東京家族 (映画)

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東京家族
監督 山田洋次
脚本 山田洋次
平松恵美子
製作 秋元一孝
製作総指揮 迫本淳一
出演者 橋爪功
吉行和子
西村雅彦
夏川結衣
中嶋朋子
林家正蔵
妻夫木聡
蒼井優
音楽 久石譲
撮影 近森眞史
編集 石井巌
製作会社 松竹
住友商事
テレビ朝日
衛星劇場
博報堂DYメディアパートナーズ
講談社
日販
Yahoo! JAPAN
ぴあ
読売新聞社
TOKYO FM
朝日放送
メ〜テレ
RCC
九州朝日放送
北海道テレビ
配給 松竹
公開 日本の旗 2013年1月19日
香港の旗 2013年3月27日
台湾の旗 2013年4月19日[1]
上映時間 146分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 18.2億円
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東京家族』(とうきょうかぞく)は、2013年日本映画2013年1月19日公開。

概要[編集]

小津安二郎監督による『東京物語』(1953年松竹)をモチーフとして制作したと発表されたが、設定やストーリー、演出手法など大部分を踏襲したまま時代を平成に移し替えたものであり、実質的にリメイクである。広島側の舞台は、尾道から豊田郡大崎上島町に変更され撮影されている。キャッチコピーは「おかしくて、かなしい。これは、あなたの物語です。」。

もともとは2011年12月公開予定であったが、東日本大震災によって公開が延期となった。それとともに脚本の一部を改訂し、主演の老夫婦の配役を菅原文太市原悦子から、橋爪功吉行和子に変更[2]。また長女役も室井滋から中嶋朋子に交代した[3]。本編中にも、平山昌次と間宮紀子がボランティア先の南相馬で出会った設定であるなど、震災への言及が加えられた。

全国317スクリーンで公開され、2013年1月29、20日の初日2日間で興収2億961万6,000円、動員動員19万4,902人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位となった[4]。2014年1月発表の最終興収は18.2億円[5]

2014年1月26日には、テレビ朝日系列の『日曜洋画劇場』の特別企画として初めて地上波放送された。

あらすじ[編集]

平山周吉ととみこの老夫婦が、東京の子供達を頼って東京見物に来る。二人はまず、開業医をしている幸一のもとに身を寄せ、兄妹も幸一家に集まって一家団欒の時を過ごす。翌日、幸一は両親を横浜へドライブに連れて行こうとするが、幸一が急患の対応に追われてドライブがお流れになってしまう。次に周吉ととみこは、都内にある滋子の自宅にやってくる。美容院を兼ねたつくりであるため狭苦しいが、滋子の夫である庫造が周吉をスーパー銭湯に誘ったりと、彼らなりにもてなそうとする。翌日、滋子の頼みで昌次が周吉ととみこを東京見物に連れ出す。三人で入ったうなぎ屋で、周吉は昌次に将来の見通しを尋ねるが、昌次ははぐらかして答えようとしない。その日、滋子は客のつてを頼って、二人を高級ホテルに泊めようと考える。幸一の賛同を取り付けた滋子は、翌日さっそく両親を横浜の高級ホテルに送り出すが、横浜に特に用事もない二人は手持ち無沙汰になり、二泊の予定が一泊で帰ってきてしまう。今晩は自宅を商店街の会合で使うので泊めてやれないと滋子に言われた二人は、別々に行動することにする。周吉は旧友である沼田三平を頼り、彼の家に厄介になろうとする。亡くなった旧友の自宅を訪ね、線香をあげた後、周吉は三平に飲みに誘われる。医者である幸一に止められているからと最初は断っていた周吉だが、子供達に邪険にされているという気持ちも手伝って、ついつい酒が進み、酔い潰れてしまう。結局三平の家にも泊まれず滋子の家に転がり込んだ周吉は、滋子の店にゲロをぶちまけたりと、散々迷惑をかける。一方のとみこは、一人暮らしである昌次の面倒を見てやろうと、彼のアパートを訪ねる。そこで思いがけず、昌次と結婚の約束をしている間宮紀子に出会い、意気投合する。あくる日、周吉ととみこは幸一の家に戻り、顔を合わせる。周吉が二日酔いで憔悴している一方で、昌次の恋人の存在を知ったとみこは上機嫌である。しかし、とみこが勇の部屋に行こうとした矢先、階段の途中で倒れてしまう。病院での治療も虚しく、とみこは昏睡状態に陥る。昌次は紀子とともに病院へ駆けつけ、周吉や兄妹の前で紀子のことを打ち明ける。とみこは翌日早くに息を引き取った。葬式は故郷の島で行うことになり、昌次と紀子がとみこの遺骨と周吉を連れて先に帰郷するが、周吉の無愛想な態度に紀子は自分が受け入れられていないのではと思う。兄妹が揃って葬式を上げた後、昌次と紀子はしばらく残って周吉の面倒を見ていた。二人が東京に帰る日、紀子が周吉に暇を乞うと、周吉は自分の面倒を見てくれたことに感謝の意を表し、また昌次のことも出来が悪いと思っていたのは間違いだったと打ち明け、「息子をよろしく」と告げて、紀子にとみこの形見である腕時計を託すのだった。

キャスト[編集]

『東京物語』との違い[編集]

  • 平成期の尾道市は交通環境が整備され『東京物語』の時代ほどの片田舎ではなくなっていたため、フェリーに乗る必要のある大崎上島町に変更された。
  • 主役の老夫婦が子どもたちからプレゼントされるのが、熱海の温泉旅行から横浜の高級ホテルに変更された。
  • 『東京物語』における三男と次女にあたる人物は登場しない。そのかわり、『東京物語』では戦死した設定となっていた次男は生きており、三男の設定が一部移管されている。
  • 次男昌次(『東京物語』における昌二)と紀子は結婚していない。

スタッフ[編集]

受賞[編集]

  • 第37回日本アカデミー賞[7]
    • 優秀作品賞
    • 優秀監督賞(山田洋次)
    • 優秀脚本賞(山田洋次、平松恵美子)
    • 優秀主演男優賞(橋爪功)
    • 優秀主演女優賞(吉行和子)
    • 優秀助演男優賞(妻夫木聡)
    • 優秀助演女優賞(蒼井優)
    • 優秀音楽賞(久石譲)
    • 優秀撮影賞(近森眞史)
    • 優秀照明賞(渡邊孝一)
    • 優秀録音賞(岸田和美)
    • 優秀編集賞(石井巌)
  • 映画芸術』2013年日本映画ベストテン&ワーストテン・ワースト1位[8]

脚注[編集]

  1. ^ Yahoo!台湾の東京家族
  2. ^ 今週のクローズアップ 徹底解剖!山田洋次監督『東京家族』の姿
  3. ^ 菅原文太さんら主役級交代 山田洋次監督「東京家族」
  4. ^ R指定テディベア映画『テッド』まさかの大ヒットで初登場トップ ジャンプ映画強し!劇場版『HUNTER×HUNTER』が『ONE PIECE』から首位を奪う!シネマトゥデイ 2013年1月22日
  5. ^ 2014年記者発表資料(2013年度統計) (PDF)”. 日本映画製作者連盟 (2013年1月28日). 2013年1月28日閲覧。
  6. ^ 本来、広島県のテレビ朝日系列局は広島ホームテレビ(HOME)だが、系列外の中国放送(RCC)が製作委員会に参加した。なお、本作品の地上波テレビ放送はテレビ朝日系列全国ネット枠での放送だった関係上、RCCではなくHOMEで実施された。
  7. ^ 第37回日本アカデミー賞優秀作品発表!”. 日本アカデミー賞公式サイト. 2014年3月7日閲覧。
  8. ^ 「映画芸術」2013年日本映画ベストテン&ワーストテン決定!!(2014年1月17日)、映画芸術、2014年1月28日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ 山田洋次監督「家族はつらいよ」第3弾製作決定!“妻の反乱”で平田家が大混乱(2017年10月8日)、映画芸術、2018年1月28日閲覧。