2009年の文学
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2009年の文学(2009ねんのぶんがく)では、2009年(平成21年)の文学に関する出来事について記述する。
→「2009年の出版」も参照
できごと
[編集]- 1月15日 - 第140回芥川賞・直木賞(2008年下半期)の選考委員会開催。
- 1月16日 - 中国の21世紀年度最優秀外国小説に、大江健三郎の『﨟たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』が選ばれる。日本人の受賞は初めて [1][2]。
- 1月21日 - イスラエルの文学賞であるエルサレム賞に、村上春樹が選ばれる。授賞式は、2月15日の予定 [3][4][5]。
- 2月3日 - 世界的な人気小説『ハリー・ポッターシリーズ』の著者J・K・ローリング、フランスのレジオンドヌール勲章を受章。子どもたちに読書の喜びを教えたとして、同章5等のシュヴァリエ(騎士章)が授与された [6]。
- 5月29日 - 村上春樹の5年ぶりの新作長編小説『1Q84』BOOK1、BOOK2が新潮社から発売された。予約が殺到し、発売前に増刷が決定。また、発売後も爆発的な売れ行きを示し、発売後2週間足らずの6月9日には、早くも全2巻計100万部を突破した [7][8]。また同書は、トーハン発表の「2009年年間ベストセラー」総合1位を記録した[9]。
- 10月8日 - ノーベル文学賞に、ドイツの女性作家ヘルタ・ミュラーが選ばれる [10]。
- 11月14日 - 岐阜県岐阜市湊町のホテルパークから鵜飼観覧船乗り場に行く途中のポケットパーク名水に、小説『篝火』にちなんだ川端康成と伊藤初代の「篝火の像」が建立[11]。
受賞
[編集]日本国内
[編集]- 第140回(2008年下半期)芥川賞・直木賞 (1月)
- 第141回(2009年上半期)芥川賞・直木賞 (7月)
- 谷崎潤一郎賞(第45回) - 該当作なし
- 泉鏡花文学賞(第37回) - 千早茜『魚神』
- 群像新人文学賞(第52回) - 永岡杜人『言語についての小説―リービ英雄論』
- 野間文芸新人賞(第31回) - 村田沙耶香『ギンイロノウタ』
- 小林秀雄賞(第8回) - 水村美苗『日本語が亡びるとき』
- 本屋大賞(第6回) - 湊かなえ『告白』
日本国外
[編集]- ノーベル文学賞 - ヘルタ・ミュラー
- ブッカー賞 - ヒラリー・マンテル 『Wolf Hall』
- ゴンクール賞 - マリー・ンディアイ 『Trois femmes puissantes』
- イグノーベル賞(文学賞) - アイルランドの警察
2009年の本
[編集]小説
[編集]- 池永陽 『珈琲屋の人々』(双葉社)
- 冲方丁 『天地明察』(角川書店)
- 小川洋子 『猫を抱いて象と泳ぐ』(文藝春秋)
- 角田光代 『くまちゃん』(新潮社)
- 川上弘美 『これでよろしくて?』(中央公論新社)
- 川上未映子 『ヘヴン』(講談社)
- 佐々木譲 『廃墟に乞う』(文藝春秋)
- 島本理生 『君が降る日』(幻冬舎)
- 辻村深月 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』(講談社)
- 西川美和 『きのうの神さま』(ポプラ社)
- 三浦しをん 『神去なあなあ日常』(徳間書店)
- 三津田信三 『水魑の如き沈むもの』(原書房)
- 湊かなえ 『贖罪』(東京創元社)
- 村上春樹 『1Q84』BOOK1・BOOK2(新潮社)、『めくらやなぎと眠る女 TWENTY-FOUR STORIES』(新潮社)
- 森沢明夫 『津軽百年食堂』(小学館)
- レイモンド・チャンドラー、村上春樹訳 『さよなら、愛しい人』(早川書房)
その他
[編集]- 内田樹 『日本辺境論』(新潮社)
- 加藤陽子 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)
- 黒澤明、浜野保樹編 『大系 黒澤明』(講談社、全4巻+別巻) ※第1巻刊行
- 斉藤里恵 『筆談ホステス』(光文社)
- 柴田元幸ほか 『代表質問 16のインタビュー』(新書館)
- 柴田元幸、高橋源一郎 『柴田さんと高橋さんの「小説の読み方、書き方、訳し方」』(河出書房新社)
- 高橋源一郎 『大人にはわからない日本文学史』(岩波書店)
- 富岡多恵子 『隠者はめぐる』(岩波書店)
死去
[編集]1月 - 3月
[編集]- 1月2日 - 宮崎信義、滋賀県出身の歌人(* 1912年)
- 1月2日 - インゲル・クリステンセン、デンマークの詩人(* 1935年)
- 1月4日 - ゲルト・ヨンケ、オーストリアの詩人・劇作家(* 1946年)
- 1月5日 - 日比野和幸、日本の川柳家(* 1925年)
- 1月11日 - ミラン・ルーフス、スロバキアの詩人(* 1928年)
- 1月13日 - ホーテンス・キャリッシャー、アメリカ合衆国の小説家(* 1911年)
- 1月16日 - 杉山正樹、文芸評論家(* 1933年)
- 1月27日 - ブレア・レント、アメリカ合衆国の絵本作家(* 1930年)
- 1月27日 - クリスティアン・エンツェンスベルガー、ドイツの作家(* 1931年)
- 1月27日 - ジョン・アップダイク、アメリカ合衆国の作家(* 1932年)
- 1月30日 - 内村剛介、ロシア文学者(* 1920年)
- 2月3日 - 泡坂妻夫、日本の推理作家(* 1933年)
- 2月12日 - ヒュー・レナード、アイルランドの劇作家(* 1926年)
- 2月18日 - アッ=タイーブ・サーレフ、スーダンの作家(* 1929年)
- 2月19日 - 阿部完市、俳人(* 1928年)
- 2月23日 - 小佐井伸二、フランス文学者(* 1933年)
- 3月4日 - ホートン・フート、アメリカ合衆国の劇作家(* 1916年)
- 3月7日 - バーバラ・パーカー、アメリカ合衆国の推理作家(* 1946年)
- 3月9日 - 近木圭之介、日本の俳人(* 1912年)
- 3月12日 - 迫間健、日本の劇作家(* 1919年)
- 3月13日 - ジェイムズ・パーディ、アメリカ合衆国の詩人(* 1917年)
- 3月17日 - 須知徳平、岩手県出身の児童文学作家(* 1921年)
- 3月19日 - ゲルトルート・フッセンネッガー、オーストリアの小説家(* 1912年)
- 3月19日 - 山際素男、日本の作家・翻訳家(* 1929年)
- 3月20日 - 伊藤計劃、日本のSF作家(* 1974年)
- 3月25日 - 曹又方、中華民国の作家(* 1942年)
4月 - 6月
[編集]- 4月3日 - 高村勝治、石川県出身のアメリカ文学者。92歳没。
- 4月12日 - イヴ・セジウィック、米国の文学研究者。58歳没。
- 4月14日 - 上坂冬子、東京府出身のノンフィクション作家。78歳没。
- 5月26日 - 栗本薫、日本の小説家・評論家。56歳没。
- 6月13日 - 山下武、日本の文芸評論家・演出家。83歳没。
7月 - 9月
[編集]- 7月13日 - ウマ・アールトネン、フィンランドの作家・ジャーナリスト。68歳没。
- 8月13日 - 海老沢泰久、日本の小説家・ノンフィクション作家。59歳没。
- 8月26日 - 北重人、山形県出身の小説家。61歳没。
- 9月21日 - 庄野潤三、大阪府出身の小説家。88歳没。
10月 - 12月
[編集]- 10月20日 - 原田康子、日本の小説家。81歳没。
- 10月25日 - 鈴木主税、日本の翻訳家。74歳没。
- 10月29日 - ライオネル・デヴィッドスン、イギリスの小説家。87歳没。
- 10月30日 - クロード・レヴィ=ストロース、フランスの社会人類学者。100歳没。
- 12月12日 - 双葉十三郎、東京市出身の映画評論家。99歳没。
- 12月21日 - 伊藤漱平、愛知県出身の中国文学者。84歳没。
脚注
[編集]- ^ 「大江健三郎氏、中国の外国小説賞を受賞」 朝日新聞2009年1月8日付. 2009年1月22日閲覧.
- ^ 「大江健三郎作品に最優秀賞 中国の外国小説」 山陽新聞2009年1月16日付. 2009年1月22日閲覧.[リンク切れ]
- ^ エルサレム国際ブックフェア(エルサレム賞)公式サイト “The Jerusalem Prize / 2009 Jerusalem Prize Laureate - Haruki Murakami” 英語. 2009年1月26日閲覧.
- ^ “Japanese author Murakami wins Jerusalem Prize” Ynetnews2009年1月21日付. 英語. 2009年1月26日閲覧.
- ^ 「村上春樹さん、イスラエルの文学賞受賞」 産経新聞2009年1月24日付. 2009年1月26日閲覧.[リンク切れ]
- ^ 「ハリ・ポタ著者に仏勲章授与 サルコジ大統領」 産経新聞2009年2月4日付. 2009年5月6日閲覧.[リンク切れ]
- ^ 「村上春樹さん新刊、発売前増刷 文芸作品で異例の25万部に」 産経新聞2009年5月26日. 2009年6月18日閲覧.[リンク切れ]
- ^ 「村上春樹さんの新作長編『1Q84』が早くも100万部を突破」 産経新聞2009年6月9日付. 2009年6月18日閲覧.[リンク切れ]
- ^ トーハン調べ 2009年 年間ベストセラー
- ^ 木村正人 「ノーベル文学賞にドイツのヘルタ・ミュラー氏」 産経新聞2009年10月8日付. 2009年10月20日閲覧.[リンク切れ]
- ^ 「川端文学に触れて…『篝火の像』岐阜市に建立へ」(岐阜新聞 2009年9月29日号に掲載)