ハチ公バス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
渋谷区役所前に集うハチ公バス(2010年10月撮影)

ハチ公バス(ハチこうバス)は、東京都渋谷区が運行するコミュニティバスの愛称である。正式には渋谷区コミュニティバスと称する。

実際の運行は、東急トランセ淡島営業所)と京王バス東永福町営業所)およびフジエクスプレスに委託している。愛称は一般公募がなされた結果、渋谷駅前の待ち合わせスポットとしても知られている忠犬ハチ公に因んだハチ公バスと命名されており、利用客向けの案内の多くにはこの愛称が使われている。

運賃・路線[編集]

表参道ヒルズ停留所
(渋谷区神宮前

運賃は大人、小児問わず1人100円均一である。現金およびPASMO(共通利用が可能な乗車カードを含む、全国相互利用にも対応)が使用できるほか、専用の回数券(2,000円で2,100円分の乗車が可能)も発行されている。なお、東京都シルバーパスは使用できない。

夕やけこやけルート(恵比寿・代官山循環)[編集]

夕やけこやけルート(2代目車両)
(東急トランセ受託:2011年6月撮影)

2003年3月28日より運行を開始、区南部の恵比寿・代官山方面へ毎時15 - 20分間隔で運行されている。2009年3月16日より運賃の支払いにPASMOが使用できるようになった。

運行開始当初はこの路線のみでルート名はなかったが、2004年9月2日より後述の「春の小川ルート」が運行を開始し、いずれも同型の車両を使用することや渋谷区役所前が起点である事から、利用者の混同を防ぐ為に同日より「夕やけこやけルート」というルート名が付いた。なお、このルート名は、童謡「夕焼小焼」の作曲者である草川信が音楽教師をしていた長谷戸小学校の前を走ることに因むものである。

運行担当は東急トランセ淡島営業所で、運行当初は日野・ポンチョ(初代)が6台配置され、5台使用・1台予備の体制をとっていた。後に神奈川県内の他系統で使用されていた同型車も転入したため銀色に赤帯の東急バス標準色も見られ、2007年秋の時点では8台が配置されていた。

2008年から2代目ポンチョに順次置き換えられ、2008年現在、車両は6台配置、5台使用・1台予備の体制となっている。

ルートは8の字を描くようになっているため、目的地によっては大回りを強いられることがある。このため、交点の「恵比寿区民施設」停留所で乗り継ぎ利用することが可能と案内されている。降車の際に乗務員から乗り継ぎ券を受け取ることで、乗り継ぎ先のバスの運賃は不要となる。

春の小川ルート(本町・笹塚循環)[編集]

春の小川ルート(2代目車両)
(京王バス東委託:2010年10月撮影)

2004年9月2日より運行を開始、区北西部の本町・笹塚方面へ毎時25分間隔で運行されている。2010年9月16日より運賃の支払いにPASMOが使用できるようになった。

童謡「春の小川」のモチーフとなった河骨川の流れていた富ヶ谷を経由し、本町・笹塚地区を循環運行する。4系統の中では唯一渋谷駅に乗り入れていない。[1] 本町区民施設から六号大通りの間は、都内のコミュニティバス路線の中でも特に狭隘な道路を通過し、路上駐車・駐輪があるとバスが通行できないことがあるため、交通整理員が添乗する。

運行担当は京王バス東永福町営業所。運行当初は初代ポンチョが4台配置され、3台使用・1台予備の体制をとっていたが、2010年から2代目ポンチョに順次置き換えられ、2012年現在、車両は8台配置、7台使用・1台予備の体制(丘を越えてルートと共用で、春の小川ルートではこのうち4台を使用)となっている。

2012年10月1日に笹塚地区のルート変更とダイヤ改正(30分間隔→25分間隔に増便)が実施された[2]

  • 主な停留所:渋谷区役所→原宿駅入口→富ヶ谷→代々木八幡駅入口→代々木郵便局新国立劇場(東京オペラシティ)→幡ヶ谷不動尊→本町区民施設→六号大通り→笹塚こども図書館→笹塚駅→笹塚二丁目→笹塚三丁目→富士見丘学園→笹塚中学→幡ヶ谷不動尊→新国立劇場→代々木郵便局→代々木八幡駅入口→富ヶ谷→原宿駅入口→渋谷区役所

ルートの幡ヶ谷不動尊→(本町地区)→笹塚駅→(笹塚地区)→幡ヶ谷不動尊はループ状に一方向へ運行しているので、笹塚地区から本町地区方面へは乗車したまま直接行くことができない。このため、「幡ヶ谷不動尊」停留所では渋谷区役所行から本町地区方面(笹塚駅行)へ乗り継ぎ利用することが可能と案内されている。降車の際に乗務員から乗り継ぎ券を受け取ることで、乗り継ぎ先のバスの運賃は不要となる。

神宮の杜(もり)ルート(神宮前・千駄ヶ谷ルート)[編集]

神宮の杜(もり)ルート
(フジエクスプレス受託:2008年3月撮影)

2008年平成20年)2月29日より運行を開始、区北東部の表参道・神宮前・代々木方面へ毎時15分間隔で運行されている。ハチ公バスとしては初めて、開設当初からPASMOが利用できた。

運行担当はフジエクスプレスで、車両は8台配置、7台使用・1台予備の体制となっている[3]

系統の愛称は公募によって神宮の杜(もり)ルートと命名された。

表参道駅 - 南青山三丁目交差点の区間は、本路線と同じくフジエクスプレスが受託している港区のコミュニティバス「ちぃばす」の青山ルートと重複している(停留所ポールもほぼ同様のデザインの「ハチ公バス」「ちぃばす」の2つが設置されている)。

現在この路線が走る「明治神宮」-「表参道」間ではかつて、大正時代に開業した路線バス「表参道バス」が運行されていた[4]

丘を越えてルート(上原・富ヶ谷ルート)[編集]

丘を越えてルート
(京王バス東受託:2011年4月撮影)

2010年7月1日より運行を開始、区西部の上原・富ヶ谷方面へ毎時20分間隔で運行されている。 開設当初からPASMOが利用できた。

系統の愛称は沿線に立地する古賀政男音楽博物館にちなみ、公募(85名・151点の応募による)によって古賀の作品の一つである丘を越えてルートに命名された[5][6]

運行担当は京王バス東永福町営業所で、車両は8台配置、7台使用・1台予備の体制(春の小川ルートと共用で、丘を越えてルートではこのうち3台を使用)となっている。4系統の中では唯一渋谷区役所に乗り入れていない[1]が、「富ヶ谷」停留所では渋谷区役所方面(春の小川ルート)へ乗り継ぎ利用することが可能と案内されている。降車の際に乗務員から乗り継ぎ券を受け取ることで、春の小川ルートの運賃は不要となる。

  • 停留所:渋谷駅西口→東急百貨店本店前→松濤美術館入口→東大前→東大裏→富ヶ谷二丁目→富ヶ谷交差点→上原一丁目(富ヶ谷図書館入口)→上原二丁目(上原出張所入口)→古賀音楽博物館→代々木上原駅→古賀音楽博物館→上原小学校→上原二丁目南→はつらつセンター富ヶ谷(東海大学)→望星高校→富ヶ谷→富ヶ谷一丁目→神山→東急百貨店本店前→渋谷駅西口


車両[編集]

春の小川ルート(手前)と夕やけこやけルートの車両が並ぶ(2007年5月撮影)

車両は日野自動車製のポンチョを使用しており、夕やけこやけルートでは赤色をベースにした2代目ポンチョ(ショートボディ)、春の小川ルートおよび丘を越えてルートではオレンジ色をベースにした2代目ポンチョ(ショートボディ)、神宮の杜(もり)ルートでは水色をベースにした2代目ポンチョ(ロングボディ)に、それぞれマンガ太郎デザインによるハチ公をモチーフとしたイラストが描かれている。

夕やけこやけルートの初代車両(東急)と春の小川ルートの初代車両(京王)では塗装が多少異なっており、東急車の方がボンネットのクリーム色の面積が広かった(ハチ公の目の周りまでクリーム色)。またバンパー右の数字(社番の一部)は東急は1ケタ(新車は4桁)だったのに対し、京王は3ケタ、側面のプレートは東急が赤地、京王が白地に青字で識別していた。

なお、夕やけこやけルートで使われていた初代ポンチョ車両が経年を迎えたことから、2008年3月末までに2代目ポンチョに順次置き換えられた。春の小川ルートで使われていた初代ポンチョ車両についても経年を迎えたことから、2010年9月16日までに2代目ポンチョに順次置き換えられた。

かつて使われていた車両[編集]

ハチ公バスのうた[編集]

ハチ公バスのうた』は、当バスをテーマとした楽曲である。ミュージシャンの松浦美佳 (MIKA) が作詞・作曲し、武内洋子と原宿少年少女合唱団により歌唱されている。2013年現在は全ルートの車内放送に使用されているほか、渋谷区内のすべての小学校で校内放送としても使用されている。音源は商品化されていないが、楽曲製作者により地元図書館へCDが寄贈されている[7]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 春の小川ルートは渋谷駅には乗り入れていない。丘を越えてルートは渋谷区役所には乗り入れていない。
  2. ^ http://tmasayan.exblog.jp/m2012-09-01/ 「ハチ公バス・春の小川ルート 一部ルート変更と一日5便増便へ 」子ども・高齢者の笑顔かがやく渋谷に──日本共産党・田中まさや(渋谷区議会議員)サイト 2012年9月28日号
  3. ^ 「ハチ公バス、3路線目は「神宮前・千駄ヶ谷ルート」-29日運行開始」シブヤ経済新聞 2008年2月15日
  4. ^ 神宮前五丁目 『原宿 1995』 コム・プロジェクト 穏田表参道商店会 平成6年12月25日発行 p60
  5. ^ ハチ公バス公式サイトより(2010年10月4日閲覧)
  6. ^ しぶや区ニュース:2010年10月1日号(第1186号)(2010年10月4日閲覧) (PDF)
  7. ^ #外部リンク「ハチ公バスのうたアニメ」を参照。

外部リンク[編集]