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大学卒業後、二郎は飛行機製造会社に就職し、名古屋に向かう。初めて試験飛行を目にした二郎は感銘を受けるが、[[はやぶさ|隼型飛行機]]は急降下試験で空中分解し、コンペは失敗に終わる。上司の黒川は、二郎に欧米の進んだ技術を学んでくるよう勧める。同期の本庄らとドイツに渡った二郎は、[[ユンカース G.38|G.38]]などを目の当たりにし、その技術水準に圧倒される。帰国した二郎は、上司の服部や黒川から[[七試艦上戦闘機]]の設計主務を命じられる。初めての設計主務に二郎は悪戦苦闘するが、ようやく完成した飛行機は飛行試験中に[[垂直尾翼]]が折れて墜落した。失意の二郎は休暇を取って軽井沢に向かうが、そこで関東大震災のとき助けた少女菜穂子と再会し、交際することになる。しかし、菜穂子は[[結核]]を患っていた。 |
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2013年9月12日 (木) 17:55時点における版
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風立ちぬ | |
---|---|
漫画 | |
作者 | 宮崎駿 |
出版社 | 大日本絵画 |
掲載誌 | モデルグラフィックス |
発表号 | 2009年4月号 - 2010年1月号 |
話数 | 9話 |
映画 | |
監督 | 宮崎駿 |
制作 | スタジオジブリ |
封切日 | 2013年7月20日 |
上映時間 | 126分 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画、アニメ |
ポータル | 漫画、アニメ |
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『風立ちぬ』(かぜたちぬ)は、宮崎駿による日本の漫画。『モデルグラフィックス』(大日本絵画)において、2009年4月号から2010年1月号まで連載された。本作を原作としたアニメーション映画が2013年7月20日に公開された。
概要
宮崎駿が『モデルグラフィックス』誌上にて発表した連載漫画であり、その後、スタジオジブリによりアニメーション映画化された[2][3]。映画は制作発表時に、「2013年夏に劇場公開予定[2][3][4]」とされ、前記したように当初予定通り2013年7月に公開された。宮崎が長編アニメーション映画の監督を務めるのは、2008年の『崖の上のポニョ』以来となる[2][4]」。また、宮崎が『モデルグラフィックス』に連載した漫画がアニメ化されるのは、1992年の『紅の豚』以来2作目となる[5]。漫画版の各話冒頭には作者名が書かれており、第1回や第6回などでは本名の「宮﨑駿」[6][7]名義となっていたが、第2回は「宮﨑グズオ」[8]、第3回は「宮﨑ノロオ」[9]、第4回は「宮﨑ノビオ」[10]、第5回は「宮﨑オソオ」[11]、第7回は「宮﨑YASUMIGACHI駿」[12]など自身の遅筆を自虐的に捩った筆名を用いている。いずれの名義も手書きで書かれており、「崎」ではなく本名の「﨑」の字を使って表記されている。
実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いた作品であるが[2][3][4]、堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込まれている[2][4]。そのため映画のポスターには両名の名を挙げており、2012年に公表された版では「堀越二郎と堀辰雄に敬意を表して」[4]、翌年公表された版では「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」と記されている。実際のエピソードを下敷きにしつつもオリジナル要素を盛り込んだストーリーが展開されるため、堀越の遺族に対して事前に相談し了解を得ている[4][13]。主人公の性格など人物像にもオリジナル要素が盛り込まれているが、その点についても堀越の息子は「そんなことは無論構わない」[4]と快諾した。なお、宮崎が監督した作品で、実在の人物を主人公とするのは初めてである[4]。また、主人公のモチーフには、宮崎の父の人生も反映されている[14]。宮崎の父は、幼いころに関東大震災に遭い[15]、その後零式艦上戦闘機や月光の風防などを製造する会社の経営に携わり[14]、のちに前妻を結核で亡くしている[16]。これらをモチーフとすることで、本作の主人公像が作られていった[14]。
宮崎は『宮崎駿の雑想ノート』など軍事を題材とした作品を多く描いているが、今作品のテーマとして、兵器である戦闘機などが好きな自分と戦争反対を訴える自分という矛盾を抱えた自らの姿が投影されている[17]。
映画版は全国454スクリーンで公開され、2013年7月20日、21日の2日間で興収9億6088万5850円、動員74万7451人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった[18]。公開前まで本年度公開作品中最高のオープニング成績となった『モンスターズ・ユニバーシティ』を超える記録となり、『借りぐらしのアリエッティ』(最終興収92.5億円)との興収比は107.3%の成績となっている。2013年7月25日、イタリアで開催される第70回ヴェネツィア国際映画祭で、最高賞「金獅子賞」を競うコンペティション部門の上映作品に『風立ちぬ』が選ばれたことが発表された[19]。北米でのプレミア上映は2013年9月のトロント国際映画祭となる[20]。
公開第2週で累計興収28億円、累計動員220万人を突破[21]、公開30日間で累計興収72億8010万8450円、累計動員584万4683人[22]、公開37日間で累計興収80億9395万2100円、累計動員649万6388人[23]、同年9月1日までで累計興収88億4800万6850円、累計動員714万8485人となり[24]、同年9月1日までで累計興収97億7,319万2,800円、累計動員788万7,395人となり8週連続映画観客動員ランキング第1位となった[25]。
2013年9月、宮崎は本作を最後に長編アニメ製作からの引退を発表した[26]。
経緯
漫画連載に至る経緯
映画『崖の上のポニョ』の製作を終え一段落したことから、宮崎駿は『モデルグラフィックス』に漫画を連載することとなった[27]。宮崎は「この漫画はいわば趣味として描いていたもの」[27]と語るなど、当初は自身の趣味のつもりで描いていたという。その延長で、登場人物のほとんどは、擬人化された豚などの姿で描かれている[27]。
映画製作に至る経緯
宮崎駿が『モデルグラフィックス』に漫画版を連載し始めた当初は、本作を映画化することは全く考えていなかった。その後、鈴木敏夫が映画化を提案したが、宮崎は本作の内容が子供向けでないことを理由に反対していた[28]。宮崎は「アニメーション映画は子どものためにつくるもの。大人のための映画はつくっちゃいけない」[28]と主張していたが、鈴木は戦闘機や戦艦を好む一方で戦争反対を主張する宮崎の矛盾を指摘し「矛盾に対する自分の答えを、宮崎駿はそろそろ出すべき」[28]と述べて映画化を促した。映画版の企画書の中で、宮崎は製作意図について「この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである」[29]と述べている。
公開までの経緯
2012年12月の記者会見においては、高畑勲が監督したスタジオジブリの『かぐや姫の物語』も、同日公開の予定と発表されていた[2][3][4]。宮崎と高畑の映画が同時期に公開されるのは、1988年に『となりのトトロ』と『火垂るの墓』が2本立て同時上映されて以来だが、今回は同時上映ではなく個別に上映される予定となっていた[3][4]。しかし、『かぐや姫の物語』は2013年に入っても絵コンテが完成しなかったことから、『かぐや姫の物語』は公開時期を延期し同年秋に公開されることとなった[30][31][32][33]。また、「やどさがし」と同じように人間の声などで効果音を作っている[34]。
キャスティングの経緯
スタジオジブリの鈴木敏夫に対して、アニメーション監督の庵野秀明が「零戦が飛ぶシーンがあるなら描かせてほしい」[35]と申し入れている。仮に庵野の参加が正式決定していれば、1984年公開の『風の谷のナウシカ』以来の宮崎作品への参加となるはずだった[35]。しかし、宮崎は、作画スタッフとしてではなく本作の主人公として出演するよう、庵野に要請した[36]。庵野は困惑しつつもオーディションを受けたが、その直後に宮崎から改めて出演を依頼されたため、庵野も出演を受諾した[36]。宮崎は主人公のイメージとして「早口である」[36]「滑舌がよい」[36]「凛としている」[36]の3つを挙げており、庵野を選んだ理由として「いい声だからでなく、存在感で選んだ」[36]としている。なお、庵野にとって、声優参加作品としては『フリクリ』のミユミユ役以来、主演映画作品としては『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』以来となる。
公開後の反響
堀越二郎の長男は、映画版を観た感想として、実際には本庄より二郎は年下なので「さん付け」で呼んでいたはず、といった史実と異なる点が気になったものの、関東大震災のシーンあたりから引き込まれ、別れのシーンでは涙が止まらなかったと高く評価している[37]。主人公については「いちずさ、気性、生きざまが美しく、その子供としてすごくうれしかった」[37]と語っている。さらに「父は必ずしも零戦は好きではなかった」[37]と指摘し「宮崎監督がすごいのは『九試』完成までで、零戦を描いていないこと」[37]だと評している。なお、「零戦は好きではなかった」[37]という理由について、堀越の長男は、設計時の要求水準の高さ、テストパイロットの殉職、特別攻撃隊での使用など、二郎にとって零式艦上戦闘機には辛い思い出が多かったことを挙げている。
また、本作を巡っては、軍用機の開発を題材としていることもあり、マスコミなど各所で様々な反応が見られた。産業経済新聞社の雑誌『正論』では、映画公開にあわせ「『風立ちぬ』宮崎駿監督の反日妄想を嗤う」と題した特集記事を掲載した。『正論』はこの記事において、原子力発電に反対するスタジオジブリを批判し「福島原発が稼働していた頃、同社も原発の電力で映画を制作していたはず。では原発の電力にまみれた過去作品はいっそ放棄すべきではないか」[38]と主張し、原子力発電に反対するなら過去の作品を放棄せよと論じた。
あらすじ
航空技術者として活躍した堀越二郎が、主人公のモデルとなっている[2][3][4]。七試艦上戦闘機、九試単座戦闘機、零式艦上戦闘機の設計などを手掛けた、二郎の生涯が描かれている[2][3]。東京、名古屋、ドイツを舞台に、二郎の10代から30代までを中心に物語が展開される[4]。航空技術者としての活動とともに、オリジナル要素であるヒロインとの恋愛シーンも盛り込まれている[4][13]。
群馬に生まれた二郎は、幼いころから飛行機に憧れる少年だった。しかし、二郎は近視だったため、パイロットになるのは不可能で、飛行機の設計士になれないかと夢想していた。夢の中で飛行機製作者のカプローニに邂逅した二郎は、近視でも飛行機の設計士になれるのかと質問した。カプローニから励まされた二郎は、飛行機の設計士になろうと決意する。その後、二郎は飛行機の設計士を目指し、東京の大学で航空工学を学ぶようになる。汽車に乗っていた二郎は、ひょんなことから少女とその女中と知り合うが、そのとき関東大震災が発生、二郎は2人を助ける。
大学卒業後、二郎は飛行機製造会社に就職し、名古屋に向かう。初めて試験飛行を目にした二郎は感銘を受けるが、隼型飛行機は急降下試験で空中分解し、コンペは失敗に終わる。上司の黒川は、二郎に欧米の進んだ技術を学んでくるよう勧める。同期の本庄らとドイツに渡った二郎は、G.38などを目の当たりにし、その技術水準に圧倒される。帰国した二郎は、上司の服部や黒川から七試艦上戦闘機の設計主務を命じられる。初めての設計主務に二郎は悪戦苦闘するが、ようやく完成した飛行機は飛行試験中に垂直尾翼が折れて墜落した。失意の二郎は休暇を取って軽井沢に向かうが、そこで関東大震災のとき助けた少女菜穂子と再会し、交際することになる。しかし、菜穂子は結核を患っていた。
その後、九試単座戦闘機の設計主務を命じられた二郎は、逆ガル翼や沈頭鋲を採用するなど意欲的に設計に取り組む。そのとき、入院していた菜穂子が病院を抜け出したことを知る。名古屋で菜穂子に再会した二郎は、菜穂子の死期が近いことを悟り、黒川夫妻の媒酌で結婚する。二郎はその後も設計に執念を燃やすが、一方、菜穂子の症状は重くなっていった。二郎らの努力の結果、九試単座戦闘機の飛行試験は大成功に終わるが、そのころ菜穂子はたった一人で再び高原の病院に戻る。
登場人物
漫画版においては、『モデルグラフィックス』に連載された『宮崎駿の雑想ノート』の諸作品と同様に、登場人物の多くが擬人化された動物の姿で描かれている。それに対して、映画版においては、登場人物は全てリアルな人間の姿で描かれている。
- 堀越 二郎(ほりこし じろう)
- 声 - 庵野秀明
- 本作の主人公。子供のころから飛行機に憧れ、東京の大学で航空工学を学んだ[4]。その後、ドイツへの留学を経て、航空技術者として数々の戦闘機を設計することになる[4]。七試艦上戦闘機の開発では、初めて設計主務を任されるが[10]、同機は飛行試験中に垂直尾翼が折れて墜落した[11]。失意の中、休暇で訪れた長野県北佐久郡軽井沢町で菜穂子に出会う[7]。その後、九試単座戦闘機の試作一号機に逆ガル翼や沈頭鋲を採用するなど、独創的な設計を行い、その非凡な才能を開花させる。のちに零式艦上戦闘機など優れた飛行機を次々と生み出した。
- 実在の人物である航空技術者の堀越二郎をモデルとしている[2][3][4]。
- 里見 菜穂子(さとみ なおこ)
- 声 - 瀧本美織
- 本作のヒロイン[4]。東京の代々木上原に住まう資産家の令嬢(関東大震災前は上野広小路)。療養のため訪れた軽井沢町にて、二郎が作った逆ガル翼の紙飛行機が縁で知り合いになり、のちに交際するようになる[7]。
- 本作オリジナルの架空の人物である[4]。名前の由来は堀辰雄の小説『菜穂子』に因む[4]。
- 本庄(ほんじょう)
- 声 - 西島秀俊
- 二郎の同僚の航空技術者[39]。二郎とは東京帝国大学時代からの友人である。八試特殊偵察機、九試陸上攻撃機(のちの九六式陸上攻撃機)の設計主務を務めた[11][12]。
- 実在の人物である三菱重工業の本庄季郎をモデルとする。
- 黒川(くろかわ)
- 声 - 西村雅彦
- 二郎の上司[39]。新人の二郎にいきなり難易度の高い設計を任せるなど、仕事に対して厳しい一面を見せる。しかし、特別高等警察の手から救うため二郎を匿った。二郎から仲人を頼まれた際には、菜穂子の病状を考え最初は難色を示すも、2人の気持ちを汲み取って精いっぱいの仲人を務める。
- なお同名の登場人物が堀辰雄の小説『菜穂子』にも登場している。
- カストルプ
- 声 - スティーブン・アルパート
- 軽井沢町に滞在するドイツ人[39]。たまたま二郎や里見家と同宿だったことから、二郎と菜穂子が交際を始める際に立会人となった[7]。クレソンが好物で、フランツ・シューベルトの楽曲を好む[7]。
- 里見(さとみ)
- 声 - 風間杜夫
- 菜穂子の父親[39]。菜穂子との交際を申し出た二郎に対し、菜穂子の病状を伝え、考え直すよう諭す[7]。しかし、二郎の考えが変わらないことを知り、2人の交際を認める[7]。しかし、夜行列車を乗り継いで菜穂子の見舞いに来る二郎を心配し、菜穂子だけでなく自身の仕事も大事にするようアドバイスした[12]。
- 本作オリジナルの架空の人物である。
- 二郎の母(じろうのはは)
- 声 - 竹下景子
- 二郎の母親[39]。
- 堀越 加代(ほりこし かよ)
- 声 - 志田未来
- 二郎の妹[39]。東京に出て医学を学びたいと志すが、父に反対されたため二郎に口添えを頼む。のちに医師となり、菜穂子の看病のため黒川邸を訪れる。
- 服部(はっとり)
- 声 - 國村隼
- 二郎が所属する設計課の課長[39]。七試艦上戦闘機の開発の失敗で失意の二郎に、休暇を与えた[11]。二郎の手腕を買っており、九試単座戦闘機の開発では設計主務として二郎を再び推薦する[11]。
- 実在の人物である三菱重工業の服部譲次をモデルとしている。
- 黒川夫人(くろかわふじん)
- 声 - 大竹しのぶ
- 二郎の上司である黒川の妻[39]。二郎と菜穂子が結婚すると言い出した際には、難色を示す夫を尻目に真っ先に賛成し、菜穂子のために婚礼の衣装などを準備した。菜穂子が黒川邸から高原の病院に戻った際には、菜穂子の心情を慮り、連れ戻そうとする加代を止める。
- カプローニ
- 声 - 野村萬斎
- 世界的に著名な飛行機製作者[39]。夢の中で二郎と邂逅する。二郎の夢の中で「設計はセンスだ」[8]「創造的人生の持ち時間は10年だ」[8]と激励する。また、七試艦上戦闘機の設計に満足がいかない二郎を励まし[11]、同機の開発が失敗に終わった際には「泣く時はひとりで泣け」[11]と慰めた。
- 実在の人物であるカプロニ創業者のジャンニ・カプローニをモデルとしている[29]。映画版の企画書によれば、宮崎駿は本作で「零戦の設計者堀越二郎とイタリアの先輩ジャンニ・カプローニとの同じ志を持つ者の時空をこえた友情」[29]を描くとともに「いくたびもの挫折をこえて少年の日の夢にむかい力を尽すふたり」[29]の姿を描くと記している。また、宮崎駿は野村萬斎への演技指導において「カプローニは二郎にとっての“メフィストフェレス”だ」[40]と説明している。
- ユンカース
- 世界的に著名な飛行機製作者。二郎や本庄らがドイツを訪問した際、ユンカース航空機製作の格納庫内にて出会う。二郎と本庄がドイツ側の担当者と揉めているのを目にし、二郎らに自社の飛行機内部の見学を許可した。のちにアドルフ・ヒトラーら国家社会主義ドイツ労働者党に批判的な態度をとったため、同社を追われることになった。
- 実在の人物であるユンカース航空機製作創業者のフーゴー・ユンカースをモデルとしている。
- メッサーシュミット
- 世界的に著名な飛行機製作者。合理性を重視し「技術革新は一気にすべきである」と語る。それに対して二郎は「われわれはセンスで貴君に対抗するであろう」と反論する。
- 実在の人物であるメッサーシュミット創業者のウィリー・メッサーシュミットをモデルとしている。漫画版のみ登場。
- 堀 辰雄(ほり たつお)
- 小説家。二郎と同じく東京帝国大学の出身。レストラン「ペリカン」で二郎に再会した際、「ぜひ君の美しいヒコーキをつくってくれたまえ」[9]と声をかけ励ます。
- 実在の人物である小説家の堀辰雄をモデルとしている。漫画版のみ登場。
劇場版アニメ
風立ちぬ | |
---|---|
The Wind Rises | |
監督 | 宮崎駿 |
脚本 | 宮崎駿 |
原作 | 宮崎駿 |
製作 |
奥田誠治[註釈 1] 福山亮一[註釈 1] 藤巻直哉[註釈 1] |
出演者 |
庵野秀明 瀧本美織 西島秀俊 西村雅彦 スティーブン・アルパート 風間杜夫 竹下景子 志田未来 國村隼 大竹しのぶ 野村萬斎 |
音楽 | 久石譲 |
主題歌 |
荒井由実 『ひこうき雲』 |
撮影 | 奥井敦[註釈 2] |
編集 | 瀬山武司 |
製作会社 | スタジオジブリ |
配給 | 東宝 |
公開 | 2013年7月20日 |
上映時間 | 126分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
キャッチコピーは「生きねば。」である。英語でのタイトル表記は「The Wind Rises」[41]である。
スタッフ
- 原作・脚本・監督 - 宮崎駿
- 作画監督 - 高坂希太郎
- 動画検査 - 舘野仁美
- 美術監督 - 武重洋二
- 色彩設計 - 保田道世
- 撮影監督 - 奥井敦
- 音響演出・整音 - 笠松広司
- アフレコ演出 - 木村絵理子
- 編集 - 瀬山武司
- 原作掲載 - 月刊モデルグラフィックス
- 特別協賛 - KDDI
- 特別協力 - ローソン・読売新聞
- 宣伝プロデューサー - 高橋亜希人・細川朋子
- 製作担当 - 奥田誠治・福山亮一・藤巻直哉
- 音楽 - 久石譲(サントラ/徳間ジャパンコミュニケーションズ)
- 制作 - 星野康二・スタジオジブリ
- プロデューサー - 鈴木敏夫
- 配給 - 東宝
主題歌
- 「ひこうき雲」
- 作詞・作曲・歌 - 荒井由実(EMI Records Japan)
- プロデューサーの鈴木敏夫が主題歌として使用したい意向を打診し、本人から了承を得た[3]。
挿入曲
- 「Das gibt's nur einmal」(邦題「唯一度だけ」)
- 作詞 - Robert Gilbert / 作曲 - Werner Richard Heymann
- 1931年のドイツ映画『会議は踊る』の主題歌として使われている。
朗読詩
註釈
出典
- ^ a b c d e 「「風立ちぬ」堀越二郎の半生」『風立ちぬ』、東宝出版・商品事業室、2013年7月20日。
- ^ a b c d e f g h i “スタジオジブリ:新作は「ポニョ」以来5年ぶり宮崎駿作品 14年ぶり高畑作品と2本同時公開 - MANTANWEB(まんたんウェブ)”. スタジオジブリ : 新作は「ポニョ」以来5年ぶり宮崎駿作品 14年ぶり高畑作品と2本同時公開. 毎日新聞デジタル (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 島村幸恵 (2012年12月13日). “ジブリ新作、2作一挙公開!宮崎駿&高畑勲作品でジブリ史上初! - シネマトゥデイ”. ジブリ新作、2作一挙公開!宮崎駿&高畑勲作品でジブリ史上初!. シネマトゥデイ. 2012年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s “東宝 映画トピックス”. 「かぐや姫の物語」「風立ちぬ」スタジオジブリ新作発表会見. 東宝 (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
- ^ ヤンヤン (2012年12月14日). “スタジオ・ジブリ高畑勳作品と宮崎駿作品を同時公開!主役はかぐや姫と堀越二郎・堀辰雄 (2/2) : J-CASTテレビウォッチ”. スタジオ・ジブリ高畑勳作品と宮崎駿作品を同時公開!主役はかぐや姫と堀越二郎・堀辰雄. ジェイ・キャスト. 2012年12月14日閲覧。
- ^ 宮﨑駿「風立ちぬ――妄想カムバック(1)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年4月。
- ^ a b c d e f g 宮﨑駿「風立ちぬ――妄想カムバック(6)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年9月。
- ^ a b c 宮﨑グズオ「風立ちぬ――妄想カムバック(2)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年5月。
- ^ a b 宮﨑ノロオ「風立ちぬ――妄想カムバック(3)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年6月。
- ^ a b 宮﨑ノビオ「風立ちぬ――妄想カムバック(4)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年7月。
- ^ a b c d e f g 宮﨑オソオ「風立ちぬ――妄想カムバック(5)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年8月。
- ^ a b c 宮﨑YASUMIGACHI駿「風立ちぬ――妄想カムバック(7)」『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年11月。
- ^ a b 伊藤徳裕 (2012年12月21日). “【伊藤徳裕のここに映画あり】風立ちぬ 宮崎アニメと縁がある群馬県 - MSN産経ニュース”. 風立ちぬ 宮崎アニメと縁がある群馬県. 産経デジタル. 2012年12月21日閲覧。
- ^ a b c 宮崎駿・半藤一利「自分の映画で泣いたのは初めてです――『風立ちぬ』戦争と日本人――零戦の誕生、関東大震災……ただ懸命に生きた時代の証言」『文藝春秋』第91巻第9号、文藝春秋、2013年8月1日、99頁。
- ^ 宮崎駿・半藤一利「自分の映画で泣いたのは初めてです――『風立ちぬ』戦争と日本人――零戦の誕生、関東大震災……ただ懸命に生きた時代の証言」『文藝春秋』第91巻第9号、文藝春秋、2013年8月1日、101頁。
- ^ 宮崎駿・半藤一利「自分の映画で泣いたのは初めてです――『風立ちぬ』戦争と日本人――零戦の誕生、関東大震災……ただ懸命に生きた時代の証言」『文藝春秋』第91巻第9号、文藝春秋、2013年8月1日、104頁。
- ^ “ジブリ初、高畑勲&宮崎駿監督の最新作2作同日公開 (鈴木敏夫) ニュース-ORICON STYLE-”. ジブリ初、高畑勲&宮崎駿監督の最新作2作同日公開. オリコン (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
- ^ 宮崎駿監督『風立ちぬ』が今年最高のオープニング!順風満帆の1位スタート!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年7月23日
- ^ “宮崎アニメ「風立ちぬ」、ベネチア国際映画祭へ”. 日本経済新聞. 日本経済新聞 (2013年7月25日). 2013年7月25日閲覧。
- ^ [1]
- ^ 宮崎駿『風立ちぬ』動員200万人突破でV2!アニメ作品がトップ3独占!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年7月30日
- ^ 『風立ちぬ』興収70億円突破でV5!『モンスターズ・ユニバーシティ』は『海猿』超え!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年8月20日
- ^ 『風立ちぬ』6週連続1位!動員600万人&興収80億円を突破!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年8月27日
- ^ 引退発表の宮崎駿監督『風立ちぬ』動員700万人突破でV7!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年9月3日
- ^ 宮崎駿監督『風立ちぬ』がV8!引退宣言の影響大きく客足伸ばす【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年9月10日
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- ^ a b c d e “主人公・堀越二郎長男堀越雅郎さん――仕事にも恋にもいちず見事な男だな――父が生きていたら「俺が立派な人間に描かれているだろ?」とうれしそうに言ったと思います”. 報知新聞 風立ちぬ特別号 (報知新聞社): p. 11。
- ^ 三品純「「風立ちぬ」宮崎駿監督の反日妄想を嗤う」『正論』、産業経済新聞社、2013年10月。
- ^ a b c d e f g h i “瀧本美織:宮崎駿最新作のヒロイン声優に抜てき - MANTANWEB(まんたんウェブ)”. 瀧本美織 : 宮崎駿最新作のヒロイン声優に抜てき. 毎日新聞社 (2013年6月6日). 2013年6月6日閲覧。
- ^ 「登場人物」『風立ちぬ』、東宝出版・商品事業室、2013年7月20日。
- ^ 『風立ちぬ』、東宝出版・商品事業室、2013年7月20日、裏表紙。
関連事項
外部リンク
- 風立ちぬ 公式サイト
- 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) - X(旧Twitter)
- 映画『風立ちぬ』 (kazetachinu.movie) - Facebook
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