ヒス

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ヒスはアニメ『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物。声優山下啓介、『2199』では秋元羊介。名前はナチス・ドイツの副総統ルドルフ・ヘスに由来する。

概要[編集]

ガミラス帝国の副総統。ガミラス帝国のNo.2としてデスラー総統を補佐する。主にガミラスの内政面を担当していた。デスラーから公式の席で“ヒス将軍”と呼ばれている所から現役の将官でもある模様。デスラーより年長ながら他の場面では部下の中で唯一“ヒス君”と君付けで呼ばれている。

宇宙戦艦ヤマト[編集]

第4話より登場。第10話までは紫色の肌であり、出っぱり気味で血走った目に険しい表情、短剣を胸に挿した褐色の軍服を着用(漫画版ではこの服装のみ)していた。第11話からは、表情からやや険が取れ、他の将軍達と同じく青い肌に暗緑色の軍服を着用している。

性格は神経質で、デスラー総統の顔色をうかがい新型機雷に総統の名を取って「デスラー機雷」と命名したり、デスラーに追従を交えた報告作業をするなど、巧言令色を使うようなところもあったが、ガミラスの首脳部で早くからヤマトの危険性を感じていたのも彼であった。

シュルツからヤマトのワープ記録がないかとの問い合わせに「ワープの報告などない」と即答していたり、ヤマトを葬るためにバラン星基地を失ったドメル将軍を裁く軍法会議の裁判長として死刑判決を満場一致で評決している所、ガミラス本星決戦で敗北をいち早く悟り和平交渉を進言した事など、決して無能な人物ではない。

ガミラス本星決戦の作戦計画に関して彼の進言は反映されず、デスラー総統の命令によりガミラス本星にヤマトを迎え入れることになる。

当初はガミラス軍優勢に進んでいた本土決戦。戦況が有利と見て、デスラーに「一息入れては」と飲み物を差し出すが、はねのけられ「私は戦争をしているのだよ、副総統。私の一番楽しい時間をくだらん飲み物で邪魔しないでもらおう」と退けられる。

しかし、濃硫酸の海に潜水し、地殻内部の海底火山脈を波動砲で射ち抜くというヤマトの乾坤一擲の戦法により形勢は一気に逆転。これ以上の戦いはガミラスの自殺行為と理解しヤマト・地球との和平交渉を必死にデスラーに直訴するも、デスラーはそれを拒否しただけでなく、彼を射殺した。

宇宙戦艦ヤマト2199[編集]

リメイク作品である本作では「レドフ・ヒス[1]」というフルネームが設定され、肩書も「大ガミラス帝星副総統」に変更された。また、年齢も地球年齢換算で54歳相当と設定されている。『宇宙戦艦ヤマト』では“将軍”と呼ばれ軍人であることが明示されていたが、本作では軍人ではなく内務省出身の官僚に変更されている。容貌に大きな変更はないが、軍人ではないことから暗緑色の軍服ではなく、褐色の制服を着用している。

ガミラス首脳部のNo.2で植民惑星の管轄などの内政面で帝国の国家運営を支える優秀な官僚である。ガミラス建国一千年記念祭の総統パーティーでは「閣僚を代表して」祝意を述べており、彼の副総統という地位は筆頭閣僚に相当することがうかがえる。しかし、デスラーの顔色をうかがうその態度から、周囲からは「総統府の茶坊主」などと陰口をたたかれ、軽蔑されることが多い。宣伝情報相セレステラのみならずデスラーの女衛士たちからさえ見下されており、デスラーからも軽んじられている。版図拡大政策を続けるゆえ軍事面が強い国家体制であるために、実権はほとんどゼーリックやギムレーに握られており、ヴェルテ・タラン軍需国防相からは「副総統はお飾り」と評されている。

劇中では、ヤマト問題の発覚によって惑星オルタリアを含む各植民惑星で反乱が起こり続ける中、内政面を専門とする官僚ながら有効な打開策を打ち立てる間もなく、ギムレー率いる親衛隊によって惑星オルタリアを反乱を起こした民族主義者や無関係な一般人ごと焼き尽くされるという強引な「反乱鎮圧」をされてしまったり、ゼーリックによるデスラー総統暗殺の陰謀には関与していなかったものの、彼の偽情報に騙されたままドメルに本土へ直ちに出頭するよう命を下し、ドメルを無実の罪で裁く陰謀劇に図らずも加担してしまったり[2]するなど、徹底的に不遇な立場を強いられた。さらに、ドメルを出頭させたことで、彼が交戦していたヤマトを撃沈する好機さえも奪ってしまい、反乱鎮圧後も3ヶ月間の主力艦隊不在を考慮に入れずデスラーに祝辞を述べるなどの失言をしたりもした。

しかし、先述の通り政治家としての腕は確かなものがあり、第23話においてデスラーが第二バレラスの633工区を分離させ、バレラスに落とそうとした際には迅速に対応し、バレラス市民に対し避難命令を発した。そして私欲のために国民を犠牲にしようとするデスラーのやり方に対し、怒りを露にして「これが指導者のすることか、デスラー!」と敬称もつけず罵倒した。逃げ惑う臣民に突き飛ばされ気を失っているヒルデ・シュルツを抱きかかえて助ける等、心優しい一面も見せている。その後、ヤマトの波動砲によって633工区は破壊され、九死に一生を得た。

その後、スターシャと交信し、デスラーが死んだこと(実際には生き延びていた)や、地球にはもう何の執着もないことを伝えた。そして最後にガミラスを救ったのはイスカンダルが禁忌とする波動エネルギーを転用した兵器であることも付け加え、地球をフォローする姿勢を見せた。

デスラー失脚後は、ディッツとともに帝国を束ねている模様。

旧作では死亡した人物であったが、本作では薮助治同様最後まで生き残った人物となった。

Star Blazers[編集]

米国放映版での名前はクリプト(Krypt)。米国内での暴力描写規制の為、本来ならデスラー(米国名はデスロック:Desslok)に射殺されたはずのシーンの次に登場しており、処刑はされていない。しかし崩壊した総統府司令部での生存者はデスラー一人であった為、司令部崩壊の折に死亡したものと思われる。

漫画版[編集]

ひおあきらの漫画版ではデスラーに面従腹背する野心家で、バラン星陥落の責任をロメル(アニメ版のドメルに相当)になすりつけて更迭し、腹心のゲル(アニメ版のゲールに相当)と共にデスラーを暗殺して総統の地位につこうとするが失敗し、ゲル共々銃殺される[3]

脚注[編集]

  1. ^ 第6話のエンディングでは「レフ・ヒス」と誤表記されている。
  2. ^ ゼーリックによる陰謀はセレステラによって把握され、デスラーには報告されていたが、ヒスには報告されなかった。
  3. ^ ドメル失脚とデスラー暗殺未遂事件のエピソードは、元々52話予定だったアニメ版の後半に登場する予定だったが26話に短縮された為、ハーロック(古代守)登場シーンと同じく漫画版でのみである。