スーパーマン (架空の人物)

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スーパーマン (架空の人物)
出版の情報
出版者 DCコミック
初登場 Action Comics(1938年6月30日)
クリエイター ジェリー・シーゲル/ジョー・シャスター
作中の情報
本名 カル・エル
種族 クリプトン人
所属チーム デイリー・プラネット
ジェスティスリーグ
レギオン・オブ・スーパーヒーローズ
チーム・スーパーマン
著名な別名 Gangbuster, Nightwing, Jordan Elliot, Supernova, Superboy, Superman Prime

スーパーマン は、漫画『スーパーマン』に登場する登場人物。

本名:カル・エル(Kal-El)。地球名:クラーク・ジョセフ・ケント(Clark Joseph Kent、ミドルネームが語られる事は少ない)。

キャラクター[編集]

原作コミック[編集]

注意:スーパーマンの設定は1986年にリニューアルされ、それ以前とそれ以降では同じキャラクターでも設定が大幅に異なっている。そのため以下の説明では、リニューアル以前の設定を旧設定,リニューアル後の設定を新設定として区別する。

地球への放出からデイリー・プラネット入社まで[編集]

高度な文明を誇りながらも崩壊の危機に瀕していたクリプトン星の執行官ジョー・エルは自分の息子カル・エルを救うためカプセルに乗せ、未開の惑星「地球」へと放出した。直後クリプトン(秘密の星を意味する)星は崩壊し、赤ん坊は惑星の遺児となった。

放出されたカプセルはアメリカ合衆国カンザス州スモールヴィル(“寒村”の意)に飛来し、そこでケント夫妻(ジョナサン・ケント&マーサ・ケント)に拾われた。長らく自分たちに子どものいないことを悩んでいたケント夫妻はその子をクラーク(マーサの旧姓)と名付け、育てることにした。

  • この設定については、旧設定・新設定で共に共通であるが、実は1940年代前半に製作された短編アニメーション版スーパーマン「恐怖の殺人光線」冒頭ナレーションにて、旧設定より更に古い「旧々設定」ともいうべき設定があった事が窺える。以下はその描写。
    • 放出されたカプセルは、アメリカのとある片田舎に飛来・着地し、中に入っていた赤ん坊(スーパーマン)はそこを通りかかった無名のドライバーに拾われ、すぐに孤児院(かなり大きな建物の絵が一緒に映し出される)に預けられる。
    • 他、同作品冒頭ナレーションにて判る旧々設定と旧設定・新設定の相違として、後者ではクリプトン人が地球で超人的な肉体・能力を発揮出来る理由として、互いの恒星の光の違いが源泉とされているが、前者では、クリプトン星に居住してる状態の時も、地球人に比べ肉体が遥かに発達していたという設定になっている。

成長した彼は、自分の能力を世のために役立てることを誓い、スモールヴィルから大都会メトロポリスへ上京する。上京後はメトロポリス大学でジャーナリズムを学び、卒業後、日刊新聞社デイリー・プラネットに入社して記者となり、スーパーマンとクラークとしての二重生活を送ることとなったのである。

日常[編集]

普段は超能力を抑えており、変身は眼鏡を外し、着替えるだけ。眼鏡からは微弱な催眠波が放射されており、クラークとスーパーマンの類似に気づかれない様に、周囲に暗示を与えている(前髪の髪型も変えている)。また脱いだ後の服は、力任せに圧縮し、マント裏にあるポケットに収めている。

記者としての活動では、記事に老人福祉問題を取り上げるなど地味ながら社会派の堅実な内容を得意としており、中堅記者として信頼されている。「スーパーマンが救えない人々をペンで救う」のが信条。同僚のロイス・レインから見たクラーク・ケントは、大男のくせにやや猫背で話し方も低い声でぼそぼそ喋るきわめて地味な男で、大事件があると真先に逃げ出してしまう小心者。よってロイスがスーパーマン関連の特ダネを常に独り占めにし、「あなたって肝心なときにいつもいないのよねぇ」とクラークを酷評している。特技は記事の早書きで、記事を書くスピードはタイプライターにはさんだタイプ紙が摩擦熱で燃えてしまいそうになるほど速いので、スーパーブレスで冷やしながら書くこともある。

友人には同僚のロイスの他にカメラマンのジミー・オルセン、鬼編集長のペリー・ホワイトがいる。ホワイト編集長は、大事件のすぐそばにいるというチャンスがありながら、いつも特オチをやらかすクラークに歯がゆいものを感じて、しょっちゅうカミナリを落とす。

  • ホワイトからの何百回目かのカミナリに対し、クラークは2012年10月23日、遂にこう返す。「スーパーマンは間違いなく全地球で一番強い人間です。ですが、彼はどれだけ長いこと、背後から怒鳴られ、無能な人間と扱われながら、会社の机に座っていたことでしょうか。」―これがデイリー・プラネットでの最後の言葉となった。その後、退社して以後はフリーランスジャーナリストとしてニュースサイトを開設し運用。直接の理由は記事がエンタメ化したことと、社がメディア・コングロマリットであるギャラクシー放送の傘下に入ったことに幻滅したため。

スーパーマンへの変身は単に着替えるだけなので、クラーク・ケントは背広を着た記者の姿のときでも、スーパーマンとしての全ての能力を使うことができ、取材や捜査のためにその能力を使用することもたびたびである。特にXレイ・ビジョン(透視能力)は役立っているようだ。ただし原則としてクラーク・ケントの姿で空を飛ぶことはない。

いつでもスーパーマンとして活動できるように、クラーク・ケントは背広の下にスーパーマンのコスチュームを着ている。着替えの際は胸のワイシャツを左右にはだけるので、このとき「S」のマークが登場する。公衆の面前で公然と着替える(正体をバラす)訳にいかないので、物陰で着替えている[1]。一時期は電話ボックスで着替えていたが、電話ボックスがガラス張りになって以降は使用されない事が多い[2]1978年の映画『スーパーマン』では、ガラス張りの電話ボックスを見て唖然とし、回転ドアを高速で回転させている間に着替える、という手法を取った[3]。変身前の決め台詞は「どうやらスーパーマンの出番のようだ」で、これはラジオ時代からの伝統(このセリフの際、声優は声のトーンを下げる)。

地球の養父母であるジョセフ・ケントとマーサ・ケントを、実際の両親同様に非常に大切にしている。スーパーマンのよき理解者であり、ほとんど唯一の相談相手でもある[4]。ケント夫妻は、旧設定ではスーパーマンになる前に他界、新設定では存命である。ドラマや映画で設定が異なり、両親とも健在だったり[5]、両親とも他界していたり[6]、ジョセフが他界していたり[7]、と独自の展開を見せている。

旧設定と新設定の違い[編集]

旧設定 新設定
スーパーガール クリプトンの崩壊を生き残ったスーパーマンの従妹 異次元世界で悪のクリプトン人に対抗するために作られた人造生命体。後に旧設定と同じ設定の新スーパーガールも登場した。
スーパーボーイ 少年時代(スモールヴィルに住んでいた頃)のスーパーマン スーパーマンの能力をコピーされたクローン体。
クリプト 超能力を持つスーパーマンの飼い犬。惑星クリプトンから打ち上げられた人工衛星に生きたまま積まれたクリプトン産の犬が、惑星クリプトン崩壊後、周回軌道を外れ、太陽系(地球・スモールヴィル)に辿り着き、少年時代のクラーク・ケントに救出され、そのまま飼い犬になった。
コスチューム クリプトン星から放出された際、クラークの体を包んでいたクリプトン星産の毛布。少年時代に義母マーサ・ケントにより縫い合わされる(生地とそれをほぐして作られた糸の切断は、クラークの目から熱線を放出してもらった)。特殊な生地であるため、幾らでも伸び縮みし、少年時代のサイズに合わせて作られてはいるが、成人後にも何不自由無く、そのまま着用可能。 義母であるマーサ・ケントによる手作り。地球のごくありふれた生地で作られているが、スーパーマンが着用することで強靭なものへと変化する。
バットマン お互いの正体を知る仲で親友。ジャスティス・リーグ等の多くのクロスオーバー作品で競演している(アニメ化もされている)。 旧設定同様に互いの正体を知っておりジャスティス・リーグ等のクロスオーバー作品で競演しているが、実力を認め合いながらも正義の方法論を巡って対立することも少なくない。
北極 孤独の要塞という秘密基地住居を構える。
養父母 スーパーマンとなる前に死亡。 スーパーマンとなった後も生存しており、必要な際は助言を与える。また、コスチュームやメガネも彼らの助言によるもの。
その他 後に同僚記者であったロイス・レーンに正体を明かし1996年に結婚。

胸のアルファベットSマークは、当初は単純に「SUPERMAN」の頭文字「S」を意味していたが、後に、クリプトン星の名家であったエル家の家紋(地球のアルファベット文字「S」との酷似は偶然)という設定とされた。

バットマンとジャスティス・リーグ[編集]

近年の設定では、バットマンが、より法律の枠を超えて振舞うようになっているため、高潔なスーパーマンとは親友という関係ではない。しかし、互いに犯罪を憎むものとして理解、信頼しつつ、距離を置いて協力し合っている。

番外編では、「アメリカの正義」を体現する彼と、「個人の正義」を体現するバットマンが対立している。激しい戦いとなる展開が多い。

バットマン: ダークナイト・リターンズバットマン: ダークナイト・ストライクス・アゲイン
パワードスーツを着用したバットマンと戦う。クリプトナイトにより弱体化させられ、満身創痍になる。
キングダム・カム
ブルース・ウェイン(バットマン)が率いる若いヒーローたちと、ジャスティス・リーグが対立。戦いが終結した後はお互いの立場を超えた友情を印象付けた。

ヤング・スーパーマン[編集]

クラーク・ケントは『ヤング・スーパーマン』においてはスーパーマン(従来のコスチューム姿)にならず、素顔のまま活躍する。基本的に空も飛べない。眼鏡も一部のエピソードを除いて着用しないが、正体がばれないように配慮はしている(動きが迅速である、暗闇で行動する、救出相手が気絶している、など)。また、彼の姿を見た者が死亡あるいは記憶喪失になるなどしており、クラークの活躍を知る者は一部に限られる。

チェックのボタンダウン・シャツにジーンズという、アメリカの農家のステレオタイプ的な服装[8]のほか、赤シャツと青ジャケット、あるいは青シャツと赤ジャケットの組み合わせも好んで着る[9]

第8シーズンで、活躍時の写真をジミー・オルセンに撮られるが、その動きがあまりにも早く、赤と青だけで顔が確認できないことから、新聞の見出しに「The Red-Blue Blur」(日本語吹き替えでは「赤と青の影」)と書かれ、それがニックネームとなった。その後、コスチュームが黒ずくめ(胸にSマークあり)に変更され、ニックネームも単なる「The Blur」(日本語版では「影」)になる。最終シーズンでは、上が赤、下が青のコスチュームに変更されたが、胸のSマークは健在。最終回では、孤独の要塞にジョー・エルが用意していたコスチューム(従来のスーパーマンのコスチューム)を着用したものの、画面では明確に映っていない。

クリプトナイトは、一般には「隕石」と呼ばれており、クリプトナイトの名で呼ぶのは事情通に限られる。緑の隕石は、従来通りクラークの弱点となる他、通常人に超能力を与える能力もあり、彼ら隕石超能力者との戦いが当初の展開の一つであった。緑の他にも、様々な色の(赤、青、黒、金など)が登場し、一時的にクラークの能力や精神に異なる影響を与えた。

Legion of Super-Heroes[編集]

Legion of Super-Heroes』においては、30〜31世紀に活躍する未来のヒーローたちが、少年時代のクラークを呼び寄せ、仲間に入れる。コミック版、アニメ版によって細かい設定は異なり、前者でのクラークは最初からスーパーボーイなのに対し、後者では未来の博物館で初めてスーパーマンとしての自分を知ることになる。アニメ版では毎回、未来に呼ばれて活躍した後、元の時間のケント農場に戻るため、母マーサにとってはあたかもクラークがずっと自宅にいたかのように見える。

実写映画[編集]

能力[編集]

  • 80万トンの物体を持ち上げる怪力。
  • 40メガトンの核爆発に耐える耐久力。このような耐久力を誇るのはスーパーマンの体表(および体を包む服)が強靭なフォースフィールドで覆われているからであり、それ故たいていのことでは傷つきも汚れもしない。ただし体から離れているマントはフィールドで覆われてはいないため簡単に破れてしまう。
  • 最高時速800万kmで飛行。地球の自転にさえ影響を及ぼし、時間を戻す事ができる(ただしこれは映画『スーパーマン』において死に瀕したロイスを救うための「愛の奇跡」であり、任意に時間逆行できるわけではないことに注意)。
  • 超高速の走行力。地球上を走る最高速度については不明だが、高校生時代に、録画された監視カメラをコマ送りしても人体としてはっきり認識できないなどの記録がある。アニメ版ではDCコミックを代表するスピードスター・フラッシュと並ぶ速度を見せている。
  • 超鋭敏な視覚(望遠・透視・赤外線X線モード等、のシールドだけは透視出来ない)と聴覚、常人による刃物や銃撃等の攻撃は全て見切れる驚異的な動体視力
  • 眼から熱線(ヒートビジョン)を放射。威力の調節は元より、有効範囲や熱線の幅など自由自在。
  • 吐く息で物体を凍結させる(スーパーブレス)。空気を肺で圧縮することで液体窒素にすることにより実現。
  • 高速な頭脳、労働作業。高度な計算、数学的能力および事務処理能力、速読術。タイプライターだけでなくコンピューターのキーボード操作も早くパスワードを一瞬で探り当てることも可能。
  • 太陽エネルギーが力の源。
  • 人間と同じように酸素呼吸しているが、空気を肺で圧縮することで宇宙空間でも行動可能。

弱点[編集]

崩壊したクリプトンを形成していた鉱物であるクリプトナイトが大きな弱点。発する放射線がクリプトン人にとって致死的であるためであり、製容器に密閉シールドされている場合は問題無い。クリプトナイトの放射線を浴びた状態ではスーパー・パワーがなくなり、普通の人間になってしまうため怪我もすれば死ぬ恐れもある。そして、さらに浴び続ければ約3時間でにいたる。旧設定では液状化して使用した例もある(ライフル型の水鉄砲から放水して使用した。『ワールド・ファイニスト・コミックス』1958年94号掲載[10])。

赤い太陽を苦手とする。これは、スーパーマンのエネルギー源が黄色い太陽から発せられているためで、赤い太陽の元ではスーパーパワーが失われてしまうからである。赤い太陽とは、元々は惑星クリプトンが周回していた恒星を意味し、地球が周回している太陽は「黄色い太陽」と呼ばれる。テレビアニメ『スーパーマン』では、人為的に「赤い太陽」の状態を作り出す事が可能で、一時的にではあるが、スーパーパワーの無効化に成功していた(第9話・第10話「宇宙盗賊ロボ」では異星人が、第24話「失われた力」ではレックス・ルーサーが実用化した。前者は「最後のクリプトン人」としてスーパーマンを動物園に入れる目的で使用しており、スーパーマンは脱出のためにロボと共闘した。レックスは、アメリカ上空の静止衛星にネットワークを張らせ、黄色い光線をカットして地上へ降り注がなくする事で、スーパーマンの能力を奪った。永続させる目論見であったが、スーパーマンの活躍と機転で一時的な措置に留まった )。

その他、魔法には耐性がなく、苦戦を余儀なくされる。また、強い正義感ゆえに地球規模の災害を防ぎ、木から下りられなくなった子猫も救うが、テレパス能力者では無いために騙されて利用されてしまうこともある。

高い透視能力をもっているが、鉛だけは透視することができない。

脚注[編集]

  1. ^ テレビアニメ『スーパーマン』など。
  2. ^ ヤング・スーパーマン』最終シーズンでは使用例あり。目にも留まらない高速のため、バレることはなかった。
  3. ^ ウォッチメン』のダラー・ビルの死は、このシークエンスの残酷なパロディとなっている。
  4. ^ 幼馴染であり、初恋の相手でもあったラナ・ラングは正体を知っている場合がある。例えば、テレビアニメ『スーパーマン』第35話「クラークの死」。
  5. ^ 新設定を受けて製作されたパターン。1990年代に製作された『新スーパーマン』(テレビドラマ)と『スーパーマン』(テレビアニメ)。2000年代のアニメ『ジャスティス・リーグ』では、クリスマスを養父母と過ごしていた他、スーパーマンの葬式に養父母が参列していた。
  6. ^ 旧設定の時代に製作された『スーパーマンIV』までの映画4部作、及びそれ以前の作品など。
  7. ^ 『ヤング・スーパーマン』
  8. ^ ロイス・レインはクラークを「スモールヴィル」というニックネームで呼ぶことが多いが、「Brawny lumberjack」[1]と言ったこともある。
  9. ^ 赤と青の組み合わせはスーパーマンへのオマージュである。なお、演技中に傷んだり汚れたりする場合に備え、同じデザインの赤・青の衣装が多数用意されていた。
  10. ^ 『BAT MANオリジナル・コミック日本語版』 松村光生、松本しげる訳、近代映画社1989年、119-130頁に再録。

関連項目[編集]