FBI (名探偵コナン)

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FBIでは、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス名探偵コナン』の作品に登場するFBIおよびそのメンバーについて記述する。

概要[編集]

黒の組織を追い、日本へ潜入捜査のために訪れているFBIの捜査官たち。

物語開始の5年前から2年前の間には、捜査官の1人である赤井を組織へ潜入させることでボスの身柄を狙っていたが、同じく捜査官のキャメルのミスにより失敗したことで一時撤退。現在は主にアメリカで活動していたことで過去の犯罪の証拠を数点掴んでいるメンバー・ベルモットを標的とし、彼女の来日に伴って米花町付近に滞在しながら捜査を行っている。

潜入・調査のプロであるベルモットへの対策のため、捜査に訪れていることは彼女の身柄を確保するまで日本警察に伏せる方針[注 1]をとっており、日本ではあまり公には動けない状態となっている。なお、捜査官のジョディとキャメルは日本警察に捜査官として認識されているが、詳細を伏せるために「長期休暇で傷心旅行のために来日している捜査官のカップル」という、少々強引な設定で通している。

捜査官のジョディとジェイムズが潜入中に面識を持った江戸川コナンの推理力を評価したことで、コナンを日本での捜査における協力者として迎え入れており、情報交換や作戦への参加などを積極的に行っている。ただし、全員ともコナンの正体については知らない様子。

赤井を除いて日本人は確認されていないが、日本における極秘潜入捜査のための人選ということもあり、メンバーはほぼ全員とも日本語が堪能である。また、作中での会話は読者や視聴者への配慮から、ほとんど日本語で行われている。

『名探偵コナン』におけるFBIが関わった原作の事件については、名探偵コナンの事件#FBI・CIAが関わった事件を参照。

メンバー[編集]

ジェイムズ・ブラック(James Black
声 - 家弓家正
来日しているFBI捜査官チームのボスで、ジョディらの上司。シカゴ在住。ロンドン生まれのため、クイーンズ・イングリッシュで喋る。主にジョディ達の捜査指揮を担当しており、拳銃を使用する場面はない。「人を見る目を養っている」と語っており、世良が女性だということを一目で見抜いている。推理力もかなりのものだが、コナンや赤井には後れを取ることが多い。
アニマルショーのスポンサーを務めるランディー・ホークに顔が似ており、赤井の要請に応じて来日した際に彼と間違われてマスコミの質問攻めに遭ってしまうが、居合わせたコナンの機転により救われた[注 2]ことで彼に一目置くようになった。また、いつも冷静沈着なため、その関係で誘拐事件に巻き込まれた際も心中では動じず、手掛かりを元に追ってくるコナンの実力を試すような素振りを見せた[注 3]
ジェイムズの初登場時、コナンと灰原はその存在に不信感を抱いていた[注 4]。なお、アニメでの初登場時は金髪だったが、後に原作に準じた白髪へ変更された。愛車はメルセデス・ベンツCLKカブリオレ
ルパン三世』とのクロスオーバー作品ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では、峰不二子のファンという設定が追加されており、彼女と遭遇した時は携帯電話で写真を撮っていた。
名前の由来は、犯罪界のナポレオンと言われたジェイムズ・モリアーティ
赤井 秀一(あかい しゅういち)
声 - 池田秀一
FBI捜査官。黒い[注 5]ニット帽がトレードマーク。目の色はで、目の下には常に阿がある。左利き。クールでポーカーフェイスのため、あまり感情を表に出すことはない。コーヒーとバーボンが好き[注 6]
家族は妹の世良真純[1]がいるが、ジョディやキャメルにはその存在を明かしていなかった様子。世良の発言が真実であれば、赤井は世良を含めた3人兄妹の長男ということになる。また、世良に截拳道を教えたのも赤井であり、具体的な描写はないものの「世良よりも3倍は強かった」とされている。
とてつもない切れ者であり、その推理力と捜査手腕はコナンと似通うところがある。また、組織のキャンティやコルンを凌ぐ非常に優れたスナイパーであり[注 7]、「シルバースター」を受賞した経験のある元アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズ」の狙撃兵が、自分よりも実力が上だと断言し、一番強いと認めるほどである[3]。また、通常は両手で使用するショットガンレミントン)を左手のみで使用している[注 8]。これらのことにより、組織からは"Silver Bullet" (シルバー・ブレット、銀の弾丸)と呼ばれ、恐れられている[注 9]
物語開始の5年前から2年前までの間、黒の組織への潜入捜査を行っていた。組織のメンバーである宮野明美と接触し、「諸星 大」(もろぼし だい)という偽名を使って交際し始め[注 10]、彼女や妹の志保を介して組織へ潜入した。組織からは"ライ"というコードネームを与えられ、組織内でうまく立ち回り、最終的にジンとの任務にまでこぎ着けた。しかし、FBIの仲間の1人であるキャメルのミスが原因で正体が発覚し、捜査が失敗したばかりか、赤井を組織内へ連れ込んだ明美が組織に殺されてしまう。最初は捜査目的で交際を始めたものの、明美への想いは非常に強く[注 11][注 12]、その因縁から彼女を直接殺害したジンを中心として組織を追い続けている。
物語開始から1年ほど前までは長髪であったが、現在ではその髪をバッサリと切り落としている。ジェイムズ・ブラックと日本で再会した際には、赤井だと気づかれないほどの変わりようだった。この時、赤井は髪を切った理由として「恋人にふられっぱなしであることによるゲン直し」と語っている[注 13]
明美の妹である灰原については、彼女が幼児化した後(正確には明美の死後)は互いに顔を合わせたことはなく、灰原もかつて姉や自分を通じて組織に潜入した諸星大(ライ)と赤井が同一人物であることに気付いていない[注 14]。灰原の姿を見ながら「まさかな…[5]、「(志保と)よく似ている[6]と呟いたり、ベイエリアでの作戦中にジョディにも「俺はまだ、その茶髪の少女(灰原)と顔を合わせるわけにはいかない」と語っており[4]、灰原の正体を知っているような描写がなされている。また、ジョディたちFBIは灰原の正体こそ知らないものの、彼女とベルモットの会話から灰原を「組織でシェリーと呼ばれていた少女」として認識している。
バーボン(安室透)とは、潜入捜査をしていた頃からライバル関係にあり、互いに毛嫌いしていた。また、バーボンは当初から赤井がFBIのスパイであることを見抜いていた。
ジンの策略により、組織へ戻ったCIA捜査官・水無怜奈によって来葉峠にて肺と頭を撃ち抜かれ、証拠隠滅のために愛車のシボレー・C/K(C-1500)ごと爆破される。近くで事故が発生していたことから警察官がいたため、爆破された状況で身元が確認不可能なほどの損傷を受けた遺体が発見された。コナンの携帯電話についた指紋と焼け残った遺体の右手の指紋が一致し、ジョディらFBIは赤井の遺体と判断している。組織の人間も、バーボン達の独自の調査で赤井の死を確信していたが、ベルツリー急行では赤井によく似た顔立ちの人物が現れ、彼らの計画を妨害している。
名前の由来は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するシャア・アズナブルの異名「赤い彗星」と、その担当声優である池田秀一から[7]。ジョディが「シュウ」と呼ぶのは、シャアへのオマージュである。また、偽名の諸星大の由来は、「赤い彗星(=諸星)のシャア」とシャアの本名「キャスバル・レム・ダイクン[注 15]。由来は、原作者の青山剛昌が『ガンダム』の大ファンであることから。
第1回キャラクター人気投票での順位は14位(20票)、2012年連載800回記念キャラクター人気投票では7位、『名探偵コナンSDB50+』の人気投票では6位。
ジョディ・スターリング(Jodie Starling
声 - 一城みゆ希 / 少女時代:冬馬由美
FBI捜査官。28歳。拳銃の腕前はかなりのもの。日本のアーケードゲームが大好きなゲーマーでもある。かなりのプロポーションの持ち主で、園子並に露出過多な服装を好む。
20年前に母諸共ベルモットに殺害されたFBI捜査官を父に持つ。その後、証人保護プログラムの下で成長し、父の遺志を継いでFBIへ入局した。普段かけている眼鏡は、父の形見である。
親友の小学校教師・澁谷夏子に日本語を教わり、彼女の協力を得て来日。「ジョディ・サンテミリオン」(Jodie Saintemillion)という偽名を使い、一風変わった人柄を持つ英語教師として帝丹高校に赴任し、一時的に潜入捜査を行っていた。日本語は流暢に話せるが、潜入捜査中のFBI捜査官であることを隠すため、イントネーションがまちまちの訛った日本語を話していた[注 16]。正体を明かしてからは地が出て流暢な日本語を喋る事が多く、高木や蘭からその事を指摘されている[注 17]。愛車はプジョー・607。ベルモットの身柄確保が迫ったことで帝丹高校から離任するも、確保に失敗して取り逃してしまったため、以降はコナン(新一)、灰原哀阿笠博士服部平次を除く(つまり「黒の組織」の存在を知らない)周囲には、「捜査でミスをして長期休暇をとらされたため、日本に傷心旅行に来ているFBI捜査官」という設定で通している。ただし、帝丹高校の関係者でそのことを知っているのも毛利蘭鈴木園子だけであり、他の教職員や生徒たちは、ジョデイの当初予定通りに「教職を離任して故国へ帰った」と認識していて、彼女の本職が実はFBI捜査官であることや、現在も日本にいる事すら全く知らされていない。コナン達にはFBI捜査官であることを明かした後も「ジョディ先生」と呼ばれている。
新出智明に変装していたベルモットを追い詰める際、ベルモットがコナンのことを「Cool Guy」と呼んだことに疑問を抱いている[注 18]
証人保護プログラムを受けることを拒否した灰原には、自分の過去の姿を投影している様子である。赤井秀一のことは「秀一(シュウ)」と呼び、彼が組織に潜入する以前に交際していたが、それ以後も好意を寄せている様子が見られる。普段は冷静な振る舞いを見せるが、組織の策略に翻弄されて感情的になることも多い。赤井に変装したバーボンと遭遇した際には、激しく取り乱し、無謀な行動を取ってしまっている。
名前の由来は、女優のジョディ・フォスターと、彼女の代表作『羊たちの沈黙』での役名であるクラリス・スターリングから。
アンドレ・キャメル(Andre Camel
声 - 梁田清之
赤井が作戦の増員として呼び出したFBI捜査官。27歳のドイツ系アメリカ人。独身。人相はあまり良くないが、温厚で心優しい性格。身体を鍛えることが趣味で筋骨隆々とした肉体をしており、体格と人相があいまって初対面の印象はかなり悪い[注 19]
FBI内でも卓越したドライブテクニックを持ち、爆発と同時に車内から飛び出せるほど優れた運動神経は、赤井から一目置かれている。『名探偵コナン 異次元の狙撃手』では、防弾チョッキを着た状態で走行中の車から飛び降り素早くコナンと世良の前に立ち塞がる活躍を見せた。しかし、組織への潜入捜査中に赤井の正体を露見させてしまったり、ベルモットとバーボンに誘導されて楠田陸道の情報を彼らに漏らしてしまったりといった失敗も多い。
過去に赤井らと共に黒の組織への潜入捜査を行っており、自身のミスが引き金となって宮野明美が死亡してしまったことに、負い目を感じている。
来日以降は2年前に訪れたレストランをよく回っているが、その過程で度々事件に巻き込まれることから、日本警察や蘭達とも面識を持つようになる。なお、来日目的を明かすことはできないため、コナン以外の周囲には「傷心旅行中のジョディを連れ戻しに来た恋人」という設定で通している[注 20]
名前の由来は、『機動戦士ガンダム』に登場するキャメル艦隊指揮官・ドレン大尉[7]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 本来のFBIは司法機関であるため、オシント以外の国外活動は違法に当たる。
  2. ^ canの発音。ランディ・ホークは南部訛りで「キャン[kǽn]」と発音していたが、ジェイムズが用いるクイーンズ・イングリッシュは「カン[kən]」。
  3. ^ この事件の際には、ベルモットの部屋へ捜査員が潜入していたことから、コナンを彼女が「Cool Guy」としてマークしていた人物であると認識していた。
  4. ^ 「ジェイムズ」は、犯罪界のナポレオンと言われる「ジェイムズ・モリアーティ」を、「ブラック」は、黒の組織の「黒(ブラック)」を連想させたため。コナンは、彼が別れ際に言った「育ちはシカゴカポネがいた街さ…」という台詞も気になっていた。
  5. ^ カラーイラストやアニメでは青・紺色になっていることもあるが、「工藤新一NYの事件」などで設定上は黒色であることが確認出来る。
  6. ^ 正体がFBI捜査官の1人と断定される(単行本42巻)以前は、毛利探偵事務所前や自分の車の中、道端など、頻繁にタバコを吸っている様子がうかがえたが、その後は一度もタバコを吸っている様子が描かれていない。
  7. ^ アニメによると、キャンティとコルンの狙撃可能距離は600ヤード(約548メートル)であり、両者とも650ヤード(約594メートル)では外している。赤井は700ヤード(約640メートル)以上離れた場所から、豆粒ほどの大きさをした盗聴器を正確にライフルで、しかも立射で狙撃することができる[2]
  8. ^ ただし、アニメでの該当部分は両手で構えて発砲する描写に変更されている[4]
  9. ^ 車で逃亡することも可能だった組織関係者が、捜査に関わっているのが赤井だと知った途端、捕まるのを恐れて拳銃自殺したほどである。
  10. ^ それまではジョディと交際していたが、「ジョディを犠牲にしてでも組織を潰さなければならない」、「2人の女を同時に愛せるほど器用な性分ではない」という理由から、自ら別れを切り出した。
  11. ^ 毛利蘭と偶然再会した時に言った、「お前(蘭)によく似た、平静を装って陰で泣いていたバカな女」というのは明美のこととうかがえるほか、アニメでもそれを示唆するオリジナルシーンが描かれている[5]
  12. ^ 組織にいた頃の志保に対しても、「そんな顔をするな。(明美を)命に変えても守ってやる」と話していた。
  13. ^ この「恋人」とは明美のことではなく、組織のことを指す。また、ジェイムズに「『恋人』とよりを戻せそうなのか」と問われ、「私をふったことを血の涙で後悔させてやる」とも発言している。
  14. ^ ただし、灰原はコナンから聞かされている赤井の人物像が、諸星に似ていると感じている。
  15. ^ 明美からは「大君」と呼ばれていた。
  16. ^ ただし、文法は完璧だったことから、服部平次には演技だと見破られた。
  17. ^ 高木には「彼氏(という設定)のキャメルから教わった」と説明し、蘭に至っては「日本が好きだから」と開き直って適当にごまかし、コナンに突っ込まれた。
  18. ^ コナンが小学生である(に見えている)ことから、「Guy」ではなく「Kid」が適しているからと思われている。ジョディ自身は初登場の事件後にコナン、蘭、園子と別れる時、「Bye Bye...Cool Guy」と言っているが、このときの「Cool Guy」は、新出病院のベルモットの部屋に貼ってあるコナンの写真に書いてあった「Cool Guy」の文字を引用したために出た言葉である。ジョディはベルモットの変装を知っており、「姿を変えて学校に通っている」と言ったのもベルモットのことである。
  19. ^ ジョディには正体を怪しまれ、少年探偵団には殺し屋ではないかと疑われた。また、筋トレをしていたビルで殺人事件が発生した際にも千葉刑事には怪しまれ、現場にいた目暮警部と高木刑事に容疑者と疑われたこともある。
  20. ^ 平次や和葉とも後でお互い面識を持つこととなるが、事件の最中だったため、コナンも平次にキャメルの詳しい来日目的を直接話した描写は無い。

出典[編集]

  1. ^ 『週刊少年サンデー』2013年33号付録より。SSC第83巻所収。
  2. ^ 単行本48巻File.9「ピンポンダッシュ」 - 49巻File.4「黒の組織VS.FBI 2」(アニメ425話「ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間」)。
  3. ^ 劇場版第18作『異次元の狙撃手』。
  4. ^ a b 単行本42巻File.5「満月の夜と黒い宴の罠」 - File.10「ラットゥンアップル」(アニメ345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」)。
  5. ^ a b 単行本37巻File.8「白い雪…黒い影…」 - 38巻File.1「新兵器!」(アニメ309話 - 311話「黒の組織との接触」)。
  6. ^ 単行本41巻File.4「暗闇は死の罠の扉」 - File.6「黒い光の謎」(アニメ335話 - 336話「東都現像所の秘密」)。
  7. ^ a b 単行本58巻より。

関連項目[編集]