労働時間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
労働時間(ろうどうじかん)とは、使用者または監督者の下で労働に服しなければならない時間。休憩時間は労働時間に含まれず、使用者または監督者のもとで労働はしていないがいつでも労働できる待機状態である時間(例:タクシーの客待ち時間)は労働時間に含まれる。公務員については勤務時間を参照。労働基準法に定められた労働時間を法定労働時間、就業規則などに決められた労働時間から休憩時間を除いた時間を所定労働時間という。法定労働時間または所定労働時間のいずれか長い時間を越えた時間を法定外労働時間、所定労働時間を越え法定労働時間未満を所定外労働時間ということがある。
就業時間は、労働時間、特に所定労働時間の意味でもちいられる。
目次 |
[編集] 各国の労働時間
2004年度のOECDの報告において、OECD加盟諸国のうちで労働者の就労時間が最も長いのは、年間2390時間を計上した大韓民国であった。
次点が1984時間のポーランド、更にメキシコ、チェコ、日本、ギリシャ、アメリカ合衆国、・・・と続いた。
[編集] 日本
[編集] 労働時間の範囲
労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。
就業前の準備・朝礼や就業後の終礼・後片付けの時間や制服や作業服の着替えや装備品着脱に要する時間も労働時間に含まれる。通勤服から制服ではない仕事着に着替える場合や、ボランティアで清掃を行うような場合は含まれない。しかし着替えさせた後タイムカードを押させている会社は多く存在する。
労働時間についての最高裁判例に「三菱重工業長崎造船所事件」(2000年3月9日 第1小法廷)がある。
実作業に従事していない時間(以下「不活動時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が不活動時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かに客観的に定まる。不活動時間であっても労働からの解放が保障されている場合は労働時間には該当しないが、労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たる。そして、当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下というべきであり、この場合は労働時間に該当する。
[編集] 法定労働時間
- 労働基準法(昭和22年4月7日法律49号)
- 第32条(労働時間)
- 第1項 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
- 第2項 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
- 第32条(労働時間)
昭和63年の労働基準法改正で上の原則を打ち立て、移行措置を設けながら平成9年に例外を除き完全実施となった。一方、各種の変形労働時間制をあわせて導入し、変則的な業務形態に対応させ、もって所定労働時間の短縮を促した。
10人未満の事業場であって次の業種については、平成13年3月31日までは1週間の労働時間が46時間、平成13年4月1日からは1週44時間の特例として認められている。これら特例であっても変形労働時間制は1箇月単位または、フレックスタイム制に限り認められる。それ以外のたとえば、1年単位、1週間単位の変形労働時間制は、週40時間となる。
- 商業
- 卸売、小売、理美容、倉庫、駐車場・不動産管理、出版業(ただし印刷部門を除く)等
- 映画演劇業
- 映画撮影、演劇、その他興業等(ただし映画作成、ビデオ製作を除く)
- 保健衛生業
- 病院、診療所、歯科医院、保育所、老人ホーム、浴場(ただし個室浴場を除く)等
- 接客娯楽業
- 旅館、飲食店、ゴルフ場、公園遊園地等


