フリースロー

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NBAレイカーズ対スパーズ戦コービーのフリースロー

バスケットボールにおけるフリースロー(Free Throw:自由投)とは、一方のチームがファウル、あるいは、特定のヴァイオレイションを犯した場合に科されるペナルティ(罰則)の一つで、相手チームに与えられる得点機会のことである。コート上のフリースローレーン内にすべてのプレーヤーが入らず、投じるプレーヤー(以下、スロワー)は、フリースローサークル内のフリースローライン手前から、どのプレーヤにも防御される事無し(フリー)に、ボールをバスケットに向け放つ事(スロー)が出来る。ペナルティーの種類によって、1投から3投までの間で、連続的にスローされ、フリースロー1投がゴールすれば1得点が与えられる。最終投がスローされた後のプレーの再開方法には、数種類の場合がある。 通常のフリースローの際には、その他の選手は規定の人数、フリースローレーン(ペイントエリア)境界線に沿って並び、それら以外はスリーポイントエリア内でなおかつフリースローサークルより手前にいなければならない。この際制限区域(ペイントエリア)に沿って並べるプレイヤーはスロワーチーム2名、相手チーム3名までである。右図のような配置で実施される。

フリースローとなる場合と投数及びスロワー[編集]

国際バスケットボール連盟 (FIBA) ルール[1]NBAルール[2]では、異なる場合があるので、詳細は脚注を参照。

FIBAでのフリースロー時のポジション一例
NBAでのフリースロー時のポジション一例
  • シューティングファウルがコールされ、ショットが失敗したとき。
ツーポイントショットのときは2投。
スリーポイントショットのときは3投
最終投はゴールあるいはリングに触れた時点でショット扱い
スロワー:ファウルを受けたプレーヤー
  • シューティングファウルがコールされ、なおかつショットがゴール(バスケットカウント)したとき
ツーポイント、スリーポイント共に1投
最終投はゴールあるいはリングに触れた時点でショット扱い
スロワー:ファウルを受けたプレーヤー
  • フレグラントファウル、あるいは相当するファウル(例えばNBA:クリアパスファウル)がコールされたとき。
シューティングファウルでない場合やツーポイントショットのときは2投。
スリーポイントショットのときは3投、
成功失敗に拘わらず、スロワー側が攻撃権を維持したままで再開する。
スロワー:ファウルを受けたプレーヤー
この場合、フリースロー時、スロワー以外のプレーヤーはすべて3ポイントエリアでフリースローサークルより手前へ出る。
  • アンスポーツマンライクファウルがコールされたとき。
シューティングファウルでない場合やツーポイントショットのときは2投。
スリーポイントショットのときは3投。
成功失敗に拘わらず、スロワー側が攻撃権を維持したままで再開する。
スロワー:ファウルを受けたプレーヤー
この場合、フリースロー時、スロワー以外のプレーヤーはすべて3ポイントエリアでフリースローサークルより手前へ出る。
  • チームファウルが規定のピリオドで一定数蓄積した時点で、パーソナルファウルがコールされたとき。
2投
最終投はゴールあるいはリングに触れた時点でショット扱い
スロワー:ファウルを受けたプレーヤー
  • テクニカルファールがコールされたとき。
通常1投。
成功失敗に拘わらず、スロワー側が攻撃権を維持したままで再開する。
スロワー:出場中の任意のプレーヤー(通常フリースローの最も得意なプレーヤー)
この場合、フリースロー時、スロワー以外のプレーヤーはすべて3ポイントエリアでフリースローサークルより手前へ出る。
  • テクニカルファールに相当するヴァイオレイションがコールされたとき。
通常1投。
成功失敗に拘わらず、スロワー側が攻撃権を維持したままで再開する。
スロワー:出場中の任意のプレーヤー(通常フリースローの最も得意なプレーヤー)
この場合、フリースロー時、スロワー以外のプレーヤーはすべて3ポイントエリアでフリースローサークルより手前へ出る。

Basketball Clipart.svg

フリースロー時に行ってよいこと[編集]

  • タイムアウト(Time out)
  • スロワー以外の選手交代

フリースロー後の再開方法[編集]

最終投がショット扱いのルーズボールとなる場合
成功時は通常のフィールドゴールが成立したときと同じ様に開始。
失敗時は、フィールドゴール失敗時と同じく、ルーズボールに対するリバウンド争いとなる。
スロワー及びスロワー側プレーヤーにヴァイオレイションがあった場合は、相手チームのスローインで再開。
スロワーの相手チームにヴァイオレイションがあった場合は、スローのやり直し。
スロワー側の攻撃権が維持される場合
フリースローライン延長上のサイドライン外からのスローイン
最終投以外のスローの場合
成功すれば、次のスローに移る。
失敗しても[3]、チームリバウンドが記録された後、次のスローに移る。

フリースロー時のヴァイオレイション[編集]

スロワーのヴァイオレイション
  • スローする際には接地していなければならない。
  • スロワーはボールがリングに接触するまで、スロー位置を離れることは出来ない。
  • スロワーが審判がボールを手渡した後、一定の時間内にスローを行わなければならない。FIBA:5秒、NBA:10秒
  • 最終投はエアーボールにしてはならない。
スロワー以外のヴァイオレイション
  • フリースローするまでの間、その他の選手は規定の人数、フリースローレーン(ペイントエリア)境界線に沿って並び、それら以外はスリーポイントエリア内にいなければならない。この際制限区域(ペイントエリア)に沿って並べるプレイヤーはスロワーチーム2名、相手チーム3名までである。
  • スロワー以外の選手は、スロワーの手からボールが離れるまで、移動することが出来ない。

フリースローの成功率[編集]

成功率はガードの選手であれば80%以上。フォワード、センターの選手であれば70%以上が合格点といわれるが、NBA選手でも、安定してこれを超えるのは容易では無いようである。また、成功率が非常に低い選手は、戦術的に故意にファウルを受けることがあり、ハックされると言われる。事の起こりは、フリースローを極端に苦手にしていたNBA史上最強のセンターとも言われたシャキール・オニール、愛称シャックを故意にファールして、フリースローをさせ、所属チームの1攻撃権当たりの得点数を2以下に抑えるためにおこなわれ、ニックネームに掛けて、これをハック・ア・シャックと呼んだ。NBAのダラス・マーベリックスのヘッドコーチであったドン・ネルソンによって始められたものである。

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フリースローに関わる記録[編集]

一試合でのフリースロー連続成功の世界記録は桜井良太が2000年のウインターカップ2回戦・能代工業戦で記録した21本。成功率のNBAにおけるレギュラーシーズンの最高記録は、2008-2009シーズンにホセ・カルデロンが記録した.981(試投数154本、成功数151本)。過去の名選手リック・バリーは、象徴的な"両手アンダースロー"によるフリースローで、非常に高い精度を発揮し、キャリアを通してフリースローで高い成功率を維持し続け、NBA歴代3位となるキャリア通算成功率90.00%をはじめ、計6回(ABA時代を含めれば9回)の成功率リーグ1位など、フリースローに関する様々な記録を残した。

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NBA歴代フリースロー得点ランキング[編集]

NBA歴代フリースロー総成功数ランキング[4]   太字は現役選手 
Rank プレーヤー Player FtA FT % Total_FTM
1 カール・マローン Karl Malone 13,188 .742 9,787
2 モーゼス・マローン Moses Malone 11,090 .769 8,531
3 オスカー・ロバートソン Oscar Robertson 9,185 .838 7,694
4 コービー・ブライアント Kobe Bryant 8,842 .838 7,407
5 マイケル・ジョーダン Michael Jordan 8,772 .835 7,327
6 ジェリー・ウエスト Jerry West 8,801 .814 7,160
7 ドルフ・シェイズ Dolph Schayes 8,274 .843 6,979
8 エイドリアン・ダントリー Adrian Dantley 8,351 .818 6,832
9 カリーム・アブドゥル=ジャバー Kareem Abdul-Jabbar 9,304 .721 6,712
10 アレン・アイバーソン Allen Iverson 8,168 .780 6,375
11 チャールズ・バークレー Charles Barkley 8,643 .735 6,349
12 レジー・ミラー Reggie Miller 7,026 .888 6,237
13 ボブ・ペティット Bob Pettit 8,119 .761 6,182
14 ポール・ピアース Paul Pierce 7,556 .807 6,101
15 ウィルト・チェンバレン Wilt Chamberlain 11,862 .511 6,057
16 デビッド・ロビンソン David Robinson 8,201 .736 6,035
17 ドミニク・ウィルキンス Dominique Wilkins 7,438 .811 6,031
18 ダーク・ノビツキー Dirk Nowitzki 6,824 .878 5,990
19 シャキール・オニール Shaquille O'Neal 11,252 .527 5,935
20 エルジン・ベイラー Elgin Baylor 7,391 .780 5,763
21 アキーム・オラジュワン Hakeem Olajuwon 7,621 .712 5,423
22 レニー・ウィルケンズ Lenny Wilkens 6,973 .774 5,394
23 パトリック・ユーイング Patrick Ewing 7,289 .740 5,392
24 ジョン・ハブリチェック John Havlicek 6,589 .815 5,369
25 エルビン・ヘイズ Elvin Hayes 7,999 .670 5,356
26 ウォルト・ベラミー Walt Bellamy 8,088 .632 5,113
27 ティム・ダンカン Tim Duncan 7,410 .688 5,098
28 チェット・ウォーカー Chet Walker 6,384 .796 5,079
29 トム・チェンバース Tom Chambers 6,274 .807 5,066
30 ポール・アリジン Paul Arizin 6,189 .810 5,010
  • FTA:Free Throw Attempt (フリースロー試投数)  
  • FTM:Free Throw Made (フリースロー成功数)
NBA歴代フリースロー%ランキング[5]   太字は現役選手 
Rank プレーヤー Player FTM FTA FT %
1 スティーブ・ナッシュ Steve Nash 2,931 3,244 .904
1 マーク・プライス Mark Price 2,135 2,362 .904
3 リック・バリー Rick Barry 3,818 4,243 .900
4 ペジャ・ストヤコビッチ Peja Stojakovic 2,237 2,500 .895
5 レイ・アレン Ray Allen 4,153 4,646 .894
5 チャウンシー・ビラップス Chauncey Billups 4,441 4,969 .894
7 カルビン・マーフィー Calvin Murphy 3,445 3,864 .892
8 スコット・スカイルズ Scott Skiles 1,548 1,741 .889
9 レジー・ミラー Reggie Miller 6,237 7,026 .888
10 ラリー・バード Larry Bird 3,960 4,471 .886
11 ビル・シャーマン Bill Sharman 3,143 3,559 .883
12 ケビン・デュラント Kevin Durant 2,624 2,988 .878
12 ダーク・ノビツキー Dirk Nowitzki 5,990 6,824 .878
14 ジェフ・ホーナセック Jeff Hornacek 2,973 3,390 .877
15 アール・ボイキンス Earl Boykins 1,255 1,433 .876
16 リッキー・ピアース Ricky Pierce 3,389 3,871 .875
17 テレル・ブランドン Terrell Brandon 1,784 2,043 .873
18 キキ・ヴァンデウェー Kiki Vandeweghe 3,484 3,997 .872
19 ジェフ・マローン Jeff Malone 2,947 3,383 .871
19 ダレル・アームストロング Darrell Armstrong 1,463 1,679 .871
21 マイク・ニューリン Mike Newlin 3,005 3,456 .870
21 ハーシー・ホーキンス Hersey Hawkins 3,466 3,985 .870
23 モーリス・ウィリアムズ Mo Williams 1,209 1,392 .869
24 マイケル・ウィリアムズ Micheal Williams 1,545 1,780 .868
25 ケビン・マーティン Kevin Martin 2,716 3,140 .865
25 クリス・マリン Chris Mullin 3,616 4,178 .865
27 アラン・ヒューストン Allan Houston 2,572 2,979 .863
28 ジョン・ロング John Long 1,814 2,104 .862
29 サム・キャセール Sam Cassell 3,567 4,144 .861
30 ウォーリー・ザービアック Wally Szczerbiak 1,633 1,899 .860

催し物としてのフリースロー大会[編集]

1996年1997年の両年に前年は新宿・後年はお台場をメイン会場に全国中継の形でフリースローの全国大会が開かれた事がある。

  • 各局の予選はたった1投のシュートミスで失格と言う厳しいルールの中、10代・20代・30代・40代以上の4世代でたった1代表を賭けて行われ結果的に全国で100名が本戦に進出した。

脚註[編集]

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  1. ^ Official Basketball Rules”. FIBA.com (2010年4月30日). 2012年3月29日閲覧。
  2. ^ Official Rules of the National Basketball Association”. NBA.com (2008年9月8日). 2012年3月29日閲覧。
  3. ^ 過去に、3フォー2、など、1投目の成功失敗により全体の投数が変わるルールが存在した。
  4. ^ All Time Statistical Leaders -Total Free Throw Made-
  5. ^ All Time Statistical Leaders -Free Throw Percentage-

関連項目[編集]

バスケットボール
ヴァイオレイション
ファウル
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