森雪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

森 雪(もり ゆき)はアニメ宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する架空の人物。

概要[編集]

2181年9月9日生まれ。宇宙戦艦ヤマト唯一の女性クルー[1]。生活班長兼レーダー手[2]で、クルーの健康管理&生活環境維持に気を配るほか、医務室においては佐渡医師を補佐する優秀な看護師であり、なおかつ日常は第一艦橋でコスモレーダーの監視手も兼ねているというオールラウンダー。

佐渡酒造に「大美女」と評されるほどの美貌の持ち主であるが、その性格は勝気で男勝り。髪はセミロングの茶髪だったが、後年の作品では金髪(黄色)になっている。

就寝時は黒の下着にシースルーのネグリジェを着用している模様[3]

ヤマト乗艦以前は防衛軍司令部病院で看護師を務めており、後にイスカンダルへの航海を通じて次第に想いを寄せるようになるヤマト戦闘班長古代進と初めて出会う。また、彼女に一方的に懸想し、恒常的セクハラに悩まされている分析ロボットアナライザーとは、この頃からの腐れ縁。

イスカンダルから帰還後は、地球防衛軍司令長官藤堂平九郎の秘書官[4]としての職務にも就いている。

容姿が、イスカンダルのスターシャの妹であるサーシャに酷似している為、遺体を埋葬した古代や島から驚かれ、イスカンダルに到着した際にもスターシャ本人ですら間違えて、「どうして連絡してこなかった」と言われる程(実際には髪の毛の色と長さが違う)。

初期設定名は「森木雪」。

担当声優・女優[編集]

声優

女優

宇宙戦艦ヤマト[編集]

当初は、どちらかと言うと精神的に未成熟な古代や島たちを叱咤激励するお姉さん的振る舞いを見せていたが、航海途上で古代進を異性として意識するようになり、人知れず願い星に恋の成就を託すなど歳相応(一作目の設定上では18歳)の可憐な少女らしさを随所で見せるようになった。

自分も含めたクルーの精神健康管理に献身的なまでの情熱を持ち、正月には艦長に餅つきを提案したり、時には自分であつらえたと思しき前世紀風ドレスで即席ファッション・ショーを演出したりした。

彼女のいれたコーヒーは不味く、それを飲んだ島に「いつまでたっても美味くならないなあ、生活班長さま」と不評だった。

イスカンダルを出発する際、スターシャが、救助し治療した古代守を愛している事を見抜き、守への愛を諦めようとしたスターシャに「運命を受け入れるだけでは愛は実らない」とアドバイスし、二人を結びつけるきっかけを作る。

最終話でデスラーが仕掛けてきた白兵戦において、放射能ガスから古代の命を救いたい一心で、工場長の真田志郎の制止を無視して、テスト未了の放射能除去装置を起動させた。その際、同装置の初期不良に絡んだ酸欠空気に晒されて、いったんは死亡したと思われ古代を絶望させるが、地球帰還と言う本懐を遂げて絶命した(と、思われた)沖田艦長の命を受け継いだかのように蘇生。古代の腕に抱かれて、想いを遂げることになった。

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち[編集]

古代と婚約しており、結婚式まで3日と迫っていたが、テレサのメッセージを確かめるべくヤマトが無断発進することになり、結婚式は事実上延期になる。地球に残ったかと思われたが、こっそりヤマトに乗り込んでおり、佐渡のところにいた。自分もヤマトの乗組員であると言って古代と抱き合い、再びヤマト生活班長の任に着く。

デスラーとの戦いにおいて、彼を狙撃しようとしたミルの銃撃から古代を庇って重傷を負う。その後、治療後に手負いのままレーダー手を務めるがその後被弾した際の衝撃と機器からの放電を受けブリッジで戦死した。

後に古代の胸に抱かれて、満身創痍のヤマトと共に白色彗星帝国超巨大戦艦に特攻する。

宇宙戦艦ヤマト2[編集]

防衛軍中央病院看護婦を務めている。『さらば』とは異なり、古代との婚約は不明で、結婚の予定もない。又、ミルに撃たれる事もなく、最後まで生存している。

古代の事で形振り構わず暴走する事が多くなり、デスラー艦での白兵戦ではその暴走で、彼女をかばった島を爆発に巻き込み、宇宙漂流に遭わせた。

宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち[編集]

生活班長としての職務を引き続き担っている。

新人の育成に苦悩する古代を励まし、島から仲の良さを茶化される。

ヤマトよ永遠に[編集]

藤堂の秘書官として防衛軍司令部にいたが、藤堂の指令書を持って、古代たちと合流。地球にいたヤマトクルーたちをイカルスへ脱出させるために、大統領脱出用高速艇倉庫へ案内したが、発進口を開けるためにコントロールルームに引き返し、侵入してきた敵兵の攻撃を受け負傷したため、一人地球に取り残されてしまう。

本来ならば収容所送りになるところをアルフォン少尉に保護され、求愛される。敵の爆弾の秘密を探るべく敢えて少尉の申し出を受け入れようとするが、本心を見抜かれパルチザンの元へ戻るよう促される。あらためてパルチザンとして彼と対峙し、勝利をおさめて起爆装置を解体し、古代の帰りを待つ。

本作では自ら地球軍パルチザンの一員として、対暗黒星団帝国ゲリラ部隊を率いて奇襲攻撃を展開、重核子爆弾の占拠と起爆装置解体に活躍するなど、優れた戦闘能力を見せている。

宇宙戦艦ヤマト 完結編[編集]

序盤ではヤマトに乗艦しておらず、地球防衛軍司令部にいた。ヤマトが自動操縦で帰還して来た際、古代が死んだと思い、彼の銃で自殺を図ろうとして、直前に真田に止められる。その後は連邦中央病院で古代の看病を付きっきりで行っていた。

ヤマトがアクエリアスのワープを阻止するべく発進する際には、再びヤマトに乗り込む。

終盤で沖田が自身を犠牲にしようとすることに悲しんでいたが、古代に諭され、冬月の展望室からヤマトに向かって敬礼をしていた。エンディングで古代と結婚した。

本作では、艦内服が黄色から白色へ変更されている。

宇宙戦艦ヤマト 復活篇[編集]

『完結編』で古代と結婚したため、名前が「古代雪」となっている。22歳の時に一人娘の美雪を産んでいるものの、夫の進とは別居状態になっていた。美雪は進を非難していたが、雪は夫を誰よりも理解しており、彼への手紙の内容からもそのことが見て取れる。

西暦2220年の38歳の時、惑星アマールの衛星への移民計画の第1次移民船団の責任者に任命されるも、SUS艦隊の襲撃を受け行方不明となる。

宇宙戦艦ヤマト2199[編集]

宇宙戦艦ヤマト』(以下、旧作)のリメイク作品である本作では、船務科(旧作の生活班の一部の部門と通信班を合わせた科)所属の船務長という立場になっており、旧作のように主計科(旧作の生活班)を兼任はしていない。情報・電測・船体消磁・通信・暗号・航空管制・電子機器整備等を統括。旧作において森雪が担当していた生活班の役割は、それぞれ平田一(炊事部門)と原田真琴(医療部門)に分担された。また、本作は職務に三交代制が導入されており、レーダー手の交代要員として、岬百合亜と西条未来がいる。

階級は一尉(一等宙尉)、2180年12月24日生、年齢は19歳[5]。ヤマト乗艦以前は司令部の幕僚作戦部9課所属の三尉であった。容姿に関しては、髪は色が明るい栗色で、長さがロングに変更されている。旧作同様、その容姿はスターシャの妹、サーシャに似ており、さらに末妹のユリーシャとはほとんど瓜二つである。

ヤマト発進直前に艦橋でメッセージカプセルに向かって「必ず帰ります」と囁いており、古代が現れるとそのカプセルを隠している[6]。このカプセルにはスターシャがユリーシャに宛てたメッセージと、土方が雪に宛てたメッセージが記録されている。

1年前、ユリーシャとともに事故ないしテロに巻き込まれ、ユリーシャは意識を失い、雪は記憶喪失になる。その後の1年間は土方に保護され育てられていた。経歴書によると、家族に土方の友人で外務次官を務める父・直之と母親がいたが、1年前に死別している[7]

初めての出会いで古代が南部に示した乱暴な態度や、乗艦時に艦橋であいさつした古代が失礼であったことから、そっけない態度をとっていたが、エンケラドゥスでの戦闘でガミラスの攻撃から助けられて後は態度が軟化しており、さらにその後は好意とも取れる言動となり、山本と古代が共に作業しているのを寂しそうに見つめている。

古代に航空機の操縦を教わっており、古代と共に哨戒任務に出た時は乗機を操縦したがった。

七色星団海戦の最中、ヤマトに潜入したガミラスの特務部隊によってユリーシャと取り違えられて拉致され、デスラーの身辺に送り込まれた。

森雪を拉致したノラン・オシェット伍長は、その正体が地球人であると把握しているが、ガミラス移送までの経緯から個人的に崇拝に近い気持ちを抱き、その正体にかかわらず雪を守るのが自分の任務であると明言する。デスラー陣営も正体は見抜いているが、政治利用出来れば真贋の程を問わぬデスラーの方針に沿い、森雪はイスカンダルの第三皇女ユリーシャとして遇される。

ヤマトの総統府突入後は脱出しようとするが、その前に雪とノランを乗せた状態でデウスーラII世が発進してしまう。その後、デウスーラII世の第二バレラス到着後に脱出するが、逃げようとはせず、第二バレラスにあるデスラー砲の制御室に行き、波動コアを暴走させ、自分ごと爆破しようとする。その後、ノランに銃で脅され、制御室から追い出されるが、その後ノランの手によって第二バレラスは爆発。雪は救出に来た古代との再会を果たす。

イスカンダルでスターシャに謁見した際には、旧作同様サーシャと間違われた。ユリーシャとの絆を深め、出航間際にイスカンダルの花「碧水晶」をもらった。

復路においての白兵戦では、セレステラの自殺を止めようとして、彼女ごと撃たれ、瀕死の重傷を負う。現状維持のため自動航法室に入るも、一瞬目を覚ました直後に死亡する。しかし、悲しむ古代進の姿を見た古代守がコスモリバースシステムを起動し、息を吹き返した。

また、地球帰還時に航路作成室でコーヒーを入れる場面があり、旧作同様に不味く、島と航海科の林に不評であった(林はコーヒーを吹き出している)。

雪のはっきりとした素性は劇中では明かされなかったが、「公式設定資料集[EARTH]」などの資料では地球人であると明言されており、ユリーシャと容姿が似ているのも偶然とされている。

SPACE BATTLESHIP ヤマト[編集]

本作では、ブラックタイガー隊所属のパイロットとなっている[8]

性格はアニメ版以上に男勝りで気性が荒く、腕っ節もかなり強い。

古代に憧れて入隊したが、ほぼ同時に古代が除隊して、火星星会戦に参加しなかったため、当初は強く反発していた。しかし、木星域での戦闘で被弾した際に古代が命がけで助けに来てくれたことや、古代が除隊した経緯を聞いたことにより、反発心は鳴りを潜め、やがて彼に惹かれていく。

ガミラス・イスカンダル星への突入作戦において、スターシャと同化し、彼女自身が放射能除去装置となる。

名前の由来[編集]

森雪の由来は、松本零士にファンレターを送っていた岡山の音大生・森木深雪から、間の漢字を削ったもの。松本零士はインキンタムシに悩まされていたが治療薬によって改善した。「こんなに良いものならもっと知らせなければ」とその治療薬を自分の漫画に頻繁に登場させるようになった。それを森木の交際相手が使ったところタムシが治ったため、「彼がすっかり元気になりました」と松本零士に御礼の手紙を送って以来、ファンレターを松本零士にたびたび送るようになったという[9][10]

付記[編集]

松本零士の女性キャラとしては髪が短い。大半のキャラが地面に付くほど髪が長いのに対して、彼女は肩にかかるくらいのセミロング。「完結編」以降のゲームや「2199」等ではロングになったが、それでも松本キャラとしては短い髪といえる。

第一作においては両親が登場するが、『新宇宙戦艦ヤマト』に登場する子孫は両親が死んでしまったことになっている。

『宇宙戦艦ヤマト2199』では、ほとんどの登場人物の出身地が設定・明記される中、なぜか森の出身地は示されていない。

脚注[編集]

  1. ^ 作中では他の女性乗組員も描かれたシーンが存在するが、『宇宙戦艦ヤマト画報』(2001年、竹書房)には「第10話以降、森雪以外の女性非戦闘員は冷凍睡眠下にあるという設定」とある。加えて小説版などではヤマトは極秘の移住計画用の「箱舟」で、地球人類の子孫を残すために女性乗組員も複数確保されていたが、スターシャからコスモクリーナーの存在を知らされ急きょイスカンダルへの旅に目的変更した、という設定も散見される。
  2. ^ 自己紹介では「調査分析、生活関係のチーフリーダー」。
  3. ^ 就寝前に本を読んでいたところ、ドメルの策略によって錯乱した相原が宇宙服一つで船外へ飛び出し宇宙遊泳している姿を自室の窓から発見し、慌ててネグリジェ姿で廊下へ飛び出し古代と島に出会った。
  4. ^ 『さらば』において、医務室で古代に身分を訪ねられたときには地球防衛軍科学局生活部に所属と語っている。
  5. ^ しかし、2180年末の生まれだと、劇中時代ではまだ18歳のはずである。
  6. ^ 第14話では、ユリーシャから託されたものである描写がある。しかし、この描写はミレーネル・リンケによって作り出された幻影の中のことであり、全てが真実であるかは不明。実際、雪自身は何故自分がユリーシャのカプセルを持っていたのか覚えておらず、幻影の中の描写との間に齟齬がある(幻影の中では記憶喪失の後に渡されている)。
  7. ^ ただし、雪本人に記憶がないため、経歴が全て本物であるかは不明。
  8. ^ 松本零士の原案では古代進の部下で、調査分析専門の科学者兼偵察部隊所属のパイロットとなっている。
  9. ^ テレビブロス 平成22年8月7日号「全駅停車! 銀河鉄道999 大特集」における松本零士コメントより
  10. ^ 漫画家・松本零士さんインタビュー(2)自分の思い しっかり伝えるにおける松本零士コメントより