トーハン

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株式会社トーハン
TOHAN Corporation
TOHAN (head office 1).jpg
本社
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
162-8710
東京都新宿区東五軒町6-24
設立 1949年昭和24年)9月19日
(東京出版販売株式会社)
業種 卸売業
法人番号 3011101014587 ウィキデータを編集
事業内容 出版物等卸売事業
代表者 近藤敏貴代表取締役社長
川上浩明(代表取締役副社長
資本金 45億円
発行済株式総数 7050万株
売上高 連結4281億51百万円
単体4013億09百万円
(2022年3月期)
営業利益 連結12億79百万円
単体68億円
(2022年3月期)
経常利益 連結11億77百万円
単体8億36百万円
(2022年3月期)
純利益 連結△16億48百万円
単体△17億29百万円
(2022年3月期)
純資産 連結993億51百万円
単体969億24百万円
(2022年3月期)
総資産 連結3496億17百万円
単体3265億31百万円
(2022年3月期)
従業員数 連結:2,275
単体:1,083名
(2022年3月31日現在)
主要株主 メディアドゥ 5.56%
講談社 5.27%
小学館 5.12%
トーハン従業員持株会 3.65%
文藝春秋 2.82%
旺文社 2.70%
新潮社 2.57%
三菱UFJ銀行 2.38%
学研ホールディングス 2.17%
集英社 1.98%
(2021年9月30日現在[1]
主要子会社 トーハンロジテックス
東京ブッククラブ
ブックファースト
東販リーシング
台灣東販
関係する人物 鈴木敏文取締役
外部リンク http://www.tohan.jp/
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株式会社トーハン: TOHAN Corporation)は、東京都新宿区に本社を置く出版物専門商社であり、取次会社である。

概要[編集]

1949年昭和24年)、日本出版配給株式会社を前身に東京出版販売として創業。以後出版物流通・取次の分野ではコンピュータシステム・オンラインシステムの導入など、革新的なシステムを真っ先に取り入れるなど業界の最先端を進んでおり、出版物取次においては日本出版販売(日販)と共に2大大手として知られている。1992年CIを導入し現社名となった。

セブン&アイ・ホールディングスとの関わりが深く、(セブン&アイ・ホールディングスのCEOを務めた鈴木敏文はトーハン出身者で、2015年現在トーハンの役員でもある)、セブンイレブンで扱われる雑誌・書籍はトーハンから配送されるものである。また、イー・ショッピング・ブックス(現・セブンネットショッピング)に関しては出資者の一つであるとともに、物流・在庫を一手に取り仕切っている。

出版流通改革を目指す「桶川計画」を発表、2005年には埼玉県桶川市に世界最大級の書籍物流施設、「トーハン桶川SCMセンター」を開設した。

独自の中小書店支援の取り組みとして、注文した商品を書店の店頭で受け取れるオンライン書店のe-honや、客注商品の速配サービスであるブックライナーを運営している。

いくつかの出版社が分野別に「図書目録刊行会」を結成して分野別図書目録を発行しているが、その事務所はトーハン内にある。

フランスで毎年行われているJapan Expoのオフィシャルパートナーであり、日本企業の出展窓口を務め、また会場の設営・管理に当たっている。

沿革[編集]

トーハン桶川SCMセンター
  • 1949年昭和24年)9月 - 日本出版配給株式会社を前身に東京出版販売として創業。
  • 1950年(昭和25年)11月 - 本社新社屋(九段)の落成。
  • 1955年(昭和30年)1月 - 業界に先駆けコンピュータ化を図り、日本IBM社のPCS(パンチカードシステム)を導入。
  • 1956年(昭和31年)2月 - 出版関連の調査・研究機関として出版科学研究所を設立 (1969年より「全国出版協会」に移管)
  • 1958年(昭和33年)1月 - 東販自動車株式会社を設立。
  • 1959年(昭和34年)9月 - 創立10周年。
  • 1962年(昭和37年)7月 - 東不動産株式会社(のちの東販株式会社、株式会社ターク)を設立。
  • 1963年(昭和38年)10月 - フランクフルト国際図書展に初参加、日本の出版業界のパイオニアとして新市場を開拓。。
  • 1966年(昭和41年)12月 - 東販商事株式会社を設立。
  • 1968年(昭和43年)7月 - 本社を東京都新宿区(現住所)に新築し、移転。
  • 1969年(昭和44年)9月 - 創立20周年。
  • 1973年(昭和48年)
    • 2月 - 株式会社東京ブッククラブを設立。
    • 6月 - 出版興業株式会社(現 トーハンロジテックス)を設立。
    • 8月 - 株式会社綜合教育センターを設立。
  • 1979年(昭和54年)9月 - 創立20周年。
  • 1984年(昭和59年)6月 - 東販TONETS(東販総合オンラインネットワークシステム)稼働
  • 1986年(昭和61年)10月 - 世界で初めての電子目録「東販CD-ROMシステム」(出版情報検索システム)を開発。
  • 1987年(昭和62年)4月 - 株式会社綜合教育センターが株式会社東販ブック信販を吸収合併
  • 1989年平成元年)
  • 2月 - 株式会社ジャパン・エイ・ヴイ・レンタルシステム(現 ティー・アンド・ジー)を設立。
  • 3月 - 東販リーシング株式会社を設立。
  • 9月 -創立40周年。
  • 1990年(平成2年)
    • 2月 - 初の海外法人として、台湾で出版事業を行う現地法人「台灣東販股份有限公司」を設立。
    • 4月 - 株式会社東販総研を設立。
  • 1991年(平成3年)10月 - 東販TONETSを発展させた出版情報・流通ネットワークシステム「SUPER TONETS」誕生。
  • 1992年(平成4年)
    • 1月 - CI導入により、「東京出版販売株式会社」から「株式会社トーハン」へ社名変更。
    • 2月 - 株式会社トーハン・システム・エンジニアリングを設立。
    • 7月 - 株式会社トーハン・コンピュータ・サービスを設立。
    • 10月 - 岩倉市に中部ロジスティックスセンターを設置
  • 1994年(平成5年)10月 - 株式会社東販総研と株式会社タークが合併して、商号を株式会社トーハン総研へ変更。
  • 1995年(平成7年)
    • 1月 - 株式会社ジャパン・メディア・サービス(現 トーハン・メディア・ウェイブ)を設立。
    • 8月 - 株式会社トーハン・ロジテムを設立
  • 1996年(平成8年)
    • 2月 - 出版情報を提供するウェブサイト「本の探検隊」をオープン。
    • 3月 - 加須市に東京ロジスティックスセンターを設置
    • 4月 - 雑誌返品処理施設「東京ロジスティックスセンター」を全面稼働、荷受から古紙化までを完全自動化する業界初の一貫システムを構築。11月より、他取次の雑誌返品業務受託開始。
  • 1999年(平成11年)
    • 9月 - 創立50周年
    • 10月 - 株式会社トーハン・コンサルティングを設立。
    • 11月 - 凸版印刷株式会社との合弁会社、株式会社デジタルパブリッシングサービスを設立。
  • 2000年(平成12年)
    • 8月 - 株式会社ブックライナーを設立
    • 11月 - 「本の探検隊」を大幅にバージョンアップさせたオンライン書店、全国書店ネットワーク「e-hon」オープン。
  • 2001年(平成13年)9月 - 「SUPER TONETS」の新サービスとして「Web-TONETS」稼働。
  • 2002年(平成13年)
    • 3月 - 上尾市にトーハン上尾センター(雑誌送品物流設備)を設置
    • 8月 - 中部ロジスティックスセンターを小牧市へ移転
  • 2003年(平成14年)
    • 8月 - 株式会社トーハン・メディア・ホールディングスを設立。
    • 10月 - 東販商事株式会社と株式会社ジャパン・メディア・サービスが合併して、商号を株式会社トーハン・メディア・ウェイブへ変更
  • 2004年(平成16年)7月 - 株式会社金文図書出版販売新社(現 株式会社きんぶん図書)を設立。
  • 2005年 (平成17年)
    • 7月 - 講談社小学館グループなど出版社38社との共同出資により株式会社出版QRセンターを設立。
    • 10月 - 桶川市にトーハン桶川SCMセンター(書籍総合物流設備)を設置
    • 11月 - 株式会社ジャパン・エイ・ヴイ・レンタルシステムに株式会社ゲオが出資し、株式会社ティー・アンド・ジーに社名を変更。
    • 12月 -「Web‐TONETS」の機能を大幅に拡充・強化した「Web‐TONETS GS」を本格スタート。
  • 2006年(平成18年)2月 - ティー・アンド・ジ-、新業態複合書店の新ブランド「プラスゲオ」1号店オープン。
  • 2007年(平成19年)
    • 9月 - 株式会社トーハン総研を吸収合併。
    • 10月 - 書籍注文品流通の物流拠点「トーハン桶川SCMセンター」全面稼働。
  • 2009年(平成21年)
    • 1月 - ポイントカードシステム「e‐honブックショップメンバーズ」運用スタート。
    • 4月 - 医療従事者向け電子書籍販売サイト「Medical e-hon」オープン。
    • 9月 - 創立60周年。
    • 10月 - ティー・アンド・ジー、文具雑貨販売のフランチャイズ「T.CLIP」1号店オープン。
  • 2010年(平成22年)6月 - 中国出版集団公司、中国図書進出口(集団)総公司、株式会社中国メディアとの合弁で中国出版トーハン株式会社を設立。
  • 2011年(平成23年)
    • 1月 - 書店向けシステム「TONETS V」を稼動
  • 2012年(平成24年)
    • 2月 - 電子書籍販売サイト「Digital e-hon」オープンし、「Medical e-hon」を統合。
    • 7月 - 株式会社明屋書店と資本・業務提携
    • 9月 - 出版社向けシステム「TONETS i」を稼動
  • 2013年(平成25年)
    • 4月 - 阪急電鉄より株式を取得し、株式会社ブックファーストと資本・業務提携
    • 8月 - 株式会社ベストアシストと株式会社トーハン・ロジテムが合併して、商号を株式会社トーハンロジテックスへ変更。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月 - 文具・雑貨の大型売場「nota nova」1号店オープン
    • 12月 - KADOKAWAとオンライン書店、電子書店、リアル書店の3チャネルで連携を開始
  • 2015年(平成27年)1月 - アマゾンジャパンに定期雑誌(増刊・別冊を含む)、ムック、コミックスの新刊の供給を開始。
  • 2016年(平成28年)2月 - 文具・雑貨の大型売場「nota nova」1号店オープン。
  • 2018年(平成30年)8月 - 株式会社三洋堂ホールディングスと資本・業務提携
  • 2019年(令和1年)7月 - 株式会社デルフォニックスと資本・業務提携[2]
  • 2020年(令和2年)11月16日 - 野村證券において、当社株式の株主コミュニティが運営を開始される[3]。(初回取引日は同年12月15日。)
  • 2021年(令和3年)
    • 3月 - 株式会社マリモクラフトと資本・業務提携
    • 4月 - 株式会社メディアドゥと資本・業務提携
    • 5月10日 - 新社屋へ移転(住所はそのまま)
    • 11月1日 - 保有する株式会社廣文館の全株式を株式会社大垣書店に譲渡[4]

トーハングループ[編集]

連結子会社[編集]

  • 東販自動車株式会社 - 一般貨物自動車運送業、電報配達業
  • 株式会社トーハンロジテックス - 出版物流事業、物流受託事業、人材派遣事業
  • 株式会社出版QRセンター - 書籍等の保管・改装・出荷等の物流受託業務
  • 株式会社ブックライナー - 「本の特急便」「ざっしの定期便」事業
  • 株式会社きんぶん図書(93.5%) - 西日本エリアを中心とした学習参考書の卸売業
  • 協和出版販売株式会社 - 出版物等の卸売
  • 株式会社スーパーブックス - 「メディアライン」「スーパーブックス」「山下書店」「あおい書店」「住吉書房」「オークスブックセンター」「わんだーらんど」等の運営。
  • 株式会社明屋書店(93.5%) - 書店「明屋書店」「イケヤ文楽館」「金龍堂」の運営。
  • 株式会社ブックファースト - 「ブックファースト」「アミーゴ書店」「アバンティブックセンター」の運営
  • 株式会社文真堂書店 - 「文真堂書店」「Bookman’s Academy」「TIME CLIP」の運営
  • 株式会社岩瀬ブックサービス
  • 株式会社岩瀬書店 - 「岩瀬書店」の運営
  • 有限会社ブックス・トキワ
    • 株式会社らくだ - 書店「らくだ書店」「鎌倉文庫」「あおい書店」の運営。
  • 株式会社ティーブックセラーズ - 「ブックマルシェ」の運営
  • 株式会社トーハン・メディア・ホールディングス
    • 株式会社トーハン・メディア・ウェイブ - AVソフト・マルチメディア商材・書店用品等の卸売業販売
    • 株式会社トーハン・インターメディア - 文具雑貨の卸売・カフェ運営
    • 株式会社ティー・アンド・ジー(55.6%) - ゲオホールディングスとの合弁会社。「プラスゲオ」のFC事業。
  • 株式会社デルフォニックス - 文具・雑貨の商品企画、店舗開発及び直営店「DELFONICS」「Smith」等の運営
  • 株式会社マリモクラフト - ファッション雑貨の卸売販売、キャラクター雑貨の企画開発
  • 株式会社メディア・パル - 出版業
  • 株式会社トーハン・コンサルティング - 教育研修・人材派遣事業。出版業界専門求人サイト「出版.com」の運営
  • 株式会社トーハン・コンピュータ・サービス - 情報処理サービス事業
  • 東販リーシング株式会社 - リース・金融・保険代理業

非連結子会社[編集]

  • 台灣東販股份有限公司 - 中国語出版物の編集、出版
  • DELFONICS FRANCE EURL

持分法適用関連会社[編集]

  • 株式会社綜合教育センター(51.4%) - 株式会社小学館との合弁会社。
  • 株式会社東京堂(25.4%) - 不動産賃貸業、書店「東京堂書店」の運営。
  • 日本出版貿易株式会社(21.5%)
  • 株式会社三洋堂ホールディングス(36.9%)
  • 株式会社デジタルパブリッシングサービス(50%) - 凸版印刷との合弁会社。オンデマンド出版、自費出版。
  • 株式会社勝木書店(28.6%)
  • 株式会社ETS(45%) - 株式会社東京エコールとの合弁会社。文具雑貨等の卸売
  • 株式会社八重洲ブックセンター(49%) - 書店
  • 株式会社金海堂(98.7%)

持分法非適用関連会社[編集]

  • 中国出版トーハン株式会社 - 中国語コンテンツの翻訳出版、輸入販売
  • 株式会社九州雑誌センター
  • 株式会社明文堂プランナー - 書店

過去のグループ企業[編集]

  • 株式会社あおい書店 (19店舗をグループ書店に譲渡して、株式会社らくだへ吸収合併)
  • 株式会社トーハン・システム・エンジニアリング (株式会社トーハン・コンピュータ・サービスへ吸収合併)
  • 株式会社東京ブッククラブ
  • 株式会社兼商 - 北海道エリアの出版物卸売業
  • 株式会社住吉書房
  • 株式会社アバンティブックセンター[5]
  • 株式会社山下書店

その他[編集]

  • 2008年12月、トーハンが書籍『セブン-イレブンの正体』(週刊金曜日取材班と古川琢也の共著)[6]の配本を取りやめたと週刊金曜日などが主張した。関係筋によれば、「セブン-イレブンの盟主である鈴木敏文がトーハンの取締役副会長を務めており、その告発本を扱うわけにはいかないと週刊金曜日側に通告してきた」と主張しているが[7]、トーハンが「e-hon」を通じ、当該出版物を配本・販売していることが確認できる[8]
  • 2017年5月中旬、週刊新潮が掲示する車内広告の内容がトーハンを通じて週刊文春に事前に漏れていたとする記事が週刊新潮に掲載される。週刊新潮側はスクープ記事を週刊文春に潰されたと批判し、週刊文春側は情報の不正・不法入手や記事盗用などを否定したものの、トーハンは記事を貸し渡した事実について認め、謝罪している[9][10]
  • 2022年1月18日、サラメシの「新入社員スペシャル」にて新入社員と社員食堂が紹介された[11]

参考文献[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 半期報告書(第75期)
  2. ^ トーハン 文具製造のデルフォニックスを子会社化” (日本語). 日本経済新聞 (2019年5月31日). 2022年1月1日閲覧。
  3. ^ 野村、トーハン株の売買可能に 株主コミュニティ活用日経電子版 2020年11月16日18:10配信)配信日に閲覧
  4. ^ 中国新聞デジタル. “廣文館、大垣書店(京都)傘下に 親会社のトーハンが株売却、競争力強化へ商品充実 | 地方経済”. 中国新聞デジタル. 2022年1月1日閲覧。
  5. ^ アバンティブックセンターが解散” (日本語). 文化通信デジタル (2021年10月1日). 2022年1月1日閲覧。
  6. ^ 古川琢也・週刊金曜日取材班 『セブン-イレブンの正体』 金曜日 2008年12月 ISBN 978-4-906605-52-1
  7. ^ セブン‐イレブン批判本を「封殺」するトーハン(月刊『FACTA』2009年2月号) 2009年5月26日閲覧
  8. ^ 「セブン-イレブンの正体」トーハン「e-hon」
  9. ^ “文春、新潮の中づり広告不法入手報道を否定”. 日刊スポーツ. (2017年5月18日). http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1825430.html 2017年5月20日閲覧。 
  10. ^ “「週刊新潮」の中づり広告、文春に渡していた 出版取次業大手トーハン”. デイリースポーツ. (2017年5月18日). https://www.daily.co.jp/gossip/2017/05/18/0010197965.shtml 2017年5月20日閲覧。 
  11. ^ 「サラメシ シーズン11(29)「新入社員スペシャル 後編」」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ 榎田ユウリ公式Twitter2022年3月30日付