日光白根山

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日光白根山
冬の日光白根
標高 2,578 m
所在地 日本の旗 日本
栃木県日光市群馬県利根郡片品村
位置 北緯36度47分55秒 東経139度22分33秒 / 北緯36.79861度 東経139.37583度 / 36.79861; 139.37583座標: 北緯36度47分55秒 東経139度22分33秒 / 北緯36.79861度 東経139.37583度 / 36.79861; 139.37583
山系 日光火山群
種類 溶岩ドーム
日光白根山の位置(日本内)
日光白根山
日光白根山の位置
プロジェクト 山
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日光白根山(にっこうしらねさん)は、栃木県日光市群馬県利根郡片品村の境界にある標高2,578mの。日光白根山の山体は成層火山であるが、最高峰の奥白根(おくしらね)は安山岩のみから成る溶岩円頂丘である。関東地方の最高峰で、国内ではこれより北や東に日光白根山より高い山はない。深田久弥日本百名山のひとつ。

概要

白根山』とは、古来より峯が雪で白く染まる様を形容した名称であるため、同名の山が日本各地にあり[1]、その他の白根山と区別するため日光白根山と呼ばれるが、国土地理院発行の5万分の1地形図『男体山』には白根山とのみ記載されている。

日光白根火山の地形図
左へ延びる長い尾根は溶岩流によるもの

日光白根山は白根火山群の各山々(新第三紀火山)に周囲を囲まれており、また一年を通して雲に隠れていることが多く、関東地方からは日光連山の稜線上に、奥白根山頂部のドーム状(第四紀火山)の突起物が載っている程度にしか見えない。冬季、天候条件が整えば黒い山肌に雪を纏う日光表連山の山々に比し雪に覆われてひときわ白い山体を現す。

白根火山群周辺には五色沼湯ノ湖湯滝戦場ヶ原小田代ヶ原など自然の造形物が在り、また貴重な高山植物の植生も見られるため、山域は日光国立公園に指定され保護されている。しかしながら、この山に多く自生することから名付けられた植物のシラネアオイも現在ではほとんど見ることはできず、また周辺山域には立ち枯れが多く見られ、その原因を首都圏からの大気汚染物質の飛来とする研究もあるなど、自然環境の変化が進んでいる。

形成と火山活動

日光白根山は、広義の日光火山群のひとつ。狭義には白根火山群に属する。最高峰の奥白根山を中心に、新第三紀の古い火山岩類から構成される前白根山、五色山などの間に侵食による窪みを有する火山であり、山頂部分(奥白根)は、奥日光成層火山である前白根や五色山、外山白根隠山等の白根火山群の山体があるところに新たにできた溶岩ドームである。

約5300年前以降、複数回の規模の大きな噴火があり、周辺に堆積物を残す噴火は4回以上と考えられている。17世紀から1890年にかけて噴火した記録がある。

火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山に選定されている[2]

登山

山頂に至る主な登山道は、日光湯元温泉から外山尾根・天狗平・前白根山を経由するもの、菅沼から弥陀ガ池を経由するもの、金精峠から五色山・弥陀ガ池を経由するものが挙げられる。近年は麓の丸沼から日光白根山ロープウェーで標高2000m付近まで行けるようになり、比較的楽に登れるようになった。

山岳信仰

江戸期から明治にかけて、上州では奥白根山を『荒山権現』として祀り、信仰登山の対象となっていたと云われるが、その遺跡は皆無である[3]。現在、そのルートは日光白根山ロープウェー経由の道に比較的近く、当時の信仰登山に纏わる地名が地図上にのみ見える。

周辺

脚注・出典

  1. ^ 草津白根山、白根三山など。古事類苑によると、石川県白山も当初は『しらね』と呼ばれていたほか、山梨県には数々の『しらね』が存在していた。
  2. ^ 火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
  3. ^ 深田久弥著 『日本百名山』 奥白根山の記述に拠る。

関連項目

外部リンク