デスラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

デスラー(Desler)は『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の登場人物。(伊武雅刀西崎義展[1]石塚運昇[2]若本規夫[3]山寺宏一[4]

キャラクター[編集]

大マゼラン星雲小マゼラン星雲に跨る星間国家ガミラス帝国総統ガミラス本星消失後、ガルマン・ガミラス帝国を建国し総統に就任した。

傲慢で冷徹な統治者、反対者を躊躇なく粛清する冷酷な独裁者として描かれているが、その行動は私利私欲のためではなく、危機に瀕した自国の繁栄・自民族の存続のためである。地球の敵役ではあるが悪ではない。そのため、物語の進行と共に地球の存亡に命をかけるヤマトとガミラスのために戦う自分を重ね合わせて共感し始め沖田十三古代進に敬意と友情を感じるようになってゆく。そして次第にヤマトとともに戦う場面が増えていく。

名前はアドルフ・ヒトラーをもじったものである、とかつては説明されていた[5]

しかし、後年、1990年代後半に入ると、松本零士はこの説明を翻すようになった。「デスラー」は、松本がよく使う「ラー」(ラーメタルラー・アンドロメダ・プロメシュームなど)と「デス」を組合わせたもので、前者はエジプト神話の太陽神ラーに由来し太陽やそれに象徴されるパワーを、後者はを意味する英語であり、すなわち「デスラー」とは「死の太陽」を意味すると説明するようにした。ヒトラーとの類似は第一作段階での絶対悪的位置づけから。後の展開(ヤマトとの共闘)を受け、偶然の一致と説明を変更するようになった[6]

デスラーのスペルも「さらば」の音楽集では「Desler」、海外版では「Desslar」、宮武一貴デスラー艦の設定書では「Deathlagh」となっていて、統一されていない。

なお、ヤマトブーム期において、デスラーのモデルはヒトラーか、との問いに対し、プロデューサーの西崎義展は「あんな卑小な男ではない。ローマ帝国の皇帝をイメージしたキャラクター」と語っている[7]。そして『宇宙戦艦ヤマト』のアメリカ公開版『Star Blazers』において、デスラーこと Desslok は、退廃的ローマ貴族風にオカマ言葉で喋るような演出が施されていた[8]

シリーズ毎の活躍[編集]

宇宙戦艦ヤマト[編集]

ガミラスが惑星としての寿命が尽きようとしていたため、移住先として地球に狙いを定め、遊星爆弾等で地球侵略を開始、地球人類に絶滅か奴隷かの選択を迫った。

宇宙戦艦ヤマト艦長沖田十三)を当初は過小評価していたが、冥王星前線基地 の壊滅など思いのほかの善戦を見せるヤマトに関心を持つようになる。デスラー機雷網の突破の際には、ヤマト宛に祝電を送る度量を見せた。

余興代わりに、オリオン座のアルファ星ベテルギウス)の前に磁力バリアとガス生命体を配備し、ヤマトを殲滅する作戦を立案・自ら指揮する(この時、ヒス副総統から罠を脱出したヤマトへの祝電を提案されたが一蹴している)。

マゼラン星雲を目前にヤマト阻止を託したドメル七色星団の決戦で敗退すると、ガミラス本星での本土決戦を自ら立案、指揮を行う。ガミラス本星にヤマトを引き込み、希硫酸と濃硫酸のでヤマトを苦しめるが、沖田による海底火山脈を海中から波動砲で撃つ作戦で形勢は逆転する。劣勢となり地球との和平を提案するヒス副総統を銃殺。その後崩落する天井により圧死したかに思われた。しかしデスラーは総統府(デスラー艦)で脱出、イスカンダルからの帰路を急ぐヤマトを捕捉し白兵戦(放射能を含む大気と共に攻め入る)を挑むが失敗(コスモクリーナーDの作動で劣勢となり退却)。デスラー砲をヤマトに向け発射するも空間磁力メッキで反射され、四散するデスラー艦と運命を共にしたかに見えた。

さらば宇宙戦艦ヤマト[編集]

副官のタランと共に白色彗星帝国に身を寄せ、ガミラス再興の機会を待って、敗軍の将として帝国の一将軍たるに甘んじて行動する。

デスラー艦に乗り込み、デスラー戦法でヤマトに戦いを挑み、最後は自らの手でデスラー砲によるヤマト殲滅を謀るも、ヤマトは小ワープでデスラー艦に突入し白兵戦となる。その最中、爆発に巻き込まれタランが戦死し自身も負傷する。 見守る森雪の前で古代との銃による一騎打ち。だが、負傷のため膝を突き銃を落としてしまう。 敵である自分を介抱する雪の献身に衝撃を受け、自身のヤマトへの復讐劇の終焉を宣言する。さらにミルの狙撃から身を挺して庇った雪(この戦傷が最後まで快復せず、クライマックスにおいて古代の腕の中で息を引き取る)に自己犠牲的な愛を感じ、古代に白色彗星帝国の攻略方法を示し、自分の心はヤマトクルーや地球人の心に近いと言い残すと、宇宙空間へと身を投じた。

宇宙戦艦ヤマト2[編集]

白色彗星帝国のズォーダー大帝によって救出され蘇生医療を施され復活し、『さらば〜』とは違って、賓客として迎えられている。タラン将軍以下の腹心達の尽力で再集結し、ガミラス帝国軍残存艦隊を率いて白色彗星帝国軍の同盟者としてヤマトと対戦する。

サーベラーを筆頭とする幹部の妨害に遭いつつも、空洞状の小惑星の決戦やデスラー機雷等ではヤマトを窮地に追いやる優れた策略家ぶりを見せた。 サーベラーらの陰謀で一度は彗星帝国に逮捕・監禁されるも、巧みに脱出し、再びヤマトとの戦いへ向かう。 地球周辺宙域の戦闘は『さらば』同様白兵戦になるが、古代とデスラーの一騎打ちのシーンで、負傷しているのは古代。森雪が古代を庇う姿にその愛を感じ取るとともに、母星である地球のために必死に戦う古代たちの姿を見て、民族の存亡をかけて闘ってきた自分の心が、ガトランチス人よりはるかに地球人に近いことを悟り、自らの積年の怨恨もここに潰えた。

『さらば』では、白色彗星のガスを取り除く攻略法を示したが、今作ではガミラス本星での戦いを引き合いに出し、弱点を暗示した言葉を森雪に託し、不敵な笑いを残して、腹心のタランを伴って残存艦隊を纏め、戦場から撤退した。

宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち[編集]

本作では事実上の主人公といっていいほど見せ場がある。ガミラス再建を目指し残存艦隊と共に新天地探索の旅へと出発する前に、今一度故郷をとガミラス星に戻った。しかるに暗黒星団帝国ガミラシウム採掘船団に遭遇。ガミラス星を蹂躙する船団に激怒し攻撃を仕掛けるも、その戦闘の過程でガミラス星は爆発し消滅。二重惑星であるイスカンダル星重力バランスを失い暴走する。彼は、イスカンダルとスターシャの危機的状況を地球に通信し、ヤマトに救援を要請する。

強大な暗黒星団帝国軍を前にデスラー艦隊は苦戦し絶体絶命のピンチに陥るが、救援に駆けつけたヤマトによって救われた。暗黒星団帝国艦隊司令官デーダーの旗艦プレアデスはヤマトの波動砲により葬り去られるが、その報復のためマゼラン方面軍司令官メルダーズ駆る自動惑星ゴルバが出現。故郷を破壊した敵に対しデスラーは怒りに燃えデスラー砲を放つも全く効果がなく、ゴルバはデスラーを嘲笑うかのようにイスカンダルへの攻撃を開始する。スターシアの生命の危機を見て取ったデスラーはデスラー戦闘空母をゴルバ砲口に突っ込ませこれを阻止し、古代進に自分ごとゴルバを波動砲で撃つよう迫る。

この危機はスターシアの自爆により救われたものの、ガミラス星に続きイスカンダルはおろか愛した女性をも失った彼は、平時のデスラーらしからぬ狼狽ぶりを表した。戦いが終わるとデスラーは、古代にガミラス再建をどれだけ歳月が掛かろうと成し遂げると言い残し、何処へともなく去った。

ヤマトよ永遠に[編集]

未出演。ただし暗黒星団本星で、ヤマトの攻撃制止のため古代達が見せられる、偽りの宇宙戦艦ヤマトの戦史映像の中に、ガミラス本星での戦闘シーン(指揮を取る彼の姿)が映っている。回想シーンなのでセリフは一切ない。

宇宙戦艦ヤマトIII[編集]

ゴルバとの対戦後、ガミラス再建を目指して旅に出たデスラーは、銀河系中心部にガミラス人の遠い先祖であるガルマン民族の住む二重惑星を発見した。

ガルマン民族は当時銀河系の中心部まで支配していたボラー連邦によって奴隷として酷使されており、デスラーは二重惑星のボラー勢力を放逐し彼らを解放した。その後デスラーは総統に選ばれてガルマン・ガミラス帝国を建国する。ガルマン民族の住んでいた二重惑星系はガルマン・ガミラス本星と「スターシア」と名付けられ、ガルマン・ガミラス帝国はボラー連邦と銀河系を二分する勢力にまで成長する。

ガルマン・ガミラス帝国は建国一周年を迎える直前、銀河系各地で有利に征服戦争を進めていた。デスラーは再び地球やヤマトと戦う可能性を避けるため、「オリオン腕辺境方面の恒星系には、手を出すな」と厳命していたが、ダゴンの独走で東部方面軍はヤマト及び地球と交戦することになる。一連の戦闘の末、東部方面軍移動要塞にヤマトを捕獲することに成功したガイデルはデスラーに『地球の戦艦ヤマトを捕獲した』と報告する。そこで初めて部下が独断でヤマトと戦っていたことを知ったデスラーは、なぜヤマトのことを早く知らせなかったのかと激怒し、ヤマトを解放させた。

デスラーはガルマン・ガミラス帝国総統として非礼を詫び、古代を始めとするヤマトクルーをガルマン帝国に招待した。自軍の惑星破壊プロトンミサイルが太陽系に危機を呼んだことを知ると、デスラーは償いとして太陽制御を提案し、配下の技術少佐フラウスキー麾下の工作船団を派遣するが太陽制御は失敗に終わる。

彼は、自国領内にある地球に似た環境の惑星ファンタムの情報を提供した。また、ヤマトの航海の安全を取りはからうために、ボラー連邦首相ベムラーゼにヤマトから手を引くようにホットラインをかけるが、ベムラーゼは、ヤマトはガミラスの尖兵ではないかと揶揄し、デスラーを嘲笑した。

ファンタムがコスモ生命体で、スーパーサイコエネルギーで見る人の文化習慣によって幻影を見せることが判明すると、帝国への冒涜行為に激怒して、グスタフに惑星破壊プロトンミサイルによる「処刑」を命じた。古代は、惑星ファンタム「処刑」に異議をとなえたが、帝国の名誉に泥を塗ったこと、古代をはじめとするヤマト乗組員をたぶらかしたことが赦せなかったからだ、と抗弁した。

惑星ファンタムから王女ルダが乗り込んだことを知ると、グスタフに確認させるようにキーリングに指示した。ルダの所在をかぎつけたボラー艦隊の出撃を知るとグスタフにヤマトを死守するよう直接命令した。

ルダの案内でヤマトによってシャルバート星の所在が明らかになるとそれを追跡したが、銀河系を支配した科学力軍事力を期待したデスラーは、戦いを放棄したシャルバートの姿に当惑する。

一方これを奇貨としたボラー連邦のゴルサコフは、シャルバートの占領を試みるが、これを旗艦のハイパーデスラー砲 で艦隊ごと吹き飛ばした。古代からシャルバートの事情を聞かされると「誇り高き武人、栄光あるガルマン・ガミラスの総統として丸腰(無抵抗)の者を攻めたりはしない、太陽制御の成功を祈る」と言い残してシャルバートを去った。

太陽系内で、ボラー連邦首相ベムラーゼは、自ら大艦隊と巨大機動要塞を駆ってヤマトを攻撃する。ヤマトを餌にデスラーをおびきよせて葬るためであった。デスラーは100隻ほどの親衛艦隊を率いて太陽系内に現れる。

会戦劈頭、古代にボラー連邦打倒は自分の宿願であり太陽制御に専念するよう通信を入れ、ベムラーゼに対しては葬式の宗派を問うことで嘲弄し挑発した。一旦は機動要塞以外のボラー艦隊を撃滅したものの、ブラックホール砲の連射によって麾下の艦隊も、旗艦を除いてほぼ全滅する。

ヤマトの艦載機搭乗員揚羽武コスモタイガーによるブラックホール砲口への特攻で、攻撃が不能になった機動要塞をハイパーデスラー砲で撃破し、ベムラーゼもろともの殲滅に成功した。ハイドロコスモジェン砲によって太陽制御が成功すると、古代に対し、地球が甦ったことに対する祝辞と将来の再会を約束しガルマン・ガミラス本星へ帰還していった。

その後は劇中では語られなかったが、べムラーゼを失ったボラー連邦に対し再び大攻勢をかけたと思われる。しかし、思わぬ形で頓挫することになる。

第一作の頃のように各方面への侵略を行っているが、第一作とは異なり、自民族のみの繁栄ではなく、自身が支配することで全宇宙に永遠の平和をもたらそうという思想がある。

宇宙戦艦ヤマト 完結編[編集]

赤色銀河によってガルマン・ガミラス本星は大きな被害を受けた。ヤマトは本星を調査に訪れるもデスラーは辺境視察中で、帝国本星が滅亡したと誤解した古代達の手向けた花によって、彼らの訪問を知った。三重水素(トリチウム)という起爆性物質を積み込んだヤマトがディンギル艦隊に反撃不能状態に陥ったとき、絶好のタイミングで登場し、ディンギル艦隊を一掃。神官大総統ルガール座乗の旗艦をデスラー砲で撃沈した。旧タイプのデスラー艦が放ったデスラー砲が戦果を挙げた唯一の例である。ディンギルアクエリアスの地球接近を知って駆けつけた時、ヤマト艦橋のビデオパネルに映る彼の胸元には、古代達が手向けた花束の一輪があしらわれていた。 映画ではルガールを葬り去った後、ヤマトの最期を見届けているが、小説版ではルガール艦に特攻し、壮烈な戦死を遂げている。

白色彗星帝国、暗黒星団帝国、自ら率いたガミラス帝国等の猛攻にも屈さず打ち勝ってきたヤマトが、地球を守るため自爆(自沈)する光景を見て、ヤマトの作品中で唯一涙を流した(ガミラス星の崩壊、スターシャの死に際しては錯乱はしているが泣いてはいない)。 なお、復活篇には登場しないため帝国の衰亡や彼の存命については不明。

SPACE BATTLESHIP ヤマト[編集]

『gami-ilas bony-rock-organism』と呼ばれる、骨形岩鉱石質生命の意思の集合体である。

人類はガミラスと呼称し、自らはデスラーと名乗った

本作でのデスラーは、原作の様な人類と似通った社会構成を持つガミラス帝国の中での一ガミラス人ではなく、「母星の寿命に際し、地球を攻撃・改造し移住を目論む」意思の集まりであり、劇中でも「我々は個であり全体である」と語った。

ちなみにイスカンダルは、その意思の集まりの中で「母星の寿命に際し、星と運命を共にする事を決めたもう一つの側面」と設定されている。

そして「デスラー」は、自らを超巨大戦艦兼超巨大ミサイルと化して地球到着寸前のヤマトを奇襲して大破させ、「我々は、屈辱を忘れぬ種族だ」「地球は、お前たちにも渡さない」と言い残して、ヤマトの眼前で地球を破壊しようとした。

ヤマトのブリッジに姿を現した際は人型に近い形状になっており、特に顔の形は原作のデスラーにそっくりだった(声も伊武雅刀が担当した)。

宇宙戦艦ヤマト2199[編集]

宇宙戦艦ヤマト』(以下、旧作)のリメイク作品である本作では「アベルト・デスラー」というフルネームが設定されており、肩書も「大ガミラス帝星永世総統」に変更されている。容姿に関しては、やや顎が細くなり、目つきが鋭くなっている。また、年齢は地球年齢に換算して32歳相当と設定され、旧作よりも若々しい容姿になっている。

叔父の死後、内乱状態となったガミラスを武力で再統一を果たし、軍事独裁制を敷いて領土の拡大を行っている。第8話におけるガミラス建国1000年及びデスラー紀元103年の祝賀会においては、征服された星の二等ガミラス人たちさえもが大喝采した。しかし、本人は「人間とは愚かで従順な存在で、この上もなく退屈な生き物」と評し、また帝星についても「この星にしがみついて、何になる」と呟いている。結果、実際の支配体制の維持に関しては投げやりであり、帝都バレラスですら反帝国の活動が行われるような状況であり、全権を任されたハイドム・ギムレーが、時には惑星をまるごと消滅させるほどの弾圧を敷いている。

同じく第8話において、自らが立案したテロン艦(ヤマト)撃滅作戦を閣僚達に披露するが、ヤマトはこれを突破する。これによりヤマトに少なからず興味を抱く。後にヤマトの目的と目的地に感付き、最前線小マゼラン外縁部で防衛任務に当たっていたドメルを呼び戻し、討伐に差し向ける。

第15話においてゼーリックの策謀により乗艦ごと爆破され暗殺されたかに見えたが、暗殺計画はセレステラが事前に察知しており、影武者を身代わりにして暗殺から逃れる。その後しばらくはフラーケンと共に雲隠れをしており、第18話でゼーリックがバラン星での観艦式において大演説を行う中、通信に割り込んでゼーリックが暗殺計画の首謀者であることを暴露する。

イスカンダルとの大統合を成し遂げるために古き都であるバレラスを破壊することを画策。第23話においてヤマトのガミラス星突入の後、デウスーラII世で脱出。「第二バレラス」の制御をデウスーラII世から乗っ取り、第二バレラスの633工区を切り離して帝都へと落とし、ヤマトともどもバレラスを葬り去ろうとする。さらにヤマトが波動砲攻撃にて落下工区を粉砕するとデスラー砲を作動させ、容赦なく帝星ごと破壊しようとした。しかし、雪とノランに「第二バレラス」の波動コアを暴走させられたことで攻撃は失敗。さらに「第二バレラス」が爆発したことで、誰の目にも死んだと思われ、公的には死んだものとして扱われた。

しかし、直前にゲシュタムジャンプして生き延びていたデスラーは、バラン星の亜空間ゲート内にてヤマトを待ち受ける。旧作と異なり復讐ではなく、優れた性能を示したヤマトを奪取して自分のものとしたいという欲求に基づくものであった。多数のガミロイド兵にてヤマトに最後の攻撃をかけるが、それもまたアナライザーの活躍で失敗。そして、亜空間内ではビーム兵器が使えない事からデスラー砲によるヤマト撃沈を試み発射体勢を整える中、ヤマトの三式弾の連射を浴びる。ビーム兵器でなく砲弾を用いるヤマトを野蛮人として罵りつつ、波動エネルギーの誘爆によりデウスーラII世は爆沈する。

スターシャを愛していたらしく、思想の違いを超えたガミラスとイスカンダルの大統合、ガミラスが星々を支配する事による平和を夢見ており、相次ぐ拡大政策もイスカンダルの使命を自らが引き受けようとしたものによる。しかし帝国の拡大に熱心であっても、内政や支配体制の構築には全くもって不熱心であり、最後にはバレラスと臣民を葬ろうとすらした。ただし罪の意識はあり、だからこそ自身で手を下し、その罪を一生背負っていこうとした。

セレステラを誤射して動揺した表情をしたり、衛兵が雪と古代にとどめを刺そうとするのを制止したりと、『さらば宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2』のオマージュともいえる描写も見せた。また、全ての星々の恒久平和を、宇宙の独裁支配という形で実現するための武力侵略という点は、『宇宙戦艦ヤマトIII』のガルマン・ガミラスに通ずるところもある。

性格・言動[編集]

性格は冷徹ではあるが紳士的であり、言葉遣いも慇懃無礼ではあるが丁寧である。「ガミラスに下品な男は不要だ」「逢いたかったよヤマトの諸君」「私は戦争をしているのだよ、副総統。私の一番楽しい時間を、くだらん飲み物で邪魔せんでくれたまえ」「白色彗星帝国に身を寄せていたとは言え、私の心は遥かに君達(地球人)に近い」等の名言を残している。

初期作品では部下の失敗にはたった1回で戦って死ぬか自決かデスラーによる処刑しか選べなかったが、『宇宙戦艦ヤマトIII』ではヒステンバーガーの失敗を「あと2回で死刑」とするなど、少しは寛容になったところを見せた。ただし配下が自分以外の対象を崇拝することを極端に嫌う傾向があり、シャルバート信仰の信者の幕僚・ハイゲル「ガルマンに神は二人はいらぬ」と言い、その場で射殺したことがある。

『2199』においては、冥王星基地を喪ったシュルツに対しては、挽回のチャンスを与えた他、部下と共に戦死時に全員を2階級特進させた上、残された遺族を名誉ガミラス臣民に昇格させる命令を出すなど、旧作よりも寛容さを示している。一方で、下品な言動を取った部下に対して問答無用で処刑した件では、旧作同様の冷酷さを示した。帝都バレラスの民を全員葬ろうとした事もある一方、その自らの行動を罪と認識しそれを背負っていく決意も示すなど、二律背反した性格の持ち主として描かれている。

性格は西崎義展プロデューサーをモデルとしたといわれている[9]。ゼネラルプロデューサーならぬガミラスプロデューサーを自称していた[10]西崎はデスラーにのめり込むようになり[11]、『宇宙戦艦ヤマト完結編』の後にはデスラーを主人公とするアニメ『デスラーズ・ウォー』(当初のタイトルは『キング・オブ・デスラー』)を企画したが、制作には至らなかった。

デスラーの名を冠したもの[編集]

シリーズ劇中では、デスラーの名を冠した事物が多く登場する。これらのほとんどはガミラス側が名付けたもの(タラン曰く「総統の名を戴いた」)だが、地球側が便宜上呼称したものもある。

ガミラス側命名
  • デスラー砲
  • デスラー機雷
  • デスラー防衛網[12]
  • デスラー勲章 / 特一級デスラー十字章
  • デスラー魚雷[13]
  • デスラー少年団[14]
地球側命名
  • デスラー艦
  • デスラー戦法[15]
資料上のみの呼称
  • デスラー戦闘空母

備考[編集]

家族
松本零士によるコミカライズの『宇宙戦艦ヤマト 永遠のジュラ編』では結婚していて、サイレン人の妻・メラと娘・ジュラが存在している。妻が相手の心を読みそれを相手に投影する能力を持っていて、娘もその能力を引き継いでいる為、嫌がったデスラーにより幽閉されて、ヤマト乗組員の精神情報を探らされている。尚、この作品におけるデスラーは、愛する妻子の困った能力をヒスに愚痴る、意外に卑小な人間臭さを見せている[16]
顔と髪の色
デスラーと云えば金髪に青い顔色で有名であるが、パート1第10話までは髪は栗毛色で顔は肌色であった。ガミラス人の肌の色の変更に関してはガミラス帝国#ガミラス人を参照。
役作り
演ずる伊武は役作りの際、それまでの悪役といえばマッドサイエンティストが「ヒヒヒヒ…」と笑うようなカン高い声が多かったため、逆に低くつぶやくスタイルにしてみようと思った。デスラーが『ヤマトよ永遠に』に登場しなかった時、藤堂司令長官との二役を演ずる伊武は「今回はデスラーが出なくて寂しい」と言った。
はためくマント
彼のマントは宇宙空間上でも常にはためいており、一部の考察本において本シリーズ揶揄の材料とされることがある。ただし、彼のマントがはためくのはデスラー艦等の甲板上でのシーンで、このシーンでは彼はヘルメットも装着しておらず、甲板上が空気で満たされていた可能性もある。ちなみにヤマト艦上においては、バリヤーを張って甲板上を空気で満たした描写がある(『宇宙戦艦ヤマト』第14話)。

パロディ[編集]

  • パタリロ!』(魔夜峰央)の花とゆめコミックス第10巻に限って、パタリロ(『FLY ME TO THE MOON』はタマネギ)がデスラーの「逢いたかったよヤマトの諸君」「実力だよヤマトの諸君」のものまねをよくやっている。その後テレビアニメ版ではパタリロが作ったアンドロイドのプララ、『パタリロ西遊記!』では三蔵法師もデスラーのまねをした。
  • バラエティ番組『笑う犬の冒険』にて、『デスラー』というコントが放送された。内村光良扮するデスラーがヤマトの乗組員にメッセージを送るが、名倉潤扮する「母ちゃん」が横で掃除をしていたりしているというものである。
  • 涼宮ハルヒの憂鬱』第11話『射手座の日』におけるコンピュータ研究部側の演出(イメージ映像内の部長の扮装など)としてパロディ化された。
  • ベルサイユのばら』アニメ版第35話でカメオ出演している。というのは放送を見ていた当時のファン達の間で非常に有名なネタである。モブの中に一名地球人ではありえない顔色の貴族が(顔全体が青い)いるためである。
  • アニメ版『ケロロ軍曹』では劇中に登場する漫画およびアニメの『ゲロロ艦長』においてデスラーのパロディとしてガミミ総統(声・子安武人)というキャラクターが登場する。ただし外見は『ケロロ軍曹』本編に登場する宇宙人のRグレイに酷似している。
  • 2004年よりプロレスイベント、ハッスルシリーズに登場した高田延彦演じる高田総統はデスラーをモデルとしている[17]
  • 史上最強の弟子ケンイチ』アニメ版第22話では、新島春夫がイメージでデスラーの衣装を着ている。このシーンの映像は最終話EDでも使用された。
  • To LOVEる -とらぶる-』アニメ版第19話では、地底大王国がララによってマグマに飲み込まれた際、国王がデスラーと全く同じ発狂の仕方をしている。

関連商品[編集]

2007年12月20日、バンダイネットワークスは『宇宙戦艦ヤマト』劇場公開30周年記念として限定商品「デスラー総統ワインセット」の受注を開始。2008年3月下旬より出荷された。購入特典として、デスラー勲章及びデスラー総統特製リーフレットが付属する。価格は税込み13,650円で完売した[18]

脚注[編集]

  1. ^ 伊武の代役で一声のみ(「西崎義展Producerがはじめて語るキャラへの熱き想い ヤマトと初恋」『アニメージュ』1982年9月号、p.38)
  2. ^ ANA「旅割」のCM(2006年)および、パチンコ『CR宇宙戦艦ヤマト』(藤商事、2007年)。ANAのCMは放送当時、伊武がJAL提供のラジオ番組JET STREAM」に出演していたため
  3. ^ PCソフト『特打ヒーローズ 宇宙戦艦ヤマト タイピング波動砲』(ソースネクスト、2003年)のみ
  4. ^ 宇宙戦艦ヤマト2199
  5. ^ 「松本零士 夢のANIMATION WORLD」『アニメージュ』1980年7月号、徳間書店、p.48。松本のコメント。
  6. ^ 『コミック・ゴン』第2号、大洋図書、1998年。松本零士インタビューより。ただしガミラス帝国には他にも、「ヒス」「ドメル」「ゲール」など、ナチス・ドイツにおける実在する人名をもじったとも取れる名が見受けられることは事実である。
  7. ^ ニッポン放送オールナイトニッポン宇宙戦艦ヤマト・スペシャル』より
  8. ^ パトリック・マシアス著、町山智浩訳『オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史』太田出版、2006年、p.93
  9. ^ 阿呆生研粋 『誰も知らない人気アニメ&マンガの謎』 コアマガジン、2009年ISBN 978-4-86252-720-2
  10. ^ 石黒昇小原乃梨子『私説・アニメ17年史』大和書房、1980年、p202
  11. ^ Web現代「ガンダム者」取材班『ガンダム者 ガンダムを創った男たち』講談社、2002年、p.66。スタッフだった安彦良和インタビューより。
  12. ^ 劇場版でデスラー機雷のエピソードがカットされたため、タランのセリフのシーンで代わりに出てきた。
  13. ^ 第1作でのデスラー機雷に相当する。
  14. ^ 『2199』での設定のみ。
  15. ^ ドメルが使用した戦法のため、ゲーム版では「ドメル戦法」となっている。
  16. ^ 椅子に座って頭の後ろで手を組み、「あ~あ メラは心優しくていい女なんだがなあ・・・」と愚痴り始め、ヒスが「お察しします総統」と同情の意を表すと、「うるさい~っ!当事者にしか分からんことだ口をだすなっ!!」と激怒して杯をヒスの頭に投げ付け追い払っている。
  17. ^ kamipro』No.135、2009年、エンターブレイン、p.104
  18. ^ 宇宙戦艦ヤマト デスラー総統 ワインセット LaLaBit Market

関連項目[編集]