MSV-R

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MSV-R(モビルスーツバリエーションアール)は、角川書店発行の雑誌『ガンダムエース』誌上で連載中の大河原邦男によるガンダムシリーズのメカニックデザイン企画、及びその中で発表された一連のバリエーションを指す。

概要

2009年3月に角川書店から発売された書籍「機動戦士ガンダム原典継承 ― 大河原邦男画集」で新規のモビルスーツ (MS) が追加されたのを契機に、機動戦士ガンダム生誕30周年企画・MSV公式続編[1]として、「ガンダムエース」2009年6月から2013年8月号まで連載された。当企画は大河原によるデザイン画と、それに基づいたイラストと解説文で構成されている。

宇宙世紀0089年、地球連邦軍一年戦争終結10周年の区切りとして過去の資料や文献の調査をF.S.S.(Federation Survey Service)社に依頼、調査の中で明らかになったこれまで未確認だったMSや状況がまとめられた物という設定。新たに設定されたメカニックは一年戦争期の物に限定されており、ただ新規の機体をデザインするだけではなく、かつてのモビルスーツバリエーション (MSV) で文字設定のみで存在した機体の画稿を新規にデザインしたり[1]、これまで模型用のカラーバリエーションとして扱われていた機体について設定付けしていることなどが特徴となっている。また、本作オリジナルのキャラクターも新たに設定されている。デザインは鈴木竜也。

さらに、不定期に読者参加によるMSデザインやキャラクター設定の公募企画が行われ、そこからの新機体なども生み出されている。

2009年6月にバンダイからマスターグレード「Gアーマー リアルタイプカラー」の発売や、当企画のメカニックや設定を題材にした漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』や小説『機動戦士ガンダム MSV-R トラブルメーカーズ』の連載など企画の連動も行なわれている。

スタッフ

MSV-Rに登場する人物・部隊

地球連邦軍

ハジメ・シモダ[2]
シモダ小隊の隊長で、階級は不明。ア・バオア・クー攻防戦時に第3艦隊に配属されており[3]、小隊は3名とも同仕様のジム・スナイパーカスタムに搭乗する[4]
『MSV-R』のスタッフである草刈健一が、『MSV』の時代にプロモデラーとして『コミックボンボン』でも活動しはじめた当初に用いたペンネームが「下田一」である[5]

ジオン公国軍

以下の人物は各項目を参照。

ガリボルディ隊
西アフリカ戦線で活躍し、ザク・デザートタイプ後期生産型を運用する。
ギュンター・バル
階級は中尉。迷彩塗装が施された陸戦高機動型ザクに搭乗し、ホガール山地ド・ダイGAに乗った状態で一度に9機の戦闘機を撃墜したことから「ホガールの鷹」の異名をもつ。アフリカ戦線で彼の所属するド・ダイとの混成部隊には陸戦高機動型ザク4機と[6]、陸戦型ザクIIとグフが各1機配備されている[7]。彼の僚機のド・ダイは常に機番「305」で、機首に白い甲冑が描かれていたといわれる[8]。混成部隊に配属中の42日間に計23回出撃し、撃墜スコアは戦闘機32機、爆撃機6機、ジム1機[6]。その後12月中旬にア・バオア・クーのMS部隊に転属するが[6]、ド・ダイとの戦術の相性が良かったのかこちらでは目立った戦果はない[8]
コシンスキー
『MSV-R アクショングラフィック編』に登場。
階級は不明。 北ヨーロッパの山岳地帯にある基地に所属するザクタンク(ワイルドボア)のパイロットで、対地攻撃機マングースを1機撃墜する。
デビット・チェイスマン
階級は少佐。キマイラ隊に所属し、高機動型ゲルググR型に搭乗。
『MSV-R』で新たに設定されたキマイラ隊のパイロットのうち、唯一『ジョニー・ライデンの帰還』に(今のところ)登場していない。
プロンジュール隊
北ヨーロッパ方面を作戦海域とする部隊で、ズゴックラムズゴックを運用する。部隊カラーは濃淡ブルーに左寄りの白いライン。なお「プロンジュール(Plongeur)」はフランス語で「潜水者」の意。

MSV-Rに登場する機体

書誌情報

『ガンダムエース』にて連載された記事を再構成した設定資料集(ただし漏れた設定もある)。編者は草刈健一。MSVの『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション』(ザク編、ジオン編MS・MA編、連邦軍編)を踏襲している。
  • 兼房光『機動戦士ガンダム MSV-R アクショングラフィック編』角川書店、2013年2月、ISBN 978-4-04-120593-8
  • 兼房光『機動戦士ガンダム MSV-R アクショングラフィック編』第2巻、KADOKAWA、2015年2月、ISBN 978-4-04-102796-7
『ガンダムエース』にて連載された漫画。
サンライズ運営の公式ポータルサイト『GUNDAM.INFO』と『電撃ホビーマガジン』で連載された小説及び立体企画。一年戦争終戦直後を舞台として、MSV-Rで設定された機体などの活躍を描く。小説は『GUNDAM.INFO』で、ガンプラの作例による活躍シーンは『電撃ホビーマガジン』に掲載された。

脚注

  1. ^ 同様のことは、かつてのM-MSVにおいても行なわれていた。
  2. ^ 『ガンダムエース』2011年6月号付録『MSV-Rハンドブック1』、角川書店。
  3. ^ 『MSV-R 連邦編』62頁。
  4. ^ 『MSV-R アクショングラフィック編』第1巻、第12話。
  5. ^ 「『映画秘宝』関係者の中にいたガンダム野郎編「スターモデラーとして駆け抜けた頃 草刈健一INTERVIEW ケン兄ちゃんの「ガンプラ青春期」」『ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本』洋泉社、1999年4月9日、121頁。ISBN 4-89691-379-5
  6. ^ a b c 『ガンダムエース』2011年5月号、角川書店、178頁。
  7. ^ 『MSV-R アクショングラフィック編』第2巻、第20話。
  8. ^ a b 『ガンダムエース』2011年5月号、角川書店、174-175頁。