エドガー・ライス・バローズ
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エドガー・ライス・バローズ(Edgar Rice Burroughs, 1875年9月1日-1950年3月19日)はアメリカの小説家。ターザンの産みの親、といえばSFファン以外にも通じる。頭文字で単にERBとも書かれる。
目次 |
[編集] 経歴
- 1875年9月1日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴで誕生。
- 1900年、エマ・ハルバートと結婚する。様々な職業を転々とする。
- 1911年にオール・ストーリーズ・マガジン社に送った小説原稿「デジャー・ソリス、火星のプリンセス」(Dejah Thoris, Princess of Mars)の前半をトーマス・ニューウェル・メトカーフが気に入り採用される。
- 1912年2月~6月「オール・ストーリーズ」に『火星の月の下で』(Under the Moons of Mars、後に『火星のプリンセス』と改題され火星シリーズの第1冊となる)連載。同年10月『類猿人ターザン』(ターザン・シリーズ)掲載をきっかけに、人気大衆小説家としての地位を確立した。
- 1917年、『火星のプリンセス』出版。
- 1950年3月19日カリフォルニア州エンシーノで心臓病のため死去。作品は70冊に及んだ。
[編集] 復活
- 1950年以降、作品のほとんどが絶版になった。
- 1955年 ファンタジー・プレス社のロイド・アーサー・エシュバッハが、埋もれていた作品群を偶然見つけ、2作(『失われた大陸』(The Lost Continent)と『人喰い』(Man Eater ;未訳))を独断でパンフレット版の形態で刊行した。
- 1957年 ウィルマ・カンパニーが『ファリスの店から来た娘』(The Girl from Farris's ;未訳)を、ほとんど判読不能な小型本で刊行。
- 1962年 古書店経営者が、バローズの著作権が切れている事を確認後、カナベラルプレスの名で復刻を開始する。他社も参入する。ターザンの模倣作品まで発刊されるようになる。
- 訴訟や告訴の応酬が始まる。その後、協定が結ばれ、エース社がペルシダーシリーズ・金星シリーズ、バランタイン社は火星シリーズ・ターザンシリーズ、カナベラルプレスはその他すべての作品の権利(未刊行本を含む)を所有することになった(リチャード・A・ルポフ『バルスーム』より)。
- 日本では、1960年代から1970年代にかけ、早川書房と東京創元社が争うようにバローズの作品を刊行した。原文はプロジェクト・グーテンベルクで入手して読むことができる。
[編集] 主な作品
邦題は、ターザンシリーズは早川書房版、それ以外は東京創元社版(両社から出ているものは、それぞれに明記する)。
[編集] 火星シリーズ
- 火星のプリンセス (A Princess of Mars)
- 火星の女神イサス (The Gods of Mars)
- 火星の大元帥カーター (The Warlord of Mars)
- 火星の幻兵団 (Thuvia, Maid of Mars)
- 火星のチェス人間 (The Chessmen of Mars)
- 火星の交換頭脳 (The Master Mind of Mars)
- 火星の秘密兵器 (A Fighting Man of Mars)
- 火星の透明人間 (Swords of Mars)
- 火星の合成人間 (Synthetic Men of Mars)
- 火星の古代帝国 (Llana of Gathol)
- 火星の巨人ジョーグ (John Carter of Mars)
『火星の古代帝国』は4篇の連作中編集。
『火星の巨人ジョーグ』は表題作と「木星の骸骨人間」を収録した中篇集。ただし、「火星の巨人ジョーグ」はシリーズの他の作品との矛盾点が多く指摘されていることからバローズ研究家で作家のリチャード・ルポフが遺族らに取材した結果、ERBの息子ジョン・コールマン・バローズが子供向けに書いた作品にERBが加筆訂正してERB作として発表した作品であることが判明している。
[編集] 金星シリーズ
- 金星の海賊 (Pirates of Venus)
- 金星の死者の国 (Lost on Venus)
- 金星の独裁者 (Carson of Venus)
- 金星の火の女神 (Escape on Venus)
- 金星の魔法使 (The Wizard of Venus)
- 創元推理文庫より刊行された『金星の魔法使』は表題作である短篇「金星の魔法使」のほか、外宇宙の惑星ポロダを舞台にした厭戦的連作「最果ての星のかなたに」2篇、冷凍状態から生き返った石器時代人を描く短篇「五万年前の男」を含む短篇集 "Tales of the Three Planets" (カナベラル・プレス刊)の邦訳であり、アメリカで金星シリーズの第5作としてポピュラーな "The Wizard of Venus" の構成は「金星の魔法使」と未訳の悪漢小説 "Pirate Blood" の合本(エース、デル・レイなどより刊行)なので、注意が必要である。
[編集] ムーン・シリーズ(月シリーズ)
- 月の地底王国(早川)/ 月のプリンセス(創元) (The Moon Maid)
- 月人の地球征服(早川)/ 月からの侵略(創元) (The Moon Men)
- The Moon MenはThe Moon Men、The Red Hawkの2編の短い長編の合本であり、ムーン・シリーズは全体で3部作の構成である。
[編集] ターザン・シリーズ
ターザン・シリーズは、本国アメリカにおいては全24冊と数えるが、日本では全26冊と紹介されることが多い。これは、日本におけるターザン出版はハヤカワ文庫特別版SFにおける刊行がスタンダードになっているためで、ハヤカワ文庫版第一作『類猿人ターザン』の解説ではターザン・シリーズは本国版の24冊に "Tarzan and the Tarzan Twins"、"Tarzan and the Tarzan Twins with Jad-Bal-Ja, the Golden Lion" の2冊を加えた全26冊ということになっている。だがこの2冊はターザンの親戚の少年を主人公にしており、当時のバローズ作品としては例外的に雑誌掲載されずに子供向けの叢書から刊行されるなど大人向けの作品とは言えず、2冊を合本にしてなお他のターザン・シリーズのどの巻よりも短いなど、やはり別巻と呼ぶのがふさわしいようである。ちなみにハヤカワ文庫ではこの合本版をターザン・シリーズの1冊として刊行しているので、ハヤカワ文庫版は地底世界シリーズとして刊行された『地底世界のターザン』や未刊に終わった3冊を含めても全25巻だったことになる。
このほか、ターザンが脇役として登場するタイムスリップSFの佳作 "The Eternal Savage" 『石器時代から来た男』(創元推理文庫SFマーク刊行)や、未完の原稿をホラーなどの翻訳もある中堅作家ジョー・R・ランズデールが完成させた "Tarzan : the Lost Adventure" (未訳)があり、これらもターザン・シリーズに含めて数える場合もある。"The Eternal Savage"は2編の連作中編で構成されるため、これもまたややこしい。
なお、 "Tarzan, the Lord of the Jungle" はハヤカワ文庫から刊行されなかったため未訳と思われていることが多いが、1955年に河出書房よりYA向け叢書のロビン・ブックスの1冊として大久保康雄訳が翻訳出版されている。また、同じくハヤカワ未完の "Tarzan and the Foreign Legion" は反日小説として戦時下の日本で翻訳出版されたという話もあるが、これについて事実と認定するには検証が不足している。本国版の刊行が戦後であることを思えば、根拠のないうわさである可能性が極めて高い。
- 類猿人ターザン(早川)/ ターザン(創元) (Tarzan of the Apes)
- ターザンの復讐(早川)/ ターザンの帰還(創元) (The Return of Tarzan)
- ターザンの凱歌 (The Beasts of Tarzan)
- ターザンの逆襲 (The Son of Tarzan)
- ターザンとアトランティスの秘宝 (Tarzan and the Jewels of Opar)
- ターザンの密林物語 (Jungle Tales of Tarzan)※ターザンの少年期を描く短篇集
- 野獣王ターザン (Tarzan the Untamed)
- 恐怖王ターザン (Tarzan the Terrible)
- ターザンと黄金の獅子 (Tarzan and the Golden Lion)
- ターザンと蟻人間 (Tarzan and the Ant Men)
- 密林の王者ターザン(河出書房) (Tarzan, the Lord of the Jungle)※ハヤカワ文庫からは未刊
- ターザンと失われた帝国 (Tarzan and the Lost Empire)
- 地底世界のターザン(早川)/ ターザンの世界ペルシダー(創元) (Tarzan at the Earth's Core)※地底世界シリーズとのコラボレーション
- 無敵王ターザン (Tarzan the Invincible)
- ターザンと呪われた密林 (Tarzan Triumphant)
- ターザンと黄金都市 (Tarzan and the City of Gold)
- ターザンとライオン・マン (Tarzan and the Lion Man)
- ターザンと豹人間 (Tarzan and the Leopard Men)
- (未訳) (Tarzan's Quest)
- ターザンと禁じられた都 (Tarzan and the Forbidden City)
- ターザンと女戦士 (Tarzan the Magnificent)
- (未訳) (Tarzan and the Foreign Legion)
- ターザンと狂人 (Tarzan and the Madman)
- 勝利者ターザン (Tarzan and the Castaways)※3篇からなる短篇集
- ターザンの双生児 (The Tarzan Twins)
- 石器時代から来た男(The Eternal SavageまたはThe Eternal Lover)
- (未訳)(Tarzan : the Lost Adventure )※ジョー・R・ランズデールとの合作
現在はいずれも絶版状態である。
[編集] 地底世界シリーズ
- 地底世界ペルシダー(早川)/ 地底の世界ペルシダー(創元) (At the Earth's Core)
- 危機のペルシダー(早川)/ 翼竜の世界ペルシダー(創元) (Pellucidar)
- 戦乱のペルシダー(早川)/ 海賊の世界ペルシダー(創元) (Tanar of Pellucidar)
- 地底世界のターザン(早川)/ ターザンの世界ペルシダー(創元) (Tarzan at the Earth's Core)
- 栄光のペルシダー(早川)/ 石器の世界ペルシダー(創元) (Back to the Stone Age)
- 恐怖のペルシダー(早川)/ 恐怖の世界ペルシダー(創元) (Land of Terror)
- ペルシダーに還る(早川)/ 美女の世界ペルシダー(創元) (Savage Pellucidar)
- 中篇連作である本書の第4部『野生のペルシダー』(Savage Pellucidar)は早川が版権を独占所有しているため、創元版からは欠落している。
[編集] 太古世界(キャスパック)シリーズ
東京創元社からは全1巻、早川書房からは全3巻として刊行されている。
- 時間に忘れられた国(全)(創元) (The Land That Time Forgot)
- 時に忘れられた世界 (早川) (The Land That Time Forgot)
- 時に忘れられた人々 (早川) (The People That Time Forgot)
- 時の深き淵より (早川) (Out of Time's Abyss)
[編集] マッカーシリーズ
悪漢小説
- 南海の秘境 (The Mucker)
- 風雲のメキシコ (The Return of the Mucker)
[編集] アパッチシリーズ
ジェロニモの息子を主人公としたウェスタン
- ウォー・チーフ (The War Chief)
- アパッチ・デビル (Apache Devil)
[編集] その他
- 失われた大陸 (The Lost Continent)
- 石器時代から来た男 (The Eternal Savage)
- 石器時代へ行った男 (The Cave Girl)
- 密林の謎の王国 (The Land of Hidden Men)
- カリグラ帝の野蛮人 (I am a Barbarian)
- 砂漠のプリンス (The Lad and the Lion)
- モンスター13号(創元)/ モンスター・マン(早川) (The Monster Man)
- ルータ王国の危機 (The Mad King)
- トーンの無法者 (The Outlaw of Torn)(未訳)
[編集] 外部リンク
- エドガー・ライス・バローズのSF冒険世界へようこそ
- E. R. バローズ資料館
- SF美術館
- リバース・ギア エドガー・ライス・バローズの世界で遊ぼう
- something joyful
- エドガー・ライス・バローズ年譜
[編集] 参考図書
- リチャード・A・ルポフ『バルスーム バローズの火星幻想』(厚木淳訳、東京創元社)1982年5月


