南部康雄

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南部 康雄(なんぶ やすお)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の登場人物。声優山下啓介(『宇宙戦艦ヤマト[1])、林一夫(『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』から『宇宙戦艦ヤマト 完結編』まで)、赤羽根健治(『宇宙戦艦ヤマト2199』)。実写映画版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』での俳優矢柴俊博

基本設定[編集]

ヤマトの戦闘班・砲術補佐(砲術科チーフ)。劇中で明確に「副班長」とは呼ばれていないものの、事実上は古代進に次ぐ砲術系の責任者かつナンバー2であり、後年の資料やゲーム上の設定では明確に「副班長」と表記されているものも存在する。その他に「砲術長」「砲術班長」などとも呼ばれている。

黒の太いフレームの眼鏡ひおあきらの漫画版では黒のサングラス)を掛けた顔立ちに、耳が見えないほど襟足を伸ばした髪型(要は古代とほぼ同じ髪型)など温厚そうな容貌[2]。積極的に前に出て意見を言うような描写は殆どなく、行動的な古代の副官として沈着冷静かつ控えめに黙々と仕事をこなす。しかし、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』以降は大声で叫んだり驚くなど、感情を露わにする描写が多くなった。

『宇宙戦艦ヤマト』から『宇宙戦艦ヤマト 完結編』までのシリーズ全作を通じ、航海班レーダー科チーフの太田健二郎と並んで固有のエピソードやその個性を発揮する局面はほぼ皆無である。また、古代より射撃の腕は上という設定も存在するが、新人の北野哲土門竜介ですら撃っている波動砲については、『完結編』以前のシリーズ作品では1回も撃っていない。

物語の本編内では明確に語られていないが、南部重工業公社の御曹司という設定が存在する。

劇中での活躍[編集]

宇宙戦艦ヤマト
太田、通信班長の相原義一ブラックタイガー隊隊長の加藤三郎とともに、ヤマトの中堅を支える4人の1人。戦闘班長の古代の補佐役も務めており、砲術の腕前は彼より上である。また、古代がブラックタイガーを率いて第一艦橋を離れる際は、彼に代わって砲術の指揮を取る。普段は第一艦橋左舷の射撃管制席に着いているが、第一主砲塔で射撃指揮を執ることもある。
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
島と共に輸送艦隊勤務をしていたという設定になっている。古代の呼びかけに共鳴し再度ヤマトに乗り込む。敵の突然の奇襲攻撃に対して真田が瞬間物質移送機の名を出した際、真っ先に「デスラー戦法」と評した。なお、デスラー戦法の名が最初に発せられたのはこの時である。
宇宙戦艦ヤマト2
古代の決起に際し相原、太田達と共にヤマトに馳せ参じ旧任務に就いた。途中より乗り込んだ空間騎兵隊の傍若無人ぶりに対し「ぶん殴って放り出せ」と強気な態度も見せる。超巨大戦艦よりの砲爆時に主砲塔内で被害状況を調べていた際、超巨大戦艦の砲撃による誘爆で吹き飛ばされて以降、負傷者としても描写が無かったため多くの視聴者に戦死と誤解[3]されることとなった。
宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち
白色彗星帝国戦での負傷が癒えて退院後、訓練学校卒業生の新人である北野哲や砲術班員らの指導を担当した。
ヤマトよ永遠に
ゴルバ型浮遊要塞戦において、防護服を着用して第一主砲塔内で新兵器波動カートリッジ弾の射撃を指揮し、ゴルバを全滅させる。
宇宙戦艦ヤマトIII
艦長代理兼戦闘班長だった古代が艦長に就任した後、自らは引き続き砲術部門の責任者を務める。第11話では第一主砲塔のキャップである坂巻浪夫から「砲術班長」と呼ばれており、彼らを配下に指揮を執るなど、相原や太田とともに引き続き中堅を支える。地球防衛軍との通信時に藤堂晶子と秘密の押し花を見せ合う相原を軽口でからかうシーンもある一方、以前に増して血気盛んな発言も散見された。
宇宙戦艦ヤマト 完結編
砲術部門の責任者として、艦長に復帰した沖田、戦闘班長に戻った古代の元で任務をこなす。
SPACE BATTLESHIP ヤマト
砲術部門の責任者として古代を補佐する。原作とは容貌が異なり、銀縁眼鏡の短髪。やや気弱だが優秀な部下であり、最終決戦ではヤマトに残って敵もろとも自爆するという古代の考えにいち早く気づく。結果的には古代に諭され、島大介森雪らとともに退鑑して地球へ帰還する。
宇宙戦艦ヤマト2199
『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作である本作では二尉(二等宙尉)の階級を持つ戦術科士官であり、砲雷長を務める他、古代の不在時は交代要員として戦術長席に着き即応指揮を執る。東京都出身。年齢は21歳。短髪で整った顔立ちや銀色の眼鏡フレームなど、容貌は他の中堅3人と比べると眼鏡以外は古代と区別が不明瞭であった旧作の容姿から大きく変更された。
「南部重工の御曹司」という設定が明確化され、両親との会話には敬語を使うほどであるが、本人に会社を継ぐ気はない。ヤマト計画の選抜メンバーに選ばれた際には両親の猛反対を押し切って乗艦した。太陽系赤道祭での両親と交信の際にも父と後継ぎの件で喧嘩してしまった上に母からは見合い写真を見せられるが、拒否する。しかし、両親のことを嫌っているわけではない模様で、母から必ず帰るよう懇願されて交信を終えた後に許しを乞うている。
ヤマト乗艦前は雪と同じく司令部勤めで彼女に恋心を抱いており、「心に決めた人」とまで言っている[4]。そのため、古代と雪が偵察中に行った痴話喧嘩のような会話を通信回線を介して聞いていた時はかなり苛立ちを募らせていたが、ビーメラでの騒動の際には雪が古代に想いを寄せていることを知って失恋する。片想いとはいえその愛情は深く、その後も雪がクルーのほとんどからイスカンダル人と思われていたときは懸命に庇っていた。また、イスカンダルとガミラスを前にしての作戦会議では、戦術作戦案の最後の項目に雪の救出を加えている。後半では古代と雪の関係を多少認めている節があり、古代が雪の救出任務についた際には彼に代わって戦闘指揮を引き受けた。地球への帰還時には雪への失恋に納得したことがうかがえ、母から送られた森田製薬令嬢の見合い写真を食い入るように見ていた[5]
木星宙域における試射で目撃した波動砲の想像以上の猛威に第一艦橋の面々が絶句している中で唯一歓声を上げる、メ2号作戦に際しての会議で所在の判らないガミラス基地を波動砲で冥王星ごと吹き飛ばすことを具申する、航空隊長の加藤に面と向かって艦載航空隊の必要性を否定するなどのヤマトの武装に依存したやや浅慮で軽率な面が描かれている。
七色星団海戦では「大砲屋」を自認し、敵艦隊内での特殊削岩弾砲撃を成功させている。ガミラス本星戦では、シリーズで初めて波動砲の発射を担当。バレラスへ落下してくる第二バレラス633工区を破壊し、バレラスの市民を救う。発射の際には緊張で震え、発射後にはぐったりと伸びた後ろ姿が映っている。
コミック版では、ヤマト乗艦以前に宇宙へ出た経験がないという設定になっている。古代への自己紹介で自身を「優秀」と評するなど自信過剰な一面を見せる他、赤道祭での交信で母を「ママ」と呼ぶなどマザコン調の一面も見せる。

南部重工について[編集]

南部康雄の実家である工業会社。ヤマトの主砲やコスモガンの製造を行っており、主砲塔内には銘板も存在する。 上述の通り、劇中では康雄が御曹司であるという描写は全くと言っていいほどなく南部重工自体も登場しないため、資料上のみの存在であり、事実上裏設定となっていた。しかし、後年の作品では明確に描写されるようになっており、ゲーム版では南部重工の所有するドックでヤマトの修理なども行っている。

『宇宙戦艦ヤマト2199』では、「南部重工大公社」という名称で登場する。経営者は康雄の父である南部康造。世界有数の大手軍需メーカーであり、関連企業に戦艦キリシマなどを建造した「南部造船」や、ヤマトの主砲の三式融合弾の時限信管などを製造した「南部火工株式会社」などが存在する。ヤマトの建造にも深く関わっており、劇中では上述の三式弾を始め、ヤマト艦内の至るところで関連企業の銘が見られる。 政府との関係は強く、康雄が実家の筋から政府の極秘情報を手に入れることもある[6]

なお、ガミラスとの戦争下において、資本主義経済は破綻しているが、南部重工は未だそれに拘っている模様。

脚注[編集]

  1. ^ ただし、第3話では緒方賢一、第13話では野村信次が担当している。
  2. ^ 結城信輝は「昔のモブキャラでは普通だった、主人公の味を抜いたみたいな感じの絵柄」「『劣化した古代』みたいなデザイン」と述べている(「宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[Earth<アース>]」(マッグガーデン)、P255)。
  3. ^ 『新たなる旅立ち』に先だって発行されたオフィシャルファンクラブ会報のQ&Aコーナーで「死んでない」と明言された。
  4. ^ 声を当てた赤羽根健治曰く「自分が相手を好きだから相手も自分を好きに違いないと思い込むタイプ」とのことである。
  5. ^ このシーンは、テレビ放送版ではカットされた。
  6. ^ コミック版において、メ号作戦が陽動であったという情報を聞いている。