シュルツ (宇宙戦艦ヤマト)

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シュルツは、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物。声優大林丈史(『宇宙戦艦ヤマト』。第6話のみ加藤和夫)、島香裕(『2199』)。

概要[編集]

ガミラス帝国冥王星前線基地の司令官として地球移住計画を第一線で指揮し、ヤマトの前に立ち塞がった最初のガミラス人。副官はガンツ

前頭部から後頭部まで禿げ上がった白髪頭が特徴の初老。

旧作やその劇場版では皮膚が肌色(ガンツやその他の部下も含む)であるが、PS用ゲーム『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル』では青色となっている。この変更についての詳細は、ガミラス帝国#ガミラス人を参照。

なお、『遥かなる星イスカンダル』では容姿の酷似したコルサックという兄が登場する(ゲームオリジナルキャラクター)。

宇宙戦艦ヤマト[編集]

遊星爆弾地球を攻撃し、地表に放射能を充満させ、人類滅亡まで1年を切るところまで追い込む。しかし、イスカンダルスターシャによって地球に波動エンジンがもたらされ、ヤマトが旅立つ。これは、ガミラス優勢のうちに進んでいた戦況を一変させるものであった。

地球の宇宙船として初めてワープに成功しただけでなく、木星の浮遊大陸を波動砲の一撃で粉砕したヤマトを目の当たりにし、ガミラス星のヒス副総統へ早急な対策を具申するが相手にされず、さらに地球人類を「未開の野蛮人」として歯牙にもかけないデスラーに「勝利の報告以外は受け付けない」と言われ、止むを得ず基地単独で戦うことを決意する。

冥王星前線基地の最大戦力である反射衛星砲を使う作戦を立案するが、反射衛星砲は波動砲より威力が勝る一方で射程は短いため、冥王星へヤマトをおびき寄せて攻撃した。反射衛星砲の直撃によってヤマトを海へ追い落とすなど撃沈寸前まで追い詰めたが、あと一歩のところで過信が油断を生んでしまい、決死の覚悟のヤマトによって反射衛星砲はおろか冥王星前線基地までも失うことになる。自艦のシュルツ艦でかろうじて脱出には成功したものの、デスラーには戦線離脱や逃亡と捉えられて帰還を許されず「戦って死ね」と命令され、完全に退路を断たれる。

その後は残存艦隊でアステロイドベルト[1]に潜み、補修中のヤマトへ最後の決戦を挑んで包囲することには成功したものの、真田志郎の発案によるアステロイドシップ計画によって砲撃を食い止められる。

進退窮まったシュルツは、ヤマトが修理を完了して波動砲を使用してくる前に刺し違えて武名だけでも残そうと決意。「我らの前に勇士なく、我らの後に勇士なしだ」という演説でガンツや部下たちを奮い立たせて全艦特攻を敢行する。

しかし、残存艦隊は反重力を切ることで開放されたアステロイドへ衝突して次々に沈み、シュルツ艦もヤマトから撃ち込まれたロケットアンカーに遠心力で振り回され、小惑星へ衝突する。こうしてシュルツとガンツは、爆発する自艦ごと壮烈な戦死を遂げた[2]

宇宙戦艦ヤマト2199[編集]

『宇宙戦艦ヤマト』(以下、旧作)のリメイク作品である本作では、旧作と同様に冥王星前線基地司令官として登場するが、階級は大佐、植民惑星ザルツ出身の二等ガミラス人で、自身が旅団長を務める空間機甲旅団は全員二等ガミラス人で構成されており、元々はガンツ等と共にドメルの部下だったという設定に再構築されている。これらは、旧作当時の肌色もそのまま再現したいと考えた総監督の出渕裕により、「ガミラスが植民地化した他の惑星の住民を二級市民として取り立てている」という設定が追加されたためである。

容貌に大きな変更はないが、「ヴァルケ・シュルツ」というフルネームが設定されている。既婚者であり、ライザ・シュルツという妻や、ヒルデ・シュルツ(声 - 三浦綾乃)という娘がいる。また、ヤマトへ「我々と同じ(二等ガミラス人としての)生き方もあっただろうに」と同情を寄せたり、ヒルデからのビデオレターを見て笑みをこぼすなど、旧作よりも性格付けが深く掘り下げられている。

ヤマトを反射衛星砲で迎え撃つまでは旧作と同様であるが、それ以降は旧作と異なり航空隊と艦砲射撃の反撃を受けて基地と共に艦隊まで失ってしまい、艦隊特攻さえ果たせぬまま自艦シュバリエルでかろうじて脱出する。

その後、デスラーの立案によるヤマト撃滅作戦実行の機会を与えられ、ガス生命体を仕込んだデスラー魚雷をヤマトへ発射し、ヤマトを恒星グリーゼ581表面の炎の海へ追い込むことには成功するが、ガス生命体がグリーゼ581を同化しようとして逆に飲み込まれ消滅、上官ゲールから全責任を転嫁される。

シュルツはヤマトに最後の突撃をかけるが、ヤマトは前方に発生したフレアを波動砲によって撃ち抜き突破。シュバリエルはそのフレアを避け切れず、炎に巻かれて爆沈する。皆が「ザルツ万歳」と叫ぶ中、シュルツは妻と娘のことを想いながら散っていった。

なお、デスラーはヒスを通じて、この戦いの戦死者への2階級特進と、遺族への名誉ガミラス人の称号付与を指示している。

コミック版によるとガンツ、ヤレトラー等から父のように慕われているとある。

小説版では、内容が完全にヤマト側(地球側)の視点で書かれているため直接の登場はない。アニメ版同様メ2号作戦で敗走した後、グリーゼ581星系においてヤマトへガス生命体が封入された魚雷による雷撃を行う冥王星基地所属艦隊旗艦が登場する。

ヤマトへの雷撃の後の行動はアニメ版と異なっており、ヤマトの追尾は行わずワープで宙域を離脱する。その後、グリーゼを突破したヤマトを追撃するため、ヤマトの正面に向けてワープするが、星系に張られていたプラズマフィラメントを強引に突破してきた影響により艦体各所がひどく損傷し、すでにまともに戦える状態ではなかった。

そして逃げるよう促すヤマト側の通信に対し「バカメ」と返信し、旧作のようにヤマトと刺し違えるべく体当たりを敢行。ヤマトから爆沈してもおかしくないほどの全力砲火を浴びながらも、執念でヤマトの眼前にまで迫るが、衝突直前にロケットアンカーを叩きつけられたことにより軌道をそらされてしまい、ヤマトの至近を通過した後、機関が臨界を越えて爆沈した。

脚注[編集]

  1. ^ 本作では、第10番惑星のなれの果てという設定。
  2. ^ 劇場版アニメでは冥王星前線基地から脱出できず、運命を共にした。