された。その後マリナーズはリーグチャンピオンシップシリーズニューヨーク・ヤンキースに破れた。 [11][12]
バリー・ボンズ
2002年受賞
BarryLamar Bonds.jpg ボンズは、2001年シーズンに73本塁打を打ちMLBワンシーズンのホームラン記録を塗り替えた。 この記録は同賞の受賞者であるマーク・マグワイアが1998年に記録した70本塁打を超える記録となった。また、四球(177)、出塁率(.515)、長打率(.863)でリーグトップの成績を残した。このうち四球と長打率はベーブ・ルースによって作られた記録を更新した。その後もボンズは本塁打を量産しハンク・アーロンの持っていた歴代本塁打記録755本を塗り替えた。 [2][13][14]
リッキー・ヘンダーソン
2002年受賞
Rickeyhenderson2002.jpg プロ生活25年で9チームを渡り歩き数々のMLB歴代記録とシーズン記録を更新した。歴代得点(2295得点)、歴代盗塁(1406盗塁)、シーズン最多盗塁(130盗塁)、先頭打者本塁打(81本)の記録を保持している。ヘンダーソンは、1979年20歳でオークランド・アスレチックスからデビュー、2003年までの25年間プレーし、44歳の時ロサンゼルスドジャーズを最後に引退。MLBから去った後もいくつかの独立リーグチームでプレーし続けた。2009年に殿堂入りを果たした。 [15][16]
ロジャー・クレメンス
2004年受賞
062707 267 Roger Clemens.jpg クレメンスは彼のキャリアで7つのサイヤング賞を獲得(賞の贈呈時で6つ)。シーズン20勝以上を6度記録(シーズン最高記録は1986年の24勝)。キャリア通算354勝の記録を残した。クレメンスは4,000奪三振を記録した4番目の投手となり、最終的に4672奪三振の記録は歴代3位。24年でオールスターゲームに10度選出された。 [17][18]
イチロー
2005年受賞
Ichiro Cropped AL.jpg イチローは2004年シーズン、二度と破られることはないとされていた記録(Unbreakable Records)の一つを破った。262安打を放ち1920年にセントルイス・ブラウンズジョージ・シスラーが記録した257安打を84年ぶりに更新した。この年のイチローは打率.372、打席(704)、打数(762)と敬遠四球(19)でリーグトップを記録。同時に262安打のうち単打を225本放ち、1898年にウィリー・キーラーが記録した206単打を106年ぶりに更新。こちらもMLB記録となった。 [11][19][20]
ロベルト・クレメンテ
2006年受賞
Roberto Clemente.png クレメンテは、コミッショナー特別表彰唯一の死後の受賞者となっている。キャリア4度の首位打者、1度のMVP、ゴールドグラブ賞を12回受賞、そして1972年シーズン(9月30日)に3000本安打を達成した。不慮の事故による死後、殿堂入りを果たした。クレメンテは彼の17シーズンの輝かしい成績とともに、彼が生前行ってきた慈善活動も認められての受賞となった。 [21][22]
レイチェル・ロビンソン
2007年受賞
Rachel Robinson.jpg ロビンソン(有色人種のMLB選手としての先駆者となったジャッキー・ロビンソンの妻)は、コミッショナー特別表彰唯一の女性、そして唯一の非選手となっている。彼女の「夫の遺産に対する貢献と犠牲」に敬意を表し、セリグはジャッキー・ロビンソン財団を立ち上げた彼女の功績をたたえた。財団は才能を持った若者たちに奨学金の交付を行っており、これまでに1400万ドル以上を寄与した。 [23]
ケン・グリフィー・ジュニア
2011年受賞
Ken Griffey, Jr. June 2009.jpg 2010年に引退したグリフィーは、通算で600を超える本塁打を打ち、1997年にはMVPに輝き、現役ながらMLBオールセンチュリー・チームに選出された。オールスターゲーム選出は13回。セリグコミッショナーは、グリフィーを「彼は完璧なスウィング、輝かしく子供のように純真な守備、そして彼は最も素晴らしいプレイヤーの一人であり、シアトルとシンシナティだけでなく、世界に於ける最高の野球大使です。」と評する声明を出した。

[24][25]

マリアノ・リベラ
2013年受賞
Mariano Rivera ovation at 2013 MLB All-Star Game.jpg 2013年に引退したリベラは、通算で652セーブを挙げた(MLB歴代最多記録)。MLB屈指・不動のクローザーとして知られ、オールスターゲームには12度選出された。

[26]

デレク・ジーター
2014年受賞
Derek Jeter Hit -2722.jpg 2014年に引退したジーターは、長年に渡り打撃・走塁・守備で活躍し、通算3000本安打以上を記録。MLBを代表する選手として知られ、オールスターゲームには14度選出された。

[27]


参考文献・脚注[編集]

公式
脚注
  1. ^ About Tiffany & Co.: Tiffany & Co. Sports Trophies”. Tiffany & Co.. 2010年1月7日閲覧。
  2. ^ a b Single-Season Leaders & Records for Home Runs”. Baseball-Reference.com. 2010年1月7日閲覧。
  3. ^ Stone, Larry (1998年9月9日). “Mark McGwire King Of Swing – Summer Of 62 – McGwire Takes Possession Of Grandest Of Records, Turns Thoughts To Legacy”. Seattle Times. 2010年1月7日閲覧。
  4. ^ Mark McGwire Statistics and History”. Baseball-Reference.com. 2010年1月7日閲覧。
  5. ^ Armour, Nancy (1998年9月20日). “Home Run!: The Year the Records Fell”. Associated Press. http://books.google.com/books?id=mUSWa-ems7IC&pg=PT114&lpg=PT114&dq=commissioner%27s+award+sammy+sosa&source=bl&ots=UnDL9lZCjZ&sig=XFtyc1ffz2RGq5IqckC-LR0abg0&hl=en&ei=NBK8Su-xJIqW8AbVrLCSDg&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1#v=onepage&q=commissioner%27s%20award%20sammy%20sosa&f=false 2010年2月14日閲覧。 
  6. ^ Sammy Sosa Statistics and History”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2010年2月14日閲覧。
  7. ^ Hickey, John (2001年7月11日). “Ripken blasts homer, earns All-Star MVP”. Seattle Post-Intelligencer. 2009年9月25日閲覧。
  8. ^ Tony Gwynn Statistics and History”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2009年9月25日閲覧。
  9. ^ “Baseball begins to bid farewell to Ripken, Gwynn”. CNNSI.com. Associated Press (CNN / Sports Illustrated). (2001年7月10日). http://sportsillustrated.cnn.com/baseball/mlb/2001/allstar/news/2001/07/10/gwynn_ripken_ap/ 2010年3月21日閲覧。 
  10. ^ Cal Ripken Statistics and History”. Baseball-Reference.com. 2010年3月21日閲覧。
  11. ^ a b Street, Jim (2005年4月22日). “Ichiro honored at Safeco”. Mariners.com. Major League Baseball. 2010年3月21日閲覧。
  12. ^ 2001 Seattle Mariners Batting, Pitching, and Fielding Statistics”. Baseball-Reference.com. 2010年3月21日閲覧。
  13. ^ Rawitch, Josh (2002年7月10日). “Bonds excels on All-Star stage”. Major League Baseball. 2010年4月10日閲覧。
  14. ^ Barry Bonds Statistics and History”. Baseball-Reference.com. 2010年4月10日閲覧。
  15. ^ American vs. National”. USA Today (2004年7月13日). 2010年5月2日閲覧。
  16. ^ Rickey Henderson Statistics and History”. Baseball-Reference.com. 2010年5月2日閲覧。
  17. ^ Chass, Murray (2004年7月14日). “On Baseball; It's Up to Piazza to Say Whether or Not It's All Over”. The New York Times. 2010年5月23日閲覧。
  18. ^ Roger Clemens Statistics and History”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2010年5月23日閲覧。
  19. ^ Street, Jim (2005年2月22日). “What will Ichiro do for an encore?”. Mariners.MLB.com. Major League Baseball. 2010年6月6日閲覧。
  20. ^ Ichiro Suzuki Statistics and History”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2010年6月6日閲覧。
  21. ^ Dvorchak, Robert (2006年7月13日). “Clemente All-Star tribute another touching moment”. Pittsburgh Post-Gazette. 2010年6月6日閲覧。
  22. ^ Roberto Clemente Statistics and History”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2010年6月6日閲覧。
  23. ^ Bloom, Barry M. (2007年4月15日). “Commissioner honors Rachel Robinson”. Major League Baseball. 2010年6月6日閲覧。
  24. ^ http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20111022&content_id=25748744&vkey=news_mlb&c_id=mlb
  25. ^ http://msn.foxsports.com/mlb/lists/MLB-baseball-postseason-awards-cy-young-mvp-sliver-slugger-gold-glove-hank-aaron-trophy-winners-103011#photo-title=Commissioner's%20Historic%20Achievement%20Award%20%E2%80%94%20Ken%20Griffey%20Jr.&photo=30292952
  26. ^ http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20131024&content_id=63316480&vkey=pr_mlb&c_id=mlb
  27. ^ http://m.mlb.com/news/article/96068418/richard-justice-bud-selig-thrilled-career-paralleled-derek-jeters-run