マーキュリーカップ

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マーキュリーカップ
(副称:メイセイオペラ記念)
第13回マーキュリーカップ
開催国 日本の旗 日本
主催者 岩手県競馬組合
競馬場 盛岡競馬場
創設 1997年7月21日
2023年の情報
距離 ダート2000m
格付け JpnIII / 国際LR
賞金 1着賞金3000万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上(指定交流)
出走資格も参照
負担重量 グレード別定(本文に記載
出典 [1]
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マーキュリーカップは、岩手県競馬組合盛岡競馬場ダート2000メートルで施行するダートグレード競走統一JpnIII)である。正式名称は農林水産大臣賞典 メイセイオペラ記念 マーキュリーカップと表記される。競走名は太陽系第1惑星である水星を意味するマーキュリー(Mercury)から。

概要[編集]

メイセイオペラ(1994 - 2016)

1997年に創設された中央・地方全国指定交流競走で、第1回よりダート競走格付け委員会によって統一GIIIに格付けされている[2]

第1回は水沢競馬場のダート2000mで施行された。第4回目の2000年より施行競馬場を盛岡競馬場に変更し[2]現在に至っている。なお、距離の変更は創設以降行われていない。

例年海の日に開催されており、岩手競馬の夏の風物詩となっている(ただし、祝日法が改正される2003年以前において海の日が土曜日となった第1回と第6回を除く)。なお、2020年の第24回及び2021年の第25回は平日開催となる。

また、岩手競馬で年度の最初に行われる交流重賞競走でもある。

地方勢の優勝は2015年まで第2回のメイセイオペラ(水沢)と第19回のユーロビート(大井)の2頭である[3]。また、3歳馬も出走可能であるがこれまでに優勝したことはない。

2019年と2020年は農林水産大臣賞がつかず、「メイセイオペラ記念 マーキュリーカップ」の名称で行われた。

条件・賞金等(2022年)[編集]

出走資格
サラブレッド系3歳以上。フルゲートは14頭で、出走枠は中央競馬所属馬5頭、岩手競馬所属馬4頭、岩手競馬以外の地方競馬所属馬が5頭と定められている。
負担重量
3歳50kg、4歳以上54kg、牝馬2kg減を基本に、更に以下のように斤量が課せられる[1]。ただし2歳時の成績は対象外。
  1. 本年7月12日より前のGI・JpnI競走優勝馬は5kg増、GII・JpnII競走優勝馬は3kg増、GIII・JpnIII競走優勝馬1kg増。
  2. 上記重量に加え、G及びJpn競走を通算3勝以上している馬は1kg増で、さらに2勝ごとに1kg増。
  3. 負担重量の上限は3歳56kg、4歳以上60㎏、牝馬2kg減。
賞金等
賞金額は1着3000万円、2着1050万円、3着600万円、4着390万円、5着210万円[1]、着外手当は6着45万円、7着30万円、8着以下15万円[4]
副賞
農林水産大臣賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、岩手県馬主会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、NAR生産牧場賞、岩手県知事賞、開催執務委員長賞[1]

過去の賞金額[編集]

賞金(万円)
回数 総額 1着 2着 3着 4着 5着
第1回(1997年) 5550 3000 1200 600 450 300
第2回(1998年)
第3回(1999年) 5250 3000 1050 510 390 300
第4回(2000年)
第5回(2001年) 5100 3000 900 510 390 300
第6回(2002年)
第7回(2003年)
第8回(2004年)
第9回(2005年)
第10回(2006年)
第11回(2007年)
第12回(2008年) 4650 3000 750 450 300 150
第13回(2009年) 3750 2500 575 325 225 125
第14回(2010年) 3450 2300 529 299 207 115
第15回(2011年)
第16回(2012年)
第17回(2013年)
第18回(2014年)
第19回(2015年)
第20回(2016年)
第21回(2017年)
第22回(2018年)
第23回(2019年) 3565 598 322 230
第24回(2020年) 3680 644 368 138
第25回(2021年) 3910 805 460 115
第26回(2022年) 4760 2800 980 560 280 140
第27回(2023年) 5250 3000 1050 600 390 210

歴史[編集]

  • 1997年 - 水沢競馬場のダート2000mの4歳(現3歳)以上の別定重賞(統一GIII)競走マーキュリーカップとして創設。
  • 2000年
  • 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告に伴う重賞の格付け表記の変更により、統一グレード表記をJpnIIIに変更。
  • 2011年
    • この年から、負担重量の算定方法が現行の基準に変更される。
    • 標準となる斤量を2kg減。
    • グレードレース勝利数を基準とする加算斤量および上限を設定。
  • 2016年 - 元・岩手競馬所属で1998年の本競走優勝馬メイセイオペラの死去を受け、「メイセイオペラ追悼レース」の副称をつけて施行[5]
  • 2017年 - この年から、「(メイセイオペラ記念)」の副称をつけて施行[6]

歴代優勝馬[編集]

回数 施行日 開催場 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1997年7月21日 水沢 パリスナポレオン 牡6 JRA 2:13.0 田中勝春 伊藤修司 巴山勝文
第2回 1998年7月20日 水沢 メイセイオペラ 牡4 水沢 2:09.0 菅原勲 佐々木修一 (有)明正商事
第3回 1999年7月20日 水沢 オースミジェット 牡5 JRA R2:06.7 四位洋文 白井寿昭 山路秀則
第4回 2000年7月20日 盛岡 オースミジェット 牡6 JRA 2:06.8 四位洋文 白井寿昭 山路秀則
第5回 2001年7月20日 盛岡 ミラクルオペラ 牡4 JRA 2:05.3 幸英明 領家政蔵 西森鶴
第6回 2002年7月22日 盛岡 プリエミネンス 牝5 JRA 2:06.4 柴田善臣 伊藤圭三 (有)グランド牧場
第7回 2003年7月21日 盛岡 ディーエスサンダー 牡4 JRA 2:04.4 勝浦正樹 藤原辰雄 秋谷壽之
第8回 2004年7月19日 盛岡 スナークレイアース 牡9 JRA 2:05.8 小野次郎 川村禎彦 杉本仙次郎
第9回 2005年7月18日 盛岡 ピットファイター 牡6 JRA 2:05.8 安藤勝己 加藤征弘 臼田浩義
第10回 2006年7月17日 盛岡 クーリンガー 牡7 JRA 2:07.0 和田竜二 岩元市三 林進
第11回 2007年7月16日 盛岡 シャーベットトーン 牡5 JRA 2:04.0 吉田豊 奥平雅士 (有)社台レースホース
第12回 2008年7月21日 盛岡 サカラート 牡8 JRA 2:05.1 中舘英二 石坂正 (有)サンデーレーシング
第13回 2009年7月20日 盛岡 マコトスパルビエロ 牡5 JRA 2:04.0 安藤勝己 鮫島一歩 眞壁明
第14回 2010年7月19日 盛岡 カネヒキリ 牡8 JRA 2:04.8 横山典弘 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第15回 2011年7月18日 盛岡 ゴルトブリッツ 牡4 JRA 2:04.2 川田将雅 吉田直弘 (有)キャロットファーム
第16回 2012年7月16日 盛岡 シビルウォー 牡7 JRA R2:02.1 岩田康誠 戸田博文 (有)社台レースホース
第17回 2013年7月15日 盛岡 ソリタリーキング 牡6 JRA 2:03:1 福永祐一 石坂正 (有)サンデーレーシング
第18回 2014年7月21日 盛岡 ナイスミーチュー 牡7 JRA R2:01.9 小牧太 橋口弘次郎 (株)ダノックス
第19回 2015年7月20日 盛岡 ユーロビート セン6 大井 2:07.8 吉原寛人 渡邉和雄 吉田和美
第20回 2016年7月18日 盛岡 ストロングサウザー 牡5 JRA 2:02.4 田辺裕信 久保田貴士 村木篤
第21回 2017年7月17日 盛岡 ミツバ 牡5 JRA 2:02.1 松山弘平 加用正 (株)協栄
第22回 2018年7月16日 盛岡 ミツバ 牡6 JRA 2:03.5 松山弘平 加用正 (株)協栄
第23回 2019年7月15日 盛岡 グリム 牡4 JRA 2:03.2 武豊 野中賢二 (株)カナヤマホールディングス
第24回 2020年7月21日 盛岡 マスターフェンサー 牡4 JRA 2:03.0 川田将雅 角田晃一 (株)吉澤ホールディングス
第25回 2021年7月20日 盛岡 マスターフェンサー 牡5 JRA 2:05.7 松山弘平 角田晃一 (株)吉澤ホールディングス
第26回 2022年7月18日 盛岡 バーデンヴァイラー 牡4 JRA 2:02.5 福永祐一 斉藤崇史 (有)キャロットファーム
第27回 2023年7月17日 盛岡 ウィルソンテソーロ 牡4 JRA 2:01.8 川田将雅 小手川準 了徳寺健二ホールディングス(株)
  • レースレコード - 2:01.8(第27回優勝馬ウィルソンテソーロ)
  • タイム欄のRはコースレコードを示す。
  • 全てダート2000mで施行。

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 令和5年度第4回 盛岡競馬競走番組表(概定)” (PDF). 岩手競馬オフィシャルページ. 2023年7月15日閲覧。
  2. ^ a b マーキュリーC 過去10年の傾向”. 岩手競馬 公式WEBSITE. 2015年7月22日閲覧。
  3. ^ “【盛岡・マーキュリーC】地方馬17年ぶり!ユーロビート圧勝”. スポーツニッポン. (2015年7月21日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/07/21/kiji/K20150721010774670.html 2015年7月22日閲覧。 
  4. ^ 令和5年度第4回盛岡競馬 改定番組” (PDF). 岩手競馬オフィシャルページ. 2023年7月15日閲覧。
  5. ^ 【レースハイライト】第20回 マーキュリーカップJpnIII”. web Furlong 2016. 地方競馬全国協会. 2018年11月22日閲覧。
  6. ^ 2017年ダートグレード競走の日程・格付けについて地方競馬全国協会、2016年11月22日閲覧

各回競走結果の出典[編集]

外部リンク[編集]