北京・上海間高速鉄道計画
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北京・上海間高速鉄道計画(ぺきんしゃんはいかんこうそくてつどうけいかく)は中華人民共和国の二大都市である北京と上海間、1318kmの新線で高速鉄道を建設する計画。北京の略称である京と上海の略称である滬から、京滬高速鉄道(けいここうそくてつどう)とも言う。2008年5月から、全面的に工事が始まっていて、約5年で完成予定。
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[編集] 計画
[編集] 背景
中華人民共和国の政治の中心としての首都である北京と経済の中心の都市上海を結ぶ既存の鉄道路線の容量が限界に近づいてきたため、新しい高速鉄道の建設が計画されている。2006年、レール方式の新線で建設されることが決定した。
[編集] 日独仏の攻防
2003年、中華人民共和国はドイツの技術支援を受けて、国産の動力集中式車輌「中華之星」を開発したが、トラブルが多発し、実用化を遅らせざるを得なかったため、新線を建設する場合、海外からの技術導入を主とすると見られる。海外の技術が採用されれば、北京~上海間だけでなく、その後に建設される北京と中華人民共和国各地を結ぶ高速鉄道でも同様のシステムが採用される事が考えられ、その際も受注が有利になると予想されるので、フランス、ドイツ、日本がそれぞれの高速鉄道技術を中華人民共和国に売りこんでいる。それに対し、中華人民共和国側は入札で決めるとアナウンスしている。
フランスはTGV、日本は新幹線でいずれもレール方式だが、ドイツは磁気浮上式鉄道(トランスラピッド)を売り込んでいた。しかし、上海で空港アクセス用として実験的に作られた上海トランスラピッドが、建設コスト、運用、乗り心地、輸送力の点で思わしくないため、ドイツもレール方式のICE型高速列車の売り込みに変えたとされている。
[編集] 日本国内における意見の相違
1300億元(約2兆円)の大プロジェクトであり、日本からも閣僚が訪中するなどの働きかけを強めている。計画では全線最高速度350Km/hとし、2010年までの開業を目指すとしている。しかし、中国への鉄道技術の輸出に関しては日本の経済界でも賛否が分かれており、日中間の外交問題ともリンクし、交渉は膠着化した。
海外技術の導入に際しては、韓国KTX同様、現地への車両生産技術の移転が前提とされる。そのため、台湾高速鉄道に対しては技術供与を行ったJR東海やJR西日本は、
- 他国との混合システムでは、日本の新幹線の特長である高い安全性や信頼性が担保されない(大半が日本製ながら、欧州製が一部混在する台湾の場合ですら、ドイツ製のポイント装置等が台湾の湿潤な気候に適合せず、恒常的に運行トラブルを引き起こしている。[1])
- 事故やトラブルが発生した場合の責任範囲が曖昧
- 安易な技術流出は危険(台湾の場合は、今後も日本が継続的に車両製造を受注できる見込みなのに対し、中国は自国生産に堅守している)
として反対の意思を表明し、日本の企業連合には加わっていない。JR東海の葛西敬之会長は、中国への新幹線技術の輸出に関して「日本側が得るものが少なく、むしろメーカーの国際競争力低下に繋がる」として否定的な意見を述べている[1]。加えて近年の中国国内における反日ムードの拡大もあって、日本の経済界および一般の鉄道ファンらの間においても、中国への高速鉄道技術の輸出に関しては賛否両論に分かれているのが現状である。
JR東日本は比較的積極的であり、後述するように同社のE2系に準じた車両が導入されたが、あくまでも後継車の投入が決まり、型落ちとなる車両の輸出ではある。
最終的にはJR東海やJR西日本の予見通り、中国側は北京・上海間高速鉄道については、各国から導入した高速鉄道のノウハウを利用し、自主開発する方針になった[2]。これにより継続的な利益が確保されることは絶望的となり、日本連合が受注したわずか9編成及び一部部品の費用に技術費のみの利益で、今後日独仏加の技術から中国が作成するとされる車両で発生する可能性のある日本技術部分のトラブルへのリスクを負うこととなった。
[編集] 一般路線向けの導入
中国側は2005年11月に、高速鉄道網にドイツのICE3ベースの車両を60編成発注する意向を示したが、さらにフランスのアルストム社、カナダのボンバルディア社、日本の企業連合にも呼びかけを行った。結果、日仏加から高速化した一般路線向けに、それぞれ420両(うち最初の60両が輸入、残りは技術導入を経て現地生産)を導入することが決定した。とりあえず一般路線へそれぞれを導入し、3国(独を入れ4国)の技術を充分に獲得してから、国産で高速鉄道を運営する意向と見られている。
[編集] 建設の実施
北京・上海間高速鉄道建設の起工式は北京市大興区の「北京特大橋」の建設現場で、2008年5月18日に温家宝首相の出席のもとに行なわれた。全長は1318kmで、総投資額は2兆209億400万元、設計速度は毎時300km、現在在来線で11~13時間かかっているのを(開設後しばらくして)5時間にし、工期は約5年を予定である。[3]
[編集] 駅名
起工式で発表された駅名は北京南(北京市)・廊坊・天津南・滄州西・徳州東・済南西・泰安西・曲阜東・棗庄西・徐州東・宿州東・蚌埠南・滁州南・南京南・鎮江西・常州北・無錫東・蘇州北・昆山南・上海虹橋(上海市)の18駅。
[編集] 主要橋梁
[編集] 主要トンネル
[編集] 使用車両
中国鉄道部の北京鉄路局は中国北車集団(北車)と392億元の契約を2009年3月16日に結び、新世代の高速鉄道用列車(中国語:新一代動車組)100列車を購入して、おもに北京・上海間高速鉄道に使用する。国産化率は85パーセントに及び、速度は全1318キロメートルを毎時350キロメートルの予定。各列車は16輌編成で
- VIP車 - 1輌
- 1等車 - 3輌
- 2等車 - 11輌
- 食堂車 - 1輌
からなり、総定員が1026人である。100列車のうち、北車の
- 唐山軌道客車有限公司(唐客)が70列車
- 長春軌道客車有限公司(長客)が30列車
を製造して、2010年から引き渡してゆく。現在4つの主要問題を解決中で、速度の高速化に伴なう基礎技術の問題、省エネと環境保全の問題、快適性の問題、信頼性の問題であると、長客の董暁峰董事長が率直に話している。[4]
[編集] 出典
- ^ 朝日新聞2007年3月17日夕刊
- ^ 日本経済新聞2007年2月26日
- ^ 2008年5月19日付け「新商報」(大連市発行)などの中国内各紙による
- ^ 2009年3月17日付け「新商報」(大連市発行)などの中国内各紙による
[編集] 関連項目
- 中華人民共和国の鉄道
- 中華人民共和国の高速鉄道
- 中国高速鉄道CRH1型電車(カナダ・ボンバルディアとの技術提携車両)
- 中国高速鉄道CRH2型電車(日本のE2系に準じた高速鉄道車両)
- 中国高速鉄道CRH3型電車(ドイツのICE3に準じた高速鉄道車両)
- 中国高速鉄道CRH5型電車(フランス・アルストムとの技術提携車両)
- 高速鉄道
[編集] 外部リンク
- 中国北車集団(中国語)
- 中国北車・唐山軌道客車有限公司(中国語・英語)
- 中国北車・長春軌道客車有限公司(中国語)

