昭和モダン
昭和モダン(しょうわモダン)とは、昭和時代の初めの1930年代に花開いた、和洋折衷の近代市民文化のことである。現在では1920年(大正9年)以後の文化(大正ロマン)も含む。昭和時代は第二次世界大戦を挟んで戦前と戦後に分かれるが、昭和モダンは戦前に該当する。
歴史[編集]
第一次世界大戦の後で[編集]
1926年に昭和という時代が始まり、第一次世界大戦の戦勝国で、アジアで唯一の先進国かつ独立国の日本でも東京、横浜、大阪、神戸など大都市を中心に大量消費社会が本格化し、旺盛な日本市場を狙いヨーロッパやアメリカ企業の進出が相次いだ。
その一方で、1910年頃にヨーロッパで花開いたアール・ヌーボーやアール・デコといった機能と美しさと兼ね備えた様式が日本にも浸透していった。フランスのシャンソンやアメリカ合衆国で流行ったジャズやチャールストン、カルロス・ガルデルが歌うアルゼンチン・タンゴといった大衆音楽も蓄音機の普及やラジオ放送の開始などで多くの人が聞くようになった。
またハリウッド映画の草創期であり、チャールズ・チャップリン、バスター・キートンと言ったコメディアン、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリヒといった女優の出演する映画が映画館で娯楽として見られ、アメリカ映画企業の日本進出も進んだ。チャップリンはこの時期に来日している。映画の技術革新が進み、サイレント映画からトーキー映画への移行が見られたのもこの時期である。
このように大衆文化が開花した時期にはクラシック音楽ではトスカニーニ、ラフマニノフ、コルトー、エンリコ・カルーソー、ティノ・ロッシなどの優れた音楽家、ピアニスト、歌手が活躍し、日本でも人気を博していった。山田耕筰はラフマニノフの来日を後年出迎えている。
国内の風俗[編集]
このように、ヨーロッパやアメリカの新しい文化、消費文化が流入、受容される中、日本でも大都市を中心に、西洋と日本独自の近代的な影響を独自に消化した文化が醸成されていった。
大正時代に引き続き竹久夢二の美人画や高畠華宵の美少年・美少女の挿絵などが絶大な人気を得、日本独自の識字率の高さから北原白秋、西條八十などの作詞による抒情詩が愛読・愛謡された。また『改造』、『キング』、『文藝春秋』などといった総合雑誌や、岩波文庫や円本と呼ばれる廉価な書籍が刊行され、教養の大衆化が進んだ。
川端康成、横光利一などの新感覚派文学や、吉川英治、中里介山などの大衆文学が出現。雑誌『新青年』などでは江戸川乱歩や夢野久作などの怪奇幻想趣味、あるいはエログロナンセンスと呼ばれる作風が一世を風靡し(この分野の開拓者は大正時代の谷崎潤一郎である)、また日夏耿之介が東西古今の怪奇・幻想作品の紹介を行った。黄金バット、フクちゃん、のらくろ、少年探偵団シリーズといった児童向けの娯楽作品が隆盛を極めた。
その他、映画では嵐寛寿郎、大河内伝次郎、阪東妻三郎といった時代劇スターが現れ、音楽では服部良一、古賀政男や中山晋平と言った作曲家や淡谷のり子、藤山一郎、東海林太郎、ディック・ミネなどの歌手が活躍した。川畑文子やベティ稲田、バッキー白片ら日系アメリカ人が本場仕込みのジャズやハワイアンを武器に活躍したのも、この時代の特徴である。
大劇場の建築ラッシュが起こり、都心部に東洋劇場、日本劇場、東京劇場、宝塚大劇場、東京宝塚劇場、日比谷映画劇場が建設された。
新生活[編集]
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1933年頃の大阪市営地下鉄御堂筋線
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また生活様式も大きく変わり、第16回衆議院議員総選挙(普通選挙)が開始、服装も女性は着物(和服)に日本髪といったものから洋服を着、断髪し帽子をかぶるといったことが一部の勤め人では一般に浸透しつつあり、それにともない都会では女性の社会進出も進み、タイピストや「バスガール」と呼ばれたバスの女性車掌、ウェイトレス(当時は女給と呼ばれた)など職業婦人が出現するようになった。最先端の洋装を着た女性は「モダン・ガール(モガ)」と呼ばれるようになった(男性版の「モダン・ボーイ(モボ)も存在した)。
市民の足として鉄道会社が開発する沿線の土地には住宅が建てられ、そこに暮らす人々がターミナル駅のデパートや自家用車で休日に買い物などに立ち寄るといった、中流層の市民生活が一般的になったのも昭和初期からであった。
この時期に開店した主なデパートとして、世界初のターミナル駅デパートである阪急百貨店を始め、三越百貨店、大丸百貨店などが挙げられる。都心部では地下鉄の建設が始まった。日本における最初の地下鉄である「東京地下鉄道(現・銀座線)」は1927年(昭和2年)に、続いて「大阪市営地下鉄(御堂筋線)」が1933年(昭和8年)にそれぞれ開業している。
洋行帰りの実業家らが洋食のレストランを開き、都心で成功をおさめるようになったのもこの頃である。当時のカフェーは独身男性の利用が主であったが、いずれもモダンさが受け、人気が高かった。ライスカレー、オムライス、カツレツなど現在では定番となった洋食メニューが、好んで賞味された。またお子様ランチ、森永ミルクキャラメル、三ツ矢サイダー、カルピス、インスタントコーヒー(ネスカフェ)、サントリー角瓶など、現在でも愛食・愛飲される商品が数多く開発された時期でもある。
前述の鉄道沿線開発では阪急電鉄の小林一三、東武鉄道の根津嘉一郎の近代田園都市建設は名高い。宝塚大劇場や甲子園球場が開場(甲子園球場の開場は大正13年)したのはこの頃である(阪神間モダニズム)。
モダニズム建築やアール・デコ様式が持てはやされ、旧山邑家住宅、甲子園ホテル、同潤会アパート、聖路加国際病院(旧病院棟)、伊勢丹新宿店、旧朝香宮邸などが建設された。
昭和モダンの終わり[編集]
五・一五事件や二・二六事件以降の軍部の台頭と、政党政治の終焉以降の1930年代後半頃には、1937年勃発の日中戦争の激化と世界的な国際関係の緊張を受け、国家総動員となり、1938年には東京オリンピックも返上。1939年には第二次世界大戦がヨーロッパで始まった。
以降はこれらの文化は「軟弱で贅沢」、「反“新体制”的」として排斥され、昭和モダンは終わりを迎えるが、1941年の対英米戦開始まで欧米の映画や音楽、服装などは高い人気を保り、その後も洋食の外食や演劇、野球などの人気も高かった。
昭和モダンを扱った作品[編集]
いずれも1941年12月に対英米蘭戦争開戦前、及び開戦後1944年の空襲開始前、当時の明るい面での市民生活を偲ばせる内容となっている。
内地が舞台[編集]
- 対談記 「誰か「戦前」を知らないか―夏彦迷惑問答」(作:山本夏彦、文春新書)
- 対談記 「それは、つくり話か大マチガイ」(作:日下公人、) - 雑誌WiLL7月号別冊歴史通2009 Summer No.2「特集「戦前まっ暗」の嘘」収録
- 料理レシピ解説書 「温故知新で食べてみた」(著:山本直味、主婦の友社)
- 小説「神々の乱心」(作:松本清張、文藝春秋)
- 小説 「小さいおうち」(作:中島京子、文藝春秋) - 第143回(2010年上半期)直木賞受賞作
- 小説・コミックス 「ベルリン飛行指令」(作:佐々木譲、作画(コミックス版):望月三起也、新潮社(小説版)、ホーム社(コミックス版))
- 小説・コミックス・アニメ 「紺碧の艦隊」、「旭日の艦隊」(原作:荒巻義雄、徳間書店) - 並行世界(作中では「後世世界」と呼称)の日本での昭和時代(作中での元号は「照和」)を作品の時代背景とし、戦闘の合間で沢山の戦前昭和文化が随所に織り込まれている。
- コミックス 「国が燃える」(作:本宮ひろし、集英社)
- コミックス 「アドルフに告ぐ」(作:手塚治虫、文藝春秋)
- コミックス 「十十虫は夢を見る」(作:幹本ヤエ、秋田書店)
- コミックス 「一輝まんだら」(作:手塚治虫、実業之日本社)
- コミックス 「昭和天皇物語」(原作・原案:半藤一利、作画:能條純一、小学館)
- コミックス・ドラマ 「龍-RON-」(作:村上もとか、小学館)
- ドラマ 「名探偵赤冨士鷹」 - アガサ・クリスティ原作のエルキュール・ポアロシリーズを基に、昭和11年の日本に舞台を移し(名探偵ポアロは伊東四朗演じる名探偵赤冨士鷹)、製作。
- ドラマ『おひさま』(NHK、脚本:岡田惠和) - 連続テレビ小説50周年記念作品
- ドラマ『エール』
- ドラマ『なつぞら』(作:大森寿美男) - 第1回 ~ 第2回(いずれも「北海道・十勝編」)が該当。
- 映画 「キネマの天地」(監督:山田洋次(1986年))
- 映画 「RAMPO」黛りんたろう(監督:奥山和由(1994年))
- 映画 「スパイ・ゾルゲ」(原作・脚本・監督:篠田正浩(2003年))
- 映画 「丘を越えて」(原作:猪瀬直樹、監督:高橋伴明(2008年)) - 原作名は「こころの王国 菊池寛と文藝春秋の誕生」
- 邦楽 「過ぎ去りし日々」(作曲:小林亜星)
外地(但し、都市)が舞台[編集]
- 仮想旅行エッセイ・仮想旅行ガイド映像『満州鉄道まぼろし旅行』(作:川村湊、文春文庫) - 映像化作品は、「満州鉄道 特急「あじあ」の旅」(文藝春秋)。ただし、狂言回しを演じる語り口中年男性の甥(男の子)は登場しない。
- コミックス 「上海ワンダーランド」(原作:林律雄、作画:高井研一郎、小学館) - 外地である上海日本人租界での市民生活(開戦前の話が中心)を、作画担当である高井研一郎(当時は小学生)とその父母の視点・体験を通し創作された作品。
- コミックス「美醜の大地〜復讐のために顔を捨てた女〜」(作:藤森治見、ぶんか社コミックス) - 主人公の少女期の舞台は日本領時代の南樺太・豊原市。
- コミックス 「フイチン再見!」(作:村上もとか、小学館)
- コミックス・アニメ 「フイチンさん」(作:上田トシコ、講談社)
- 映画・演劇 「上海バンスキング(原作:斎藤憐、監督:深作欣二・串田和美(1984年、1988年))
- 映画「ハリマオ」 - マレー半島イギリス植民地(現マレーシアトレンガヌ州)クアラトレンガヌ内日本人街が舞台。
- コミックス 「虹色のトロツキー」(作:安彦良和、中央公論社) - 満州国首都新京(現中華人民共和国吉林省長春)が舞台。
昭和モダンの対象となる事物・人物[編集]
事物[編集]
- 帝都復興祭、紀元二千六百年記念行事、東亜競技大会[注 1]、東京オリンピック(昭和15年)構想、札幌オリンピック(昭和15年)構想、紀元2600年記念日本万国博覧会構想、紀元二千六百年記念輝く技術博覧会、国産振興四日市大博覧会、国産振興北海道拓殖博覧会、樺太庁始政三十年記念 樺太拓殖共進会[注 2]、政四十周年記念台湾博覧会、朝鮮博覧会、特大演(特別大演習)[注 3]、軍旗祭
- 飛行船ツェッペリン伯号 霞ヶ浦寄航、神風号(国産飛行機による初の日英連絡飛行)、ニッポン号世界一周親善飛行(九六式陸上攻撃機の民生転用機)、第八飛行船、リンクトレーナー(計器飛行専用フライトシミュレーター機器)
- 雁ノ巣飛行場(福岡第一飛行場)[注 4]
- 高速度滋養料どりこの[注 5]、ラジオ焼き、一銭洋食、お子様ランチ、ヘルマンドッグ[注 6]、森永ミルクキャラメル、明治カルミン、ボンタンアメ、ウィンターキャラメル、ライオンバターボール[注 7]、三ツ矢サイダー、カルピス、セービス、森永コーラス、あんみつ[注 8]、シベリア (菓子)、玉羊羹、インスタントコーヒー(ネスカフェ)、サントリー角瓶、あじあカクテル、酒保、雑炊食堂、すいとん
- 喫茶店、ビヤホール、ミルクホール、資生堂パーラー、森永キャンディーストアー、京王閣、宝塚新温泉、ひらかたパーク、札幌温泉、八木山遊園地、西宮航空園[注 9]
- 文化住宅、モダニズム建築、アールデコ、ストリームライン・モダン、阪神間モダニズム、田園都市 (企業)、帝冠様式、看板建築、同潤会アパート、ニコライ堂、東日天文館、東京會舘、佐藤新興生活館(現:山の上ホテル旧館)、軍艦ホテル(摩耶観光ホテル)、札幌グランドホテル、丹平ハウス、神戸市立御影公会堂、大河内山荘、華厳滝エレベーター、銀座トクダビル、土浦亀城邸、大阪市立電気科学館(日本最初の科学館)、交通博物館(東京都千代田区神田須田町)、東京科学博物館、上野駅 駅舎、小樽駅 駅舎、甲子園球場、帝都復興事業、大東京道路網計画、大阪花月劇場、いせや総本店、山の手美容院[注 10]
- 三越百貨店、大丸百貨店、三中井百貨店、東急百貨店、阪急百貨店、丸井今井、だるま屋[注 11]、丸三鶴屋、井の頭自然文化園、酒保
- 社団法人東京放送局(JOAK)初代ラジオ放送局(現:NHK放送博物館)[注 12]
- ラジオ放送#国民のラジオ熱 (免許制以前)、現:NHK放送技術研究所、NHKテレビ実験放送(テレビドラマ『夕餉前(ゆうげまえ)』)、日伊定期文化交換放送、社団法人大阪放送局、社団法人名古屋放送局、社団法人日本放送協会 初代本部 兼 東京中央放送局(現:NHK東京放送会館)、パラオ放送局、豊原放送局、台湾放送協会、朝鮮放送協会、放送局型第百二十三號受信機(放送局型123号受信機)[注 13]
- 理化学研究所[注 14]、白系ロシア人、避暑地・軽井沢、新しき村、目白文化村、池袋モンパルナス、モダン日本社、満蒙開拓団、ブラジル移民、革新官僚、弐キ参スケ、新体制運動、資生堂花椿会、児童文化、赤い鳥、国民歌謡(赤い鳥運動の大人版)、レコードガール、文壇バー ルパン[注 15]、山の手言葉[注 16]、南樺太、満州国、宝塚歌劇団、松竹少女歌劇、中京デトロイト構想、日本改造法案大綱[注 17]、国防の本義と其強化の提唱[注 18]、選挙粛正運動、大正天皇祭[注 19]、講談社少年部[注 20]、キスカ島 奇跡の作戦、南京攻略戦、武漢三鎮攻略戦、真珠湾攻撃、マレー作戦、珊瑚海海戦、パレンバン空挺作戦
- 南洋群島(南洋諸島 日本委任統治領)、南洋庁、南洋庁警察、南洋神社、ミクロネシア、パラオ
- 選抜中等学校野球大会、六大学野球、早慶戦、日米野球、日本職業野球連盟
- 東京地下鉄道、帝都高速度交通営団、大阪市営地下鉄御堂筋線、市電、関門鉄道トンネル、氷川丸、浅間丸、九七式飛行艇、中島AT-2、三菱MC-20、特急あじあ号、弾丸列車計画、大東亜縦貫鉄道計画、国鉄52系電車
- トヨダ・AA型乗用車(トヨタ自動車)、ダットサン11型・ダットサン12型・ダットサン15型(日産自動車)、オートモ号(白揚社)、アツタ号(日本車輌製造、大隈鉄工所、愛知時計電機、岡本自転車自動車、豊田式織機)
- 長門 (戦艦)、九七式中戦車、一式戦闘機(隼)、三式戦闘機(飛燕)[注 21]、九六式艦上戦闘機、深山[注 22]、携帯糧秣(携帯口糧、携帯馬糧)、九七式炊事自動車
- 天保銭組(陸軍大学卒の軍人)、星の生徒(陸軍幼年学校生徒)、銀時計組(前述「陸軍幼年学校」および「陸軍士官学校」「陸軍騎兵学校」「帝国大学」「学習院」「商船学校」成績優秀者)、「軍刀組」もしくは「恩賜組」(「陸軍大学校」および「海軍大学校」成績優秀者)、空の神兵[注 23]、イワシ(P-51ムスタング)、「口笛を吹く死神」もしくは「シコルスキー」(F4U コルセア)、カツオブシ(P-39)、クジラ(B-29)
- ビリケン、のんきな父さん、のらくろ、蛸の八ちゃん、凸凹黒兵衛、窓野雪夫さん、フクちゃん、正チャンの冒険、ロボット三等兵、冒険ダン吉、黄金バット[注 24]、天誅蜘蛛(作:加太こうじ。紙芝居で伝播)、くるくるクルミちゃん
- 桃太郎の海鷲、桃太郎 海の神兵、くもとちゅうりっぷ、力と女の世の中、愛染かつら、映画『大学の若旦那シリーズ』[注 25]、映画『加藤隼戦闘隊』、映画『支那の夜』、映画『会議は踊る』、映画『モスコオの夜は更けて』、映画『類猿人ターザン』、映画『キングコング』、映画『ほら男爵の冒険』、映画『メトロポリス』、映画『コスモポリス』、映画『来るべき世界 (映画)』、映画『月世界の女』、映画『フラッシュ・ゴードン(バスター・クラブ主演版)』シリーズ、映画『P・F1号応答なし』、映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』、映画『怪人マブゼ博士』、映画『カリガリ博士』、映画『S・O・S氷山』、映画『戦艦ポチョムキン』、映画『オーケストラの少女』、映画『希望音楽会』、山岳映画(『死の銀嶺』、『あかつき』、『アルプスの血煙』、『モンブランの王者』、『銀嶺に帰れ』、『火の山』)、日本映画 (映画会社)、日本映画社、マキノ・プロダクション、マキノトーキー製作所、マキノ映画製作所、東亜キネマ
- 真珠夫人、プロレタリア文学(『蟹工船』など)、新感覚派、お伽草紙、本郷義昭少佐シリーズ(作:山中峯太郎)、少年探偵団シリーズ、乙女の港、エーミールと探偵たち、日本少国民文庫(「君たちはどう生きるか(作:吉野源三郎)」など収録)、世界最終戦論、余の闘争[注 26]
- 酋長の娘、蘇州夜曲、蘇州の夜、一杯のコーヒーから、アラビアの唄、風は海から(映画『阿片戦争』主題歌)、青い背広で、丘を越えて、東京ラプソディ、東京行進曲、東京音頭、、大阪タイガースの歌(六甲おろし)、なつかしの歌声、うちの女房にゃ髭がある、もしも月給があがったら、のばせばのびる、ああそれなのに、とんがらがっちゃ駄目よ、忘れちゃいやよ、興亜三人娘、チャイナタクンの灯、アデュー上海、上海夜曲、広東ブルース、チンライ節、湖畔の乙女、チャイナタンゴ、マニラの街角で、ジャワのマンゴ売り、バタビヤの夜は更けて、旅の夜風、満州娘、満鉄社歌、めんこい仔馬
- アサヒグラフ、少年倶楽部、日本少年、少女倶楽部、幼年倶楽部、婦人倶楽部、FRONT、キング、少女画報、令女界、日の出、太陽、平凡、月刊ビクターレコード洋楽新譜、大毎小学生新聞、新青年[注 27]、家庭全科[注 28]
- 忠犬ハチ公、消防犬ぶん公、ウラヌス (競技馬)、セントライト、ミッキーマウス#日本での歴史、チータ(ターザンの相棒チンパンジー)、青い目の人形、煙突男、どりちゃん
人物[編集]
- 爆弾三勇士(江下武二、北川丞、作江伊之助)、ハリマオ(日本名:谷豊、ムスリム名:モハマッド・アリー・ビン・アブドラー)、マレーの虎(山下奉文)、戦車隊の神様(池田末男)、「作戦の神様」又は「大本営の妖怪」(辻政信)、マッカーサー参謀(堀栄三)、越境将軍(林銑十郎)、「赤いナポレオン」又は「赤軍の至宝」(ミハイル・トゥハチェフスキー)、砂漠の狐(エルヴィン・ロンメル)、「鬼畜ルメイ」又は「皆殺しのルメイ」(カーチス・ルメイ)、白い死神(シモ・ヘイヘ)、死の女(リュドミラ・パヴリチェンコ)、加藤隼戦闘隊(加藤建夫)、東洋のリヒトホーフェン(篠原弘道)、「白色電光戦闘穴吹」又は「運の穴吹」又は「ビルマの桃太郎」(穴吹智)、魔のクロエ(黒江保彦)、「赤鼻のエース」又は「赤ダルマ隊長」又は「マスタング・キラー」(若松幸禧)、ラバウルの魔王(西沢広義)、「鉄脚のエース」又は「隻脚のエース」又は「義足のエース」(檜與平)、青い目のサムライ(来栖良)、アフリカの星(ハンス・ヨアヒム・マルセイユ)、黒い悪魔(エーリッヒ・ハルトマン)、「スツーカの悪魔」または「空の魔王」または「ソ連人民最大の敵」(ハンス=ウルリッヒ・ルーデル)、女鳥人(西崎キク)、「スターリングラードの白薔薇」又は「スターリングラードの白百合」(リディア・リトヴァク)、山中峯太郎、上原謙、前畑秀子、暁の超特急(吉岡隆徳)、フジヤマのトビウオ(古橋廣之進)、バロン西(西竹一)、澤村榮治、須田博(ヴィクトル・スタルヒン)、ピストン堀口(堀口恒男)、エノケン(榎本健一)、デン助(大宮敏充)、劇団「笑の王国」[注 29]、高峰秀子[注 30]、時代劇六大スタア[注 31]、李香蘭(山口淑子)、渡辺はま子、永田絃次郎(金永吉)、あきれたぼういず、あひる艦隊、吉川英治、白瀬矗(白瀬南極探検隊)、ライオン宰相(濱口雄幸)、近衛文麿[注 32]、横田千之助[注 33]、大風呂敷(後藤新平)[注 34]、容易ならざる日本人(白洲次郎)、「憲政の神様」および「議会政治の父」(尾崎行雄)、ノンキナトウサン(町田忠治)、最後の元老(西園寺公望)、財界のナポレオン(金子直吉)、白洲将軍(白洲文平)(白洲次郎の実父)、ベーブ・ルース、ヘレン・ケラー、フリッツ・ラング、セルゲイ・エイゼンシュテイン[注 35]、レニ・リーフェンシュタール、シャーリー・テンプル、ツァラー・レアンダー、マリーカ・レック、帝国水死体(クリスティーナ・ゼーダーバウム)、ブリギッテ・ホルナイ、「口笛を吹く女」および「ドイツ軍兵士のアイドル」(イルゼ・ヴェルナー)、山岳映画の女王(ハイデマリー・ハータイヤー)、チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイド、ルドルフ・ヴァレンティノ、タイロン・パワー、ジョニー・ワイズミュラー、ヨーロッパのジョン・ウェイン(ルイス・トレンカー)、「むこう見ずな男」もしくは「ブロンドのハンス」(ハンス・アルバース)、田河水泡、松本かつぢ、中原淳一、加藤まさを、ウォルト・ディズニー、軍歌の覇王(古関裕而)、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、菊池寛[注 36]、伊藤整、高見順、平野謙、小林多喜二、中野重治、佐多稲子、井伏鱒二、川端康成、堀辰雄、立原道造、小泉礼一(槇本楠郎)、エーリヒ・ケストナー、白光、崔承喜、馬海松、古賀春江、汪兆銘、愛新覚羅溥儀、川島芳子(愛新覚羅顕シ)、スバス・チャンドラ・ボース
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ この内、「紀元二千六百年奉祝東亜競技大会」については、開催中止された昭和15年東京オリンピック大会の代替イベント的役割も担わされ、「アジアのオリンピック」とも呼ばれた。
- ^ 南樺太豊原会場および大泊会場の二箇所で開催。
- ^ 陸軍特別大演習については、現代での陸上自衛隊による富士総合火力演習同様、一般人も多数見学出来た。明治22年より昭和11年まで毎年、日本各地で実施・巡演。参加兵員・見学一般人員は共に大きく、事実上、観光イベントの側面も持ち合わせたので開催地にもたらされる経済効果は大きかった。 参考HP
- ^ 戦前において、東洋一の国際空港。当時の民間航空機技術水準の問題上、関東・関西の空港よりも地理的に上海などの中国大陸に近い北九州に開港されていたこの空港が中心的な役割を果たし、国際便数も圧倒的に多かった。関東・関西に住む当時の富裕層や著名人は、一旦最寄の飛行場より飛行機でここへ向かい、雁ノ巣飛行場発の国際路線に乗り換えて海外旅行を行った。
- ^ 講談社が発売していた濃縮タイプの滋養ジュース飲料。
- ^ 第一次世界大戦元ドイツ軍捕虜ドイツ人食肉マイスター ヘルマン・ウォルシュケにより、日米野球開催中の甲子園球場で売られた日本最初のホットドッグ。 解説HP
- ^ 篠崎商店により製造・販売された国産初のバターボール。
- ^ 銀座若松が発祥とされている。
- ^ オープン当初の名称は「関西国民航空錬成場」。軍用機啓蒙テーマパーク施設。
- ^ 後に、→吉行あぐり美容室→吉行あぐりサロンに改称。 http://www.sainet.or.jp/~junkk/mavo/aoi.htm 参考画像HP ※ 上から二番目]
- ^ 後に西武福井店となる福井県福井市地元百貨店。松竹歌劇団を模した「だるま屋少女歌劇部」創設および同組織用常設劇場の建設なども手掛けた。
- ^ 当時、まだまだ高層建築が殆ど無かった東京都内で愛宕山(標高25.7m)頂上に建築・運営される。
- ^ 戦前の日本が、ドイツの国民ラジオの影響を受け、出来るだけ低価格で販売する事を目指したラジオ受信機。基本的な全体デザイン・回路の共通化について、国産家電メーカー全社に徹底させ、昭和10年代の各世帯へ広く普及させる事に成功している。
- ^ 民生技術研究成果の商品化は理研グループ。
- ^ 太宰治など文豪が多数、愛用していた東京市京橋区(現東京都中央区)銀座最初のバー。
- ^ 東京方言の一種。例えば女性用では語尾に「ですの」「ですのよ」といった言葉が付く。関東大震災・東京大空襲で使い手が激減したと言われる。著名な使い手として、女性タレント兼高かおるなど。
- ^ 陸軍皇道派主導による天皇制社会民主主義国家化・寄生地主撤廃による農地開放・財閥企業体の接収国営化。後にGHQ民政局の手により多くの政策が具現化される。
- ^ 陸軍統制派主導による社会主義国家創立・計画経済採用の提唱。
- ^ クリスマスと同じ12月25日、大正天皇が崩御して設けられた新たな祝日。1947年(昭和22年)まで続き、日本でのクリスマス普及に大きな役割を果たす。
- ^ 講談社が日本全国から集め、毎年30倍近い競争率で採用の後、修養教育を施しながら労働させた社員見習い児童勤務部署。ただでさえ講談社が雑誌少年倶楽部などを通じ当時の児童達憧れの人気出版企業であったばかりでなく、家庭の経済的事情で中学への進学が適わない事が珍しく無かった時代に、三食付きの全寮制で剣道や勉強も学べ、月5円の給料が支給され、やがては大卒社員と一緒に正社員いわゆるサラリーマン採用の途も開かれている夢の様な民間企業主催制度として羨望の的だった。
- ^ 独ダイムラーベンツ社DB 601液冷エンジンのライセンス購入、ハ40液冷エンジンとして国産化成功。外見もBf109に似ていた事から「和製メッサー」とも呼ばれた。他、「ロクイチ」「キのロクイチ」「ロクイチ戦」」など呼称が付く。
- ^ 民間旅客機会社「大日本航空」名義で米国より輸入した最新鋭旅客機「ダグラス DC-4E」をベースに、次世代陸軍爆撃機として大幅改良開発。意図していた性能は満たせなかったが、後に輸送機として活躍。
- ^ 日本陸軍および日本海軍の落下傘部隊(空挺部隊)もしくは落下傘兵(空挺兵)。
- ^ 漫画雑誌ではなく、紙芝居を通じ知れ渡る。
- ^ 戦後に製作・公開される『若大将シリーズ』の戦前版的作品。
- ^ 「我が闘争」日本版の書籍名。日本人、及びアジア人全般への蔑視的表現部分は削除の上、出版された。
- ^ 小説雑誌だが、邦訳された「ポパイ」なども連載されていた。
- ^ 国際情報社。邦訳された「黒猫フェリックス(フィリックス)」(ジョー・オリオロ作)等を掲載。
- ^ 古川ロッパ(古川緑波)、生駒雷遊、徳川夢声など十数名が参加。
- ^ 当時、有名子役として「日本のシャーリー・テンプル」と呼ばれた。
- ^ 大河内傳次郎、阪東妻三郎、嵐寛寿郎、片岡千恵蔵、市川右太衛門、長谷川一夫(旧芸名:林長二郎)、七剣聖(時代劇六大スターに、月形龍之介を加えたもの)。
- ^ 血筋が由緒ある五摂家の近衞家第30代目当主であり後陽成天皇の12世孫、更に左右思想・国内外を問わず広い人脈を持つなど、当初は大きな期待を寄せられ人気があった。
- ^ 立憲政友会ニューリーダーとして国民から人気があったが、急逝。
- ^ 官僚でありながら国民的人気・知名度は高く、「東京市長」「逓信大臣」「内務大臣」「外務大臣」「台湾総督府民政長官」「南満州鉄道(満鉄)初代総裁」を歴任。
- ^ 日本式の漢字など、日本語の独学にも熱心に取り組んでいた。
- ^ 芥川賞と直木賞を創設した流行有名作家の他、雑誌文藝春秋創業社長で大映初代社長という実業家の面を持つ。麻雀愛好家で馬主であり愛人も多数、当時まだ航空運賃相場が超高額で利用者も珍しかった旅客機国内便(大日本航空)を頻繁に利用するなど生活も華美で派手だった。
出典[編集]
参考資料[編集]
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- 『女学生手帖—大正・昭和乙女らいふ』内田静枝/弥生美術館・編 河出書房新社 2005年
- 『女学校と女学生—教養・たしなみ・モダン文化』稲垣恭子・著 中央公論新社 2007年
- 『教科書には載っていない! 戦前の日本』武田知弘・著 彩図社 2008年
関連項目[編集]
- モダニズム、モダニズム建築
- 昭和元禄、昭和文化、戦間期
- 池袋モンパルナス、東京シャッフル、阪神間モダニズム、逓信建築
- 鎌倉文庫
- 日本の百貨店、ソーダ・ファウンテン(資生堂パーラー)
- 狂騒の20年代、ジャズ・エイジ
- Cuphead(1930年代を中心とする黄金時代のアメリカン・アニメーション映画をモチーフとした2Dアクションシューティングゲーム。PC版公式HP)
- ラジオ・デイズ(1930年代を舞台としたアメリカ中流階級の消費文化を描いたウディ・アレン自伝映画。但し、作中における生活水準は約25年後(昭和30年代)の日本に近い)
- カイロの紫のバラ(1930年代を舞台としたアメリカ中流階級の(夫からのDV虐待に耐えている)主婦と(モノクロ映画スクリーンから飛び出して現実の人間と化した)喜劇映画主人公および(現実世界での映画撮影に於いて)同主人公を演じている二枚目人気男優との恋愛駆け引き(二枚目人気男優は映画会社からの命令で、自らの分身である喜劇映画主人公を引き戻す為、主婦と喜劇映画主人公の仲を引き裂こうと企み、主婦を誘惑する)・悲喜劇を描いたファンタジー映画。ウディ・アレン監督作品)
- 華麗なるギャツビー(1920年代後半を舞台としたアメリカ上流階級の消費文化を描いた映画)
- 大正ロマン、大正デモクラシー、大正自由教育運動
- 文明開化
- レトロフューチャー
- レトロテーマパーク
- 昭和レトロポップ