アンドレ・ジャマール・ドラモンド(Andre Jamal Drummond, 1993年8月10日 - )はアメリカ合衆国ニューヨーク州マウントバーノン出身のバスケットボール選手。北米男子プロバスケットボールリーグNBAのクリーブランド・キャバリアーズに所属している。ポジションはセンター。
学生時代[編集]
高校時代はU-17アメリカ代表に選出されブラッドリー・ビールらと共に世界選手権で優勝、恵まれた体格でガードの選手に引けを取らない走力で "次世代のドワイト・ハワード" と騒がれ、一時は全米No.1選手に上り詰めるなど将来のNBAドラフト1位候補として期待されていた。
学業も非常に優秀で首席での高校卒業も期待されていたが、レブロン・ジェームズが主催するジュニアキャンプに招待された際にレブロンに気に入られ、NBAを目指すことを薦められコネチカット大学に飛び級で進学。1年生終了後、2012年のNBAドラフトにアーリーエントリーした。
NBA[編集]
ピストンズ時代[編集]
2012年のNBAドラフトにおいて、デトロイト・ピストンズから全体9位指名を受けた。2012-13シーズン、ライジング・スターズ・チャレンジに選出されたが、背中の疲労骨折により欠場を余儀なくされた。2013年3月14日、NBAオールルーキーチームのセカンドチームに選出された[1]。
2015-16シーズン、4度の延長戦にもつれ込んだ2015年12月18日のシカゴ・ブルズ戦で、ドラモンドは33得点21リバウンドを記録。1990-91シーズンのデニス・ロッドマン以来の "30-20" を達成し、勝利に貢献した[2]。以降エース級の活躍を見せたドラモンドは、NBAオールスターゲームに初出場。チームを2009年以来のプレーオフ出場に導いた。自身初のプレーオフでは1回戦でレブロン・ジェームズを擁するクリーブランド・キャバリアーズにスウィープで敗れた。オールNBAチーム(3rdチーム)に初選出されたこともあって、オフの7月1日には4年1億3000万ドルでピストンズと再契約した[3]。
2016-17シーズン、2016年11月19日のボストン・セルティックス戦で、ドラモンドはドワイト・ハワードの当時22歳129日に続くNBA史上2番目の23歳101日の若さで、通算4000リバウンドを達成した[4]。
2017-18シーズンは2018年1月30日、怪我により欠場が決まったジョン・ウォールの代替として2月18日にロサンゼルスのステイプルズ・センターで行われるオールスターゲームへの出場が決まった[5]。最終的に平均16.0リバウンドを記録し、自身2度目のリバウンド王を獲得した。平均16リバウンド以上が記録されたのは、1996-97シーズンのデニス・ロッドマン以来となった[6]。
2018-19シーズンは自身3度目のリバウンド王を獲得し、平均得点は自身最高の17.3を記録した。自身2度目のプレーオフでは1回戦でヤニス・アデトクンボを擁するミルウォーキー・バックスにスウィープで敗れた。
2019-20シーズン、2019年12月3日のクリーブランド・キャバリアーズ戦では17得点・14リバウンド・4アシスト・5スティール・4ブロックの好成績だったが、あと1アシスト・1ブロックがあればファイブ・ファイブズを達成するところだった[7]。
キャバリアーズ時代[編集]
2020年2月6日、ブランドン・ナイト、ジョン・ヘンソン、2023年のドラフト2巡目指名権とのトレードで、クリーブランド・キャバリアーズへ移籍した[8]。トレードに際して、入団から7シーズン半在籍したピストンズから事前に何も連絡がなかったため、自身のTwitterアカウントで憤りを伝えた[9][10]。移籍後最初の試合では自身初めて1試合2本の3Pシュートを成功させた[11]。
プレースタイル[編集]
恵まれた体格を持ち、ビッグマンながら走力、跳躍力ともに優れた身体能力を有している。特にブロックショットはドラモンドの持ち味であり、大学在籍時は2.7ブロックを記録した。NBA入り後はリバウンダーとして存在感を発揮している。ディフェンスリバウンドだけでなくオフェンスリバウンドにもよく絡み、2年目以降平均2桁リバウンドを記録し2016年にはリバウンド王を獲得した。その一方、フリースローはとても苦手としており、大学在籍時は成功率が30%に満たず、NBA入りしてからもファウルゲームの的にされるケースが多く、2016年1月20日のヒューストン・ロケッツ戦では、36回のフリースローの試投数の内、23本を外すというNBAワースト記録を樹立してしまった[12][13]が、2017-18シーズン開幕前にアイダン・ラビン(英語版)の指導を受けたことで、以降は成功率が60%前後にまで改善した[14]。
個人成績[編集]
レギュラーシーズン[編集]
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2012–13
|
DET
|
60 |
10 |
20.7 |
.608 |
.500 |
.371 |
7.6 |
.5 |
1.0 |
1.6 |
7.9
|
2013–14
|
81 |
81 |
32.3 |
.623 |
.000 |
.418 |
13.2 |
.4 |
1.2 |
1.6 |
13.5
|
2014–15
|
82 |
82 |
30.5 |
.514 |
.000 |
.389 |
13.5 |
.7 |
.9 |
1.9 |
13.8
|
2015–16
|
81 |
81 |
32.9 |
.521 |
.333 |
.355 |
14.8 |
.8 |
1.5 |
1.4 |
16.2
|
2016–17
|
81 |
81 |
29.7 |
.530 |
.286 |
.386 |
13.8 |
1.1 |
1.5 |
1.1 |
13.6
|
2017–18
|
78 |
78 |
33.7 |
.529 |
.000 |
.605 |
16.0 |
3.0 |
1.5 |
1.6 |
15.0
|
2018–19
|
79 |
79 |
33.5 |
.533 |
.132 |
.590 |
15.6 |
1.4 |
1.7 |
1.7 |
17.3
|
2019–20
|
49 |
48 |
33.8 |
.530 |
.048 |
.584 |
15.8 |
2.8 |
2.0 |
1.7 |
17.8
|
CLE
|
8 |
8 |
28.1 |
.552 |
.286 |
.513 |
11.1 |
1.8 |
1.5 |
1.4 |
17.5
|
通算:8年
|
599 |
548 |
31.0 |
.542 |
.146 |
.461 |
13.8 |
1.3 |
1.4 |
1.6 |
14.5
|
All-Star
|
2 |
0 |
18.0 |
.833 |
.000 |
.000 |
8.0 |
.0 |
1.0 |
.5 |
15.0
|
プレーオフ[編集]
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2016
|
DET
|
4 |
4 |
32.8 |
.519 |
.000 |
.324 |
9.0 |
.0 |
.3 |
1.5 |
16.8
|
2019
|
4 |
4 |
31.8 |
.444 |
.000 |
.429 |
13.0 |
2.3 |
1.5 |
1.3 |
14.3
|
出場:2回
|
8 |
8 |
32.3 |
.481 |
.000 |
.364 |
11.0 |
1.1 |
.9 |
1.4 |
15.5
|
1試合記録[編集]
- 得点:33(2015年12月18日)
- リバウンド:29(2015年11月3日)
- アシスト:8(2019年11月8日など)
- スティール:6(2019年12月20日など)
- ブロック:7(2017年1月10日)
外部リンク[編集]
NBAリバウンド王/通算リバウンド数 |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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歴代ベスト10[1] |
- ①ウィルト・チェンバレン:23,924
- ②ビル・ラッセル:21,620
- ③カリーム・アブドゥル=ジャバー:17,440
- ④エルビン・ヘイズ:16,279
- ⑤モーゼス・マローン:16,212
- ⑥ティム・ダンカン:15,091
- ⑦カール・マローン:14,968
- ⑧ロバート・パリッシュ:14,715
- ⑨ケビン・ガーネット:14,662
- ⑩ネイト・サーモンド:14,464
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