ジャパンカップダート

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チャンピオンズカップ
The Japan Cup Dirt 2013 IMG 1924 20131201.JPG
第14回ジャパンカップダート
主催者 日本中央競馬会
開催地 日本の旗中京競馬場
施行時期 12月上旬
(原則4回中京2日目)
格付け GI
1着賞金 9400万円
賞金総額 1億7940万円
距離 ダート1800m
出走条件 サラブレッド系3歳以上(国際)(指定)
出走資格も参照
負担重量 定量
3歳56kg(12月1日以前の場合は55kg)
4歳以上57kg
牝馬2kg減
第1回施行日 2000年11月25日
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チャンピオンズカップChampions Cup)とは日本中央競馬会(JRA)中京競馬場ダート1800mで施行する中央競馬重賞GI競走である。

正賞は日本馬主協会連合会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞。

概要[編集]

JRAにおける最初のダートGI競走は1997年に昇格したフェブラリーステークスであったが中距離の交流GIである帝王賞東京大賞典での熱戦、ドバイワールドカップブリーダーズカップ・クラシックの隆盛により中央競馬においてもダート競走の主流である2000m級の距離によるダート国際競走を望む声が高まり、2000年東京競馬場ダート2100mの競走「ジャパンカップダート」として創設された。略称はJCD("Japan Cup Dirt" より)。

2013年までは外国から当競走に出走する場合には競走馬の輸送費、滞在に要する厩舎や飼料にかかる費用、馬主、調教師、騎手、厩務員(馬主、調教師、騎手についてはその配偶者も含む)の交通費や宿泊費はJRAが全額負担していた。このような遠征に要する諸費用の負担を外国からの全出走馬に行う競走は日本ではジャパンカップのみである。世界ではドバイミーティングドバイワールドカップなど)、香港国際競走がある。なお、外国招待馬は8頭まで出走可能である。2008年からジャパン・オータムインターナショナルに指定されている。また、一定の実績を持って参戦した外国招待馬が3着以内に入着した場合に褒賞金が支給される制度がある[1]

2008年からはジャパンカップの翌週の日曜に移動し、阪神競馬場のダート1800m[2]で施行される(関西初の国際招待GIとなる)。これに伴い、一部の競走日程が変更されている[註 1]。しかしながら下記の問題点が指摘され、予備登録こそあっても外国調教馬の出走は少なく、1頭も出走しない年も珍しくない。このため、近年は国内中距離ダートの頂上決戦という趣がある。

なおファンファーレは創設以来テープ演奏であったが2004年から2006年までと2008年からは生演奏で行われている。阪神競馬場に変わったことによりファンファーレ演奏は関西GIのものになった。また2007年まで(ジャパンカップと同日開催となった2004年は除く)平地のGI競走では数少ない、土曜日に施行されていた競走である[註 2]

2000年から2007年までは日曜日に開催するジャパンカップと共にジャパンカップウィークを形成していた。

2014年からは施行場を中京競馬場のダート1800mに移し、名称もチャンピオンズカップに変更する。

2013年度現在の賞金総額は2億4800万円で1着賞金:1億3000万円、2着賞金:5200万円、3着賞金:3300万円、4着賞金:2000万円、5着賞金:1300万円と定められており、これは国内の全ダート競走において最高賞金額となっている。

出走資格[編集]

サラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属馬及び本競走に出走登録した外国馬(最大8頭まで)及び出走登録しJRAに選定された地方馬のみ出走が可能である。フルゲートは16頭。

日本馬の出走権[編集]

  • レーティング上位5頭に優先出走権が与えられる。
  • その他は「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

この方式の結果、2008年に出走したカジノドライヴは収得賞金が登録した日本馬中最下位であったため本来ならば除外の対象となっていたがピーターパンステークスアメリカ・G2)優勝などの戦績からレーティングで登録馬全体の4位にランクされ出走が可能になった一方、同年ではエスポワールシチーが前哨戦となるトパーズステークス(当時オープン特別・現在のみやこステークス)を制したにも関わらず、賞金面で除外されたという事例がある(同馬は翌年の競走で優勝)。

外国馬の出走権[編集]

招待決定は例年10月下旬から11月上旬に行われている。なおジャパンカップと異なり指定レースの優勝馬(レースによっては2着馬も)に対しての優先出走権の付与は2010年現在行われていない。

負担重量[編集]

定量で3歳56kg(開催日が12月1日以前の場合は55kg[a 1])、4歳以上57kg、牝馬は2kg減である。

  1. ^ 1,600m超2,200m未満の競走のアローワンス(アローワンスおよび南半球産馬の負担重量の減量についての項目 (PDF) )が11月は2kg、12月は1kgとなっている。開催日(天災地変その他やむを得ない事由により開催日の日取りを変更した場合における変更後の開催日を除く)が2日以上連続する場合において、それらの開催日の最初の日とその他の日におけるアローワンスおよび南半球産馬の負担重量の減量が当該表に定めるところにより変更されることとなる場合については当該最初の日現在における当該表による重量をもってそれらの開催日におけるアローワンスおよび南半球産馬の負担重量の減量とする。よって、開催日が12月1日2013年はこれに該当する)の場合でも前日の土曜日11月30日と11月なのでアローワンスは2kg。

賞金[編集]

回(施行年) 総額賞金 1着 2着 3着 4着 5着
第1回(2000年) 2億4,800万円 1億3,000万円 5,200万円 3,300万円 2,000万円 1,300万円
第2回(2001年)
第3回(2002年)
第4回(2003年)
第5回(2004年)
第6回(2005年)
第7回(2006年)
第8回(2007年)
第9回(2008年)
第10回(2009年)
第11回(2010年)
第12回(2011年)
第13回(2012年)
第14回(2013年)

褒賞金制度[編集]

ジャパン・オータムインターナショナルシリーズとなった2008年より、指定の海外レースに優勝もしくは2着になった競走馬がその年の当競走に出走し優勝した場合には優勝賞金に加え褒賞金を交付している。また2009年5月の改定で範囲が拡大され、3着までに入着した場合にも褒賞金が交付されることとなった。しかし、2011年に減額されてしまった。なおケンタッキーダービープリークネスステークスベルモントステークストラヴァーズステークスの4レースは3歳馬によるレースでそれ以外は古馬混合レースである。今なお、2010年現在で制度導入後に褒賞金を獲得した事例はない。

現在の指定競走・金額は以下の通り[3]

2012年現在
開催国・競走名 格付 施行競馬場 施行距離 指定年
1 アラブ首長国連邦の旗ドバイワールドカップ G1 メイダン競馬場 オールウェザー2000m 2008年 -
アメリカ合衆国の旗ブリーダーズカップ・クラシック G1 持ち回り ダート10f
アメリカ合衆国の旗ケンタッキーダービー G1 チャーチルダウンズ競馬場 ダート10f
2 アメリカ合衆国の旗サンタアニタハンデキャップ G1 サンタアニタパーク競馬場 ダート10f
アメリカ合衆国の旗メトロポリタンハンデキャップ G1 ベルモントパーク競馬場 ダート8f
アメリカ合衆国の旗スティーブンフォスターハンデキャップ G1 チャーチルダウンズ競馬場 ダート9f
アメリカ合衆国の旗サンタアニタゴールドカップ G1 サンタアニタパーク競馬場 ダート10f
アメリカ合衆国の旗ホイットニーハンデキャップ G1 サラトガ競馬場 ダート9f
アメリカ合衆国の旗パシフィッククラシックステークス G1 デルマー競馬場 エコトラック10f
アメリカ合衆国の旗ジョッキークラブゴールドカップステークス G1 ベルモントパーク競馬場 ダート10f
アメリカ合衆国の旗ウッドワードステークス G1 サラトガ競馬場 ダート9f
アメリカ合衆国の旗プリークネスステークス G1 ピムリコ競馬場 ダート9f
アメリカ合衆国の旗ベルモントステークス G1 ベルモントパーク競馬場 ダート12f
アメリカ合衆国の旗トラヴァーズステークス G1 サラトガ競馬場 ダート10f
褒賞金条件
1の競走に当年優勝した競走馬
本競走1着馬 本競走2着馬 本競走3着馬
2008年 1億3000万円 - -
2009年 5200万円 3250万円
2010年
2011年 1億円 4000万円 2500万円
2012年 5000万円 2000万円 1300万円
1の競走で当年2着の競走馬(2012年以降廃止)[註 3]
本競走1着馬 本競走2着馬 本競走3着馬
2008年 5000万円 - -
2009年 2000万円 1250万円
2010年
2011年 4000万円 1600万円 1000万円
2の競走に当年優勝した競走馬(2012年以降は1と同額)
本競走1着馬 本競走2着馬 本競走3着馬
2008年 1億円 - -
2009年 4000万円 2500万円
2010年
2011年 7000万円 2800万円 1800万円
過去
開催国・競走名 格付 施行競馬場 施行距離 指定年 褒賞金条件
日本の旗ジャパンカップダート GI 阪神競馬場 ダート1800m 2008年 - 2009年 日本調教馬を除く前年優勝馬の場合
1着:1億円、2着:4000万円、3着:2500万円

問題点[編集]

創設時のコースは世界のダート競走の主流である2000mからみると半端な距離(当時はJRAの競馬場にダート2000mのコースは存在しなかったため)で、スタートから第1コーナーまでが短く競走馬の能力以外の有利不利があった。またダートが主流のアメリカでは赤土のようなスピードの出やすいダートが主流だが、日本のダートはスピードが出にくい。2007年に来日したスチューデントカウンシルは時計のかかる馬場向きと見てブリーダーズカップ・クラシックを回避して、このレースに出走した経緯がある[4]

世界各国の一流馬が登録することこそあるものの開催時期が北米勢(およびクールモアグループなど一部の欧州勢)にとっての最大目標であるブリーダーズカップ・クラシックの後ということだけあって、実際に出走することは稀である。ただし近年、アメリカのダートコースにも変化が見られるようになりオールウェザーの競馬場も増えたことからスピードの必要なアメリカ特有のダートに適性がない馬がこのレースを選ぶこともある。また1800mという距離で施行されるため、中距離馬とマイル馬の両方が出走し易くなっている。

ただし日本馬のレベルの向上とアメリカ勢の惨敗が続いているためアメリカの競馬関係者の中にはジャパンカップダートに出走すること自体が無謀という考えも多くある[4]。また、根本的な問題として、アメリカの競馬場は全て左回りであり、右回りの阪神競馬場での開催に疑問の声があり、例えば武豊は左回り1800mで実施可能な中京競馬場での開催を提言している[5]。こうした結果、2010年(第11回)から2012年(第13回)までは外国馬の出走がない状況が続いていた。このことは競馬新聞「競馬ブック」の週刊雑誌でも度々読者投稿「ファンのページ」でも取り上げられている。

歴史[編集]

第11回ジャパンカップダート
  • 2000年 - 東京競馬場のダート2100mの4歳(現3歳)以上の国際招待指定競走の定量のGI競走「ジャパンカップダート」として創設(創設当初の外国調教馬の招待枠は6頭まで、負担斤量は3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)。ジャパンカップ前日の土曜日に施行される。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
    • 外国調教馬の招待枠が8頭に拡大。
    • 日本のクロフネがダート2100mの世界レコード2.05.9で勝利。
  • 2002年 - 東京競馬場の改修工事により中山競馬場のダート1800mで施行。
  • 2003年 - アメリカのフリートストリートダンサーが外国調教馬として史上初の制覇。
  • 2004年 - ゴールデンジュビリーデーに伴い当年に限りジャパンカップと同日開催(発走時刻は14時45分)。
  • 2005年 - 武豊騎手として当競走初の連覇。
  • 2006年 - 外国調教馬が1頭も出走せずに実施された(予備登録はあった)。
  • 2007年 - 石坂正調教師として当競走初の連覇。
  • 2008年
    • この年より開催時期を1週遅らせ、開催競馬場を阪神競馬場ダート1800mに移し、日曜日開催となる。
    • ジャパン・オータムインターナショナルに指定。
    • 3歳の負担斤量が牡馬・騸馬55kg・牝馬53kgから牡馬・騸馬56kg・牝馬54kgに変更(ただし、12月1日開催の場合は牡馬・騸馬55kg・牝馬53kg)。
    • 日本のカネヒキリが当競走で史上初の2度目の優勝を果たすと共に、東京、阪神の両方の開催地で制覇。
  • 2009年 - 当年のみ、JRAプレミアムレースの対象レースとなる。
  • 2010年 - 外国調教馬が1頭も出走せずに実施された[6](予備登録はあった)。
  • 2011年
    • 2年連続で外国調教馬が1頭も出走せずに実施された(当年も予備登録はあった)[7]
    • トランセンドが競走馬として初の連覇、かつ当競走で史上2頭目の2度目の優勝。
    • 安田隆行が調教師として2人目の連覇。
    • 藤田伸二が騎手として2人目の連覇。
  • 2012年 - 3年連続で外国調教馬が1頭も出走せずに実施された(当年も予備登録はあった)[8]
  • 2013年 - 本競走としては14回目となる当年が最後となる。
  • 2014年
    • 開催場を中京競馬場のダート1800mに移設するとともにレース名称をチャンピオンズカップに変更する予定。
    • 国際招待競走から国際競走に変更予定。
    • 「JRA60周年記念」の副称を付けて施行予定。

歴代優勝馬[編集]

回数 施行日 調教国・優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2000年11月25日 日本の旗ウイングアロー 牡5 2:07.2 岡部幸雄 南井克巳 池田實
第2回 2001年11月24日 日本の旗クロフネ 牡3 2:05.9 武豊 松田国英 金子真人
第3回 2002年11月23日 日本の旗イーグルカフェ 牡5 1:52.2 L.デットーリ 小島太 西川清
第4回 2003年11月29日 アメリカ合衆国の旗フリートストリートダンサー 騸5 2:09.2 J.コート D.オニール T.レザーマン
第5回 2004年11月28日 日本の旗タイムパラドックス 牡6 2:08.7 武豊 松田博資 (有)社台レースホース
第6回 2005年11月26日 日本の旗カネヒキリ 牡3 2:08.0 武豊 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第7回 2006年11月25日 日本の旗アロンダイト 牡3 2:08.5 後藤浩輝 石坂正 (有)キャロットファーム
第8回 2007年11月24日 日本の旗ヴァーミリアン 牡5 2:06.7 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
第9回 2008年12月07日 日本の旗カネヒキリ 牡6 1:49.2 C.ルメール 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第10回 2009年12月06日 日本の旗エスポワールシチー 牡4 1:49.9 佐藤哲三 安達昭夫 (株)友駿ホースクラブ
第11回 2010年12月05日 日本の旗トランセンド 牡4 1:48.9 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第12回 2011年12月04日 日本の旗トランセンド 牡5 1:50.6 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第13回 2012年12月02日 日本の旗ニホンピロアワーズ 牡5 1:48.8 酒井学 大橋勇樹 小林百太郎
第14回 2013年12月01日 日本の旗ベルシャザール 牡5 1:50.4 C.ルメール 松田国英 (有)社台レースホース

記録[編集]

  • レースレコード
    • 1:48.8(第13回優勝馬 ニホンピロアワーズ) - 阪神 ダート1800m
    • 2:05.9(第2回優勝馬 クロフネ、2002年の東京競馬場の改修工事前の記録ではあるが日本レコードとして残っている[9]) - 東京 ダート2100m(改修前)
      • 2:06.7(第8回優勝馬 ヴァーミリアン) - 東京 ダート2100m(改修後、コースレコード)
  • 2着との最大着差:7馬身(第2回優勝馬 クロフネ)

注釈・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 阪神ジュベナイルフィリーズが12月第2週目、朝日杯フューチュリティステークスが12月第3週目にそれぞれ変更となった。また、ジャパン・オータムインターナショナルシリーズに指定されることになる。
  2. ^ 例えば2002年NHKマイルカップ5月5日大國魂神社の祭事と重なるため5月4日土曜日に施行されたほか、天皇賞(春)4月29日の固定開催だった1989年に土曜日開催となった。
  3. ^ 2009年までは前年優勝馬には1着:1億円、2着:4000万円、3着:2500万円が交付されていたが、2010年の改定で対象から除外された。
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出典[編集]

  1. ^ 「ジャパン・オータムインターナショナル」の勧誘策を強化 - 日本中央競馬会[リンク切れ]
  2. ^ 2007年11月20日のサンケイスポーツ[リンク切れ]によると阪神のダート2000mはスタートが芝コースとなる関係もあり、1800mでの開催になったのではと考えられている。
  3. ^ 交付対象競走、指定外国競走、交付対象馬及び褒賞金の額 (PDF) - JRA公式サイト 2011年7月1日現在
  4. ^ a b 週刊Gallop 2007年11月25日号。
  5. ^ 日記・コラム - 武豊公式サイト”. 2012年11月28日閲覧。
  6. ^ 【ジャパンCダート】(12月5日、阪神)〜外国馬の出走はなし - ラジオNIKKEI実況競馬Web”. 2010年11月17日閲覧。
  7. ^ ジャパンカップダート(GI)外国馬情報 外国馬の出走なし- JRA公式サイト”. 2011年11月20日閲覧。
  8. ^ ジャパンカップダート(GI)外国馬情報 -招待受諾馬なし- JRA公式サイト”. 2012年11月16日閲覧。
  9. ^ 中央競馬レコードタイム”. 2012年12月29日閲覧。
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]