ジョー・R・ランズデール

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ジョー・R・ランズデール
(Joe R. Lansdale)
Joe lansdale 2007.jpg
2007年撮影
ペンネーム レイ・スレーター (Ray Slater)
ブラッド・シモンズ (Brad Simmons)
ジャック・ブキャナン (Jack Buchanan)
誕生 1951年10月28日(62歳)
アメリカ合衆国の旗 テキサス州グレードウォーター英語版
職業 作家
マーシャルアーツインストラクター
言語 英語
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
活動期間 1970年 -
ジャンル ホラーミステリ
ウェスタン冒険小説
文学活動 スプラッタパンク
代表作 ハップ&レナード シリーズ
主な受賞歴 エドガー賞 長編賞
2001年 『ボトムズ』
公式サイト http://www.joerlansdale.com/
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ジョー・R・ランズデールJoe Richard Lansdale1951年10月28日 - )は、アメリカ合衆国の作家、マーシャルアーツのエキスパート。西部劇ホラーSFミステリサスペンスなど幅広いジャンルで作品を執筆している[1]。『アニメ版バットマン』の脚本も担当したことがある。

ブラム・ストーカー賞候補になった『ババ・ホ・テップ』は、エルヴィス・プレスリージョン・F・ケネディが老人ホームで古代エジプトミイラと戦うというストーリーで、ドン・コスカレリ監督により『プレスリーVSミイラ男』として映画化された[2]英国ファンタジー賞グリンツァーネ・カヴール賞文学部門、アメリカ・ホラー賞、エドガー賞 長編賞など数々の文学賞を受賞し、中でも優れたホラー小説やダーク・ファンタジーに贈られるブラム・ストーカー賞は8度も受賞している。2007年には、世界ホラー・コンがホラー分野での貢献を称えて巨匠賞を授与した[3][4]

代表作は、テキサス州ラボード (Laborde) に住むハップ・コリンズとレナード・パインが様々な事件を解決していくハップ&レナード シリーズ英語版[2]。ハップは40代半ばの白人で、レナードはゲイの黒人男性である。物語はハップの視点で語られ、暴力描写や性描写が多々ある。ランズデールは作中で、テキサス東部を本質的には「良い」土地だが、人種差別や無知、都会と田舎の遮断、公務員の汚職などで荒廃している街として描いている。扱われるテーマは極めて暗く、ペドフィリア(小児性愛)や反同性愛者による暴力なども含まれているが、物語は鋭いユーモアや機知に富んだ会話に溢れている。


テキサス州グレードウォーター英語版に生まれ、現在は同州ナコドチェス英語版に住みながら、地元のスティーヴン・F・オースティン州立大学でライターの仕事をしている。また、自身で「シェン・チュァン・マーシャルアーツ・スクール」を経営しており[5]、全米マーシャルアーツ及び国際マーシャルアーツで名誉殿堂入りしている[6]

映画とテレビ[編集]

ランズデールは『アニメ版バットマン』の脚本家として以下の3エピソードを担当した。

  • ブルース対バットマン Perchance To Dream (シーズン1第26話、1992年10月29日放送)
  • 沈黙の唇 Read My Lips (シーズン1第59話、1993年5月10日放送)
  • レイシュの告白 Showdown (シーズン4第2話、1995年9月12日放送)

スーパーマン』シーズン2第6話「2人のスーパーマン」(原題:Identity Crisis )や、『ニュー・バットマン・アドベンチャーズ』シーズン2第2話「Critters 」(1998年9月19日)の脚本も担当した。

2010年には、バウンティハンタージョナ・ヘックスが新たな敵と遭遇するショートアニメ"DC Showcase: Jonah Hex" の脚本を執筆した。

映像化されたランズデールの作品で最も有名なものは、2002年ドン・コスカレリ監督によって『プレスリーVSミイラ男』として映画化された『ババ・ホ・テップ』である。老人ホームで余生を送っていたエルヴィス・プレスリーが友人で自分をジョン・F・ケネディだと思っている男と、他の入所者たちの魂を奪っていくミイラ男と対決するという物語である[2]

2005年10月28日にオムニバスドラマ『マスターズ・オブ・ホラー』の第1期作品として放送された短編「ムーンフェイス」も同じくコスカレリが監督を務めた。

"The Job" は、1997年にA・W・フィードラーによって11分の掌編作品として映像化された。これはワーナー・ホーム・ビデオから出ているDVD"Short 5 - Diversity" で見ることができる。

ランズデールの同名短編小説を原作とした『クリスマス・ウィズ・ザ・デッド』は、2011年夏にテキサス東部で撮影された。出演者はブラッド・モールダミアン・マッフェイケーシー・ランズデールらで、映画祭などで上映された[7]

最近では複数の映画製作に携わっており、エドガー賞 長編賞を受賞した『ボトムズ』をビル・パクストンブラッド・ワイマン英語版らと、"Drive-In"グレゴリー・ニコテロらと制作している。

受賞・ノミネート歴[編集]

イタリアパドヴァで行われたシュガーパルプ・フェスティバルにて(2011年10月2日)

これまでの長いキャリアで、ブラム・ストーカー賞を8度受賞、9度ノミネートされている。

作品 結果
ミッドナイト・ホラー・ショウ
Night They Missed the Horror Show
1988年 ブラム・ストーカー賞 短編賞 受賞
モンスター・ドライヴイン
Drive-In
1988年 ブラム・ストーカー賞 長編賞 ノミネート
キャデラック砂漠の奥地にて、死者たちと戯るの書
On the Far Side of the Cadillac Desert With Dead Folks
1989年 ブラム・ストーカー賞 中編賞 受賞
1990年 英国ファンタジー賞 短編賞 受賞
By Bizarre Hands 1989年 ブラム・ストーカー賞 短編集部門 ノミネート
Savage Season 1990年 ブラム・ストーカー賞 ノミネート
Love Doll: A Fable 1991年 ブラム・ストーカー賞 短編賞 ノミネート
ハーレクィン・ロマンスに挟まっていたヌード・ピンナップ
The Events Concerning a Nude Fold-Out Found in a Harlequin Romance
1992年 ブラム・ストーカー賞 中編賞 受賞[8]
Jonah Hex: Two Gun Mojo 1993年 ブラム・ストーカー賞 その他のメディア部門 受賞
Retro Pulp Tales 1993年 ブラム・ストーカー賞 アンソロジー賞 受賞
Writer of the Purple Rage 1994年 ブラム・ストーカー賞 短編集部門 ノミネート
『ババ・ホ・テップ』
Bubba Ho-Tep
1994年 ブラム・ストーカー賞 長編賞 ノミネート
『ムーチョ・モージョ』
Mucho Mojo
1994年 ニューヨーク・タイムズ 今年の注目本
審判の日
The Big Blow
1997年 ブラム・ストーカー賞 中編賞 受賞
狂犬の夏
Mad Dog Summer
1999年 ブラム・ストーカー賞 中編賞 受賞[9]
Something Lumber This Way Comes 1999年 ブラム・ストーカー賞 若者向け部門 ノミネート
Jonah Hex: Shadows West #1 1999年 ブラム・ストーカー賞
イラストレイティッド・ナラティブ部門
ノミネート
『ボトムズ』
The Bottoms (novel)
2000年 エドガー賞 長編賞 受賞
2000年 ダシール・ハメット賞 長編賞 ノミネート
Cross Plains Universe: Texans Celebrate Robert E. Howard 2007年 ワールド・ファンタジー賞 ノミネート
ホラー作家協会より 2011年 生涯功労賞 受賞[2][10][11]
テキサス文学協会より 2012年 名誉賞 受賞[12]

作品リスト[編集]

小説[編集]

ハップ・コリンズ&レナード・パイン シリーズ[編集]

# 邦題 原題 刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社
1 Savage Season 1990年
2 ムーチョ・モージョ Mucho Mojo 1994年 1998年10月 鎌田三平 角川文庫
3 罪深き誘惑のマンボ The Two-Bear Mambo 1995年 1996年8月
4 バッド・チリ Bad Chili 1997年 2000年9月
5 人にはススメられない仕事 Rumble Tumble 1998年 2002年1月
6 Veil's Visit: a Taste of Hap and Leonard 1999年
7 テキサスの懲りない面々 Captains Outrageous 2001年 2003年5月 鎌田三平 角川文庫
8 Vanilla Ride 2009年
9 Devil Red 2011年
10 Hyenas: a Hap and Leonard Novella 2011年
11 Dead Aim 2013年1月予定[13]
12 Blue to the Bone 時期未定

ドライヴイン シリーズ[編集]

# 邦題 原題 刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 備考
1 モンスター・ドライヴイン The Drive-In: A "B" Movie with Blood and Popcorn, Made in Texas 1988年[14] 2003年2月 尾之上浩司 創元SF文庫
2 The Drive-In 2: Not Just One of Them Sequels 1989年[15]
3 The Drive-In: A Double-Feature 1997年 オムニバス、1・2を収録
4 The Drive-In: The Bus Tour 2005年[16]
5 The Complete Drive-In 2010年 オムニバス、1・2・4を収録[17]

ネッド・ザ・シール三部作[編集]

  • Zeppelins West (2001)
  • Flaming London (2006)
  • Flaming Zeppelins (2010) - 上記2冊をまとめたオムニバス
  • The Sky Done Ripped - 発売時期未定

その他の小説[編集]

邦題 原題 刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 備考
Act of Love 1980年
Texas Night Riders 1983年 レイ・スレーター名義
Dead in the West 1986年
The Magic Wagon 1986年
テキサス・ナイトランナーズ The Nightrunners 1987年 2002年3月 佐々田雅子 文春文庫
凍てついた七月 Cold in July 1989年 1999年9月 鎌田三平 角川文庫
Tarzan: The Lost Adventure 1995年 エドガー・ライス・バローズとの共著
The Boar 1998年
アイスマン Freezer Burn 1999年 2002年2月 七搦理美子 早川書房
Waltz of Shadows 1999年
Something Lumber This Way Comes 1999年 子供向けの作品
審判の日 The Big Blow 2000年 2009年9月 尾之上浩司 早川書房
Blood Dance 2000年
ボトムズ The Bottoms 2000年 2001年11月 大槻寿美枝 早川書房
ダークライン A Fine Dark Line 2002年 2003年3月 匝瑳玲子 早川書房
サンセット・ヒート Sunset and Sawdust 2004年 2004年5月 北野寿美枝 早川書房
ロスト・エコー Lost Echoes 2007年 2008年5月 北野寿美枝 早川書房
Leather Maiden 2008年
Under the Warrior Star 2010年 マイケル・ムアコックの作品も収録
All the Earth, Thrown to the Sky 2011年 ヤングアダルト作品
Edge of Dark Water 2012年

別名義での作品[編集]

マーク・ストーン:M.I.A. ハンター シリーズ[編集]

ジャック・ブキャナン名義で発表。スティーヴン・マーツマイケル・ニュートンビル・クライダーらとの共作。

  • Hanoi Deathgrip (Stone: M.I.A. Hunter #3) (1985)
  • Mountain Massacre (Stone: M.I.A. Hunter #4) {1985)
  • Saigon Slaughter (Stone: M.I.A. Hunter #7) (1987)

短編[編集]

短編集

  • By Bizarre Hands (1989)
  • Stories by Mama Lansdale's Youngest Boy (1991)
  • ベストセラー保証協会 Bestsellers Guaranteed (1993)
  • Electric Gumbo (1994)
  • Writer of the Purple Rage (1994)
  • A Fist Full of Stories (and Articles) (1996)
  • The Good, The Bad, and the Indifferent (1997)
  • Private Eye Action, As You Like It (1998) - ルイス・シャイナーとの共著
  • Triple Feature (1999)
  • The Long Ones (2000)
  • High Cotton (2000)
  • For a Few Stories More (2002)
  • A Little Green Book of Monster Stories (2003)
  • Bumper Crop (2004)
  • 狂犬の夏 Mad Dog Summer (2004)
  • The King and Other Stories (2005)
  • The God of the Razor (2007)
  • The Shadows, Kith and Kin (2007)
  • Sanctified and Chicken-Fried (2009)
  • Unchained and Unhinged (2009)
  • The Best of Joe R. Lansdale (2010)
  • Deadman's Road (2010)
  • By Bizarre Hands Rides Again (2010)
  • Trapped at the Saturday Matinee (2012[18])

西部劇脚本[編集]

  • Shadows West (2012) - ジョン・L・ランズデールとの共作[19]

チャップブック(小サイズ本)[編集]

  • キャデラック砂漠の奥地にて、死者たちと戯るの書 On the Far Side of the Cadillac Desert With Dead Folks (1991)
  • The Steel Valentine (1991)
  • ステッピン・アウト、一九六八年の夏 Steppin' Out, Summer '68 (1992)
  • Tight Little Stitches In A Dead Man's Back (1992)
  • My Dead Dog Bobby (1995)
  • ババ・ホ・テップ Bubba Ho-Tep (2003)
  • Duck Footed (2005)
  • Dread Island (2011)[20]
  • Christmas with the Dead (2011)

未収録短編[編集]

  • "Castle of Shadows" (1985) - アーダス・メイハーとの共著
  • "Boo Yourself!" (1987)
  • "Dead in the West (1997)
  • "Disaster Club" (1999)
  • "Torn Away" (2009)

コミック関連[編集]

バットマン[編集]

  • バットマン―サンダーバードの恐怖 Batman: Captured by the Engines (1991)
  • Batman: Terror on the High Skies (1992)
  • "Belly Laugh, or The Joker's Trick or Treat" (1989)
  • 地下鉄ジャック "Subway Jack (1989)

グラフィックノベル他[編集]

  • Lone Ranger & Tonto (1993)
  • Jonah Hex: Two Gun Mojo (1993)
  • Jonah Hex: Riders of the Worm and Such (1995)
  • Blood and Shadows (1996)
  • The Spirit: The New Adventures #8 (1998)
  • Red Range (1999)
  • Jonah Hex: Shadows West (1999)
  • On the Far Side with Dead Folks (2004)
  • The Drive-in (2005)
  • Conan and the Songs of the Dead (2006)
  • Marvel Adventures: Fantastic Four #32 (2008)
  • Pigeons from Hell (2008)
  • Yours Truly, Jack the Ripper (2010)
  • That Hell-Bound Train (2011)
  • 30 Days of Night: Night, Again (2011)
  • H.P. Lovecraft's The Dunwich Horror (2011)

短編集[編集]

参照[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ http://www.austinchronicle.com/books/1997-08-22/529456/ Interview.
  2. ^ a b c d Kelly, Christopher (2012年4月8日). “A Fresh Discovery, Three Decades in the Making”. The New York Times: p. A23B. http://www.nytimes.com/2012/04/08/us/joe-r-lansdale-is-a-fresh-discovery-decades-in-the-making.html 2012年4月9日閲覧。 
  3. ^ whc2007.org”. whc2007.org. 2011年1月29日閲覧。
  4. ^ http://www.mediamikes.com/2011/04/interview-with-joe-lansdale/ Interview
  5. ^ http://www.joerlansdale.com/shenchuan/shen/Shen.htm
  6. ^ http://www.unitedstatesmartialartshalloffame.com/2011_Inductees.pdf
  7. ^ http://christmaswiththedead.com/
  8. ^ スティーヴン・ビゼットの"Aliens: Tribes" と同時受賞。
  9. ^ ブライアン・A・ホプキンスの"Five Days in April" と同時受賞。
  10. ^ http://horrornews.net/46250/lifetime-achievement-awards-announced-hwa/
  11. ^ http://www.horror.org/
  12. ^ http://fortworthtexas.gov/library/info/default.aspx?id=4256
  13. ^ http://subterraneanpress.com/store/product_detail/dead_aim
  14. ^ Joe R. Lansdale Guest Blog: How the Drive-In Series Changed My Life”. Dreadcentral.com (2010年5月18日). 2011年1月29日閲覧。
  15. ^ Joe R. Lansdale Guest Blog: What's Playing at The Drive-In?”. Dreadcentral.com (2010年5月19日). 2011年1月29日閲覧。
  16. ^ Joe R. Lansdale Guest Blog: Receiving Inspiration from Popcorn”. Dreadcentral.com (2010年5月20日). 2011年1月29日閲覧。
  17. ^ Joe R. Lansdale Guest Blog: Why Drive-Ins?”. Dreadcentral.com (2010年5月17日). 2011年1月29日閲覧。
  18. ^ http://subterraneanpress.com/store/product_detail/trapped_at_the_saturday_matinee Publisher's website
  19. ^ http://subterraneanpress.com/store/product_detail/shadows_west
  20. ^ IDW Publishing Unveils New Mash-Up Series: Classics Mutilated”. Dreadcentral.com (2010年7月16日). 2011年1月29日閲覧。

外部リンク[編集]