サラリーキャップ
サラリーキャップ(Salary cap)とは、プロスポーツチームが所属する全ての選手の年俸の総額を毎年一定の上限金額を設けて規定する制度である。スポーツの分野、またはリーグの違いによって詳細は様々である。
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概要 [編集]
サラリーキャップの効果として、各チームの経営の健全化ということ以外に、一部の金満チームが金を使い選手を集めることを防ぎ、リーグの戦力を均衡化させるということがある。
実際、サラリーキャップを導入しているNFLの場合、連覇は難しいと言われ、スーパーボウルを3連覇しているチームは未だ出ていない。同じく、NBAも近年は王朝と呼ばれるチームでも3連覇が精一杯で、その次の年はNBAファイナルにすら進出できていない。
アメリカ大リーグや、日本のプロ野球、欧州のプロサッカーなどでも契約金・年俸の高騰が問題視され、これを導入しようとする動きも見られているが具体的な方針がまだ固まっていない(ただし、日本ではbjリーグや独立リーグの四国アイランドリーグplus、ベースボール・チャレンジ・リーグでは導入されている)。なおアメリカ大リーグは1994年に導入に踏み切ったものの、選手会のストライキで導入を断念しており、代替策として課徴金制度(ラグジュアリー・タックス)が導入されている。また、欧州サッカーではクラブごとでサラリーキャップを設けているケースがある。
NHLのように、サラリーキャップ導入までに大きな労使対立を伴ったケースもある。2004-2005シーズンからの導入に対して選手会が反発、これに対し経営者側が2004年9月16日から全面的なロックアウトを決行した。その後本来のシーズン中盤になって選手会はサラリーキャップの導入を容認したが、650万ドルの隔たり(選手会サイドは上限4900万ドルを掲示したが、経営者サイドはそれよりも低い4250万ドルを掲示)が解消できず、2005年2月16日にシーズンの全試合を中止すると発表した。
アメリカンフットボール [編集]
NFL [編集]
アメリカプロフットボールのNFLでは、フリーエージェント(FA制)で移籍した特定選手に対する年俸の極端な高騰を抑制し、均等な戦力で試合をすることを目的に1994年から設定された。毎年リーグ主催者の総収入をNFL参加チームの数で割った金額が各チームのサラリーキャップとなる。各チームはそのサラリーキャップの上限(制限)金額までの範囲内で契約更改を交わすこととなる(一般には最高年俸の選手から数えて51人がその対象で、契約金の上限をオーバーすると罰金やドラフト指名権が剥奪される罰則がある)。また、上限を超過してはならないこれらの形式はハードキャップと呼ばれる。
主催者総収入とは、全国放映権料(テレビ・ラジオ)、グッズなどのマーチャンダイジング、並びにホームゲームにおける有料試合(プレシーズンマッチ、公式戦)の入場料収入などを全て合算したものである。
NFLにおいてはサラリーキャップがその他の制度も含めて戦力均衡という目的に機能しており、過去20年間でスーパーボウル連覇を達成したチームはわずか4チーム(5回)しかなく、3連覇を達成したチームはスーパーボウル史上1チームも出ていない
なお、サラリーキャップには下限も存在する。これは、極端に戦力を削ってまでもチーム総年俸を圧縮し、分配金への依存度を過度に高めるような、経営努力を放棄するチームが現れることを防止するためである。[1]
バスケットボール [編集]
NBA [編集]
詳細は「NBAサラリーキャップ」を参照
bjリーグ [編集]
日本では2005年より開幕したbjリーグで初めて採用される。球団及び球団職員などのから選手及び家族などへ支給される金銭その他報酬が対象となる。これに加え以下の各金額相当額をサラリーキャップに加算することができる。
- 日本国外在住の選手の(別途理事会で定める)住居費。
- トレードの対価として受けた金額。
- 選手の負傷時点から契約期限までの未払い報酬額。(医師の診断書を要する)
なお、トレードの対価としてトレード先に支払った金額、及びFA宣言選手に対して支払われる一時金についてはチームサラリーの対象外となる。
シーズン途中に契約解除となった選手については、年俸を均等日割りした上で、契約解除後の日数分はチームサラリーの対象から除外される。
初年度上限は約6000万円とされた。シーズンを重ねるごとにリーグ及び各球団の収入が反映され、2008-2009シーズンより7600万円に引き上げられる。
しかし、経営難のチームが多いことから、現時点では、全選手の年俸がサラリーキャップ限度額に遠く及ばないチームがほとんどである。よって、サラリーキャップは機能しているとは言い難く、成績面でも大きく反映している。
JBL [編集]
日本バスケットボールリーグ(JBL)でも2008年よりサラリーキャップが導入されている。総額上限は明らかにされていないが、bjリーグよりは上とされている。
また、制限対象は日本人選手に限定され、外国人選手については無制限となっている(試合中の外国人選手の出場枠は1人に限られているのが理由)。
しかし、JBLはプロチームも含め、プロ選手が主流だが、社員選手を中心に構成するチームもあるため、チームの年俸総額に大きな差が出ている。このため、サラリーキャップが機能しているとは言い難い。
ナショナル・バスケットボール・リーグ [編集]
オーストラリアのプロバスケットボールリーグ、NBLの2006-07シーズンの上限額はオーストラリアドルで776,000ドルで、2007-08シーズンには810,000ドルまで増加する。上限額はリーグの成長が見込まれたため2年連続で上昇した。
サッカー [編集]
MLS [編集]
北米のプロサッカーリーグメジャーリーグサッカー(MLS)では他の米国プロリーグ同様サラリーキャップ制度が敷かれている。これは1970年代の北米サッカーリーグにて、ペレやフランツ・ベッケンバウアーら高年俸選手を抱えすぎたゆえにリーグが破綻した反省を踏まえてMLS発足の際に制定された。以降、各クラブの年俸総額2,000,000ドル、一選手400,000ドルを上限としてきた。
しかし、2006年11月に「特別指名選手」制度が作られ、400,000ドルのサラリーキャップはそのままに各クラブ最大2名までその上限を超えて選手を獲得できるようになった。当時はMLSクラブの一部がデイビッド・ベッカム獲得に興味を示していた事もあり、この制度は「ベッカム・ルール」と揶揄された。ベッカムは特別指名選手第1号としてロサンゼルス・ギャラクシーに加入した。
Aリーグ [編集]
オーストラリアのプロサッカーリーグAリーグでもサラリーキャップが導入されており、年俸合計が1,600,000ドル以下と定められている。ただしサラリーキャップの制限を受けない選手(マーキープレーヤー)を各クラブ1人獲得可能である。また。4試合限定のゲストプレイヤーも制限からは外れる。
バレーボール [編集]
韓国Vリーグ [編集]
韓国のバレーボールリーグVリーグでもサラリーキャップが導入されており、上限は13億ウォンとされている。
関連項目 [編集]
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