名古屋大賞典

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名古屋大賞典
2017年名古屋大賞典
主催者 愛知県競馬組合
競馬場 名古屋競馬場
創設 1977年12月21日
2024年の情報
距離 ダート2000m
格付け JpnIII / 国際LR
賞金 1着賞金2500万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上(指定交流)
出走条件も参照
負担重量 ハンデキャップ(本文に記載
出典 [1]
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名古屋大賞典(なごやだいしょうてん)は、愛知県競馬組合名古屋競馬場で施行する地方競馬重賞ダートグレード競走競走である。格付けはJpnIII。2023年までは中日新聞社が優勝杯を提供しており、正式名称は「中日新聞杯 名古屋大賞典」であったが、2024年より農林水産省が賞を提供するため、「農林水産大臣賞典 名古屋大賞典」と表記されることになった[2]

概要[編集]

1977年に5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の別定の東海地区限定の重賞競走、名古屋大賞典として創設、第1回は名古屋競馬場のダート1900mで施行された。

1987年の第11回競走を最後に、3月開催へ移す為に1988年は施行されず、1996年からは東海地区グレード制施行によりSP1に指定されると同時に中央・地方全国指定交流競走に指定され、中央競馬および他地区所属馬が出走可能となり、更に負担重量を定量に変更した。

1997年からはダートグレード競走施行によりGIII(統一GIII)に格付け、2000年からは負担重量をグレード別定に変更、2005年から出走資格を4歳(旧5歳)以上に変更、2006年は前年の名古屋グランプリが降雪で中止になった事に伴い、農林水産大臣賞典の副称が付いた。

2023年からは名古屋競馬場の移転に伴いダート2000mに変更された。

2023年までは名古屋競馬場における春の名物競走で、フェブラリーステークス後のGIIIクラスということもありGI級勝ち馬の参戦は稀で、中央競馬の重賞クラスの競走馬が例年出走する傾向があった。中央競馬の重賞クラスの競走馬にとっては、躍進のきっかけとなる競走であり、スマートファルコンニホンピロアワーズホッコータルマエアウォーディーケイティブレイブは後にGI級競走優勝馬となっている。

2024年より古馬中距離路線のローテーション整備の一環で、施行時期を12月に移行し、出走条件が4歳以上から3歳以上に、負担重量がハンデキャップに変更される予定[3]

条件・賞金(2023年)[編集]

出走条件
サラブレッド系4歳以上、出走枠は東海地区(愛知・笠松)所属4頭以上、地方他地区所属3頭以下、中央競馬所属5頭以下と定められている[1]
  • 梅見月杯(SPI・名古屋競馬場・ダート1900m)の優勝馬に本競走の優先出走権がある。
負担重量
54kg、牝馬2kg減(南半球産4歳1kg減)を基本に、更に以下のように負担増となる。ただし2歳時の成績は対象外。
  1. 本年3月11日より過去のGI・JpnI競走1着馬は5kg増、GII・JpnII競走1着馬は3kg増、GIII・JpnIII競走1着馬は1kg増。
  2. 上記に加え、G及びJpn競走通算3勝以上馬は1kg増、更に2勝ごとに1kg増となる。
  3. 上限は牡・騸60kg(南半球産4歳59kg)、牝馬58kg(同57kg)。
賞金
1着2,500万円、2着825万円、3着500万円、4着325万円、5着225万円、着外25万円[4]
副賞
中日新聞社賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、地方競馬全国協会理事長賞、(一社)日本地方競馬馬主振興協会会長賞、(一社)愛知県馬主協会会長賞、愛知県競馬組合管理者賞、開催執務委員長賞[5]

過去の賞金額[編集]

中央競馬地方競馬全国指定交流競走に指定された1996年以降
回数 総額賞金
(万円)
1着賞金
(万円)
2着賞金
(万円)
3着賞金
(万円)
4着賞金
(万円)
5着賞金
(万円)
第19回(1996年) 6,800 4,000 1,360 680 480 280
第20回(1997年) 5,550 3,000 1,200 600 450 300
第21回(1998年)
第22回(1999年)
第23回(2000年) 5,340 1,050 420 270
第24回(2001年) 5,100 510 330 210
第25回(2002年)
第26回(2003年)
第27回(2004年)
第28回(2005年)
第29回(2006年) 4,650 900 360 240 150
第30回(2007年)
第31回(2008年) 4,350 750 300 180 120
第32回(2009年)
第33回(2010年) 3,750 2,500 650 350 150 100
第34回(2011年) 3,150 2,100 546 273 126 105
第35回(2012年)
第36回(2013年)
第37回(2014年)
第38回(2015年)
第39回(2016年)
第40回(2017年)
第41回(2018年) 504 252 168 126
第42回(2019年) 525 105
第43回(2020年) 3,360 588 336 210 126
第44回(2021年) 3,740 2,200 704 396 264 176
第45回(2022年)

※上記総額賞金に、着外賞金は含まれない。

歴史[編集]

  • 1977年 - 名古屋競馬場のダート1900mの5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の別定の東海地区限定重賞競走、名古屋大賞典として創設。
  • 1985年 - 笠松の後藤保が調教師として史上初の連覇。
  • 1988年 - 施行時期の変更により施行せず。
  • 1991年
    • 愛知のハヤブサモンが史上初の連覇。
    • 愛知の伊藤辰雄が調教師として2人目の連覇。
  • 1996年
    • 東海地区グレード制施行によりSP1に指定。
    • 中央・地方全国指定交流競走に指定。
    • 負担重量を定量に変更。
  • 1997年 - ダート競走格付け委員会にGIII(統一GIII)に格付け。
  • 2000年
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「5歳から10歳」から「4歳から9歳」に変更。
    • 四位洋文騎手として史上初の3連覇。
  • 2005年
    • 出走資格を「4歳から9歳」から「4歳以上」に変更(10歳以上の競走馬が出走可能となる)。
    • JRAのクーリンガーが3頭目の連覇。
    • JRAの岩元市三が調教師として4人目の連覇。
  • 2006年 - 副称に農林水産大臣賞典が付く。
  • 2007年 - ICSCの勧告により、格付けを統一JpnIIIに変更。
  • 2020年 - COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催。
  • 2022年
    • JRAのクリンチャーが4頭目の連覇。
    • JRAの宮本博が調教師として5人目の連覇。
    • 発売金額が884,710,700円となり、発売金額レコードを更新。
  • 2023年 - 名古屋競馬場の移転に伴い、施行距離をダート2000mに変更。
  • 2024年
    • 「全日本的なダート競走の体系整備」に伴い、施行時期を12月に、出走資格を3歳以上に、負担重量をハンデキャップにそれぞれ変更予定。
    • 競走名を「農林水産大臣賞典 名古屋大賞典」に変更し、競走名の中日新聞杯が外れる。

歴代優勝馬[編集]

回数 施行日 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1977年12月21日 ブレーブボーイ 牡3 名古屋 2:02.7 山田義男 大薮憲三
第2回 1978年11月6日 スズカオーヒメ 牝5 名古屋 2:03.5 白坂芳文 西山好夫
第3回 1979年12月23日 ダイタクチカラ 牡5 笠松 1:59.7 山田義男 倉間昭夫
第4回 1980年12月17日 イチコンコルドオウ 牡6 名古屋 2:01.5 坂本敏美 青山高司
第5回 1981年12月23日 ハローキング 牡6 名古屋 2:02.2 田中敏和 野島三喜雄
第6回 1982年12月22日 ゴールドレツト 牡3 名古屋 2:02.0 原口次夫 磯村林三
第7回 1983年12月21日 ミヤジダケオー 牡5 名古屋 2:02.6 田中敏和 野島三喜雄
第8回 1984年12月27日 マツノセイザン 牡4 笠松 2:01.2 安藤勝己 後藤保
第9回 1985年12月25日 カウンテスアツプ 牡4 笠松 2:01.2 安藤勝己 後藤保
第10回 1986年12月3日 グレートローマン 牡5 名古屋 2:01.4 田中敏和 野島豊
第11回 1987年12月2日 ワカオライデン 牡6 笠松 2:02.7 井上孝彦 荒川友司
第12回 1989年3月21日 フエートノーザン 牡6 笠松 2:04.7 安藤勝己 吉田秋好
第13回 1990年3月21日 ハヤブサモン 牡5 名古屋 2:01.0 安部幸夫 伊藤辰雄
第14回 1991年3月21日 ハヤブサモン 牡6 名古屋 2:02.9 安部幸夫 伊藤辰雄
第15回 1992年3月20日 ベッスルエース 牡4 笠松 2:01.3 安藤光彰 飯干秀人
第16回 1993年3月17日 ロングニュートリノ 牡8 笠松 2:03.0 松原義夫 青木和夫
第17回 1994年3月21日 ウットマン 牡4 笠松 2:03.6 濱口楠彦 荒川友司
第18回 1995年3月21日 ポスターフェイス 牡6 笠松 2:02.3 青木達彦 柴田高志
第19回 1996年3月20日 キョウトシチー 牡5 JRA 2:02.6 松永幹夫 中尾謙太郎
第20回 1997年3月20日 メイショウアムール 牡6 JRA 2:01.2 河内洋 高橋直
第21回 1998年3月4日 メイショウモトナリ 牡4 JRA 2:03.2 安田康彦 安田伊佐夫
第22回 1999年3月24日 オースミジェット 牡5 JRA 2:01.9 四位洋文 白井壽昭
第23回 2000年3月20日 オースミジェット 牡6 JRA 2:02.3 四位洋文 白井壽昭
第24回 2001年3月21日 マンボツイスト 牡6 JRA 2:00.6 四位洋文 古川平
第25回 2002年3月21日 トーホウエンペラー 牡6 水沢 2:01.9 菅原勲 千葉四美
第26回 2003年3月12日 マルカセンリョウ 牡5 名古屋 2:01.2 上松瀬竜一 瀬戸口悟
第27回 2004年3月10日 クーリンガー 牡5 JRA 2:01.2 和田竜二 岩元市三
第28回 2005年3月2日 クーリンガー 牡6 JRA 2:01.5 和田竜二 岩元市三
第29回 2006年3月21日 ドンクール 牡4 JRA 2:00.6 岩田康誠 梅内忍
第30回 2007年3月28日 アルドラゴン 牡6 JRA 2:04.4 藤田伸二 昆貢
第31回 2008年3月20日 メイショウトウコン 牡6 JRA 2:00.6 武幸四郎 安田伊佐夫
第32回 2009年3月25日 スマートファルコン 牡4 JRA 2:01.8 岩田康誠 小崎憲
第33回 2010年3月17日 ラヴェリータ 牝4 JRA 2:02.1 岩田康誠 松元茂樹
第34回 2011年3月21日 エスポワールシチー 牡6 JRA 1:58.4 佐藤哲三 安達昭夫
第35回 2012年3月22日 ニホンピロアワーズ 牡5 JRA 2:01.4 幸英明 大橋勇樹
第36回 2013年3月20日 ホッコータルマエ 牡4 JRA 1:59.8 幸英明 西浦勝一
第37回 2014年3月26日 ダノンカモン 牡8 JRA 2:01.9 川田将雅 池江泰寿
第38回 2015年3月26日 メイショウコロンボ 牡6 JRA 2:00.8 武幸四郎 角田晃一
第39回 2016年3月17日 アウォーディー 牡6 JRA 2:01.2 武豊 松永幹夫
第40回 2017年3月30日 ケイティブレイブ 牡4 JRA 2:02.5 福永祐一 目野哲也
第41回 2018年3月29日 サンライズソア 牡4 JRA 2:02.4 M.デムーロ 河内洋
第42回 2019年3月14日 グリム 牡4 JRA 2:02.1 武豊 野中賢二
第43回 2020年3月12日 ロードゴラッソ 牡5 JRA 2:02.0 川田将雅 藤岡健一
第44回 2021年3月11日 クリンチャー 牡7 JRA 2:00.0 川田将雅 宮本博
第45回 2022年3月10日 クリンチャー 牡8 JRA 2:03.4 川田将雅 宮本博
第46回 2023年3月16日 ハギノアレグリアス 牡6 JRA 2:08.2 川田将雅 四位洋文

出典[編集]

  1. ^ a b 中日新聞杯第46回 名古屋大賞典(JpnⅢ)競走” (PDF). 愛知県競馬組合. 2023年3月12日閲覧。
  2. ^ 令和6年度(2024年度)名古屋競馬重賞競走等予定(PDF)愛知県競馬組合、2024年2月21日閲覧
  3. ^ 全日本的なダート競走の体系整備について - 地方競馬情報サイト(地方競馬全国協会)2022年11月28日
  4. ^ 名古屋競馬番組要綱・賞金等支給基準(2022年度)”. 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年3月12日閲覧。
  5. ^ 令和4年度 第26回 名古屋競馬番組 名古屋大賞典(JpnIII)シリーズ” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年3月12日閲覧。

各回競走結果の出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]