ワンダーウーマン

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ワンダーウーマン』("Wonder Woman")は、DCコミックの出版するアメリカン・コミックスのタイトル[1]、及び同作等に登場する架空のスーパーヒロイン(アメリカ流ではスーパーヒーローヒロイン)。怪力や飛行能力などを有した屈強な美女。

スーパーヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」の中核メンバーであり、スーパーマンバットマンと肩を並べる重要人物である。

人物[編集]

1941年の『オールスターコミックス』#8に初登場[2]。著者はウィリアム・モールトン・マーストン1986年に一時連載が中断されたものの、2007年現在もDCコミックから出版されている[3]

本名はダイアナ。身長182.8センチ、体重74.8キロ。髪の色は黒、瞳は青[4]

特殊能力は、高い耐久力と怪力、亜光速での飛行能力、動物とテレパシーで意思の疎通ができる、など。伝統的な武術を知り抜いており、剣、斧、弓術を会得している。卓越した戦術家であり、外交官でもある。魔法の投げ縄を所有しており、輪に捕らえた者に真実を告白させる事ができる。両手首に装備した銀の腕輪は、弾丸などの投擲武器等を弾く能力がある[5]

以上のように、かなり強力な存在であり、「地上最大級の力を備え」[6]。ている。それもそのはずで、彼女は人間ではなく、粘土から生まれた存在である。ダイアナの母であるヒッポリタは、3万年前に死んだ女性の転生した姿であり、彼女はかつて産んだ子供との再会を欲していた。オリュンポス十二神からの神託に従い粘土をこねて赤ん坊の姿にしたところ、神々が命を吹き込んだ。こうして誕生したのがダイアナである。ヒッポリタは、女だけの一族「アマゾン族」の女王であり、その娘のダイアナはプリンセス・ダイアナと呼ばれた[7]

アマゾン族は、パラダイス島で人間界から隔離されて生きており、島に入るには不思議な障壁を通り抜ける必要があった。かつて、この障壁を通り抜けて不時着した女性、ダイアナ・トレバーは、アマゾン族を守るために命を落とすこととなり、彼女を称えて星条旗を模した衣装が作成された。これがワンダーウーマンの衣装であり、また粘土から生まれたダイアナの命名の由来である。後に息子のスティーブ・トレバーも島に不時着し、ワンダーウーマンをアメリカへ向かわせる事になった[8]

原作以外[編集]

Super Friends1973年-)
ハンナ・バーベラ製作。『ジャスティス・リーグ』のアニメ化作品で、メンバーの一人として登場。
Wonder Woman1974年
ABC製作。90分枠の実写ドラマ(日本未放映)。主演はキャシー・リー・クロスビー(プロのテニスプレイヤー)。舞台は現代(製作当時)。
ワンダーウーマン1975年-1979年
ワンダーウーマンを主役にしたテレビドラマ。合計3シーズンが放送された。主演は元ミス・ワールドアメリカ代表のリンダ・カーター。
日本語吹き替えはシーズンによって異なり、パイロット版が田島令子、シーズン1が二宮さよ子、シーズン2-3が由美かおるとなっている。由美は日本語オリジナル主題歌も歌っている。
第1シーズン(パイロット版含む)と第2シーズン以降では時代設定が異なる。また、放送局も変更になった。
スティーブ・トレバー役はライル・ワゴナーだが、第2シーズン以降は息子(スティーブ・トレバーJr.)に役が変更になっている。吹き替えは、パイロット版が広川太一郎、シーズン1が伊武雅之、シーズン2以降は佐々木功。なお、ダイアナ(ワンダーウーマン)は老化などしておらず、若いままの姿である。
シーズン1には、妹のドルシラ(ワンダーガール)がゲスト出演し、コスチュームを着用して共闘した。演じたのはデブラ・ウィンガー、吹き替えは鵜飼るみ子
腕輪で弾丸を弾く、投げ縄を使う(自白させる)などの原作準拠の描写がある一方、変身シーンや別のコスチュームも登場した。変身の際は、両腕を水平に伸ばし、独楽のように回転する。これはダイアナからワンダーウーマンに変身する際のみならず、ワンダーウーマンが別のコスチューム(ウェットスーツやライダースタイル)に変わる際にも使用された。
第1シーズンとパイロット版(1975年-1976年
ABC製作。初期の設定に従い第二次世界大戦を舞台とし、ナチスドイツと戦う。
"The New Original Wonder Woman"(1975年)をパイロット版としている。日本では『奇想天外! 空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』と題し、1977年6月18日テレビ朝日系の「土曜映画劇場」で放映された。
シーズン1は"Wonder Woman"(1976年)のタイトルで放送された。邦題は『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』(フジテレビ、1977年-1978年。ただし、本作では飛行能力はなく、長距離の移動には透明な飛行機を使用している)。また、大きなマントを使用いているのも特徴(全身をスッポリと覆える大きさ)。
第2-第3シーズン(1977年-1979年)
CBS放送製作。現代(製作当時)を舞台にした続編。タイトルは"The New Adventures of Wonder Woman"。邦題は『紅い旋風ワンダーウーマン』(フジテレビ、1980年-1981年)。
ジャスティス・リーグ2001年-2006年
ジャスティス・リーグを題材にしたテレビアニメ。メンバーの一人としてレギュラー出演。声はオリジナルがスーザン・アイゼンバーグ、日本語版は安達まり
本作はテレビアニメ『スーパーマン』の続編であり、テレビアニメ『バットマン』の続編も兼ねている。従ってこの2人は旧知の存在として登場した。同様に、『スーパー~』に出演したフラッシュグリーンランタンも既知の存在である(ただし、前作のランタンはカール・レイナー、本作はジョン・スチュワート)。ワンダーウーマン、ホークガール、ジョン・ジョーンズ(マーシャン・マンハンター)は新登場となる。前後編が基本となっており、また7人全員が揃わない事が珍しくない。
弾丸を腕輪で弾く、ロープを携帯(使用)する、と言う描写はよく見られる。ティアラを回転させて投擲するのは少なく、第39話「蛇族の呪い PART 1」ぐらいである。
ワンダーウーマンのエピソードとしては、シーズン1では第10話・第11話「失われた楽園」、第16話・第17話「憎しみ」がある。両方とも故郷の島や母親、アマゾン族に触れている。古代ギリシャ時代や古代ローマ時代には既に生まれており、その当時の記憶も持っている(それぞれ第10話「失われた楽園 PART 1」、第20話・第21話「影の騎士」にて)が、外見は20代程度。
シーズン1最終エピソードとなる第24話-第26話「歪められた過去」では、歴史改変を食い止めるべくリーグがタイムトラベルし、ワンダーウーマンはスティーブと遭遇しコンビを組んでいる。事件解決後、現代でもスティーブは生きており、高齢者施設を彼女が訪れた。
第15話「知られざる街の危機 PART 2」と、シーズン2の第33話・第34話「孤独の姫君」では、バットマンとの間に恋愛感情に近いものが描写されている。
ヤング・ジャスティス2011年-2012年
ジャスティス・リーグの下部組織「ヤング・ジャスティス」を題材にしたテレビアニメ。リーグのメンバーの一人として登場しているが、著しく影が薄い(席次自体はナンバー3と目される)。オリジナル版の声優はマギー・Q、日本語版はノンクレジット。

この他、2011年にワーナー・ブラザーズが実写パイロット版を製作し、エイドリアンヌ・パリッキが出演した。しかしNBC(National Broadcasting Company)はシリーズ化も放送もしなかった[9]。なお、タラ・ストロングの項目によれば、2009年にOVA『ワンダー・ウーマン』が販売された模様。

作品中ではスーパーマンバットマンに比肩しうる存在ではあるが、上記のように映像化は少なく、両者に対して大きく引き離されているのが現状である。また、1970年代のライバル番組、すなわち女性を主人公にしたアクションドラマ『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』(1976年-1978年)と『チャーリーズ・エンジェル』(1976年-1981年)が続編やリメイクを放送・公開している中、実写版『ワンダーウーマン』にはそのような現象が起こっていない。

また、1996年『DC VS マーベル』において、それぞれの世界の存亡をかけて11組のスーパーヒーローが戦ったが、スーパーマンとバットマンが勝利したのに対し、ワンダーウーマンは敗北している(11組の内、6組は3対3の引き分けに終わるよう出版社で取り決めがされており、残り5戦を読者投票に委ねた)。真剣勝負の5戦の勝利者は、全て1990年代にテレビアニメが製作・放送されていた、と言う共通点がある(『スーパーマン』、『バットマン』、『スパイダーマン』、『X-メン』(ウルヴァリンストーム))。

脚注[編集]

  1. ^ スコット・ビーティほか 『DCキャラクター大事典』 赤塚京子ほか訳、小学館集英社プロダクション2011年、377頁。
  2. ^ 『DCキャラクター大事典』 376頁。
  3. ^ Hendrix, Grady (2007年12月11日). “Out for Justice”. ニューヨーク・サン 
  4. ^ 『DCキャラクター大事典』 376頁。
  5. ^ 『DCキャラクター大事典』 376頁。
  6. ^ 『DCキャラクター大事典』 376頁。
  7. ^ 『DCキャラクター大事典』 376頁。
  8. ^ 『DCキャラクター大事典』 376頁。
  9. ^ 「ワンダー・ウーマン」のリメイク 製作中止を発表 第1エピソードの出来に不満” (2011年5月16日). 2012年4月11日閲覧。

外部リンク[編集]