千駄ケ谷駅

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千駄ケ谷駅
駅入口(2020年6月)
せんだがや
Sendagaya
JB 13 信濃町 (0.7 km)
(1.0 km) 代々木 JB 11
地図右は国立競技場駅
所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目35-10
北緯35度40分52.2秒 東経139度42分41.2秒 / 北緯35.681167度 東経139.711444度 / 35.681167; 139.711444座標: 北緯35度40分52.2秒 東経139度42分41.2秒 / 北緯35.681167度 東経139.711444度 / 35.681167; 139.711444
駅番号 JB12
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 中央・総武線(各駅停車)
(正式には中央本線
キロ程 7.3 km(神田起点)
千葉から44.7 km
電報略号 セカ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
11,680人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1904年明治37年)8月21日
乗換 E25[1]国立競技場駅
都営地下鉄大江戸線
備考 直営駅
山区 東京山手線内東京都区内
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千駄ケ谷駅(せんだがやえき) は、東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)中央本線である。駅番号JB 12。渋谷区内の鉄道駅では最も東に位置する。

当駅には、緩行線を走る中央・総武線各駅停車のみが停車する。また、特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属する。現行案内では駅名の「ケ」は大文字(町名は小文字)。

歴史

初めは1904年に甲武鉄道の旅客駅として開業したが、当時の乗降客は一日に250人程度であった[2]。その後、1945年にはアメリカ軍による空襲を受けて駅舎が被災するなどしたが[2]、駅に隣接して駅前に被さる首都高速道路4号新宿線高架道路の完成や駅舎の改築を経て現在の姿となっている。

年表

青山軍用停車場・青山仮停車場

現在の当駅 - 信濃町駅間の線路南側にあった青山練兵場(現在の神宮外苑)と線路北側の輜重大隊(現在の慶応病院)のための軍用駅として、新宿駅 - 青山軍用停車場を敷設した。これとほぼ同時に甲武鉄道市街線(新宿駅 - 牛込駅間)の工事も行い、1894年に路線が開業した。当駅の開業はその10年後である。

この軍用停車場跡は英照皇太后および明治天皇大喪の礼の際に2度にわたり、青山仮停車場として霊柩列車を京都桃山駅へ奉送運行する際に使用されている。

  • 1894年(明治27年)
    • 9月23日:新宿駅 - 青山軍用停車場間が開業(青山軍用停車場の開設)。
    • 10月9日:新宿駅 - 牛込駅間が開業(甲武鉄道市街線の開業)。
  • 1895年(明治28年)12月30日:新宿駅 - 飯田町駅間が複線化。
  • 1896年(明治29年)9月25日:青山軍用停車場の廃止。
  • 1897年(明治30年)2月2日:新宿駅 - 青山仮停車場(初代)間が開業。英照皇太后の大喪の御柩列車の始発駅として1日限りの営業(翌3日廃止)。
  • 1912年(大正元年)9月13日:当駅 - 青山仮停車場(2代目)間が開業。青山葬場殿で行われた明治天皇の大喪の礼の際の霊柩列車の始発駅として2日間の営業(翌々15日廃止)。

新宿御苑仮停車場

大正天皇大喪の礼の際に、当時複々線化の為に新設工事中だった列車線(現在の上り急行線)の新宿御苑に面する箇所(つまり千駄ヶ谷駅のホームに並行する)に専用のホームを設置して新宿御苑仮停車場を建設、霊柩列車を東浅川仮停車場へ奉送運行する際に使用されている[11]。翌月に代々木駅 - 信濃町駅間が複々線化されている。また、新宿御苑仮停車場の建物は移設され、現在の高尾駅舎となった[11]

  • 1927年(昭和2年)
    • 2月7日:代々木駅 - 新宿御苑仮停車場が開業(新宿御苑仮停車場の開設)[11]。新宿御苑にて行われた大正天皇の大喪の礼の際の霊柩列車の始発駅として2日間の営業(翌々9日廃止)[11]
    • 3月1日:代々木駅 - 信濃町駅間が複々線化。

駅構造

単式ホーム2面2線を有する地上駅である。当駅は駅のすぐ北側にある新宿御苑への配慮のため、周辺の駅のような発車メロディは導入されておらず、代わりに発車ベルが鳴る。かつてはみどりの窓口が営業していたが、2007年に営業終了し、代わりに指定席券売機が設置されている。2019年2月1日より、始発から午前6時30分までの早朝時間帯は、遠隔対応(インターホン対応は四ツ谷駅が行う)のため改札係員は不在となり、一部の自動券売機のみが稼働する[10]

1964年東京オリンピック開催時に、旧1番線の反対側に臨時ホームが設置され、五輪観戦客の混雑緩和を図っていたが、開催後は稀に使用される程度で事実上閉鎖された状態が続いていた。その後、2020年東京オリンピック開催に向け、臨時ホームを再整備のうえ西行専用ホームとして使用することになり、エスカレーターエレベーターホームドアの設置と改札口の移設が行われた[報道 2][新聞 2]。また、ホームドアを設けるため、従来は5メートルだったホームの横幅を最大9メートルに広げる工事も同時に行われた[新聞 2]

のりば

番線 路線 方向 行先
1 JB 中央・総武線(各駅停車) 西行 新宿中野三鷹方面
2 東行 御茶ノ水秋葉原千葉方面

(出典:JR東日本:駅構内図

利用状況

2021年(令和3年)度の1日平均乗車人員11,680人である。中央・総武線(千葉駅 - 三鷹駅間)においては最も少ない。

近年の1日平均乗車人員の推移は下表の通り。

年度別1日平均乗車人員[統計 1][統計 2][統計 3]
年度 1日平均乗車人員 出典
定期外 定期 合計
1990年(平成02年) 28,112 [* 1]
1991年(平成03年) 29,806 [* 2]
1992年(平成04年) 29,085 [* 3]
1993年(平成05年) 28,866 [* 4]
1994年(平成06年) 27,795 [* 5]
1995年(平成07年) 27,068 [* 6]
1996年(平成08年) 25,800 [* 7]
1997年(平成09年) 25,313 [* 8]
1998年(平成10年) 24,463 [* 9]
1999年(平成11年) 23,923 [* 10]
2000年(平成12年) [JR 1]23,123 [* 11]
2001年(平成13年) [JR 2]22,698 [* 12]
2002年(平成14年) [JR 3]23,022 [* 13]
2003年(平成15年) [JR 4]22,508 [* 14]
2004年(平成16年) [JR 5]22,419 [* 15]
2005年(平成17年) [JR 6]22,213 [* 16]
2006年(平成18年) [JR 7]21,993 [* 17]
2007年(平成19年) [JR 8]22,543 [* 18]
2008年(平成20年) 12,567 8,742 [JR 9]21,309 [* 19]
2009年(平成21年) 12,177 8,348 [JR 10]20,525 [* 20]
2010年(平成22年) 11,582 8,685 [JR 11]20,268 [* 21]
2011年(平成23年) 11,383 8,625 [JR 12]20,008 [* 22]
2012年(平成24年) [JR 13]9,901 [JR 13]8,524 [JR 13]18,426 [* 23]
2013年(平成25年) [JR 14]11,893 [JR 14]8,551 [JR 14]20,444 [* 24]
2014年(平成26年) [JR 15]10,495 [JR 15]8,293 [JR 15]18,788 [* 25]
2015年(平成27年) [JR 16]9,875 [JR 16]8,118 [JR 16]17,994 [* 26]
2016年(平成28年) [JR 17]10,128 [JR 17]8,299 [JR 17]18,427 [* 27]
2017年(平成29年) [JR 18]10,267 [JR 18]8,747 [JR 18]19,015 [* 28]
2018年(平成30年) [JR 19]8,178 [JR 19]9,089 [JR 19]17,268 [* 29]
2019年(令和元年) [JR 20]7,763 [JR 20]8,688 [JR 20]16,452 [* 30]
2020年(令和02年) [JR 21]4,229 [JR 21]5,911 [JR 21]10,141
2021年(令和03年) [JR 22]5,777 [JR 22]5,903 [JR 22]11,680

駅周辺

東京体育館

バス路線

千駄ヶ谷駅前(国立競技場駅前)停留所
千駄ケ谷駅(東京体育館)停留所

その他

ギャラリー

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
JB 中央・総武線(各駅停車)
信濃町駅 (JB 13) - 千駄ケ谷駅 (JB 12) - 代々木駅 (JB 11)

脚注

記事本文

出典

  1. ^ 東京地下鉄 公式サイトから抽出(2019年8月15日閲覧)
  2. ^ a b 『渋谷の記憶II 写真でみる今と昔』 渋谷区教育委員会発行 平成21年3月10日発行
  3. ^ 「電車開始並停車場設置」『官報』1904年8月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ a b 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、23頁
  5. ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、25頁
  6. ^ 国鉄監修『交通公社の時刻表』1976年8月号
  7. ^ a b 鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、121頁。 
  8. ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、27頁
  9. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '91年版』ジェー・アール・アール、1991年8月1日、191頁。ISBN 4-88283-112-0 
  10. ^ a b 「平成30年度営業関係施策(その1)について」提案を受ける”. 東日本ユニオン東京地本. 2019年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月15日閲覧。
  11. ^ a b c d 第44回 JR高尾駅 -大正天皇御大喪仮停車場の今-”. 鹿島の軌跡〜歴史の中から見えてくるものがある〜. 鹿島. 2020年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月11日閲覧。
  12. ^ スポーツの拠点となった「神宮外苑」”. このまちアーカイブス. 三井住友トラスト不動産. 2022年8月7日閲覧。
  13. ^ a b 千駄ケ谷駅 王将の駒モニュメント再展示! お帰りなさい、王将の駒モニュメント!!”. FUN!TOKYO!. 東日本旅客鉄道 (2020年8月25日). 2021年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
  14. ^ JR千駄ケ谷駅「将棋コーナー」除幕セレモニーの模様”. 日本将棋連盟 (2020年8月24日). 2020年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月6日閲覧。
報道発表資料
  1. ^ Suicaご利用可能エリアマップ(2001年11月18日当初)” (PDF). 東日本旅客鉄道. 2019年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
  2. ^ a b "駅改良の工事計画について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 8 June 2016. 2019年8月18日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2019年11月19日閲覧
  3. ^ a b "千駄ケ谷駅 新駅舎及び新ホームの供用開始について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道東京支社. 17 September 2019. 2019年9月18日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2019年9月18日閲覧
  4. ^ "より安全な駅ホーム・踏切の実現に向けた取組みについて" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 7 April 2020. 2020年4月7日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年4月7日閲覧
  5. ^ "2020年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 13 December 2019. p. 6. 2019年12月13日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年2月29日閲覧
新聞記事
  1. ^ “国立競技場最寄り駅リニューアル JR千駄ケ谷に新ホーム”. 共同通信. (2020年3月22日). オリジナルの2020年3月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200322073909/https://this.kiji.is/614345549200671841?c=39546741839462401 2020年3月22日閲覧。 
  2. ^ a b “JR千駄ケ谷駅、改良工事急ピッチ 新国立競技場最寄り”. 朝日新聞. (2018年7月18日). オリジナルの2020年9月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200916115732/https://www.asahi.com/articles/ASL7K4FNWL7KUTIL028.html 2020年9月16日閲覧。 
  3. ^ “疑問解決モンジロー 水飲み場少なくなった?”. 朝日新聞 (東京都: 朝日新聞社): p. 27(生活). (2004年7月10日) 
  4. ^ “石の「王将」お引っ越し JR千駄ケ谷駅”. 朝日新聞. (2020年9月14日). オリジナルの2020年9月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200915015313/https://www.asahi.com/articles/DA3S14621788.html 2020年9月15日閲覧。 

利用状況

  1. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
  2. ^ 渋谷区勢概要 - 渋谷区
  3. ^ 新宿区の概況 - 新宿区
JR東日本の2000年度以降の乗車人員
東京都統計年鑑

参考文献

  • 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「中央本線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第5号、朝日新聞出版、2009年8月9日。 

関連項目

外部リンク