ザ・フラッシュ

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ザ・フラッシュ』(The Flash)は、アメリカ合衆国DCコミックが刊行しているアメリカン・コミックスのタイトル、及び架空のスーパーヒーローの名称。テレビドラマ化やビデオムービー化もされた(映像作品を参照)。

胸に稲妻のマークのついた真紅のコスチュームを身にまとい、超スピードで疾走する。別名は「地上最速の男」。4代目まで存在するので、「地上最速の男たち[1]」である。本項では、彼らのサイドキック(助手)を務めるキッド・フラッシュについても説明する(初代キッド・フラッシュ2代目キッド・フラッシュ(インパルス))。

概要[編集]

フラッシュのように超高速移動を能力とするヒーローたちは「スピードスター」と呼ばれる。DCコミックにおけるスピードスターたちの高速移動は、単純な身体能力ではないとされている。

我々の世界に隣接する次元には、スピードフォースという、意志を持った運動エネルギーが住む世界がある。DCコミックのスピードスターたちはスピードフォースにアクセスすることで、無尽蔵な運動エネルギーを引き出して高速移動を行っている(マーベルコミックスのスピードスターの場合は、彼らの純粋な身体能力である。例:X-メンのクイックシルバー)。この原理を発見したのは、3代目フラッシュだった(『ターミナル・ベロシティ』TPB、1995年[2])。このリンクを強化することで彼は光速で走れるようになり、歴代フラッシュ最速となっている[3]

スピードフォースから運動エネルギーを引き出すことにより、彼らはさまざまな能力を行使する。

超高速での移動
通常の最高速度は亜光速だが、さまざまな補助機器を使用すれば超光速も可能である。
物質通過
身体の原子を高速振動させて、物体の原子間をすり抜ける。
透明化
自分の肉体を構成する原子を高速で振動させ、その原子間の隙に光を透過させることで他者から透明になる。
地震を起こす
振動を地面に伝わらせて、非常に局地的な地震を起こす。
風を起こす
その場で回転運動することで竜巻を生み出す。
熱を起こす
身体の分子を高速振動させて摩擦熱を発する(捕らえられた際、敵から逃げるのに有効)。
運動エネルギーの付与
スピードフォースから引き出したエネルギーを自分で使わずに、接触した他の物体に与える。フラッシュが他人を抱きかかえて走る時に、その人物が大気との摩擦熱で焼け死なないのはこのためと思われる。
時間移動
コズミック・トレッドミルという特殊な装置を用いることで、運動エネルギーを時空エネルギーに変換し、過去や未来に移動する。

その他の主なスピードスターは、以下の通り。

  • ジョニー・クイック
  • ジェシー・クイック
  • マックス・マーキュリー
  • 3代目キッド・フラッシュ - アイリス・ウェストII世。3代目フラッシュであるウォーリーの娘。

主な連載誌[編集]

Flash Comics
1940年1949年。全104号。初代フラッシュのデビュー作。
All-Flash
1941年1948年。全34号。
The Flash (comic book)
(vol. 1)1959年1985年。#105~#350
(vol. 2)1987年2009年。全247号。
(vol. 3)2010年2011年。全12号。
(vol. 4)2011年~
The Flash: Rebirth
2009年~2010年。全6号。

歴代フラッシュ[編集]

  1. ジェイソン・ピーター・"ジェイ"・ギャリック[4]
  2. バーソロミュー・"バリー"・アレン[5]
  3. ウォレス・"ウォーリー"・ウェスト[6]
  4. バート・アレン[7]

初代[編集]

ザ・フラッシュ
出版の情報
出版者 DCコミック
初登場 『フラッシュコミックス』#1
1940年1月)
クリエイター ガードナー・フォックス
/ ハリー・ランパート
作中の情報
本名 ジェイソン・ピーター・"ジェイ"
・ギャリック
所属チーム ジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ
オールスター・スコードロン[8]
ジャスティス・リーグ

本名、ジェイソン・ピーター・"ジェイ"・ギャリック。本拠地はキーストーン・シティ。初出は『フラッシュコミックス』(Flash Comics)#1(1940年1月)。

大学生の時、原子の振動実験中の液体「ハード・ウォーター」を浴びたことが原因で、超高速の能力を手に入れる。彼は幼い頃に憧れていたパルプ小説のヒーロー「ウィンドランナー」に自らをなぞらえ、クライムファイター(犯罪者退治専門のヒーロー)としての活動を始めた。亜光速で走ることが出来、老化が遅い[9]

ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)創立メンバーの一人。スピードフォースとの関連性は不明。コスチュームはギリシア神話ヘルメスをモチーフにしている。

コスチューム
胸に黄色の稲妻の描かれた、真紅のボディシャツ
脇に黄色の稲妻模様の引かれた、青のタイツ
黄色の羽根の付いた浅いヘルメット(これは彼の父親の形見で、彼の父親が第一次世界大戦で被っていた鉄兜を改造した物)
黄色の羽根の付いた、真紅の短靴

一度は引退したが、新生JSAに加入するため復帰した。

2代目[編集]

本名、バーソロミュー(バリー)・ヘンリー・アレン。本拠地はセントラル・シティ。初出は『ショーケース』(Showcase)#4(1956年10月) 。

警察の化学班で働いていたバリー・アレンは、実験室で雷に打たれ、無数の薬品を浴びたことをきっかけに超高速で走る能力を得た。コミックで憧れていたフラッシュ(初代) にちなんで自らフラッシュを名乗り、クライムファイターとしての活動を始める。ジャスティス・リーグ(JLA)創立メンバーの一人。

コスチューム
胸に黄色の稲妻の描かれた、真紅のボディースーツ(普段は圧縮され、指輪の内部に収納されている)。
耳に羽根型の金属飾りの付いたマスク。口元のみ露出している。耳飾りは、警察無線などの受信機になっている。

『クライシス』(Crisis on Infinite Earths)事件の際に、アンチモニターの計画を食い止めるため、反物質砲の内部に降り、反物質の流れを逆転させることに成功するが、全生命力を燃やしつくして死亡。彼の人知れぬ活躍により、多次元宇宙崩壊の危機は回避された。だが、『インフィナイトクライシス』(Infinite Crisis)事件において、バリーは命を落としたのではなくスピードフォースの存在する別次元に封じ込められていたことが判明、そして『ファイナルクライシス』(Final Crisis)事件で別次元からの帰還を果たし、ヒーロー活動を再開する。

3代目(初代キッド・フラッシュ)[編集]

本名、ウォーレス(ウォーリー)・ルドルフ・ウェスト。本拠地はキーストーン・シティ。キッド・フラッシュとしての初出は、『フラッシュ』(the Flash)#110(1960年1月[10])、3代目フラッシュとしての初出は、『クライシス・オン・インフィニット・アース』(Crisis on Infinite Earths)#12(1986年3月)。

少年時代のウォーリーは、叔父のアレン[11](2代目フラッシュ)の研究所を訪れた際に落雷とともに化学薬品を全身に浴び、超高速の能力を手に入れた。彼はフラッシュのサイドキック(助手)、キッド・フラッシュとして活躍する一方、ティーン・タイタンズを結成した[12]。しかし、『クライシス』事件でバリー・アレンが名誉の戦死を遂げたことから、叔父のコスチュームとフラッシュの名を受け継いで、3代目フラッシュとなった。

コスチューム
2代目と同じ
キッド・フラッシュのコスチューム
胸に赤い稲妻が描かれた、黄色と赤のツートンカラーのボディスーツ。
頭髪と口元の露出したマスク。耳にある金属製の羽根型飾りの色は赤(黄色の場合もあり)。

『インフィニット・クライシス』(Infinite Crisis)事件の際、スーパーボーイ・プライム(並行宇宙からやってきた)をスピードフォースの中に封じようと限界まで力を発揮した結果、別次元へと消え去った。しかしその後、後を継いだ4代目フラッシュが死亡するのと前後して再び元の世界に帰還し、ヒーローにも復帰する。

4代目(インパルス、2代目キッド・フラッシュ)[編集]

本名、バーソロミュー(バート)・アレン2世。本拠地はキーストーン・シティ。初出は『フラッシュ』Vol.2#92(1994年3月)[13]

バリー・アレン(2代目フラッシュ)の実の孫。スピードフォースの制御法を学ぶため未来からやってきた(未来では力をコントロールできず、少年程度の年齢まで一気に成長してしまっていた)。当初はインパルスを名乗り、後に2代目キッド・フラッシュとなった。

『インフィニット・クライシス』(Infinite Crisis)事件の際、スーパーボーイ・プライムを連れてスピードフォースへ突入したのち別の時間軸を過ごし、元の世界に戻った時は青年にまで成長していた。その際能力を失うが、1年後に能力を取り戻して4代目フラッシュとなる。しかしのちに、フラッシュの宿敵が集まったチーム「ローグズ」との戦いで能力を奪われ、命を落とす。

映像作品[編集]

テレビシリーズとビデオムービーは、主演で実写作品。その他の登場作品でレギュラーを務めたのは、テレビアニメ『ジャスティス・リーグ』のみである。

テレビシリーズ、ビデオムービー[編集]

テレビシリーズ『超音速ヒーロー ザ・フラッシュ』(原題:The FLASH1990年アメリカ

キャスト(声の出演)
バリー・アレン/フラッシュ:ジョン・ウェズリー・シップ山寺宏一
ティナ:アマンダ・ペイズ堀越真己
フリオ:アレックス・デザート(江原正士
スタッフ
監督:ブルース・ビルソン
脚本:ゲイル・モーガン・ヒックマン
原案:ゲイル・モーガン・ヒックマン、デニス ・スキナー
撮影:グレッグ・ガーディナー
制作:ワーナー・ブラザース
日本語版放送リスト
放送回 サブタイトル 原放送回 原題 放送回 サブタイトル 原放送回 原題
  1 SF超人の誕生   #001 pilot (1)   2 SF超人の活躍   #002 pilot (2)
  3 トリックは無用   #005 Honor Among
Thieves
  4 人体実験の果てに   #003 Out of Control
  5 脱獄犯の復讐   #007 Sins of the Father   6 操られたフラッシュ   #006 Double Vision
  7 テリー少年の挑戦   #008 Child's Play   8 警部・危機一髪!   #009 Shroud
of Death
  9 コンピューター
ゴースト
  #010 Ghost in the Machine  10 透明人間の怪奇   #011 Sight Unseen
 11 女強盗団   #014 Tina, Is That You?  12 処刑0秒前   #012 Beat the Clock
 13 赤ちゃん騒動   #015 Be My Baby  14 恐怖のタイムスリップ   #016 Fast Forward
 15 ふたりのバリー   #019 Twin Streaks  16 濡れ衣   #017 Deadly
Nightshade
 17 暗黒街の殺し屋   #018 Captain Cold  18 裏切られた再会   #020 Done
With Mirrors
 19 眠りの街   #021 Good Night,
Central City
 20 サイボーグ
・アルファ
  #022 Alpha
未放送 -   #004 Watching
the Detectives
未放送 -   #013 The Trickster
未放送 -   #023 The Trial of the Trickster
ビデオムービー(製作国:アメリカ)
タイトル 原題 公開年 出演 監督
最新・最強・最速のヒーロー
/ ザ・フラッシュ
The FLASH 1990年 ジョン・ウェズリー・シップ
アマンダ・ペイズ
ロバート・イスコブ
ザ・フラッシュ2 The FLASH II
 : Revenge of the Trickster
1991年 ジョン・ウェズリー・シップ
アマンダ・ペイズ
マーク・ハミル
ディック・ミラー
ダニー・ビルソン
ザ・フラッシュ3 The FLASH III
 : Deadly Nightshade
1992年 ジョン・ウェズリー・シップ
アマンダ・ペイズ
ブルース・ビルソン

ゲーム作品[編集]

英語表記は日本国内未発売タイトル。太字は主要作品、それ以外は共演作品など。

その他(テレビアニメ、テレビドラマ)[編集]

以下のテレビアニメに出演した。

スーパーマン
ゲスト出演。
ジャスティス・リーグ
上記の続編。レギュラーメンバーで正体はウォーリー・ウェスト(前作では明かされず)。
ザ・バットマン
ゲスト。
バットマン:ブレイブ&ボールド
ゲスト。初代とキッドが登場していた。
フラッシュ自身は死亡したと思われていたが、未来でリバースフラッシュに捕まっていた。

この他、キッド・フラッシュとして、ウォーリー・ウェストが『ティーン・タイタンズ』にゲスト出演、『ヤング・ジャスティス』にはレギュラー出演している。

また、テレビドラマ『ヤング・スーパーマン』(原題:Smallville2001年-2011年)では、シーズン4第5話「世界一速い男」(原題:RUN)にバートが登場。シーズン6第11話「正義の同盟」(原題:JUSTICE)ではインパルスと名乗っている。

出典[編集]

  1. ^ スコット・ビーティほか 『DCキャラクター大事典』 赤塚京子ほか訳、小学館集英社プロダクション2011年、124頁。
  2. ^ 『DCキャラクター大事典』 125頁。
  3. ^ 『DCキャラクター大事典』 125頁。
  4. ^ 『DCキャラクター大事典』 124頁。
  5. ^ 同上。
  6. ^ 同上。
  7. ^ 『DCキャラクター大事典』 126頁。
  8. ^ 『DCキャラクター大事典』 124頁。
  9. ^ 『DCキャラクター大事典』 124頁。
  10. ^ 『DCキャラクター大事典』 124頁。
  11. ^ 『DCキャラクター大事典』 125頁。
  12. ^ 『DCキャラクター大事典』 125頁。
  13. ^ 『DCキャラクター大事典』 126頁。ただし、キッドかフラッシュか、あるいはインパルスは明記されていない。