「JR九州883系電車」の版間の差分

JR九州883系電車
	登場時の姿
基本情報
製造所	日立製作所
主要諸元
軌間	1,067mm（狭軌）
電気方式	交流20,000V 60Hz
最高運転速度	130km/h（曲線通過+30km/h）
設計最高速度	130km/h
起動加速度	2.2
編成定員	334人（普）+15人（グ）=349人※7; 222人（普）+15人（グ）=237人※5
編成重量	264.3t※7; 188.6t※5
全長	21,700mm (20,500mm)
全幅	2,850mm
全高	3,580mm
車体	ステンレス
主電動機	かご形三相誘導電動機
駆動方式	TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
編成出力	190kW×12= 2,280kW※7; 190kW×8= 1,520kW※5
制御装置	VVVFインバータ制御
制動装置	発電ブレーキ、電気指令式ブレーキ
保安装置	ATS-SK
備考	上記出典『鉄道ファン』第403号、p.103; （普）は普通車、（グ）はグリーン車を示し、※7は7両編成、※5は5両編成。いずれも2008年7月18日以前のデータ。
	第39回（1996年）ブルーリボン賞受賞車両
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883系電車（883けいでんしゃ）は、九州旅客鉄道（JR九州）の交流特急形電車。

概要

日豊本線系統の特急の輸送改善と速達化を目的として製造された車両^[1]^[2]。1995年（平成7年）4月20日より特急「ソニックにちりん」として運用を開始した^[3]。「ワンダーランドエクスプレス」や「sonic 883」^[1]などの愛称がある。車両デザインは水戸岡鋭治が手掛けている^[4]。1995年10月1日にグッドデザイン商品に選定され、1996年（平成8年）5月31日にブルーリボン賞を^[2]、6月21日にはブルネル賞長距離部門で大賞を受賞した^[5]。

JR九州初の振り子式車両であり^[1]、また、電化方式で見た場合、営業用交流電車としては日本初^{[注 1]}の振り子式車両でもある^[2]。

1994年（平成6年）度に1次車7両編成2本、1995年（平成6年）度に2次車7両編成1本、1996年（平成8年）度に3次車7両編成2本、1997年（平成9年）度に4次車5両編成3本の計50両が製造された^[6] 。2008年（平成20年）には5両編成3本が7両編成化され、それにともなう増備車として1000番台2両（モハ883形・サハ883形）×3本6両が製造^[7]、合計で56両のグループとなっている。全て日立製作所で製造された^[7]^[8]。全車大分鉄道事業部大分車両センターに配置されている^[9]。

以下、1994年に登場の車両は1次車、95年に登場の車両は2次車、96年に登場の車両は3次車、97年に登場の車両は4次車、1次車から4次車をまとめて指す場合は883系と表記する。

開発経緯

当時、導入線区となる日豊本線を含む東九州地区の交通体系は高速化が遅れていた^[10]。この頃、大分自動車道が全線開通間近であった事もあり、鉄道整備基金の認定を受け、高速化事業の一環として日豊本線の小倉 - 大分間の線路設備強化と共に新製車両を導入する事となった^[10]。787系「つばめ」プロジェクトでの成功の実績から、車両デザインは水戸岡に依頼する^[11]。当時社長だった石井幸孝は、新製車両に対して2つの面を欲していた^[11]。ひとつは、スピードアップである^[12]。ライバルとなる車や高速バスと対抗するためにはスピードアップは必要不可欠であった^[12]。そのため、振り子装置が採用された^[12]。これにより、カーブの多い日豊本線でもカーブ通過時のスピードアップが図れ、博多 - 大分間の所要時間は従来より20分ほど短縮するに至る^[12]。もうひとつはデザインによる話題性であった^[12]。この新製車両は約2時間の短距離輸送を担うことになるため、子供や若者らが感嘆するほどのポップカルチャーが必要と考えたのである^[12]。

しかし、当時の日豊本線の特急といえば、乗客は少なく夕方になれば当時充当されていた485系の車内は酒瓶やさきイカが散乱しているという有り様であったため^[13]、社内では投げやりな社員もいたほどであり^[14]、メンテナンスもなおざりな状況であった^[13]。また、787系の登場により乗車率や収益は上がったものの、JR九州の置かれている危機的状況は同社発足時から依然として変わっておらず、この状況を打開するには奇策に出るほかなかった^[14]。そんなこともあり、同社営業本部長の丸山康晴は水戸岡に「思いきってやってください」と伝える^[14]。それを受け、水戸岡はかつてないものを造ろうと決める^[15]。

水戸岡は、全く新しくて楽しい空間にしようと思いつく^[16]。そうすれば、485系のように「どうでもいいといった運用・利用の仕方にはならないだろう」^[16]と考えたのである。色彩では、787系の抑えられた色彩から一転し赤・青・黄・緑などの原色が多用された^[17]。全く新しい空間ということから内装で使用される部品はネジ1本から水戸岡が設計し、既製品は使用されていない^[18]。細部まで観察する子供の目線を意識し、いつ見ても新しい発見があるよう、光の陰影やハイライトがつくようにするといった工夫を凝らした^[19]。また、車に比べて引けを取っていた鉄道のデザインや塗色のレベルを上げてみたいとも考え、車も意識した^[20]。デザインコンセプトは「ワンダーランドエクスプレス」である^[21]。

車両愛称・形式名

この新製車両の愛称については、初めに当時の鉄道本部長から大分県の県鳥である「めじろ」を提案されたが、高速列車のイメージに合わないなどの理由で社内から反対意見が挙がり、その代案として「ソニック」が提案された^[12]。英語で音速の、という意味をもつ「ソニック」は、車両デザインや列車の方向性とも合致する事から、水戸岡も了承し「ソニック」に決定した^[12]。

形式名については789系、881系を飛ばして883系となった。なお、789系については後にJR北海道から登場している。

構造

以下、主に製造時点での構造について記述する。

車体

車体は軽量構造のステンレス製^[4]、前頭部は非貫通構造の普通鋼製である^[4]。「昆虫のよう」や「ロボットのよう」とも形容されるこの前頭部は^[2]^[22]、イタリアのデザイナー・マルチェロ・ガンディーニがデザインしたトラックを参考にしている^[23]。前頭部はブルーメタリックに塗装されている^[24]。このブルーメタリックは「トライアンフのラリー車にあったようなブルー」のイメージに近い色である^[20]。当時、ヨーロッパの自動車業界の流行色であったことからこの色が採用された^[25]。

前頭部には別パーツのパネルが装着されている^[26]。この前面パネルは取替可能な構造であり^[26]、人身事故などで正面パネルを大破した際は取替品が完成するまで応急措置としてパネルを外して運転されたこともある。パネルと前頭部本体の間には隙間があり、そこに空気が通る構造である^[27]。これに実用性はなく、あくまで装飾という位置付けである^[19]。この構造はF1カーの構造を手本にしている^[19]。1994年製の1次車から1997年製の4次車では、前面パネルやカラーリングが異なる^{[注 2]}。このバリエーションでソニックファミリーを形成する。これには、駅で待つ乗客に「今日は何色がやってくるんだろう」と乗る前から楽しんでもらいたいという水戸岡の意図が込められている^[28]。

前照灯は、1次車は5箇所点灯し、2次車以降は4箇所が点灯する。近未来的でダイナミックな車体形状が特徴的で、車体の裾絞りは側面に折線のついた直線的な形状である。車体長は先頭車は21,700 mm、中間車は20,500 mm^[29]、最大幅は2,853 mm^[29]、屋根高さは3,450 mm、床面高さは1,130 mm^[4]。787系の床面高さ (1,205 mm) に比べて低くなり、ステップなしの平床構造となった^[4]。

車両はM-TAユニット方式で制御電動車のクモハまたは中間電動車のモハと、パンタグラフや主変圧器を搭載する付随車のサハの2両で1つのユニットを組む^[1]^[4]。ユニットを構成する車両間は半永久連結器を装備し、他は密着連結器を装備する^[30]。なお、先頭車のクロハ882形はどの車両ともユニットを組まない^[31]。

3次車（登場時）
リニューアル後の883系先頭部
左から1次車、2次車、4次車。
4次車（リニューアル後・増結前）
4次車（増結後）
パネルを外した前面も塗装済み

パネルを外した前面も塗装済み

台車

台車は空気ばね式・ヨーダンパ付き・振り子式ボルスタレス台車DT402K（電動車）、TR402K（制御車・付随車）である^[30]。振子中心はレール面2275 mmである。車軸のばね支持装置はコイルばねと円筒複層ゴムの組み合わせ、軸受は密封式円錐ころ軸受である^[29]。低重心化と床面高さを下げるために車輪径810mmの小径車輪が採用された^[32]^[29]。振り子機能により、曲線区間において本則+30km/hでの走行を可能とし^[1]、運転時間短縮に寄与した。なお、走行試験で本則+40 km/hで走行可能な事も確認されている。

振子装置は制御付き自然振り子方式である。これは、クロハ882形に設置されているCC装置^{[注 3]}と繋がる地点検知車上子がATSの地上子を検知^[32]^[33]、自車位置と曲線の入口・出口を距離演算して割り出し^[33]、予めセットされている曲線データに基づいてCC装置から傾斜タイミングの指令を各車両に取り付けられているTC装置に転送し^{[注 4]}、TC装置が車体の傾斜を制御するという仕組みである^[32]。振子機構はコロ式である^[29]。

機器

機器回路の構成は813系に準じている^[31]。制御方式は東芝製GTO 素子によるVVVFインバータ制御であり、電動車に搭載する4基の主電動機を個別で制御する^[34]。高速域での特性に重点が置かれ、特性領域での電源のレギュレーションを考慮して滑り制御を行う^[35]。813系同様架線電流の増加が懸念されたため、架線電圧が降下した際に最も電力を消費する中速域での1次電流を抑える1次電流抑制機能を備える^[34]^[35]。主電動機はMT402Kを各電動車に4搭載する^[29]^[30]。車両重量や性能を考慮し、定格出力は813系の150 kWから190 kWに容量が増加され、歯車比率は1:4.83に設定された^[35]。最高運転速度は130 km/h^[34]。駆動装置は平行ガルダン方式である^[35]。定速制御機能も備えている^[35]。電気ブレーキ方式は発電ブレーキと抑速ブレーキである^[36]。発電ブレーキが採用されたため、電動車に抵抗器が設置され、それに電気エネルギーを熱として消費させる仕組みをとっている^[35]。

ブレーキ装置は発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキと直通予備ブレーキを備える^[35]。時速130キロメートルからの停止距離600メートルを確保するために増圧装置と滑走再粘着制御機能が搭載されている^[35]。基礎ブレーキは電動台車が踏面片押し方式、付随台車が1軸2ディスク方式である^[32]。

補助電源装置は静止形インバータ (SIV) が、電動空気圧縮機は誘導電動機駆動の MH1091Q-TC2000QA（出力：2000 L / min）がそれぞれ搭載されている^[9]^[30]。

空調装置は、ヒートホンプ方式のAU406Kが搭載されている^[9]^[32]。本形式は振り子車である事から重心を下げるためにセパレートタイプとなっており、室外機は床下に、室内機は屋根上に設置されている^[32]。冷房能力は38000 kcal (19000 kcal×2) , 暖房能力は28000 kcal (14000 kcal×2) 有する^[30]。これらは主変圧器の3次巻線を電源とする^[30]。

パンタグラフは下枠交差式の PS401K を搭載する^[26]。パンタグラフ台は、先に営業運転を開始していた東日本旅客鉄道（JR東日本）のE351系と同じく台車枠直結の支持台上に設置され、パンタグラフと架線の位置関係は振り子動作の影響を受けない^[32]。このため、パンタグラフを備えるサハ883形のこの部分はデッドスペースとなっている。この方式は後に登場する885系でも採用された。パンタグラフ折り畳み高さは4,300 mm確保されている^[29]。パンタグラフ台と屋根上に設置されている高圧機器類との間は可とう式の網銅線により接続されている^[5]。

行先表示器は787系に続いて字幕式を採用した。クロハ882形は中央に客用扉が設置されているため縦長の寸法である。

ミュージックホーンも搭載されているが、運転台の下のペダルで操作するのではなく、運転室のコンソールボックスの中のスイッチを操作して吹鳴させる。運転中に鳴らすものではなく、各種試験動作等の注意啓発の合図のために設置されたもので、通常は聞くことができない。

車内設備

列車内を一つの街と見立てられ、2・4号車の車端部に設置されているコモンスペースは「公園」、デッキは「人の集まる広場」と位置付けられている^[4]。「つながった街並としての車両を作っていきたい」^[8]という考えから、車内の仕切りにはガラスが使用されている^[8]。また、ソファが備えられたマルチスペースが2号車の車端部に設置されている^[35]。備えられているカーテンを閉めることで個室化が可能である^[29]。787系とは違い約2時間の短距離輸送を目的としている事から、ビュッフェは設置されていない^[8]。しかし、これでは乗客が立ち回れる場所がなくなる事から、その代わりとしてコモンスペースが設けられた^[8]。なお、3号車には車内販売の拠点となるクルーズルームが設置されている。クルーズルームは、簡易なビュッフェにもなる造りである^[29]。出入口にはショーケースが設けられ、中には高田洋一による彫刻作品「空想の旅」が展示されている^[37]。振り子車の車体が振動するという特性を生かし、動くようになっている^[24]。ショーケース設置までの経緯は、車内の配電盤や機械類が入るパネルの中身に興味を示した水戸岡が、日立にそれを問いかけると、いじることはできないとの返答と共に平面図が示される^[38]。展開図も要求すると、その中身は空だった^[24]。水戸岡はこの空間を生かそうとするが、予算がかさみスケジュールが延びることを恐れた日立はこれを渋る^[24]。水戸岡は日立を説得し、その空間に机やゴミ箱、喫煙可能なスペースを設けた^[24]。その一環としてショーケースが設置され、彫刻が組み込まれたのである^[24]。この彫刻はブルネル賞芸術の鉄道への適合部門で推奨賞を受賞している^[39]。

壁面はカラーアルミで構成され^[4]、電解着色により塗装されている^[15]。これは、オーシマによるものである。壁のみならず、883系で使用されているアルミ製の部品はすべてオーシマが製造している^[16]。

奇数号車にはトイレが設置されている^[32]。787系同様、真空式の洋式トイレが採用された^[4]。1号車にあるトイレはバリアフリー対応でスペースが広くとられている^[35]。3号車に設置のトイレは男女別に個室が分かれているが、洗面所は兼用となっている^[32]。3次車からは入口に点字表記が追加され、個室内に非常用連絡装置も設置された^[40]。 p

普通車

普通車の客室内はカラフルな空間である。座席は2列づつ1000 mm間隔に並び、車内中央部には「センターブース」と称される空間が設けられた^[32]。ここは前後がガラスで仕切られ、向かい合わせで固定された座席の間に折り畳み式の固定テーブルが設けられている^[32]。787系のボックスシートの流れを汲んでいるが、センターブースの座席も若干リクライニングすることが可能である。1・3号車には設置されていない^[32]。1号車には車椅子対応の座席が2席分用意されている^[4]。

壁面や天井、荷棚はグレーで統一されている^[41]。壁面には収納式の帽子掛が内蔵されており^[4]、荷棚はハットラック式で読書灯が設置されている^[41]。荷棚内部は赤色に塗装されている^[41]。

床にはモザイク模様の赤・青・黄・緑色のタイルカーペットが敷かれている^[29]。カーペットのデザインは1両ごとに異なる^[5]。

グリーン室

クロハ882形（1号車）の前寄りに位置する。壁面や天井、カーペット敷きの床など普通車と同様の構造である。座席は2+1列配置に1150 mm間隔に並ぶ^[4]。運転席後ろには前面展望ができるパノラマキャビンが設置されている^[4]。これは、働く運転士の姿を見てもらうために設置されたもの^[42]。鉄道好きの子供から好評を得ている^[42]。パノラマキャビンは、客室より一段上がったところにあり、木製のベンチと引き出し式のテーブルが設置されている^[29]^[43]。段差の部分ではフットライトが点灯する^[43]。3次車からは書棚が設けられ、木材の色調も変更された^[40]。定員15名^[4]。

座席

室内の座席は、グリーン車・普通車ともに883系の開発に合わせて設計された回転式リクライニングシートである^[32]^[44]。この座席の特徴は、動物の耳をイメージさせるユニークな形状のヘッドレストである^[32]。元々はヘッドレストの部分にヘッドホンを内蔵し音楽を聴ける装置を導入する予定だった^[28]。これは全く新しい空間にするというコンセプトから発想されたもので、883系の愛称・sonic（音速の意）にかけたものでもあったが、予算が足りず、音漏れがどうしても避けられなかったため見送られ、最終的にヘッドレストだけが残った^[28]。このヘッドレストは3段階に高さ調節が可能である^[4]。振り子車で揺れる事が想定されたため、椅子の両脇に赤玉のついた取っ手が設けられている^[44]。座面はヘッドレストと一体成形のバケットシートである。普通車の表地は黒地に星屑柄が散りばめられたデザインであり、ヘッドレストは赤・緑・青に分けられた表地に黒点柄の入ったデザインである^[16]。座席背面にはT字型の脚台が付く。グリーン車の座席は黒革張りで、ヘッドレストも黒色である。なお、鉄道車両における座席への革の採用は883系が最初である^[45]。グリーン車の座席にはフットレストとフリーストップ式の電動リクライニング装置が装備されている^[35]。座面の幅は普通車・グリーン車とも430mmである^[46]。グリーン席は座席毎に独立した両肘掛仕様であり^[4]、隣席との間隔は普通車よりも広く確保されている。3次車からはシート幅が60 mm拡大され490 mmとなった^[40]。787系に装備されていたグリーン車のオーディオサービス機器は廃止された。

サービス

接客サービスとしてソニックレディによるグリーン車サービスと車内販売が行われる^[47]。BGM装置を搭載し、コモンスペース・グリーン室・トイレではBGMが流れる^[48]。なお、グリーン車サービスと車内販売は2015年3月日で終了している。

運転設備

運転席は航空機のコックピットをイメージにしている。運転台は787系と同様にL字型であり^[49]、基本構成も準じている。783系などと同様に、左手操作横軸マスコンハンドルと右手操作縦軸ブレーキハンドル（常用7段+非常）を備えている。また、MON3と同様の乗務員支援モニタ（音声による停車駅接近予告機能を付加）も備えている。

クモハ883-1の運転台

改造

883系は、落成以降たびたび改造工事が行われている。

パンタグラフ交換: 2000年3月6日に当時小倉工場にてAO2編成のうち、6号車（サハ883-2）が落成時より搭載していた下枠交差式パンタグラフ PS401K からシングルアーム式パンタグラフ PS401KA に交換された^[9]。その他の車両は同年3月14日より順次大分運輸センターにて取替作業が行なわれた^[9]。各車両毎に行われたため、AO2編成 - AO5編成は一時的に新旧パンタグラフが編成内で混在することもあった。これらの編成はいずれも2号車と4号車はそれぞれ同時に取替えられたものの、AO3編成 - AO5編成はAO2編成とは異なり6号車の取替が3月末となった。それに対して、AO1編成とAO6編成 - AO8編成はそれぞれ編成単位で一挙に取替えられた。最終取替車はサハ883-5であった。
排障器改良: 2000年（平成12年）12月から2002年（平成14年）8月にかけて、踏切衝突事故対策として各編成の検査入場時に順次前面排障器（スカート）下部にバンパーが装着された。ただし、AO8編成に関しては、2002年（平成14年）5月の大型連休直後の検査入場の際には、その後の2002 FIFAワールドカップ観客輸送に伴う輸送力増強で十分な日数を確保できなかったため、2003年（平成15年）1月に臨時入場した際に装着された。
文字放送受信装置取付: クロハ882形に文字放送受信装置が取り付けられた。これにより車内で見えるラジオの配信が開始された。設置工事は2003年（平成15年）6月13日から2004年（平成16年）3月29日にかけて行われた。
ATS-Dk取付: 落成時より取り付けられていた保安装置のATS-PをATS-Dkに交換した^[9]。交換工事は2010年6月1日から2011年7月7日にかけて行われた^[9]。
ラゲージラック取付: 2014年6月30日から2015年7月30日にかけて客室内にラゲージラックが取り付けられた^[9]。これにより7号車は車端部AB席、その他の車両は車端部CD席が欠番となった^[9]。

リニューアル改装

1次車の登場から10年以上経過した2005年3月より、車両検査に合わせてリニューアル改装が開始された^[50]^[51]。内容は以下の通りである。

外観: 車体外部は、ステンレス無塗装から一転し全面インディゴブルーに塗装され^[51]、メタリック調に仕上げられた^[52]。九州の東海岸を走行することからインディゴブルーが採用された^[52]。メタリック調としたことで傷や汚れが目立ちにくく、また、天候によって車体色を変化させる狙いがある^[52]。車端部には転落防止用外幌が設置された^[9]。
車内: 客室内はシックな内装へと一転する^[53]。床はカーペット敷きから白木のフローリングに変更された^[51]。床面には刻印がある^[54]。壁面や天井はスーパーホワイトの全艶塗装が施された^[51]。室内中央部にあったセンターブースは廃止され、跡地には通常の回転式リクライニングシートが設置された^[51]。座席も各号車毎に異なる色の表地に張り替えられた^[54]。また、ヘッドレスト背面にチケットホルダーが設置された。リニューアル前の座席は九州鉄道記念館にて展示されている^[22]。; グリーン室内はカーペットや座席表地がブラウン系統の色のものに張り替えられ、ロールカーテンは「トロピカルストライプ」の柄に取り替えられた^[51]。壁面や天井は普通室内と同様に仕上げられている^[51]。グリーン室・普通室共に1号車全席にはパソコン用のコンセントが各席横の窓下の壁面に1口設置された^[54]。1号車の車椅子対応の大型トイレの扉は、リニューアル前は折戸であったが、車椅子の乗客が1人でも容易に使用できるよう引戸に変更され、開口部も拡大された^[51]。なお、デッキやグリーン室内のパノラマキャビンはリニューアル後もそのまま存置されている^[51]^[54]。; デッキには禁煙化を見据えフリースペースが新設された^[51]。フリースペースには禁煙化された際に喫煙室にもなるよう自動ドアと強制排気装置が設置された^[51]。なお、車内は2007年3月18日より全面禁煙となっている^[55]。; その他にもドアチャイムの設置やコモンスペースへのガラス仕切設置が行われた。

客室内（リニューアル後）
グリーン車客室内（リニューアル後）

グリーン車客室内（リニューアル後）
グリーン車のシート（リニューアル後）
リニューアル後のグリーン車1C席・1D席。

リニューアル改造はAO8編成が初めに行われ、2005年3月24日のダイヤ改正より営業運転を開始した^[54]。その他の編成も順次リニューアルが施され、2007年（平成19年）4月23日のAO編成をもって完了した^[9]。このうち、AO3・5編成は車体側面の形式・番号標記は旧・日本国有鉄道（国鉄）書体（スミ丸ゴシック）となっており、水戸岡デザイン特有の「数字もしくは文字を1字毎に四角形で囲む」表記ではない。ただしAO5編成に関しては、2007年6月の重要部検査時に元の表記に戻された。AO3編成も翌7月の重要部検査時に元の表記へ戻された。なお車体妻面の検査標記等は落成時点から一貫して国鉄書体である。

最初にリニューアルを受けたAO8編成のみ一部にステンレス切抜文字が使用されていたが、その後の要部検査で他編成と同様の銀色テープに変更された。クロハ882-6では、リニューアル施工時に前照灯がHID方式へ変更されたが、現在は従来車と同様のシールドビームに戻されている。また、AO6編成の出場以来、全編成に設置されていたフェンダーミラーは順次撤去された。

編成

2008年7月現在の編成は、以下のとおりである。「AO」の「A」は883系、「O」は大分車両センター所属を示す記号である。

Ao1 - 5編成

落成時より7両編成である。

AO1 - 2編成は1次車、AO3編成は2次車、AO4 - 5編成は3次車に分類される^[6]。
前面のパネルは各編成ごとに形状が異なり、1次車は中央部にリーフ状のグリルにフォグランプがあり^[56]^[50]、2次車はルーバー^[56]、3次車はロゴマークのSマーク打ち抜きになっている^[57]。
3次車のフェンダーミラーは黄色に、連結器カバーとワイパーカバーは赤色に塗装されている^[40]。
モハ883形100番台とサハ883形100番台の2両を抜いた5両編成でも組成可能であり^[4]、実際に5両編成で運用されたこともある^[50]。

編成番号	← 佐伯・博多小倉 →
編成番号	クロハ882	サハ883 200番台	モハ883 200番台	サハ883 100番台	モハ883 100番台	サハ883 0番台	クモハ883
AO1	1	201	201	101	101	1	1
AO2	2	202	202	102	102	2	2
AO3	3	203	203	103	103	3	3
AO4	4	204	204	104	104	4	4
AO5	5	205	205	105	105	5	5

Ao16 - 18編成

1997年2月に登場^[6]。4次車に分類される^[6]。当時の輸送量に見合ったものするために5両編成で落成した^[6]。落成時はAO6 - 8編成と付番されていたが、2008年7月19日からの7連化に伴い、編成番号がそれぞれAO16 - 18編成へ改番された。

前面パネルの形状は3次車と同じだが、AO6編成はシルバー、AO7編成は黄色、AO8編成は濃紺にそれぞれ塗装されている^[50]（編成番号は改番前のもの）。
このグループのみ、クロハ882形にも空気圧縮機が装備されている。
表中の背景色が■の箇所はアルミ製車両。

編成番号	← 佐伯・博多小倉 →
編成番号	クロハ882	サハ883 200番台	モハ883 200番台	モハ883 1000番台	サハ883 1000番台	サハ883 0番台	クモハ883
AO16	6	206	206	1001	1001	6	6
AO17	7	207	207	1002	1002	7	7
AO18	8	208	208	1003	1003	8	8

1000番台

特急定期券「エクセルパス」の利用者を中心に朝晩の需要が増加し、着席できない場面が生じていた^[58]。また、両数を統一して運用の制約を解消するため、2008年7月にそれまで5両編成であった第6編成から第8編成の7連化が行われ、モハ883の1000番台、サハ883の1000番台が登場した^[7]^[58]。これに伴いAO06〜08編成の車番が改番された^[59]。モハ883の1000番台・サハ883の1000番台の両車両は、885系中間車と同様のアルミ合金製車体となった^[58]。これは、製作を担当した日立製作所がアルミ製車両の生産に特化し、笠戸工場がアルミ製車両の製作を前提としたラインに整えられていたためである^[58]。そのため、既存車と同様にステンレス製とはならなかった^[58]。既存の883系とは外観の差異が一目で判別できる^[60]。

走行機器類や台車も既存の885系と同一であるが、ソフトウェアのデータを本形式に合わせたため、883系1000番台に区分された^[58]。1000番台は同系で初めて中間電動車（モハ）にパンタグラフが取り付けられている^[60]。行先表示器も885系と同じLED式である。

車内設備も885系に準じているが、乗客の意見を反映し荷棚が拡大された^[58]。車内案内表示器は大型化された^[58]。室内の吸音材には新素材が採用され、室内騒音の低減が図られた^[58]。座席も革張りではないが885系と同型のものとなっている。出入口付近に設置されているゴミ箱は、容量と開口部が拡大された^[58]。モハ883系の後位側にはコモンスペースとトイレが設けられている^[60]。

2008年7月18日より順次営業運転に投入された^[59]。これにより、従来883系5両編成が担当していた16本の運用のうち、5本の運用は同車7両編成に、11本は885系の運用に振り分けられ^[58]、また、885系の運用24本のうち11本が883系の運用になるなどの変更が行われた^[58]。

形式別概説

クモハ883 (Mc：1 - 8)

小倉方に位置する制御電動車（7号車）^[26]。主電動機 MT402K、制御装置 PC401K が搭載されている。定員48名^[30]。

モハ883

中間電動車^[30]。主電動機と制御装置の配置はクモハ883と同様^[30]。

100番台 (M1：101 - 105): 第1編成から第5編成までの5号車にあたる中間電動車^[30]。定員56名^[30]。
200番台 (M2：201 - 208): 3号車にあたる中間電動車^[26]。クルーズルームを備える^[26]^{[注 5]}。センターブースなし^[26]。定員44名^[30]。
1000番台 (M3：1001 - 1003): 第6編成から第8編成までの4号車にあたる中間電動車^[60]。7連化の際に新製された車両^[60]。補助電源とパンタグラフを備える^[60]。トイレなし^[60]。

クロハ882 (Thsc'：1 - 8)

博多・大分方に位置する制御車（1号車）^[26]。補助電源 SC401KA を備える^[26]。半室グリーン席となっており、車両中央に乗降扉とデッキがある^[26]。運転室側がグリーン席で定員15名。後位側は身障者用座席を備えた普通席で、定員18名。曲線ガラスで仕切られた公衆電話コーナーが設置されていたが^[32]^[35]、2009年10月31日に公衆電話サービスを全廃。しかし、電話機の上からビニールシートで覆われ、「平成21年10月31日をもって車内公衆電話サービスを終了いたしました」という貼り紙が取付けられた状況である。4次車第6編成から第8編成のみ、7連化の際に空気圧縮機が設置された。

サハ883

付随車。主変圧器 TM405K、主整流器 RS406K、シングルアームパンダグラフ PS401KA^{[注 6]}、補助電源 SC403K、電動空気圧縮機 MH1091Q-TC2000QA を備える。ただし、1000番台はパンタグラフ、補助電源、空気圧縮機を設置していない^[60]。

0番台 (TA：1 - 8): 6号車にあたる付随車。落成当初は公衆電話コーナーが設置されたが^[32]、2000年頃に電話機が撤去され、携帯電話コーナーへ改められた。定員56名^[30]。
100番台 (TA1：101 - 105): 第1編成から第5編成までの4号車にあたる付随車^[1]。コモンスペース設置^[35]。落成当初は公衆電話が設置されていたが^[32]、2000年頃に電話機が撤去された。定員56名^[30]。
200番台 (TA2：201 - 208): 2号車にあたる付随車^[30]。コモンスペースとマルチスペースを設置^[35]。定員56名^[30]。
1000番台 (TA3：1001 - 1003): 第6編成から第8編成までの5号車にあたる付随車^[60]。7連化の際に新製された車両^[60]。

歴史

2010年（平成22年）
- 8月6日 :Ao1編成が本系初のラッピングトレイン｢EXILE EXPRESS｣としてデビュー。9月28日まで運用した。

沿革

営業運転開始前

1994年（平成6年）8月20日に日立から落成した1次車（AO1編成）7両編成1本が、8月26日にAO2編成が当時の大分電車区（現・大分車両センター）に配属されると^[9]、性能試験やハンドル訓練を行うために試運転が実施される^[30]。26日には博多駅・小倉駅・大分駅にて一般公開された^[61]。883系は、話題性を狙い前面を黒い布で覆った状態で笠戸工場から搬送されており^[62]、一般公開日まで前面は覆い隠され、この日の除幕式で初めて車体全体が公開された^[61]。そうすることは、自動車のテストカーでは一般的に行われているものの、鉄道においては異例であった^[62]。この一般公開では振子の実演と内覧会も行われ、博多駅と大分駅には500人、小倉駅には400人ほどの見物客が訪れた^[63]。

試運転が重ねられる中、1995年（平成7年）2月5日に別府大分毎日マラソンの開催日と試運転の日程が重なった事から、線路と並行する亀川バイパス付近で先頭を走るランナーのスピードに合わせ、徐行運転して883系をPRすることにした^[62]。その結果、10分近くもテレビ中継に映り、アナウンサーや解説者もランナーのスピードに合わせて走行する883系に触れざるを得ず、PRとしては成功を収めた^[62]。しかし、この影響で運行中の「にちりん」を12分も遅延させる事となった^[62]。

営業運転開始前の同年2月14日には2次車（AO3編成）7両編成1本も増備される^[9]。同年3月18日からは「にちりん」の運用に暫定的に投入され、4月9日まで運用される^[3]。

営業運転開始後

1995年（平成7年）4月20日に「ソニックにちりん」として正式に営業運転が開始され^[3]、博多 - 大分間で4往復の運用に就く^[64]。1996年（平成8年）2月7日に3次車（AO4・5編成）7両編成2本が大分電車区に配属（配属完了は2月21日）され、同年3月16日のダイヤ改正より3次車も運用に加わり同区間での運用が9往復に拡大される^[57]。同年にブルーリボン賞を受賞したことで、8月3日に博多駅で授賞式が行われた。形式称号にちなんでこの日とされた。1997年（平成9年）2月には4次車（AO6 - 8編成）5両編成3本が落成し、2月7日から2月15日にかけて大分電車区に配属された。同年3月22日のダイヤ改正で列車名が「ソニックにちりん」から「ソニック」に改称され^[65]、同列車の15往復の運用に充当される。2000年（平成12年）3月11日のダイヤ改正より、佐伯駅発着の「ソニック」が設定されたため、その運用にも充当されるようになる。2011年現在は博多 - 大分・佐伯間で1・3・4・6 - 11・13・16・19・20・22・23・25・26・28・29 - 33・35・40・42-45・47・48・50 - 55・60 - 62・101・102号の42本（21往復）の運用に充当されている^[66]。

基本的に「ソニックにちりん」・「ソニック」専用で運用されているが、過去には「ソニック」以外に小倉駅始発「ソニック201号」の送り込み列車を兼ねた「きらめき」上り1本（博多駅→門司港駅）の定期運用に充当されていた事がある。「きらめき」には「ソニック201号」が設定された2008年3月に4次車が充当されるが、4次車の7両編成化の際の運用変更時にいったん885系に変更された。2009年3月より再び充当されるも、2011年3月12日のダイヤ改正で「ソニック201号」が大分駅始発だった「にちりん3号」に統合されたため、883系は「きらめき」の運用はなくなった。2008年10月4日に開催された鉄道フェスタin佐世保開催に伴い、AO4編成が佐世保線佐世保駅まで入線し、佐世保線の早岐駅 - 佐世保駅間を試乗会（臨時快速列車）として2往復運転された。佐世保線の早岐 - 佐世保間への入線はこれが初であり、同線には2011年にも入線している。他にも以下の列車の運用にも充当された例がある。

「にちりん」：営業運転開始前の暫定運用の他にも、1996年（平成8年）8月7日から9日までの3日間限定で南宮崎発着の33・20号の運用に^[67]、1997年には同年3月22日のダイヤ改正にあわせて落成した4次車（AO6 - 8編成）がダイヤ改正前にそれぞれ充当されていた。
「ハウステンボス」：1995年と1996年に数日間、「ハウステンボスジェイアール全日空ホテル」開業及び1周年記念の一環として臨時の81・82号に充当された。1995年はAO3編成を5両に減車の上で用いていた。
「かもめ」：AO2編成が2010年9月11日に同列車100号の運用に充当された^[68]。これは、宮崎応援キャンペーンで「にちりんシーガイア」に885系が使用されることによる運用変更であった。翌日12日からは通常通り885系での運転に戻っている。

エピソード

本系列のデザインを手掛けた水戸岡鋭治は「『1』はデザイン的によくない」ということで、本来「881系」とするはずだった形式称号を「883系」にさせたという逸話がある^[69]。

注釈

[脚注の使い方]

^ 交流区間を走ることのできる振り子式車両は591系が存在したが、その後に登場した営業用の振り子式車両は本形式の登場までいずれも直流電車もしくは気動車であった。
^ 3次車と4次車は同じ
^ 振子指令装置。Command Controlerの略。
^ 振子制御装置。Tilt Controlerの略。
^ 車内販売の拠点となるスペース^[32]。
^ 落成当初は PS401K が搭載されていた^[26]。

出典

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参考文献

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外部リンク

883系ソニック - 九州旅客鉄道

[6] 交流区間を走ることのできる振り子式車両は591系が存在したが、その後に登場した営業用の振り子式車両は本形式の登場までいずれも直流電車もしくは気動車であった。

[29] 3次車と4次車は同じ

[35] 振子指令装置。Command Controlerの略。

[37] 振子制御装置。Tilt Controlerの略。

[65] 車内販売の拠点となるスペース^[32]。

[66] 落成当初は PS401K が搭載されていた^[26]。

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[FOOTNOTE『鉄道ダイヤ情報』200732-56] 『鉄道ダイヤ情報』 2007, p. 32.

[FOOTNOTE『幸福な食堂車』2012192-57] 『幸福な食堂車』 2012, p. 192.

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[FOOTNOTE『幸福な食堂車』2012191-68] 『幸福な食堂車』 2012, p. 191.

[FOOTNOTE『鉄道ジャーナル』199497-69] 『鉄道ジャーナル』 1994, p. 97.

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[72] 坂正博「JR九州新幹線・特急列車の運転体系概要」『鉄道ダイヤ情報』第323号、交通新聞社、2011年3月、28-35頁。

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[75] 川島令三　『全国鉄道なるほど事情』 PHP文庫

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表話編歴鉄道友の会ブルーリボン賞選定車両
1950年代	第1回（1958年）小田急3000形電車第2回（1959年）国鉄151系電車
1960年代	第3回（1960年）近鉄10100系電車第4回（1961年）国鉄キハ81系気動車第5回（1962年）名鉄7000系電車第6回（1963年）近鉄20100系電車第7回（1964年）小田急3100形電車第8回（1965年）国鉄0系新幹線電車第9回（1966年）名鉄キハ8000系気動車第10回（1967年）近鉄18200系電車第11回（1968年）国鉄581系電車第12回（1969年）国鉄EF66形電気機関車
1970年代	第13回（1970年）西武5000系電車第14回（1971年）該当車なし第15回（1972年）国鉄14系客車第16回（1973年）国鉄183系電車第17回（1974年）京成AE形電車（初代）第18回（1975年）該当車なし第19回（1976年）阪急6300系電車第20回（1977年）名鉄6000系電車第21回（1978年）近鉄12400系電車第22回（1979年）近鉄30000系電車
1980年代	第23回（1980年）江ノ島鎌倉観光1000形電車第24回（1981年）小田急7000形電車第25回（1982年）箱根登山鉄道1000形電車第26回（1983年）京急2000形電車第27回（1984年）国鉄14系700番台客車「サロンエクスプレス東京」第28回（1985年）名鉄8800系電車第29回（1986年）伊豆急行2100系電車第30回（1987年） JR北海道キハ83・84形気動車「フラノエクスプレス」第31回（1988年）小田急10000形電車第32回（1989年）近鉄21000系電車
1990年代	第33回（1990年） JR東日本651系電車第34回（1991年）東武100系電車第35回（1992年）小田急20000形電車第36回（1993年） JR九州787系電車第37回（1994年）該当車なし第38回（1995年）南海50000系電車第39回（1996年） JR九州883系電車第40回（1997年）該当車なし第41回（1998年） JR西日本500系新幹線電車第42回（1999年） JR西日本・JR東海285系電車
2000年代	第43回（2000年） JR東日本E26系客車第44回（2001年） JR九州885系電車第45回（2002年） JR東日本E257系電車第46回（2003年）近鉄21020系電車第47回（2004年） JR四国5100形電車第48回（2005年） JR貨物M250系電車第49回（2006年）小田急50000形電車第50回（2007年）富山ライトレールTLR0600形電車第51回（2008年） JR東海・JR西日本N700系新幹線電車第52回（2009年）小田急60000形電車
2010年代	第53回（2010年） JR東日本E259系電車第54回（2011年）京成AE形電車（2代）第55回（2012年） JR東日本E5系新幹線電車第56回（2013年）東京メトロ1000系電車第57回（2014年）近鉄50000系電車第58回（2015年） JR東日本E7系新幹線電車・JR西日本W7系新幹線電車第59回（2016年）阪神5700系電車第60回（2017年） JR九州BEC819系電車第61回（2018年） JR西日本35系客車第62回（2019年）小田急70000形電車
2020年代	第63回（2020年）西武001系電車第64回（2021年）近鉄80000系電車第65回（2022年）京急1000形1890番台電車第66回（2023年） JR東海HC85系気動車第67回（2024年）東武N100系電車
ローレル賞島秀雄記念優秀著作賞鉄道趣味顕賞（エバーグリーン賞グローリア賞シルバー賞）