名探偵コナン 14番目の標的

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名探偵コナン 14番目の標的
Detective Conan
The Fourteenth Target
監督 こだま兼嗣
脚本 古内一成
原作 青山剛昌
出演者 高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
音楽 大野克夫
主題歌 ZARD
少女の頃に戻ったみたいに
製作会社 キョクイチ東京ムービー
配給 東宝
公開 日本の旗 1998年4月18日
上映時間 99分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 18.5億円
前作 名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
次作 名探偵コナン 世紀末の魔術師
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名探偵コナン 14番目の標的』(めいたんていコナン 14ばんめのターゲット)は、1998年4月18日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第2作目にあたる劇場版アニメである。上映時間は99分。興行収入は18億5000万円、配給収入は10億5000万円[1]

キャッチコピーは「次に狙われるのはだれだ!?」。

概要

劇場版シリーズ第2作目。毛利小五郎とその知り合いが、名前に入っている数字になぞらえて13から1まで次々と標的になる事件が展開されていく。犯行現場には被害者の数字を表すトランプが残されていく。数字の順番は、目暮十三(13)→英理(12)→阿笠博(11)→弘樹(10)→勝義(9)→沢木平(8)→小山内奈々(7)→戸永明(6)→毛利小郎(5)→ピーター・フォード(4)→白鳥任郎(3)→科稔(2)→工藤新(1)[注 1]。犯人は小五郎に恨みを抱いている村上(ジョーカー)とされ物語が進む。そして、映画のサブタイトルである『14番目の標的』とは誰なのか、という謎が本作のメインになっている。なお、名前に数字の付くメインキャラクターが13から番号順に狙われるというストーリーにするにあたり、目暮警部の名前が13=十三(じゅうぞう)、白鳥刑事の名前が3=任三郎(にんさぶろう)と明かされた。この設定は原作・アニメシリーズでも公式設定となった。その後、第7作『迷宮の十字路』で、コナンや小五郎が本作について触れている。

また、本作では、小五郎が刑事を辞めるきっかけとなった事件と毛利夫婦が別居した理由が物語の別軸とされている。原作者・青山剛昌と監督・こだま兼嗣の対談から[いつ?]、この2つのエピソードを考案したのは青山本人であることが言及されている。映画シリーズの設定が原作・アニメにも受け継がれるときは、原作者とスタッフで矛盾がないように合わせられている。目暮警部は刑事時代の小五郎を「数々の難事件を迷宮入りにした」と評していたが、本作で射撃の腕前は本物であることが判明され、小五郎の有能な部分が垣間見える作品にもなっている。小五郎は本作以降も、原作・アニメ、そして映画シリーズ第9作『水平線上の陰謀』などでコナンを凌ぐ活躍を見せていくことになる。TVシリーズのキャラクターからは、毛利蘭の母親・妃英理が初登場。また、英理の秘書である栗山緑が名探偵コナンシリーズに初登場した(後の劇場版やテレビアニメ、原作にも登場)。

タイトルに「日本語で書いて英語で読む語」が初めて用いられた作品であり、第6作『ベイカー街の亡霊』以降定着している(第16作『11人目のストライカー』、第19作『業火の向日葵』を除く)。本作から第5作『天国へのカウントダウン』まではエピローグシーンで決まった音楽が使用されている。テレビスペシャルとして、1999年3月22日2002年9月1日2014年2月7日に放送された。本編のDVDは2001年3月28日Blu-ray Disc2011年6月24日に発売された。1997年からTVシリーズの主題歌は現在に至るまでビーイング所属歌手が担当しているため、本作以降も、2011年の第15作『沈黙の15分』まで14年間ビーイング所属アーティストが担当していた。

あらすじ

湖のほとりで、母の妃英理を見つける毛利蘭。思わず駆け寄ろうとする蘭だが、英理は大声で蘭を止める。どこからともなく銃声が聞こえたかと思うと、英理が地面に倒れこんでしまう。そんな夢の中から焦るように抜け出した蘭は不安になり、英理に電話をかける。それを笑う英理だが、蘭が「夢で見た母は今より少し若く見えた」ということを伝えると、なぜか英理は表情を曇らせる。

一方、江戸川コナンは少年探偵団と航空博物館に向かうことになり、阿笠博士を待つ間、歩美は占いのゲーム機でコナンとの恋を占うが、表示された結果は「Aの予感」。古い隠語で"A"はキスを意味する。

1週間後、公園をジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される事件が起こった。現場には西洋の短剣らしきものが残されていた。その後、今度は英理がチョコレートを食べた途端に苦しみだし倒れるが、すぐに胃の洗浄をしたため命に別状はなかった。そして今度は事務所の郵便受けに紙製の花が入っていた。阿笠博士の家で、今回の事件について考えるコナンだが、突然、玄関のガラスが割れ、外を見に行った阿笠博士はバイクに乗った何者かにボウガンで狙撃される。コナンは犯人を追うが寸前のところで逃げられてしまい、現場からは剣のようなものが発見された。

コナンは、数々の遺留品からトランプの絵札に関連していること、その犯行がコナンや小五郎に関連した人物を狙っていることを突き止める。一方で目暮警部も、犯人は仮出所したばかりの村上丈であることを突き止めていた。帰りの車中、コナンと蘭は白鳥刑事から、村上丈を取り調べた際にトラブルが起きて、小五郎が英理を拳銃で打ったという事実を語られる。

目暮警部は、「十」のつく辻弘樹に事件のことを知らせ忠告するが、辻はヘリコプターのフライトを止めようとしない。仕方なく小五郎と目暮警部も同乗することを条件にフライトに許可を出し、コナンも潜入に成功する。その後、米花町上空を飛行中に、辻が目の不調を訴えヘリは墜落の危機を迎えるが、コナンの助けを借りて不時着を決行し惨事を免れた。

次に狙われるのは「八」のつく人物ということで、沢木公平を尋ねたコナン一行。沢木はこれから海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行くのだと語り、コナンたちはそこで「九」のつく旭勝義の名前を目にする。そして、コナンたちも「アクアクリスタル」に向かうことになり、そこで同じく招待されていた、小山内奈々、仁科稔、宍戸永明、ピーター・フォードと会することになる。しかし、彼らもまた名前に数字を持っていたのであった。

登場人物

メインキャラクター

オリジナルキャラクター

容疑者

村上 丈(むらかみ じょう)
声 - 鈴木英一郎
元トランプ賭博のディーラー。35歳。
ジョーカーの異名で知られる元ディーラー。殺人容疑で逮捕され英理を人質にして逃亡を試みるも、小五郎に肩を撃たれて失敗した。その直後、小五郎は人質に構わず発砲した責任を問われ依願退職したため、刑事時代に逮捕した最後の犯人となった。逮捕後は模範囚となり、最近になって刑務所から仮出所している。出所直後、かつて自分を逮捕した小五郎の探偵事務所を訪ねるも留守のため面会できなかった。小五郎に銃撃された遺恨から一連の事件の犯人として疑われる。
仁科 稔(にしな みのる)
声 - 鈴置洋孝
料理エッセイスト。37歳。
キザな性格だが、実際はワインの知識に疎い味覚音痴。また、金槌のため水が苦手であり、海面を走るモノレールの上からでも冷や汗をかいていた。奈々に味覚を疑われて口論となり、お土産に持参してたワインでブラインド・テイスティングの勝負をしたが、最高級ワインであるシャンベルタンの名を挙げてしまい(正解はボジョレーのムーラン・ナ・ヴァン)、奈々から笑われる結果となった。エッセイストになる前は犯罪ルポライターをやっており、村上の事件を取り上げていた。
ピーター・フォード(Peter Ford)
声 - アンディ・ホリィフィールド
ニュースキャスター。40歳。
紳士風な外国人で、片言の日本語を喋っている。陽気で冗談好きだが、子供のコナンを引っ張っていこうとするなど正義感は強い。村上に襲われる立場にあっても毅然とした態度を崩さず、慌てた素振りは見せていない。女遊びが好きらしく、コナン達が英理との食事中に、十和子のクラブで若い女性に囲まれて遊んでいる姿を目撃されている。予告では、フォードがワインを飲んだ直後に苦しむシーンが挿入されていたが、実際には毒を盛られたふりをしただけの冗談であった。
宍戸 永明(ししど えいめい)
声 - 内海賢二
カメラマン。45歳。
豪快な性格で、初対面(航空博物館で会っているが話すのは初めて)のコナンを小僧と呼び嫌がられている。また、態度の大きさと挑発めいた発言を目暮警部に咎められていた。しかし、泳げない仁科を見て「俺が連れていってやる」と発言したり、少年探偵団の写真を撮って喜ばせるなど、優しい面も持ち合わせている。村上に襲われる立場にありながら、フォードと同じく動揺した素振りは見せていない。村上とは面識があり、写真集「殺人犯の肖像」で彼を撮影した事がある。
小山内 奈々(おさない なな)
声 - 岡本麻弥
人気モデル。21歳。
旭勝義から一行と同じく招待されるが、唯一、フランス製の高級なマニキュアも一緒にプレゼントされている。高飛車な性格で、仁科が紹介した店を批判して口論となり、ブラインド・テイスティングが失敗したら、さらに挑発を繰り返している。また、運転も荒っぽく駐車場に車を停める際に、勢いよく走行してコナン達を驚かせた。3ヶ月前に前方不注意でバイクを転倒させており、それが村上から狙われる原因かもしれないと考えていた。
沢木 公平(さわき こうへい)
声 - 中尾隆聖
仏料理店「ラ・フルール」のソムリエ。36歳。
小五郎や英理とは古くからの友人。温和で紳士的な性格だが、ワインに関する知識と情熱は凄まじい。奈々が持参したワインの銘柄をすぐに当てるなどソムリエの実力は一流で、いつか自分の店を開くことを目標にしている。趣味はワイン収集で、自宅のワインクーラーには宝物のシャトー・ペトリュスなど高級ワインを数多く所持し、山梨の実家にも数百本のワインが貯蔵されている。旭からレストランの経営を打診され、コナン一行と「アクアクリスタル」を訪れた。
旭 勝義(あさひ かつよし)
声 - なし
実業家。海洋娯楽施設「アクアクリスタル」のオーナー。62歳。
高級ワインのコレクションが趣味で、ワイン好きの白鳥刑事が舌を巻くほどの希少ワインを取り揃えている。だが、管理方法が杜撰で、沢木に室内の温度の高さを指摘されていた。その沢木にレストランの経営を任せたいという話を持ち掛けており、コナン達は次の標的は旭ではないかと推理。沢木のガードも兼ねて「アクアクリスタル」へ向かうことになった。だが、一行が到着しても現れないので待機していると、ワインセラーから好きなワインを選ぶようにとの手紙が発見された。
辻 弘樹(つじ ひろき)
声 - 谷口節
プロゴルファー。36歳。
ヘリコプターの操縦免許を取得しており、自家用機も所有している。警察から飛行を中止するよう要請されるが、それを断り、小五郎と目暮警部を搭乗させ飛行を開始してしまう。だが、米花町上空を飛行中に目の異常を訴え、ヘリは墜落の危機を迎えるが、こっそり搭乗していたコナンの活躍により無事に着陸させることができた。その後の検査で、目薬をビタミン剤から虹彩炎用の散瞳剤にすり替えられていたことが判明、全米オープンをキャンセルすることになってしまった。

その他のキャラクター

栗山 緑(くりやま みどり)
声 - 百々麻子
妃英理の秘書で、妃法律事務所に所属する女性弁護士。英理に挨拶をした際に、胸に付けていたブローチを褒められて、とても喜んでいた。その後、英理にチョコレートを届けるも送り主の名前がないことを不思議がっていたが、小五郎からのお詫びのプレゼントだと勘違いした英理が、食べた直後に倒れたので驚いていた。
本作では秘書という役名になっており、その後、レギュラーキャラクターとなっている。名前が判明したのは、第4作『瞳の中の暗殺者』からである。
岡野 十和子(おかの とわこ)
声 - 一城みゆ希[注 2]
小五郎が常連で通っているクラブ「十和子」のママ。32歳。名前に10(岡野和子)が入っているため、犯人に狙われると思われたが事件とは無関係であった。
レポーター
声 - 永島由子
海洋娯楽施設「アクアクリスタル」のオープンに伴い、旭勝義から取材をしていた女性レポーター。コナンもこのニュースを見ていたが蘭に消されてしまった。
辻の彼女
声 - 海原やすよ・ともこ
辻弘樹が仏料理店「ラ・フルール」に連れてきた女性二人組。海原やすよ・ともこは、前作『時計じかけの摩天楼』の2丁拳銃に続く芸人のゲスト出演である。
医者
声 - 千葉一伸
東都大学院の医師で、毒入りチョコレートを食べてしまい病院に搬送された英理の治療をした。その後、白鳥刑事に混入されていたのは農薬系だと報告している。

スタッフ

主題歌

少女の頃に戻ったみたいに
作詞 - 坂井泉水 / 作曲 - 大野愛果 / 編曲 - 池田大介 / 歌 - ZARD

挿入歌

「KIZUNA」
作詞 - 有森聡美 / 作曲・編曲 - 大野克夫 / 歌 - 伊織
キミがいれば
作詞 - 高柳恋 / 作曲・編曲 - 大野克夫 / 歌 - 伊織

脚注

注釈

  1. ^ 海外吹き替え版では、漢字の概念が分かりにくいことを考慮してか、数字と本人との関係が名前ではなく別の事に差し替えられている(~人の子供がいる、~個のビルを持っている等)。
  2. ^ 一城みゆ希は後年、テレビアニメにおいてジョディ・スターリング役でレギュラー出演している。

出典

関連項目

外部リンク

  • トムス・エンタテインメント公式サイト
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