古代守

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古代 守(こだい まもる)は、アニメ宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の登場人物。声優広川太一郎、『宇宙戦艦ヤマト2199』では宮本充、実写映画版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』での俳優は堤真一

概要[編集]

古代進の兄。2171年生まれ。ガミラスとの戦闘時は沖田十三率いる地球艦隊所属のミサイル艦「ゆきかぜ」艦長。『ヤマトよ永遠に』では地球防衛軍先任参謀。真田志郎とは同期で親友。名前の元となったのは、松本版『光速エスパー』の主人公・古代すすむの育ての親・古代博士の亡くした息子・古代まもる

宇宙戦艦ヤマト[編集]

西暦2199年、冥王星宙域での会戦で、護衛隊長としてミサイル駆逐艦に搭乗、艦隊司令沖田十三の撤退命令を、「ここで逃げたら死んでいった者に顔向けできない」として拒否し、ガミラスの艦隊に特攻をかけた[1]。その際、「明日のために今日の屈辱に耐えるのが男だ」と言う沖田に対し、「一つでも多くの敵を倒して死んでいくのが男だ」との思いを語っている。この時ガミラスの捕虜になるが、途中収容された艦が事故に遭い、イスカンダルの女王スターシャに救助される。怪我と宇宙病で「死体同然」の病状から、イスカンダルの高度な医療技術とスターシアの献身的介護によって回復した。ヤマトに同乗して地球へ帰還する予定だったが、スターシャの愛の告白を受け、彼女と共にイスカンダルに残る。

当初公開されたテレビ版再編集の劇場版アニメ映画『宇宙戦艦ヤマト』ではスターシャは死亡している設定であり、古代守がスターシャに助けられてイスカンダル星で生きていたという部分はカットされていた。

宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち[編集]

スターシャと結婚。長女サーシャをもうける。妻子と共にイスカンダルから脱出しようとするが、スターシャは自らの意思でイスカンダルの自爆に向かい、守とサーシャだけがヤマトに収容された。

ヤマトよ永遠に[編集]

前作でイスカンダルから地球へ帰還した後、サーシャを真田へ預けて自身は地上任務に就いていたが、暗黒星団帝国に地球を占領された際に負傷し、捕虜となる。地球防衛軍長官の藤堂平九郎を逃がそうと、処刑される直前に隠し持っていた爆弾で自爆し、死亡した。この展開は、担当声優の広川太一郎から苦言を呈されている。

宇宙戦艦ヤマトIII[編集]

守本人は登場しないが、第20話でファンタムへ降り立った真田志郎の前に、スターシャと共に幻影として登場するシーンがある。

宇宙戦艦ヤマト2199[編集]

宇宙戦艦ヤマト』(以降、「旧作」)のリメイク作品である本作では磯風型突撃宇宙駆逐艦3番艦DDS-117「ユキカゼ」艦長であり、階級は三佐(三等宙佐)となっている。

西暦2199年1月、「メ号作戦」に参加する。先遣艦を務めて艦隊とは別行動を取っていたために難を逃れ、海戦終盤に艦隊に合流して旗艦「キリシマ」を救う。その後、撤退を開始したキリシマから敵の目をそらすべく沖田の命令を無視して敵艦隊の中に突撃したが、敵艦の砲撃によりユキカゼのドロップタンクは爆発し、消息を絶つ。ヤマト発進後、土星の衛星エンケラドゥスに不時着したユキカゼが発見されるが、守の遺体はなく生死不明となった。沖田と共に地球へ生還すればヤマトの戦闘指揮を担当するのは守の予定だったことが、生還後の沖田の台詞で明かされている。

2193年の第二次火星沖海戦には新米の砲雷長として参加していたが、この時点の守はまだ防衛大学を卒業する前の学生であった。

旧作では守の信念に関する他のゆきかぜクルーの心情、自分の信念のためにクルーを巻き添えにする守の心情が一切語られなかったが、本作では副長の石津をはじめとするクルー一同が間接的ながら守の決意に同意を示したり、守がクルー一同へ心中で謝罪する場面が描かれた。

第14話では、ガミラスの特務官ミレーネル・リンケが進へ見せた夢に、幻影として登場する。ミレーネルが進の戦意を削ぐために彼の記憶から作り出したものに過ぎず、守本人ではない。当初は電話越しに「帰って来い、お前は戦ったりするような男じゃなかった」などと言って進を惑わせたが、ミレーネルが雪の意識内でイスカンダル第三皇女ユリーシャ・イスカンダルの意識と接触した際、幻影が乱れる。その後は進の前に姿を現し、彼とともに降り注ぐ遊星爆弾を見つめながら「この光景を忘れるな」と言い、進を正気に戻した。

真田志郎や彼の部下である新見薫とは宇宙防衛大学時代からの友人であり、特に新見とはメ号作戦直前まで恋人同士であった。真田が持っている中原中也の詩は、本来は守の所持品である。真田はメ号作戦が陽動である事実を守に伝えられなかったことを悔やんでいたが、進は守を「どんな状況でも、どんな理不尽な命令だったとしても、やると決めたらやり抜く男」と評しており、「例え真田から事実を伝えられたとしても行ったはず」と言っている。

メ号作戦において戦死したと思われていたが、実際には副長ら他の生存者とともにガミラスの捕虜として本星へ移送される途中、艦の故障でイスカンダルに不時着していた。クルーで唯一命をとり止めたものの瀕死の状態で、スターシャに看病されるも容態は好転せず、ヤマトと進へのメッセージを残して死亡する。イスカンダルの極めて発達した科学力によってその記憶は保存され、光の玉となる。その後、守はコスモリバースシステムを起動させる「核」となり、さらにはシステムを組み込まれたヤマトそのものとなったため、守は艦内の各所で幽霊として目撃されるようになる。デスラーとの白兵戦では雪の死亡に悲しむ進の姿を見て、「艦をお返しします、沖田さん」と発言し[2]、システムを起動して雪を蘇生させる。まもなく、消滅し始めた守の代わりに「核」となった沖田によってシステムが再起動すると、守は真田と新見に別れを告げて完全に消滅した。

ゲーム版[編集]

第1作を原作とするPS用ゲーム『宇宙戦艦ヤマト 遙かなる星イスカンダル』ではTV版とほぼ同じ扱いであるが、『新たなる旅立ち』を原作とするPS2用ゲーム『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』以降の“暗黒星団帝国三部作”では設定を大幅に変更されている。この三部作ではイスカンダルの自爆はなく、スターシャも健在である。しかし不安定になったイスカンダルではサーシャを育てる事が出来ないというスターシャの言葉に、已む無く彼女と別れて愛娘サーシャを連れ、地球に帰還することになる。その後サーシャ真田に預け、原作とは異なり地球防衛軍本部勤務ではなく、地球防衛軍艦隊旗艦しゅんらん副長を務める事になる。同艦は地球防衛軍第七艦隊と共にテスト航海を行っていた際、暗黒星団帝国艦隊に襲撃を受けが、幸い救援に駆けつけたヤマトに助けられる。その後暗黒星団帝国による地球占領を知った守は、ヤマト艦長として暗黒星団帝国との戦いの指揮を執ることになる。この戦いの後、守はサーシャ大山俊郎の三人で、イスカンダルへの帰国の途に就く(ストーリー展開によっては、サーシャが亡くなり、二人で帰国する場合もある)。

なお同三部作では外見が大幅にアレンジされている。髪が伸びボサボサの状態になっており、その容貌はハーロックに近く、設定資料では「ハーロック1歩手前」とすら書かれている。

その他[編集]

『宇宙戦艦ヤマト』が打ち切りにならず当初の予定通りの回数で放送された場合、キャプテンハーロックとして登場する事になっており、設定画も描かれていた。設定画は、眼帯をして頬に傷があり、長髪という松本零士の『宇宙海賊キャプテンハーロック』などに宇宙海賊として登場する姿に近いデザインである。キー局であるよみうりテレビが地元の讀賣新聞大阪版に掲載した放送開始時の番宣広告にも登場した。

『宇宙戦艦ヤマト』の放送と同時期に『冒険王』に連載された松本零士の漫画では、「キャプテンハーロック」と名乗る謎の人物が登場してヤマトの窮地を救う。彼はデスシャドウ号と似た宇宙戦艦を操っていたが、その姿は全身をマントで覆ったサイボーグで、完全なロボット化も間近い体となっていた。部下たちも全てロボットである。劇中人物の会話から古代守であることは明らかだが、古代進と対面しても本人が名乗ることはなかった。ヤマトがイスカンダルを出発した後、スターシャの乗った宇宙船とともに外宇宙へ旅立っていった。

藤川桂介作、ひおあきら画の漫画版でも、やはり宇宙海賊のキャプテンハーロックとして登場し、たびたびヤマトの危機を救った。アニメ版のドメル将軍にあたるロメル将軍を一騎打ちで仕留め、最後の戦闘でデスラーを葬る活躍を見せる。松本版とは違い、顔に傷と眼帯をした素顔を見せており、最後には自分が古代守だと名乗っている。部下たちも人間である。放射能により余命が長くないと告げ、地球へは帰還しなかった。ハーロックの乗る艦に特に名称はついていない。松本零士の『宇宙戦艦ヤマト』関連の裁判後は、「本作品中に登場するキャプテンハーロックは、松本零士著作物『宇宙海賊キャプテンハーロック』からの特別友情出演です」との断り書きが巻末につくようになった。

豊田有恒原案の石津嵐による小説版でファントム号に乗って登場するキャプテンハーロックとして登場。この小説版では、古代兄弟は実の兄弟ではない。守は沖田十三の実子であり、子供のいない古代家に養子に出され古代家で育った。その後に古代夫妻の実の子である進が誕生したのだが、兄弟たちにもその事実は隠されており、進は最後までその事実を知ることはなかった。

脚注[編集]

  1. ^ 後の真田の弁によると、沖田艦の盾となるように突っ込んで行ったらしい。
  2. ^ アニメ版では沖田の台詞から示唆されるのみだが、小説版では守が沖田と夢の中で対話して後を託したことが描写されている。