蕨市

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わらびし ウィキデータを編集
蕨市
市旗
市章
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 埼玉県
市町村コード 11223-2
法人番号 6000020112232 ウィキデータを編集
面積 5.11km2
総人口 74,517[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度 14,583人/km2
隣接自治体 川口市戸田市さいたま市
市の木 ケヤキ
市の花 サツキ
市の草花 ニチニチソウ
蕨市役所
市長 賴髙英雄
所在地 335-8501
埼玉県蕨市中央五丁目14番15号
外部リンク 蕨市

蕨市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

蕨市(わらびし)は、埼玉県南東部にある人口約7万人のである。

概要

全国の市の中で最も面積が狭く、区町村を含めても10番目に狭い。人口密度は全国の市町村で最も高いが、東京23区全体(15,795 人/km²)より高くはなく、市区町村では15番目である(2024年4月1日現在)。2000年代前半時には東京特別区より高かった時期もあった。

主に住宅地からなるが江戸時代には蕨宿が置かれ、中山道宿場町として非常に栄えていた。この地で1946年昭和21年)から開催されている成年式が成人式のルーツといわれている。全国的に珍しい有料公衆便所条例が存在したが、2009年平成21年)11月現在、無料に変わっている。

歴史

蕨市内の日本古来の日本家屋・玄関

「蕨(わらび)」という地名がいつごろ生じたのかは不明であるが、文献上の初出は1352年8月17日観応3年6月29日)付の「賀上家文献」で、「蕨郷上下」と記されている。蕨市役所付近には古来の日本住宅など多く残されており、旧中山道沿いに栄えた当時を偲ばせる美しい建物も多い。

  • 上蕨村と下蕨村を合して蕨宿を称した。
  • 1889年明治22年)4月1日 - 蕨宿・塚越村が合併し、北足立郡蕨町となる。
  • 1959年昭和34年)4月1日 - 埼玉県内で23番目に市制施行。現在に至る。

地名の由来

蕨という名前は歴史が古く地名の由来は文献にも残されていないが、諸説伝わっているうちの主に2つの説が有力とされている。

  • 源義経が立ちのぼる煙を見て「藁火村」と名付けた、在原業平が藁をたいてもてなしをうけたところから「藁火」と命名したという「藁火」説
  • 僧慈鎮(じちん)の「武蔵野の草葉にまさるわらびをげにむらさきの塵かとぞみる」の歌をもって名付けた近隣の戸田市川口市にもある地名の青木笹目美女木などの植物にならって命名したという「蕨」説

地理

埼玉県の「中央地域」と呼ばれる県南東部京浜東北線沿線地域の市の一つ。北をさいたま市、西を戸田市、東を川口市に接する。市域はおおむね平坦で、大きな山や川などはない。土地利用は主に住宅地からなる。

蕨駅は川口市に近接する市東部に存在し、この周辺が蕨市街である。蕨駅東口の繁華街は川口市域と一体化する形で市街地が形成されている。

蕨駅西口の商店街は、戸田市などからも多くの買い物客が来ていた[1]

隣接している自治体・行政区

地域

現行町名

  • 北町(一丁目 - 五丁目)
  • 中央(一丁目 - 七丁目)
  • 塚越(一丁目 - 七丁目)
  • 錦町(一丁目 - 六丁目)
  • 南町(一丁目 - 四丁目)

旧町名・大字

現在の蕨市内の町名は1966年昭和41年)10月1日に施行した住居表示によって設定されたものであるが、かつては下記のような町・大字があった(括弧内は現在の町名)。

  • 大字塚越(中央一丁目・二丁目、南町一丁目 - 三丁目)
  • 大字蕨(中央一丁目 - 七丁目、錦町一丁目 - 六丁目、北町一丁目 - 五丁目、南町一丁目 - 四丁目)
  • 塚越末広町(塚越一丁目・二丁目) - 1958年(昭和33年)に大字蕨、大字塚越の各一部より新設。
  • 東町一丁目(塚越三丁目・六丁目) - 1964年(昭和39年)に大字塚越の一部より新設。
  • 東町二丁目(塚越三丁目・五丁目・六丁目・七丁目) - 1964年(昭和39年)に大字塚越の一部より新設。
  • 東町三丁目(塚越四丁目) - 1964年(昭和39年)に大字塚越の一部より新設。
  • 丁張町一丁目(南町三丁目)
  • 丁張町二丁目(塚越五丁目)
  • 丁張町三丁目(塚越七丁目)

大字蕨および塚越は範囲が広いため、通称の町名を使用していた。現在も町会名・バス停名に残るものもある。

  • 郷町
  • 旭町
  • 上町
  • 御殿町
  • 須賀町
  • 大門町
  • 土橋町
  • 仲町
  • 仲上町
  • 春日町(1959年(昭和34年)に法華田町から改称)
  • 水深町
  • 下蕨町
  • 三和町
  • 塚越本町
  • 塚越東町
  • 塚越西町
  • 塚越忠町
  • 塚越西仲町

その他町名には残っていないものもあるが、以下の耕作地名があった。

  • 蕨宿 - 前谷(まいや)、松原、赤田、鍛治作、新兵ェ(しんべ)、下高野(しもごや)、宮田、助縄(すけなわ)、仁中歩(にちぶ)、金山、穂保作(ほぼさく)、荒井前(あらいめ)
  • 塚越村 - 仁中歩、大荒田、丁張

人口


蕨市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

行政

歴代市長

合併構想

川口市、旧・鳩ヶ谷市との新設合併案があった。新市庁舎の位置や合併予定期日も決定していたが、住民投票で5位だった「武南市」の市名が合併協議会で可決されたことに対し市民の反発があったとして、川口市は法定合併協議会からの離脱を決定。合併構想は消滅した。

「川口市」(1万4778票)は「武南市」(579票)の26倍の得票を獲得していた(人口1人あたりの新市名公募アンケート投票数は川口市の方が他の2市より高かった)。

  1. 合併破綻後の蕨市長の議会でのあいさつ
  2. 合併破綻後の蕨市長の議会でのあいさつ
  3. 2001年時の三市の財政状況

経緯

  • 1983年昭和58年)11月 - 県南5市協議会(川口草加、蕨、戸田鳩ヶ谷)発足。
  • 2002年平成14年)12月26日 - 合併協議会設立。会長は蕨市長、副会長は川口市長、鳩ヶ谷市長。
  • 2003年(平成15年)
    • 戸田市が川口、蕨、鳩ヶ谷との合併協議会に不参加を表明。
    • 12月24日 - 合併協議会解散、法定合併協議会設立。
  • 2004年(平成16年)
    • 2月19日 - 住民投票を求める蕨市民の会が、18,393名の署名を集め蕨市に提出した。6月の議会で投票率50%以下の場合は開票しないことが可決された。
    • 7月12日 - 新市の名称として前回の協議会で1位、2位となった川口市と武南市の決選投票を実施、22対19で武南市が可決された。
    • 7月21日 - 川口市議会で全員協議会が開かれ川口市が選ばれ法定協議会を離脱する方針を決定した。
    • 8月1日 - 蕨市で予定されていた住民投票が中止となった。
    • 8月2日 - 川口市で臨時市議会が開催され、合併協議会からの離脱を決定した。
    • 9月30日 - 正式に法定合併協議会が解散した。

川口市議会においても新市名が「川口市」もしくは「かわぐち市」ではなく「武南市」とされたことなどに嫌悪し合併反対という結果が出た為、合併構想は破綻した。

広域行政

  • 戸田競艇組合(川口市、戸田市と共に競艇関連の事務を行っている)
  • 蕨戸田衛生センター組合(戸田市と共にごみ処理及びし尿処理を行っている)
  • 埼玉県南5市まちづくり協議会(川口市、草加市、蕨市、戸田市で構成されている)

市の象徴

  • 市の木(ケヤキ)
ニレ科・ケヤキ属。落葉高木で、街路樹などで立派な緑を作っている。市制20年を記念して、1979年11月3日に制定された。
  • 市の花(サツキ)
ツツジ科・ツツジ属。花が陰暦五月に咲くため「皐月」と呼ばれている。市制20年を記念して、1979年11月3日に制定された。
  • 市の草花(ニチニチソウ)
キョウチクトウ科。日々、次々と新しい花が咲くところから「ニチニチソウ」と呼ばれている。市制30年を記念して、1989年11月3日に制定された。
  • 市のマスコット(ワラビー) - 市制施行30周年
1989年の市制施行30周年を記念して小型でかわいらしく元気に跳ねて未来へ羽ばたく蕨市の願いを込め、また「わらび」と「ワラビー」の発音が似ていることから蕨市のマスコットキャラクターに制定された。
  • 市のマスコット(エンジェルわらぶー) - 市制施行50周年
2009年の市制施行50周年を記念し、いつまでも市民が安全に幸福に暮らせることを願いながら、ヨーロッパでは繁栄の象徴である子豚をマスコットとして当市のマスコットキャラクターに制定された。デザインはTHE ALFEE高見沢俊彦が行った[2]

姉妹都市・提携都市

姉妹都市

友好都市

公共施設

  • 蕨市役所塚越連絡室
  • 市民体育館
  • 老人福祉センターけやき荘
  • 総合社会福祉センター
  • 交流プラザさくら
  • 福祉・児童センター
  • 保健センター
  • 中央公民館
  • ユースパル・蕨市立勤労青少年ホーム
  • 家庭児童相談室
  • 福祉児童センター
  • 東公民館
  • 西公民館
  • 南公民館
  • 北町公民館
  • 下蕨公民館
  • 旭町公民館
  • 塚越児童館
  • 塚越コミュニティーセンター
  • 図書館
  • 歴史民俗資料館
  • 学校給食センター
  • 蕨市立病院
  • 蕨市水道部中央浄水場
  • 塚越浄水場
  • 富士見公園事務所
  • 大荒田交通公園事務所

消防

警察

  • 蕨警察署(蕨市と戸田市を管轄)
    • 北町交番
    • 蕨駅東口交番
    • 蕨駅西口交番
    • 南町交番

郵政

郵便番号は、市内全域が「335-00xx」である。

教育

小学校

  • 蕨市立中央小学校
  • 蕨市立中央東小学校
  • 蕨市立東小学校
  • 蕨市立西小学校
  • 蕨市立南小学校
  • 蕨市立北小学校
  • 蕨市立塚越小学校

中学校

  • 蕨市立第一中学校
  • 蕨市立第二中学校
  • 蕨市立東中学校

高等学校

交通

市東部を京浜東北線東北本線)が北西から南東に斜めに縦断、市西部では国道17号が線路の1kmほど西方を平行して走っている。

鉄道

東日本旅客鉄道

市内を宇都宮線高崎線湘南新宿ライン京浜東北線と並行して走っているが、駅はない。また、埼京線北戸田駅付近をわずかに掠めている。

バス

タクシー

タクシーの営業区域は県南中央交通圏で、川口市さいたま市鴻巣市上尾市戸田市などと同じエリアとなっている。

道路

国道
主要地方道
一般県道

名所・旧跡・建築物

  • 蕨城跡 - 南北朝時代に渋川氏が築城する。渋川氏が衰亡すると後北条氏の城となり、江戸時代には城は廃されて将軍家の鷹狩御殿が置かれる。

祭・イベント

和樂備神社例大祭・2006年10月15日の祭の風景
  • 塚越稲荷神社初午祭
毎年3月の第2土曜・日曜に開催。約10トンもする大神輿を担いで蕨市中心地区(旧・中山道付近から塚越稲荷神社)を威勢のいい太鼓のリズムに合わせて市内を練り歩く。
  • 和樂備神社例大祭
毎年10月の第3土曜・日曜日に開催。神輿山車などで和樂備神社近辺を中心に練り歩く秋祭り。
  • 宿場まつり
毎年11月3日に開催。旧・中山道を中心に開催される。
  • 機まつり
毎年8月初旬に蕨駅西口商店街で開催される。

その他

出身の有名人

市内在住の有名人

関連した企業の歴史

関連項目

脚注

外部リンク

行政
観光