波動エンジン
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波動エンジン(はどうエンジン)は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する架空の航宙艦艇用超光速航法エンジン。
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[編集] 概要
宇宙エネルギーを圧縮し超光速タキオン粒子に変換して動力とするため、事実上の無限動力機関であり、同粒子が反動推進剤をも兼ねるため航続距離も無限大である。その性能は光速の99.9%までの加速が可能で、地球の科学技術力では理論上の存在であったワープ航法が実現される。
また、波動エンジンが生み出す高出力エネルギーは波動砲という驚異的な破壊力をもつ兵器を誕生させる。
波動エンジンの性能は搭載艦の基本性能に直結する。ヤマトが単艦でガミラス帝国に対抗できたのは、敵戦力が全体の一部であったことや、戦術の巧みさと幸運に恵まれたことなどを勘案しても、高性能の波動エンジンの存在によるところが大きい。
イスカンダルと同様の技術体系を持つガミラスの航宙艦艇にも波動エンジンは採用されている。これはデスラー砲と呼ばれる波動砲の存在から、その事実は窺える。
[編集] 用語解説
「宇宙エネルギー」については、作品中で語られているものをそのまま使うことにした。なお、SF作品中に存在する宇宙エネルギーとしては、かなり多く存在しており、故アーサー・C・クラークの作品である「宇宙のランデブー」の中における「真空のエネルギー」などがある。物理学的には、故リチャード・P・ファインマンについて書かれた作品である「ご冗談でしょファインマンさん」(邦訳:岩波書店)中でも語られているが、「真空のあわ立ち」によってエネルギーが存在するとされており、研究が行われていた時期もある。宇宙論及び素粒子物理学分野では、ダークエネルギーと呼ばれる宇宙膨張のエネルギーとして観測が行われており、現在も探求が進められている。
[編集] 劇中での描写
波動エンジンは、宇宙戦艦ヤマトの劇中における移動手段としての役割を得ているため、たびたび改造が施されている。各戦役などは、劇中における作品群内の描写を元にしている。なお、本作の元はTV番組用シナリオ及び漫画だが、後に映画、小説、ゲーム、CR機プログラム等へ展開されたため、作品の名称は避けあくまでも使用された個所のみの記述とする。
- 対ガミラス戦役
西暦2199年、イスカンダルより送られた設計図を基に波動エンジンが製造され、建造途中のヤマトに据え付けられ、地球史上初の波動エンジン搭載艦が誕生する。
波動エンジンの始動には、外部動力が必要であり、必ず補助エンジンを始動してから波動エンジンに点火するというプロセスからして、補助エンジンをスターターとして始動するようである。
またスターターとは別にあらかじめ波動エンジン内に、呼び水、あるいは燃料として、ある程度のエネルギーを注入しておかなければ波動エンジンは始動しない。これはアニメ版ヤマト第一作第三話の波動エンジン始動前の沖田艦長の「エネルギーをめいっぱい注入しておけ」というセリフからも伺える。波動砲を発射した際、波動エンジン内のエネルギーが0になるため、艦内電源をオフにして波動エンジン再始動のためのエネルギーをあらかじめ蓄えておかなければならないのはこのためである。いったん始動すれば波動エンジン内で膨大なエネルギーが生成される。最初のヤマト発進の時は、地下都市の残り少ない貴重なエネルギーをヤマトにまわして波動エンジンに注入することで始動した。
始動シークエンスとしては、補助エンジンを始動後、フライホイールを始動し回転させ、フライホイールを波動エンジンと接続し、波動エンジンに点火することで波動エンジンが始動する。レシプロエンジンやジェットエンジンの始動方法と似ている。
2199年航海時、波動エンジンの試験運転の時間的余裕は無く、ヤマトは出航する。ワープ航行のテストや波動砲試射により波動エンジンのエネルギー伝導管には強い負荷がかかり、異常加熱や熔融断裂が発生し機関の故障、異常暴走などのトラブルが発生するが、土星の衛星タイタンで採集したコスモナイト鉱石から生成した宇宙合金で補修に目処をつけるなど、確実に自己の物としていく。
- 対白色彗星帝国戦役
アンドロメダを始め、宇宙戦艦、宇宙巡洋艦、駆逐艦の主機関となる。
波動エンジンに波動エネルギー増幅装置などの独自の改良を加えるほど技術的に進歩する。
- 対暗黒星団帝国戦役
対白色彗星帝国戦役時の技術の蓄積をもとにヤマトの波動エンジンには、新開発の波動エネルギー増幅装置「スーパーチャージャー」が装備された。それによりヤマトは超長距離ワープと新・波動砲の連続使用が可能となる。以後、補助エンジンをスターターとして使用する必要が無くなっている。
- 対ガルマン・ガミラス帝国及びボラー連邦戦役
大掛かりな改良は見られない。しかしながら、暗黒星団帝国戦役のような長距離ワープ(約40万光年=対ガミラス戦役時の約2倍以上の距離を短時間で航行)などがないため、本来の波動エンジンの能力を生かしていないと推定されている。しかしながら、シャルバート星から贈られたハイドロジェーン砲のエネルギー源として生かされたと推定できる。なぜならば、ガルマンガミラスの技術力を持ってしても制御不可能な太陽の核融合異常増進を抑えるためには、太陽の核融合エネルギーを上回るだけのエネルギー供給が必要なためである。
- 対ディンギル帝国戦役
同じく大掛かりな改良は見られない。むしろ機関関係のキャラクターなどが活躍しないところなどから、自動化が、さらに推し進めれたと推定できる。波動砲自身は封じられ、戦役中で活躍する場面も極めて少ない。最後に自爆することになるが、有り余るエネルギーをもってすれば三重水素を引火させる自爆などは必要とせず、波動砲で粉砕できるほどだったろうと思われる。なぜならば、アクエリアスが地球近傍に接近してきて、地球重力圏に達して水を降らせるとしたら、その質量の大部分を地球に落とすことになる。しかしながら、波動エネルギーは初期においてさえ、木星軌道上に存在するオーストラリア大の大陸を粉砕するだけのエネルギーを放出できるからである。よって、40万光年を数週間で移動できるほどに改良された波動エンジンならば、問題なくアクエリアス自身を粉砕できるほどだったろうと推定できるからである。
[編集] その後の作品群
以下は、世界観を同じくしているが、個別の作品に位置付けられている。なお、復活編では既存のキャラクターの一部が復活する。また、新宇宙戦艦ヤマトでは、家系が連続して存在しているという設定で既存のキャラクターを生かした作品として位置付けられている。
現時点(2009年7月中旬現在)では、製作中のため不明である。波動砲が改良されているという設定ならば、無論そのエネルギー補給源である波動エンジンも強化されていると推定されている。ただし、プロモーションビデオはファンからは不評のようである。
波動エンジンは、それを凌ぐ新型機関「モノポールエンジン」が発明されるまで、主機関の地位を占め続けることになる。セイレーン連邦は地球連邦よりもモノポールエンジンの実用化に先んじていた。地球連邦側航宙艦艇でモノポールエンジンを搭載したのは西暦2520年建造の第18代YAMATOからと思われる(第17代YAMATOまでは波動エンジンが主機関。なお第18代YAMATOは元々は正規の連邦軍艦船ではなく、第17代YAMATOのデータをもとに主人公らがセイレーン連邦が支配していた惑星リンボスから脱出するために建造したものである)。第18代YAMATOにおいて波動エンジンはそれ自体推進機であると同時に補助機関として、主機関であるモノポールエンジンの始動のためにも使われる(波動モノポールエンジン)。
イスカンダル航海から1000年の間にヤマトはグレートヤマトに進化、波動エンジンも強力な複合双連化されているとされているが、裁判の和解などによって描かれることはなかった。
[編集] 解説
本作品が他のSF作品と著しく違うところは、対ガミラス戦役における「大道具」類の詳細な設定にあるといっても過言ではない。たとえば、波動砲の発射シークエンスにしても、波動エンジンの始動プロセス、さらには銀河系と大マゼラン星雲間の航行中における、各戦線での天体を含む大道具類のことである。
特に、映画公開時のころには、波動エンジンの始動や波動砲の発射については、映画を観た子供たちが真似をするほどであった。同じような現象としては、仮面ライダーの変身やウルトラマンの変身シーンだけである。
実際に、大マゼラン星雲を目指すとすれば、オリオン座方向へは行かなくても良い。最短のルートは、かじき座方向へ向かえばよい。
[編集] 付記
波動エンジンの原理に関しては、本作の原作者の一人である松本零士が、弟が通っていた九州大学のつてを頼って、当時の理学部教授に波動仮説を提案したところ、「あっても良いと思う」という承諾を経て生み出された大道具であるとされており、実際に初期映画のパンフレットなどでも語られている。
その後、作画するにあたっては、スタジオぬえの高千穂遥、加藤直之らによって描かれ、詳細な設定資料として描かれることになった。最終原稿を完成したのは、加藤直之と「さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち-」のメカデザインを行った宮武一貴である。
なお、エンジンの出力を兵器として転用している、現実に配備されている兵器は存在しない。あえて言えば、海軍および空軍、陸軍関連の兵器においては、エンジンの出力によって得られる発電によって得られる電力によってコンピュータを駆動したり、兵器管制などに活用している程度である。
[編集] 参考文献
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
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