坂本勇人

坂本勇人
読売ジャイアンツ #6
	ファイル:YG-Hayato-Sakamoto.jpg 2009年8月18日、東京ドームにて
基本情報
国籍	日本
出身地	兵庫県伊丹市
生年月日	1988年12月14日（35歳）
身長; 体重	185 cm; 80 kg
選手情報
投球・打席	右投右打
ポジション	遊撃手
プロ入り	2006年高校生ドラフト1巡目
初出場	2007年7月12日
年俸	1億1,000万円（2012年）
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
	光星学院高等学校; 読売ジャイアンツ (2007 - );
	この表について

坂本勇人（さかもとはやと、1988年 12月14日 - ）は、読売ジャイアンツに所属するプロ野球選手（内野手）。

経歴

プロ入り前

1995年3月に尼崎市武庫之荘にある学校法人武庫からたち幼稚園を卒園。兵庫県伊丹市立昆陽里小学校1年から、少年野球「昆陽里タイガース」において投手兼遊撃手として野球を始めた。田中将大は小・中学校の同級生で、小学校時代は同チームに在籍。当時は坂本が投手、田中が捕手でバッテリーを組んでいた。中学時代は伊丹シニアに所属し、2年次にジャイアンツカップベスト4。青森県八戸市の光星学院高等学校に進学し、1年秋から遊撃のレギュラー、2年春から4番を務め、秋の東北大会準優勝し、3年春の第78回選抜高等学校野球大会に出場。春の東北大会では16打数13安打で打率.813、4本塁打の活躍で注目を集めた。高校通算39本塁打（20本以上が高校2年秋から高校3年の間に放っている）。

2006年 9月25日に行われた高校生ドラフトにて大森剛スカウトの進言を受け、巨人が堂上直倫のハズレ1位で坂本を指名。11月5日に契約金8000万・年俸650万で仮契約。入団1年目並びに2年目に付けた背番号の「61」は200「6」年の高校生ドラフト「1」位に由来している^[1]。

プロ入り後

2007年

開幕を二軍で迎える。5月12日のイースタン・リーグ・日本ハム戦に闘病中だった母親を呼び、第1打席で初球を打ってホームランにし、喜ばせた。試合後には「おかんの体調が悪いっていうのは聞いていたので、最後の試合になるだろうなと思っていた」とのコメントを残している。母親はこの試合の約1ヵ月後に死去した。この年は77試合に出場し、302打数81安打5本塁打28打点、打率.268の成績を残した。7月に初1軍昇格、初出場（代走）。9月6日には延長戦となった中日戦に代打で出場、決勝点となるプロ入り初安打初打点を記録。初のヒーローインタビューを経験した。

2008年

巨人では松井秀喜以来の10代での開幕スタメン入り（8番・二塁手）を果たす。開幕戦で二岡智宏が負傷した影響もありその後は遊撃手としてスタメン出場を続け、二岡の復帰後も遊撃手の位置を譲ることはなく全試合スタメン出場を果たした。高卒2年目での全試合スタメンは中西太、清原和博に続いて史上3人目（セ・リーグでは初）。オールスターゲームにも初出場し、第2戦で初安打を記録。西武との日本シリーズ第7戦では西口文也から本塁打を放つ。10代での日本シリーズ本塁打は当時西武だった清原和博以来22年ぶり。また、この年のオープン戦・公式戦・オールスター戦・クライマックスシリーズ・日本シリーズの全172試合に出場した。新人王は同僚である山口鉄也に譲ったが（坂本は次点）、巨人では高橋由伸以来10年ぶりにセ・リーグ会長特別表彰（新人選手特別賞）を受賞した。

2009年

開幕前に3割20本を目標に掲げ、4月の好調から5月以降は1番打者として定着。7月に腰痛を発症し、それを押して出場し続けるも、打率は低迷の一途を辿り、ついに球宴直前の7月20日からの横浜戦3連戦を欠場^[2]。これで前年の開幕戦から続いていた連続試合出場記録は226試合で途切れた。最終的に目標だった20本塁打には到達しなかったものの、4月以降一度も3割を切ることなく初の打率3割（.306、リーグ4位）を達成。高卒3年目以内の3割到達は史上11人目（球団では川上哲治、千葉茂以来3人目）の快挙。また青木宣親、トニ・ブランコに並び最多得点を記録し、自身初のタイトルであるベストナインを獲得。

2010年

全試合にフルイニング出場し、1970年の王貞治と前年の亀井義行に続く球団史上3人目のサヨナラ本塁打3本を含む、自身そして巨人の遊撃手で最多となる31本塁打（高卒4年目以内の30本塁打は史上8人目）と、同じく自己最多となる14盗塁を記録した。しかしシーズン後半は不振に陥り、10月には6番降格も経験した。クライマックスシリーズでは阪神との第1ステージ・第1戦で能見篤史から同点本塁打を含む2安打を放ち、勝利に貢献したが、中日との第2ステージ・第1戦の試合前に腰を痛め、スタメンから外れた。その後、第3戦で代打出場し戦列復帰。第4戦でスタメン復帰を果たし、第2ステージ初安打を放つがチームはサヨナラ負けを喫し、日本シリーズ出場を逃した。

2011年

4月12日のヤクルトとの開幕戦（ユーピーアールスタジアム宇部）で、ヤクルトの開幕投手・石川雅規から2本のタイムリー二塁打を放ち、勝利に貢献。試合後のお立ち台にも上った。5月5日の阪神戦では、小笠原道大が通算2000本安打を達成した際に、当初は選手会長の内海哲也が花束を渡す予定だったが、代わってもらい花束を渡した。この年は2年連続で全試合出場を果たし、得点圏打率ではリーグトップの.361をマークしたが、飛球がかなり多く、打撃不振や守備の乱れなどによりスタメン落ちした試合もあった。オフの契約更改では1,000万円減の1億1,000万円でサインし、プロ入り初めて年俸が下がった。

プレースタイル

打撃

細身の体格ながら2009年に18本塁打、2010年には31本塁打を記録した長打力を持ち味とする。プロ入り当初は「二岡さんのように右方向に打てるバッターになりたい」と語ったが、2009年のシーズンを経て「いまの自分のヒットゾーンは左方向にある」ことがわかったという^[3]。2010年までの通算で47パーセントの打球を左方向に放っており、特に2009年は安打の半数以上を左方向に放った^[4]。外角を苦手としている一方で内角打ちに長ける他^[5]、50メートル6.0秒、一塁到達4.15秒の俊足も備える^[4]。7月に調子を落とす傾向があり、2009年以降の通算打率は.216である。 2010年に山井大介から九回先頭バッターの場面でホームランを打ちノーヒットノーランを阻止し、2012年の開幕戦では九回１アウトから石川雅規からヒットを打ち、二度ノーヒットノーランを阻止していることから「ノーヒットクラッシャー」と呼ぶファンもいる。

守備

2010年に両リーグの守備イニング数1000以上の遊撃手中2位のRF4.78^[6]、同4位のUZR4.4を始め^[7]例年高い数値を記録する広い守備範囲と^[8]、遠投120メートルの強肩を生かした矢のような送球を持ち味とし^[9]、特に三遊間の打球に強い^[10]。しかしその一方で強肩に任せたスローイングで送球ミスがとにかく多く、2008年から4年連続で遊撃手の最多失策を記録している。

元々左利きでペンや箸を持つ手は左手。右利きの兄のグローブを使って野球を始めたので右投げになった。初めは右打ちだったが、指導者の勧めで小学4年生の時に両打ちに転向した。しかし、当時坂本は田中将大とレフト側の校舎目掛け飛距離を競っていたのだが、左打ちでは田中に敵わなかったので6年から再び右打ち一本になった^[11]。

坂本は2009年から自らデザインしたチャリティーＴシャツの販売や、献血のポスターのモデルを務め、同年11月にはＴシャツ販売の収益金187万5800円を日本赤十字社に寄付した。またこれを原資に今季東京ドームに「坂本勇人赤十字シート」も設置し、児童養護施設の子供を招待している。坂本は「これからも社会貢献をやっていけたらいいですね」と話している。

蕎麦アレルギーとズムサタで話している。

詳細情報

年度別打撃成績

年度	球団	試合	打席	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	塁打	打点	盗塁	盗塁死	犠打	犠飛	四球	敬遠	死球	三振	併殺打	打率	出塁率	長打率	O P S
2007	巨人	4	3	3	1	1	0	0	0	1	2	1	0	0	0	0	0	0	0	0	.333	.333	.333	.667
2008		144	567	521	59	134	24	1	8	184	43	10	5	15	1	28	3	2	98	2	.257	.297	.353	.650
2009		141	640	581	87	178	33	3	18	271	62	5	3	7	4	44	3	4	101	8	.306	.357	.466	.823
2010		144	676	609	107	171	35	4	31	307	85	14	4	10	7	47	2	3	83	6	.281	.332	.504	.836
2011		144	624	568	69	149	27	2	16	228	59	8	1	10	3	37	8	6	91	3	.262	.313	.401	.714
通算：5年		577	2510	2282	323	633	119	10	73	991	251	38	13	42	15	156	16	15	373	19	.277	.326	.434	.760

2011年度シーズン終了時
各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

年度	二塁						遊撃
年度	試合	刺殺	補殺	失策	併殺	守備率	試合	刺殺	補殺	失策	併殺	守備率
2007	-						3	0	0	0	0	.000
2008	1	2	1	0	0	1.000	144	199	422	15	66	.976
2009	-						141	244	437	19	81	.973
2010	-						144	238	441	21	89	.970
2011	-						144	222	468	18	85	.975
通算	1	2	1	0	0	1.000	576	853	1768	73	321	.973

2011年度シーズン終了時
各年度の太字はリーグ最高

表彰

セ・リーグ会長特別表彰（新人選手特別賞）（2008年）
ベストナイン：1回（2009年）
東京ドームMVP：1回（2009年）
東京ドームMVP特別賞：1回（2008年）
報知プロスポーツ大賞（2009年）
スポーツニッポン新聞社選定スーパープレー大賞（2009年）

記録

初出場・初得点：2007年 7月12日、対阪神タイガース12回戦（東京ドーム）、12回裏に阿部慎之助の代走として出場、小田嶋正邦の適時打で生還
初盗塁：同上、12回裏に二盗（投手：ダーウィン・クビアン、捕手：矢野輝弘）
初先発出場：2007年9月2日、対横浜ベイスターズ20回戦（横浜スタジアム）、8番・遊撃手として先発出場
初打席：同上、2回表に加藤武治から投ゴロ
初安打・初打点：2007年9月6日、対中日ドラゴンズ21回戦（ナゴヤドーム）、12回表に高橋聡文から中前へ代打決勝2点適時打
初本塁打：2008年 4月6日、対阪神タイガース3回戦（東京ドーム）、5回裏に阿部健太から左越満塁本塁打 ※セ・リーグ史上最年少満塁本塁打
高卒2年目での全試合スタメン出場：2008年 ※史上3人目
オールスターゲーム出場：4回（2008年 - 2011年）

背番号

61 （2007年 - 2008年）
6 （2009年 - ）

登場曲

KEN-U 『YURENAGARA』（2008年）
GReeeeN 『キセキ』（2008年 - 2011年）
遊助『わんぱく野球バカ』（2010年 - 2011年）
G2 『LETTER ～おかんに贈る音の手紙～』（2011年6月19日の対埼玉西武戦限定。実母の命日だったことにより）

脚注

^ 著・清武英利『巨人軍は非情か』ISBN 9784103133117. p14
^ 坂本また欠場　球宴で復帰へ
^ 1番打者の概念を覆す『坂本スタイル』とは何か? 読売ジャイアンツ・坂本勇人インタビューsportsnaviコラム、2009年10月9日。
^ ^a ^b 小関順二、西尾典文、泉直樹『プロ野球スカウティングレポート2009』アスペクトムック、2009年、38頁頁。ISBN 978-4-7572-1628-0。
^ 坂本新打法！フリーで右へ左へ広角7安打2010年2月9日付スポーツ報知
^ SMR Baseball Lab 守備「選手別」遊撃手データ
^ 『月刊スラッガー』2011年5月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-5、45頁。
^ ゴールデングラブ賞に異議アリ。鳥谷敬の守備力に正当な評価を！田端到『ベースボール・ダンディ～数字の向こう側へ～』Number Web、2009年11月26日。
^ 『野球小僧世界野球選手名鑑2011』白夜書房、2011年、113頁頁。ISBN 978-4-86191-710-3。
^ Baseball Lab守備評価～Short StopSMR Baseball Lab
^ Sports Graphic Number 何年?7月30日号 p18

外部リンク

[1] 著・清武英利『巨人軍は非情か』ISBN 9784103133117. p14

[2] 坂本また欠場　球宴で復帰へ

[3] 1番打者の概念を覆す『坂本スタイル』とは何か? 読売ジャイアンツ・坂本勇人インタビューsportsnaviコラム、2009年10月9日。

[psr2009-4] 小関順二、西尾典文、泉直樹『プロ野球スカウティングレポート2009』アスペクトムック、2009年、38頁頁。ISBN 978-4-7572-1628-0。

[5] 坂本新打法！フリーで右へ左へ広角7安打2010年2月9日付スポーツ報知

[6] SMR Baseball Lab 守備「選手別」遊撃手データ

[7] 『月刊スラッガー』2011年5月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-5、45頁。

[8] ゴールデングラブ賞に異議アリ。鳥谷敬の守備力に正当な評価を！田端到『ベースボール・ダンディ～数字の向こう側へ～』Number Web、2009年11月26日。

[9] 『野球小僧世界野球選手名鑑2011』白夜書房、2011年、113頁頁。ISBN 978-4-86191-710-3。

[10] Baseball Lab守備評価～Short StopSMR Baseball Lab

[11] Sports Graphic Number 何年?7月30日号 p18

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表話編歴読売ジャイアンツ
球団	歴史選手成績ファーム歴代4番打者一覧
本拠地	後楽園球場東京ドーム
文化	応援団 TOKYOシリーズヴィーナス読売ジャイアンツ女子チーム
マスコット	ジャビットジャビィジャバビッキーツッピーチャピーおじいちゃんジャビット
球団歌・応援歌	野球の王者ジャイアンツ・ソング巨人軍の歌 -闘魂こめて-
永久欠番	1 3 4 14 16 34
日本一（22回）	1951 1952 1953 1955 1961 1963 1965 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1981 1989 1994 2000 2002 2009 2012
クライマックスシリーズ優勝（5回）	2008 2009 2012 2013 2019
リーグ優勝（47回）	1936 1937 1938 1939 1940 1941 1942 1943 1949 1951 1952 1953 1955 1956 1957 1958 1959 1961 1963 1965 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1976 1977 1981 1983 1987 1989 1990 1994 1996 2000 2002 2007 2008 2009 2012 2013 2014 2019 2020
できごと	別所引き抜き事件プロ野球再編問題 (1949年) 木戸美摸投手負傷事件 ON砲 V9時代 OH砲湯口事件地獄の伊東キャンプ江川事件 KKドラフト事件 10.8決戦メークドラマ槙原寛己の完全試合 KKコンビ MK砲ミレニアム打線レインボー打線史上最強打線一場事件日本プロ野球80周年記念試合読売ジャイアンツ所属選手による野球賭博問題伝統の一戦〜THE CLASSIC SERIES〜読売巨人軍90周年記念親善試合

表話編歴セントラル・リーグベストナイン（遊撃手）
1950年代	1950 白石勝巳 1951 平井正明 1952 平井正明 1953 平井三郎 1954 広岡達朗 1955 吉田義男 1956 吉田義男 1957 吉田義男 1958 吉田義男 1959 吉田義男
1960年代	1960 吉田義男 1961 河野旭輝 1962 吉田義男 1963 古葉毅 1964 吉田義男 1965 吉田義男 1966 一枝修平 1967 藤田平 1968 黒江透修 1969 藤田平
1970年代	1970 藤田平 1971 藤田平 1972 三村敏之 1973 藤田平 1974 藤田平 1975 三村敏之 1976 三村敏之 1977 河埜和正 1978 高橋慶彦 1979 高橋慶彦
1980年代	1980 高橋慶彦 1981 山下大輔 1982 宇野勝 1983 高橋慶彦 1984 宇野勝 1985 高木豊 1986 高橋慶彦 1987 宇野勝 1988 池山隆寛 1989 池山隆寛
1990年代	1990 池山隆寛 1991 野村謙二郎 1992 池山隆寛 1993 池山隆寛 1994 川相昌弘 1995 野村謙二郎 1996 野村謙二郎 1997 石井琢朗 1998 石井琢朗 1999 石井琢朗
2000年代	2000 石井琢朗 2001 石井琢朗 2002 井端弘和 2003 二岡智宏 2004 井端弘和 2005 井端弘和 2006 井端弘和 2007 井端弘和 2008 鳥谷敬 2009 坂本勇人
2010年代	2010 鳥谷敬 2011 鳥谷敬 2012 坂本勇人 2013 鳥谷敬 2014 鳥谷敬 2015 鳥谷敬 2016 坂本勇人 2017 田中広輔 2018 坂本勇人 2019 坂本勇人
2020年代	2020 坂本勇人 2021 坂本勇人 2022 中野拓夢 2023 木浪聖也

表話編歴読売ジャイアンツ - 2006年ドラフト指名選手
大学生・社会人	希望入団枠：金刃憲人 3巡目：上野貴久 4巡目：円谷英俊 5巡目：深沢和帆 6巡目：寺内崇幸 7巡目：深町亮介
高校生	1巡目：坂本勇人 3巡目：田中大二郎 4巡目：伊集院峰弘
育成選手	1巡目：鈴木誠 2巡目：下山学 3巡目：松本哲也 4巡目：隠善智也 5巡目：芦沢明 6巡目：作田啓一 7巡目：大抜亮祐