レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ

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レースの模様

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ(Red Bull Air Race World Championship)は、2003年にレッドブルの企画で始まった飛行機パイロットによる国際シリーズの総称。最高速度370km/h、最大負荷12Gにおよぶ過酷な空中タイムトライアルの連続でイベントが構成され、「空のF1」とも形容される。厳しい競技環境に耐え得る強靭な肉体と、飛行機を正確に操る技術力と集中力が要求される競技で、母国の空軍を経歴に持つパイロットもいる。

2009年からはアジア人初の選手として室屋義秀がエントリーしている[1]

2011年から[2]2013年までシリーズは休止されていたが[1]、2014年から再開された。

シリーズ概要[編集]

1開催は4ラウンドにわたるタイムトライアルで下位をふるい落としていくノックアウト形式で順位が争われる。各開催の順位に応じてポイントが与えられ、年間を通してもっとも多くのポイントを得たパイロットがチャンピオンとなる。大会は、

  • 予選:各選手2回のフライトを行い、速い方のタイムが記録となる。上位10名が決勝進出。
  • 敗者復活戦(ワイルドカード):予選11位以下の選手が1回のフライトを行う。上位2名が決勝へ。
  • 決勝・トップ12: 各選手1回のフライトを行う。下位4名(9-12位)が脱落。
  • 決勝・スーパー8: 各選手1回のフライトを行う。下位4名(5-8位)が脱落。
  • 決勝・ファイナル4: 各選手1回のフライトを行い、最終順位(1-4位)が決定。

というスケジュールで行われる。

ポイントは優勝12p、2位10p、3位9pで以下1ポイントずつ減っていき12位以下が0ポイント。またこれとは別に予選で最速タイムをマークしたパイロットに1ポイントが与えられる。

なお2008年以前の旧方式は、

  • 予選上位の8選手によるノックアウト・トーナメント形式で争われる。
  • 予選9位以下の選手ももう一度フライトを行い、最もタイムの良い選手にシリーズ・ポイント1ポイントが与えられる。

というものだった。

競技概要[編集]

幅約8mの競技用1人乗りプロペラ飛行機を操り、5~6km(3~4マイル)のコースに設置された巨大なパイロン風船障害物(エアゲートと呼ばれる)を規定の順序と方法で通過、ゴールまでのタイムを競う。

エアゲート[編集]

エアゲートは2本のパイロン1組からなる「スタート/フィニッシュゲート」「シケインゲート」「水平ゲート」「ナイフエッジゲート」および、4本で1組の「クアドロゲート」が設定され、それぞれに異なる通過の仕方が決められている。ゲートへの接触や規定に満たない通過を行った場合、タイム加算あるいは失格のペナルティが科せられることになる。各ゲートの通過ルールは以下のとおり。

  • スタート/フィニッシュゲート

 黒と白のチェック模様が施されている。ゲート上部50%の高さを(パイロットのヘルメットが)通過。1回目通過時は水面に対し0°±10°の姿勢。また後述のとおりスタート時には制限速度が定められている。

  • シケインゲート

 色は赤。最後のパイロンまで、ゲート上部50%の高さを通過。

  • 水平ゲート

 色は青。パイロンの間隔は約14m。ゲート上部50%の高さを水面に対し0°±10°の姿勢で通過。

  • ナイフエッジゲート

 色は赤。機体を90度バンクさせて翼と水面を垂直にする飛行技術を「ナイフエッジ」と呼ぶ。パイロンの間隔は約10mで、ゲート上部50%の高さを水面に対し90°±20°の姿勢で通過。傾ける向きも指定されている。

  • クアドロゲート

 色は赤。パイロン4本で構成。ゲート上部50%の高さを水面に対し90°±20°の姿勢で通過。1度通過した後270°旋回して1度目と直交する形で通過する。


通過姿勢はゲートの色で判断でき、赤が翼を垂直に、青が水平にすべきゲートである。

ペナルティ[編集]

ゲートへの接触や異常接近、不正な姿勢でのゲート通過などが認められた場合、ゴールタイムにペナルティタイムが加算される。またレースの安全確保のため、危険な飛行と判断された場合は即刻失格になる厳しいルールが敷かれている。

2秒ペナルティ[編集]

  • ゲートで、規定高度より高く通過した場合
  • ゲート通過時の水平姿勢またはナイフエッジの角度が不正だった場合
  • スタートゲートへの進入速度が、200ノット(370km/h)を超えた場合(380km/hを超えた場合は即失格)

6秒ペナルティ[編集]

  • パイロンに接触した場合(危険な接近、接触と判断されると即失格になる場合もある)

失格[編集]

  • 危険な姿勢での飛行
  • 規定高度より低い飛行
  • 観客上空に進入した場合
  • 12Gを超える負荷がかかった場合
  • 2秒・6秒ペナルティが著しく多い場合


開催日程[編集]

世界不況の影響などにより2011年から2013年シリーズは休止となった。

2014年[編集]

レグ 日時 場所 開催国 優勝者 レポート
1 3月1日 アブダビ アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 イギリスの旗 ポール・ボノム 詳細
2 4月13日 ロヴィニ クロアチアの旗 クロアチア
3 5月18日 プトラジャヤ マレーシアの旗 マレーシア
4 7月27日 グディニャ ポーランドの旗 ポーランド
5 8月17日 アスコット イギリスの旗 イギリス
6 9月7日 フォートワース アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7 10月12日 ラスベガス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
8 11月2日 北京 中華人民共和国の旗 中国

2010年[編集]

第7戦と第8戦は現地調整の問題から、開催がキャンセルになった。

レグ 日時 場所 開催国 優勝者 レポート
1 3月27日 アブダビ アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 イギリスの旗 ポール・ボノム 詳細
2 4月18日 パース オーストラリアの旗 オーストラリア オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 詳細
3 5月9日 リオデジャネイロ ブラジルの旗 ブラジル オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 詳細
4 6月6日 ウィンザー カナダの旗 カナダ オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 詳細
5 7月20日 ニューヨーク アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 イギリスの旗 ポール・ボノム 詳細
6 8月8日 ユーロスピードウェイ(ラウジッツ) ドイツの旗 ドイツ オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 詳細
7 8月20日 ブダペスト(中止) ハンガリーの旗 ハンガリー
8 9月5日 リスボン(中止) ポルトガルの旗 ポルトガル

2009年[編集]

レグ 日時 場所 開催国 優勝者 レポート
1 4月18日 アブダビ アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 詳細
2 5月10日 サンディエゴ(カリフォルニア) アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 詳細
3 6月6日 ウィンザー(オンタリオ) カナダの旗 カナダ イギリスの旗 ポール・ボノム 詳細
4 8月20日 ブダペスト ハンガリーの旗 ハンガリー アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 詳細
5 9月13日 ポルト ポルトガルの旗 ポルトガル イギリスの旗 ポール・ボノム 詳細
6 10月4日 バルセロナ スペインの旗 スペイン イギリスの旗 ポール・ボノム 詳細

2008年[編集]

レグ 日時 場所 開催国 優勝者 レポート
1 4月11日 アブダビ アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 詳細
2 5月4日 サンディエゴ(カリフォルニア) アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 イギリスの旗 ポール・ボノム
3 6月1日 デトロイト(ミシガン) アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス
4 7月20日 ロッテルダム オランダの旗 オランダ イギリスの旗 ポール・ボノム
5 8月3日 ロンドン イギリスの旗 イギリス アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス
6 8月20日 ブダペスト ハンガリーの旗 ハンガリー オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ
7 9月7日 ポルト ポルトガルの旗 ポルトガル オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ
8 11月2日 パース オーストラリアの旗 オーストラリア イギリスの旗 ポール・ボノム

2007年[編集]

レグ 日時 場所 開催国 優勝者
1 4月6日 Port of Mina' Zayid, アブダビ アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 ハンガリーの旗 ピーター・ベゼネイ
2 4月21日 Enseada de Botafogo, リオデジャネイロ ブラジルの旗 ブラジル ドイツの旗 クラウス・シュロット
3 5月12日 モニュメント・バレー,アリゾナ州 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 イギリスの旗 ポール・ボノム
4 6月2日 ゴールデンホーン, イスタンブル トルコの旗 トルコ アメリカ合衆国の旗マイク・マンゴールド
5 7月15日 インターラーケン, ベルン スイスの旗 スイス アメリカ合衆国の旗マイク・マンゴールド
6 7月29日 テムズ川, ロンドン イギリスの旗 イギリス アメリカ合衆国の旗マイク・マンゴールド
7 8月20日 ドナウ川,ブダペスト ハンガリーの旗 ハンガリー アメリカ合衆国の旗マイク・マンゴールド
8 9月1日 ポルト ポルトガルの旗 ポルトガル イギリスの旗 スティーブ・ジョーンズ
9 9月22日 サンディエゴ,カリフォルニア州 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 イギリスの旗 ポール・ボノム
10 11月3日 スワン川, パース オーストラリアの旗 オーストラリア フランスの旗 ニコラス・イワノフ

年間成績[編集]

チャンピオン 2位 3位
2010年 イギリスの旗 ポール・ボノム オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ イギリスの旗 ナイジェル・ラム
2009年 イギリスの旗 ポール・ボノム オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ オーストラリアの旗 マット・ホール
2008年 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ イギリスの旗 ポール・ボノム アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス
2007年 アメリカ合衆国の旗 マイク・マンゴールド イギリスの旗 ポール・ボノム ハンガリーの旗 ピーター・ベゼネイ
2006年 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス ハンガリーの旗 ピーター・ベゼネイ アメリカ合衆国の旗 マイク・マンゴールド
2005年 アメリカ合衆国の旗 マイク・マンゴールド ハンガリーの旗 ピーター・ベゼネイ アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス
2004年 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス ハンガリーの旗 ピーター・ベゼネイ イギリスの旗 スティーブ・ジョーンズ
ドイツの旗 クラウス・シュロット
2003年 ハンガリーの旗 ピーター・ベゼネイ ドイツの旗 クラウス・シュロット アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス

TV放送[編集]

日本では、2006年よりGAORAで、2007年からはJ SPORTSでも放送されている(J sports Plusではハイビジョン放送)。放送は機内のカメラが捉えたパイロットの映像のほか、合成やCGによるリプレイなど工夫を凝らしたものになっている。2008年にはフジテレビが地上波で初めて放映権を獲得した。なお、フジテレビでは2007年にすぽると!の企画として全戦放映されている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 室屋義秀、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2014に参戦”. topnews.jp (2014年1月21日). 2014年3月3日閲覧。
  2. ^ レッドブル・エアレース、2014年にも再開へ”. flyteam.jp (2012年7月24日). 2014年3月3日閲覧。

外部リンク[編集]