男女同一賃金

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男女同一賃金(だんじょどういつちんぎん)とは、性別を理由として、賃金について不利益な取扱いをしてはいけないという原則。

日本における歴史[編集]

1947年制定の労働基準法第4条に「使用者は、労働者女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」(男女同一賃金の原則)と定められたのが嚆矢とされる。その後、日本は1967年にILO100号条約(同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約)を批准した。しかしながら、正社員の賃金で比較した男女間の賃金格差にはなお隔たりがあり、ILOからはなお法改正の措置を求められている。

不利益取扱いの例[編集]

  • 男性と女性で別個の賃金支給規程を設けた場合。
  • 男性にのみ家族手当を支給する場合。あるいは、男性と女性で家族手当の支給基準を別個に設定した場合。
  • 男女別の職場で、もし男性が女性の職場で働いたなら女性より多く賃金を得られる場合。

判例[編集]

  • 男性と女性で異なった賃金支給基準が定められている場合、特段の事情がない限り、労基法4条違反となる。この場合、賃金に係る労働契約は無効となる。(秋田地方裁判所昭和50年4月10日判決(秋田相互銀行事件))
  • 扶養親族を有する世帯主である行員に家族手当を支給するに当たり、男性には配偶者の所得について所得税法上の扶養控除対象限度額に関わらず手当を支給し、女性には配偶者の所得が限度額を超えた場合に支給しないことは、賃金の差別的取り扱いに当たり、労働契約は労基法4条違反となり、民法90条により無効となる。(仙台高等裁判所平成4年1月10日判決(岩手銀行事件))

参考文献[編集]

  • 浅倉むつ子・島田陽一・盛誠吾『労働法 第3版』(有斐閣、2008年)64頁(浅倉執筆部分)
  • 笹沼朋子「男女同一賃金」菅野和夫西谷敏荒木尚志編『労働判例百選 第7版』(有斐閣、2002年)64頁(岩手銀行事件の判例評釈)

関連項目[編集]