「の」の法則
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「の」の法則(ののほうそく)は、宮崎駿の監督した映画に関する法則。
概要
[編集]宮崎駿が監督した映画作品について、そのタイトルの共通点を指摘した法則である。日本テレビ放送網の映画プロデューサーとして、スタジオジブリ作品で製作担当などを務めた奥田誠治が提唱した[1]。宮崎の監督作品のタイトルには「の」の字が入っていることが多く、これがヒットの秘訣であるという[1]。また、高畑勲の監督作品の場合は、タイトルに「ほ」の字が入るとのことである[1][注釈 1]。ただ、宮崎自身は「の」の字を入れることには全くこだわっておらず、『もののけ姫』も当初は『アシタカ𦻙記』[注釈 2]と命名するよう主張していた。短編映画においては多くの作品に「の」の字が含まれておらず、長編映画においても『風立ちぬ』のように「の」の字を含まない作品が存在する[2]。
なお、奥田が「宮崎監督の作品には必ず『の』という字が入っていて」[1]と述べているように、この法則の趣旨は、宮崎監督作品のタイトルの共通点を指摘したものである。しかし、「スタジオジブリの作品には『“の”の法則』があると言われています。それは、タイトルに『の』が入れば大ヒットになるという法則」[3]といったように、アニメ映画は「の」の字を入れればヒットする、という趣旨で用いられる例もある[4]。
映画作品の一覧
[編集]※ 太字は長編作品。
宮崎駿が監督した映画作品 | ||
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タイトル | 公開年 | 主要スタッフ(原作・脚本・監督のみ記載) |
ルパン三世 カリオストロの城 | 1979年 | モンキー・パンチ原作、宮崎駿・山崎晴哉脚本、宮崎駿監督 |
未来少年コナン 巨大機ギガントの復活 | 1984年 | アレグザンダー・ケイ原作、中野顕彰脚本、宮崎駿監督 |
風の谷のナウシカ | 宮崎駿原作・脚本・監督 | |
名探偵ホームズ 青い紅玉の巻/海底の財宝の巻 | アーサー・コナン・ドイル原作、片渕須直脚本、宮崎駿監督 | |
天空の城ラピュタ | 1986年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
名探偵ホームズ ミセス・ハドソン人質事件の巻/ドーバー海峡の大空中戦の巻 | アーサー・コナン・ドイル原作、片渕須直脚本、宮崎駿監督 | |
となりのトトロ | 1988年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
魔女の宅急便 | 1989年 | 角野栄子原作、宮崎駿脚本・監督 |
紅の豚 | 1992年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
On Your Mark | 1995年 | 宮崎駿監督 |
もののけ姫[注釈 3] | 1997年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
千と千尋の神隠し | 2001年 | |
フィルムぐるぐる | 宮崎駿監督 | |
くじらとり | 中川李枝子・大村百合子原作、宮崎駿脚本・監督 | |
コロの大さんぽ | 2002年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
めいとこねこバス | ||
空想の空飛ぶ機械達 | ||
ハウルの動く城 | 2004年 | ダイアナ・ウィン・ジョーンズ原作、宮崎駿脚本・監督 |
水グモもんもん | 2006年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
星をかった日 | 井上直久原作、宮崎駿脚本・監督 | |
やどさがし | 宮崎駿原作・脚本・監督 | |
崖の上のポニョ | 2008年 | |
ルパン三世 1st.TVシリーズ | 2009年 | モンキー・パンチ原作、宮田雪・小山俊一郎脚本、高畑勲・宮崎駿監督 |
パン種とタマゴ姫 | 2010年 | 宮崎駿原作・脚本・監督 |
風立ちぬ | 2013年 | |
毛虫のボロ | 2018年 | |
君たちはどう生きるか | 2023年 |
注釈
[編集]- ^ この発言があった時点で、高畑がスタジオジブリで監督した映画は『柳川堀割(ほりわり)物語』『火(ほ)垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』だった。この後に製作された『かぐや姫の物語』には「ほ」が入らない。
- ^ 「𦻙記」の読みは「せっき」。「𦻙」(草冠の旧字体の下に耳を二つ)は宮崎による「正史には残らずに耳から耳へ伝えられた物語」を意味する創作であり日本の漢字には存在しない。これに相当するものが台湾の漢字に存在し、UnicodeではU+26ED9(CJK統合漢字拡張B)に収録されている。「聶」(耳を三つ)は誤記あるいは代用表記。
- ^ 「『の』の法則」の『の』は格助詞である。「もののけ」は漢字で書くと「物の怪」であるため、「『の』の法則」では2字目の『の』のみがこの法則に該当する。
出典
[編集]- ^ a b c d “依田謙一「ジブリを支えるキーパーソン――奥田誠治・日テレ映画事業部長に聞く”. 読売新聞. (2004年6月15日). オリジナルの2014年2月23日時点におけるアーカイブ。 2015年1月3日閲覧。
- ^ 宮崎駿原作・脚本・監督『風立ちぬ』スタジオジブリ、2013年。
- ^ 宮脇睦「政権交代と“の”の法則に通じる国民不在の『アジェンダ0.2』」『【コラム】エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - (173) 政権交代と"の"の法則に通じる国民不在の「アジェンダ0.2」 | エンタープライズ | マイナビニュース』マイナビ、2012年7月24日。
- ^ 大ヒットする映画、タイトルに法則があった? 『鬼滅』の記録更新で再び話題に – Sirabee