グリーゼ581
| データ 元期 J2000 |
|
|---|---|
| 星座 | てんびん座 |
| 赤経 | 15h 19m 26.8250s[1] |
| 赤緯 | −07° 43′ 20.209″[1] |
| 視等級 (V) | 10.55
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| 特徴 | |
| スペクトル分類 | M3V[2] |
| 色指数 (B-V) | 1.61[1] |
| アストロメトリー | |
| 視線速度 (Rv) | −9.5 ± 0.5 km/s |
| 固有運動 (μ) | 赤経: −1,233.51 ミリ秒/年 赤緯: −94.52 ミリ秒/年 |
| 年周視差 (π) | 160.91 ± 2.62 ミリ秒 |
| 距離 | 20.40 光年 (6.26 パーセク) |
| 絶対等級 (MV) | 11.6 |
| 詳細 | |
| 質量 | 0.31 M☉ |
| 半径 | 0.29 R☉ |
| 表面重力 | 4.92 ± 0.10 g |
| 光度 | 0.013 L☉ |
| 表面温度 | 3,480 ± 48 K |
| 金属量 | −0.33 ± 0.12 [M/H] |
| 年齢 | (7 - 11) ×109 年 |
| 他の名称 | |
グリーゼ581 (Gliese 581) は、太陽系から約20.40光年離れたM3V型の赤色矮星である。てんびん座の方角に位置しており、既知の恒星系の中では太陽から89番目に近い星系でもある。観測結果より6つの惑星、グリーゼ581e, b, c, d、それにfとgを持つ可能性が提示されており、そのうちgはハビタブルゾーン内に存在していると考えられている。[3]
目次 |
[編集] 恒星
「グリーゼ581」というのは、ドイツの天文学者、ヴィルヘルム・グリーゼによって1957年に編纂された、地球から20パーセク以内に位置する956の恒星を収録したグリーゼ近傍恒星カタログでの番号である。1863年にフリードリヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダーらによって出版されたボン掃天星表 (BD catalogue) には「BD-07°4003」として記載されており、変光星としては「てんびん座HO星」(HO Librae) と呼ばれる。「グリーズ581」と表記されることもあるほか、「ウォルフ562」とも呼ばれる。シリウスやプロキオンのような個別の名称は付けられていない。[1] この恒星はスペクトル分類がM3V型の赤色矮星で、地球から20.3光年離れた場所に存在する。てんびん座で最も明るい星ズベン・エス・カマリ(てんびん座ベータ星)からは2度ほど北に位置する。その質量は太陽の三分の一程度と見積もられており、既知の恒星系の中では太陽から89番目に近い星系である。[4]
グリーゼ581のようなM型の矮星は太陽に比べて質量が大幅に小さく、コアでの核融合反応の速度も大幅に遅い。その結果、表面温度は推定3500ケルビン、光度は太陽の僅か0.2%である。[5] しかし、グリーゼ581のような赤色矮星の放射は主に赤外線に近い830ナノメートル付近をピークとする領域で行われており(ウィーンの変位則による推定)、恒星のトータルの光度は過小評価されている可能性もある(太陽の放射のピークは530ナノメートル付近であり、これは可視光線の中心に位置する)。 また、放射線を含めた場合の絶対等級は、太陽光度の1.3%となる。[2][5] この星系の惑星が地球と同程度のエネルギーを受け取るには、より恒星の近くに位置する必要がある。こうした地球と同じようなエネルギーを受け取れる恒星の周りの領域はハビタブルゾーンと呼ばれている。その範囲がどの程度かは議論が分かれており、また各惑星系ごとにその条件も大きく異なっている[6]
グリーゼ581はりゅう座BY型の変光星としても分類されており、「てんびん座HO星」という名称が与えられている。これは、星の自転に伴い黒点が移動することなどにより明るさが変化するタイプの変光星である。しかし、観測された変化は誤差に近いレベルであり、仮に変化しているとしてももっと長期においてのものだと考えられている。 グリーゼ581はX線を放出している。[7]
[編集] 惑星系
2010年までに、地球の2倍から海王星程度の質量を持つ惑星が6個発見されている(ただしfとgの存在を否定する見方もある[8])。惑星には発見順にb以降のアルファベットが振られている。以下では恒星に近い順に説明する。
- グリーゼ581e
- 質量が地球の2倍。2009年現在確認されている太陽系外惑星の中では最小の質量。公転周期3.15日。
- グリーゼ581b
- 質量が地球の16倍。グリーゼ581の既知の惑星の中では最も質量が大きい。
- グリーゼ581c
- 質量が地球の5倍。ハビタブルゾーンの範囲内に軌道を持ち、液体の水の存在が可能な表面温度(推定0~40 ℃)を持つ地球型惑星の可能性がある。水が存在するには主星に近すぎるという研究があるが、雲が大量に存在し惑星のアルベドが高い状態にあれば適切な気温に保たれるという反論もある[9]。
- グリーゼ581g
- 直径は地球の1.2 - 1.4倍で、質量は地球の3 - 4倍。公転周期は37日でハビタブルゾーン内に存在する。常に同じ面を恒星に向けて公転している。
- グリーゼ581d
- 質量が地球の約7倍で、公転周期は67日。楕円軌道で公転しているが、近星点ではハビタブルゾーンの範囲を通過している。
- グリーゼ581f
- 質量が地球の約7倍で、公転周期は433日(約1.2年)。
グリーゼ581の惑星系の観測には視線速度法が用いられている。視線速度法には惑星の質量を下限値としてしか定めることができない性質があるため、実際の質量は上記の値より大きくなる可能性がある。ただし、シミュレーションを用いた検証では、それぞれの惑星が下限値の2倍程度を超える質量を持つと軌道が安定しなくなることが示されているため、惑星の真の質量はそれ以下と考えられている。なお、このシミュレーションは各惑星が太陽系の惑星と同じように共通の平面上を公転していることを前提とする[10]。
| 名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 |
|---|---|---|---|---|
| e | ≥ 1.94 M⊕ | 0.03 | 3.14942 ± 0.00045 | 0 |
| b | ≥ 15.65 M⊕ | 0.04 | 5.36874 ± 0.00019 | 0 |
| c | ≥ 5.36 M⊕ | 0.07 | 12.9292 ± 0.0047 | 0.17 ± 0.07 |
| g | ≥ 3.1 M⊕ | 0.146 | 36.562 ± 0.052 | ? |
| d | ≥ 7.09 M⊕ | 0.22 | 66.80 ± 0.14 | 0.38 ± 0.09 |
| f | ≥ 7.0 M⊕ | 0.76 | 433 ± 13 | ? |
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グリーゼ581と太陽系の比較。fの軌道が金星の外側付近に相当する。
[編集] 脚注
- ^ a b c d e GJ 581, SIMBAD. Retrieved 2008-08-21.
- ^ a b Bonfils, X., et al. (2005). “The HARPS search for southern extra-solar planets VI: A Neptune-mass planet around the nearby M dwarf Gl 581”Astronomy and Astrophysics Letters 443 (3): L15–L18. doi:10.1051/0004-6361:200500193.
- ^ “Gliese-581g-Newly-discovered-planet-just-like-Earth-contain-liquid-water” (2011年11月28日). 2011年11月28日閲覧。
- ^ “The One Hundred Nearest Star Systems”. Research Consortium on Nearby Stars, Georgia State University (2009年1月1日). 2010年6月4日閲覧。
- ^ a b Udry, S, et al. (2007). “The HARPS search for southern extra-solar planets XI: Super-Earths (5 and 8 M⊕) in a 3-planet system”Astronomy and Astrophysics Letters 469 (3): L43–L47. doi:10.1051/0004-6361:20077612.
- ^ Selsis, F., et al. (2007). “Habitable planets around the star Gl 581?”Astronomy and Astrophysics Letters 476 (3): 1373–1387. doi:10.1051/0004-6361:20078091.
- ^ Schmitt, J. H. M. M; Fleming, T. A; Giampapa, M. S. (1995). “The X-Ray View of the Low-Mass Stars in the Solar Neighborhood”Astrophysical Journal 450 (9): 392–400. doi:10.1086/176149.
- ^ “Only 4 planets in the Gl~581 system”. arXiv. 2011年9月14日閲覧。
- ^ Beust H. et al.. “Dynamical evolution of the Gliese 581 planetary system”. Astronomy and Astrophysics 479: 277-282. doi:10.1051/0004-6361:20078794.
- ^ a b Mayor et al. (2009). “The HARPS search for southern extra-solar planets. XVIII. An Earth-mass planet in the GJ 581 planetary system”. Astronomy and Astrophysics 507 (1): 487-494. doi:10.1051/0004-6361/200912172.
[編集] 関連項目
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座標:
15h 19m 26s, -07º 43' 20''