結婚指輪



結婚指輪(けっこんゆびわ)とは、身につける人が結婚していることを示す指輪である。
概説
[編集]英語風に言うとウェディングリング(英: wedding ring)。また、日本ではマリッジ・リングと呼ばれる場合もあるが、これは和製英語である。
文化により、左手または右手の薬指に着用される。結婚指輪を左手薬指にはめるのは、左手薬指が愛情の表象とされる心臓に結びつくとされたからだとする説があったが、実際には、薬指は単独で伸ばしにくく大切な結婚指輪をはめるのにふさわしい、あるいは、左手は右手ほどに使われないため大切な指輪を痛めずに済むという理由からだと考えられる[1]。
また、左手薬指が心臓へ直接つながる静脈を持つとする「ヴェナ・アモリス(ラテン語で『愛の静脈』)」の説は中世以降に広まったもので、解剖学的な根拠はないとされる。[2]
日本では8割の夫婦が結婚指輪にプラチナを選ぶが、ヨーロッパやアメリカではイエローゴールドやホワイトゴールドの人気が高いとされる[3]。
アメリカ合衆国では、元来妻のみが着用していたが、20世紀には夫婦両方が着用する習慣が広まった[4]。日本では、1904年(明治37年)植田商店が初の結婚指輪広告を『服装新聞』に掲載して以降、結婚指輪の習慣が広まった[5]。
結婚指輪の文脈では、パートナー同士で自ら制作する「手作り結婚指輪」を選ぶ人も増えている。専用の工房やアトリエで職人の指導を受けながら制作する方式が一般的で、方法は主に金属棒を叩いて成形・圧延する「鍛造(たんぞう)」と、ロウ材で原型を作って鋳造する「ワックス(ロストワックス)製法」に大別される。素材は日本で人気の高いプラチナのほか、K18イエロー/ホワイト/ピンクゴールドなどから選べ、表面仕上げ(鏡面・マット・槌目など)や誕生石・ダイヤの留め、手書き文字のレーザー刻印といったカスタマイズも可能である。制作体験自体は数時間で完了することが多いが、石留めや最終研磨・コーティングを職人が仕上げるため、受け取りまでに数日~数週間を要するのが一般的である。既製品やフルオーダーに比べ、サイズ感やデザインを二人で決められる自由度、制作時間そのものが思い出になる体験価値、予算配分を自分たちで調整しやすい点などが支持理由として挙げられる。品質やアフターケア(サイズ直し・仕上げ直し等)は工房ごとに方針が異なるため、保証内容や加工体制を事前に確認して選ぶのが望ましい。
脚注
[編集]- ^ 藤高邦宏「英米文化の背景「英米人の迷信・俗信」考(8)-3-恋と結婚-その3-花嫁衣装・花嫁花婿の心得・結婚式・花嫁の涙・結婚指輪」『 倉敷芸術科学大学紀要』第5巻、加計学園倉敷芸術科学大学、2000年3月、209-220頁。
- ^ “Which finger does a wedding ring go on?”. Brides. (2016年1月15日) 2025年10月31日閲覧。
- ^ “プラチナって日本だけ? 世界の結婚指輪事情|ジュエリーかまたの結婚指輪・結婚情報ブログ”. ジュエリーかまた. 2020年5月4日閲覧。
- ^ Howard, Vicki (2003). "A 'Real Man's Ring': Gender and the Invention of Tradition". Journal of Social History 36 (4): 837–856.
- ^ “指輪の普及とその要因の探究―明治期から大正初期を中心に―”. ジュエリー文化史研究会. 2020年5月4日閲覧。