怪奇大作戦

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怪奇大作戦』(かいきだいさくせん)は、円谷プロダクションが制作し、TBS系で1968年(昭和43年)9月15日から1969年(昭和44年)3月9日まで毎週日曜日19:00 - 19:30に全26話が放送された、特撮テレビドラマである。

2007年(平成19年)4月に全3話のリメイク版『怪奇大作戦 セカンドファイル』がBShiにて放映された。

目次

[編集] 概要

現代社会に発生する謎の科学犯罪に挑戦するSRI(科学捜査研究所)のメンバーたちの苦闘と活躍を描く。

物語は純粋な怪奇現象を扱った番組ではなく、怪奇が人間の手によって引き起こされた犯罪の一種であり、これに立ち向かう正義の科学チームという図式で構成されているのが特徴。同時に社会に疑問を投げかけるような重いテーマもあり、その話のクオリティの高さからも、いまだ根強いファンを持つ作品である。

当時「怪獣ブーム」が一段落をみせ「妖怪ブーム」が訪れていたこと、また円谷プロダクションが鳴り物入りで制作した『マイティジャック』の視聴率が低迷していたこともあり、怪獣や超兵器が登場する派手な特撮ではなく、本編に溶け込んだ特撮(光学合成を駆使し、科学犯罪をリアルに表現する)が目標とされた。TBSから支給された制作費は、1クール13本につき6900万円(1話あたり530万円)。これは空想特撮シリーズ三部作とほぼ変わらない破格の予算であり、レギュラー出演者やゲストにも知名度の高い演技派が集められた。

こうして本編では、ほぼ毎回のように近未来的な科学技術による殺人事件が描かれ、陰惨でグロテスクな描写も少なくなかった。現在では日曜日のゴールデンアワーにこのような番組が放送されることは考えられないが、当時の社会はこの手のテレビ番組に対して今よりもずっと大らかであり、TBS側も少し前からの「妖怪ブーム」などで、「人が溶ける」などといったショックシーンに視聴者の興味が集まる傾向があると見て、むしろそういった趣向を円谷プロ側に新機軸として積極的に提案している。平均視聴率は22.0%。当時としても十分ヒット番組といえる数字なのだが、タケダアワーの合格ラインは非常に高く(後番組『妖術武芸帳』に主演した佐々木功の証言によれば、視聴率25%以上)、第一クールの放映終了時期に「延長措置なし」の判断が下された。『戦え!マイティジャック』の12月終了に続き、番組の受注が完全に途絶えてしまった円谷プロは、1968年12月12日、大幅な人員整理を決行するに至った。

監修の円谷英二は、昭和20~30年代にかけて『透明人間現わる』『透明人間』『美女と液体人間』『電送人間』『ガス人間第一号』など一連の変身人間による犯罪を描いた映画で特技監督をつとめており、円谷プロには、得意とするミニチュアワーク以外にも、この種の特撮ノウハウの蓄積があった。

なお、初期はスタッフも方向性を掴みかねていたため、シナリオが用意されたものの撮影には至らなかったエピソードも少なくない。また、放送順では第2話となっている「人喰い蛾」は本来は第1話を想定して作られたものだが、初号試写の際に円谷英二からリテイクを命じられ、追加シーンの撮影・編集や合成のやり直し・BGMの一部差し替えなどが行なわれたために完成が遅れ、結果的に第2話として放送されることになった。このリテイク前バージョンはマスターポジのみ現存しており、後述のLDソフト「妖鬼幻想スペシャル」の初回プレス版や、LD-BOXに「未放映バージョン」と称して収録されている。

[編集] SRI(科学捜査研究所)

SRI(Science Research Institute 、エスアールアイ)とは、警察の捜査では解決不可能になった怪奇事件を、独自に開発した機械等を駆使して科学捜査を行う民間組織である。もっとも劇中では警察の依頼によって行動を起こすか警察との共同捜査が多く、事実上の半官半民組織であるが、あくまでも民間という位置づけのために、警察と同等の権限は持たされていない。メンバーは以下の通り[1]

的矢忠(まとや ただし)
SRIの所長。元警視庁鑑識課長で、経験を生かしてSRIを興した人物。警視庁捜査一課長の町田警部とは旧知で、お互いを「町やん」「的やん」と呼び合う仲である。20話に登場する同級生の伊藤大助には「ちゅう」と呼ばれている。妻と息子がいる。年齢設定48才。全話登場。
牧史郎(まき しろう)
常に冷静沈着な科学の信奉者。SRIの頭脳的存在。父親を科学犯罪で失った過去を持つため、誰よりも強く犯罪を憎んでいる。当時、父親の事件を担当した警視庁時代の的矢の誘いでSRIに入所した。初期はトリックの解明に没頭するあまり周囲を省みない冷血漢のように描かれていたが、次第に人間味のある一面も見せるようになった。幼い頃に、チエコと言う名の姉を戦時中の敵機銃掃射で亡くしている。誕生日は1941年12月8日。愛称:牧さん。牧くん。先輩。全話登場。愛用する拳銃は十四年式拳銃である。
三沢京助(みさわ きょうすけ)
直情型の熱血漢。防衛大出身で肉体派の異色肌だが、科学知識も豊富で研究室に白衣で立つ姿も多い。情にもろいところが弱点。愛称:助さん。
裏設定では、大学時代にラグビーの試合中の事故で相手を半身不随にしてしまったことから自責の念に駆られ、ラグビーも大学も辞めてしまったところを的矢に誘われてSRIに入ったことになっている。年齢設定24才。全話登場。
野村洋(のむら ひろし)
SRIの若手メンバー。少々おっちょこちょいだが、フットワークの軽さが売りのムードメーカー。戦後生まれの21才。愛称:ノム。ノンちゃん。「死者がささやく」のみ未登場。
小川さおり(おがわ さおり)
基本的には事務所詰めだが、現場でも活躍するSRIの紅一点。愛称:サー坊。年齢設定19才。
考古学者の父親がいるという設定だが、父親が劇中に登場することはなかった。「吸血地獄」「呪いの壷」のみ未登場。
町田大蔵(まちだ たいぞう)
殺人や強行犯罪を扱う警視庁捜査第一課の課長。階級は警部。的矢の元同僚で、警察とSRIの橋渡し的存在であり、事件捜査依頼や協力を求めるのも彼を通して行うことが多い。年齢設定48才で、警視庁警察官を拝命したのは太平洋戦争が始まった当日の1941年(昭和16年)12月8日。「白い顔」「散歩する首」「果てしなき暴走」には未登場。
次郎(じろう)
番組開始当初、SRIに出入りしてメンバーの助手を務めていた少年。年齢設定は11才。主に野村について行動していた。『ウルトラマン』におけるホシノ少年のリメイク的存在を目指したともとれるが、犯罪ドラマの本作では物語に絡みにくかったのか、初期3話に顔を見せた後、「ジャガーの眼は赤い」を最後に姿を消す。彼のマスコット的立場は小川さおりが引き継いでいった。演じたのはウルトラQの「カネゴンの繭」やウルトラマンの「沿岸警備命令」、ウルトラセブンの「怪しい隣人」にゲスト出演、『快獣ブースカ』にヒロシ役でレギュラー出演していた中島洋。

[編集] SRI専用車両

トータス号
スバル・サンバー360をベースにボディを新造し[2]、各種特殊装備を搭載した小型車両。野村が使用することが多い。
「トータス(陸亀)」の名の通り強固なボディを持つが、小型であるため定員はわずか2名。また、居住性はあまり良くないようで、放映直前のプレスシートではガルウィング式の窓が付いていた[3]が、劇中では撤去されオープンになっている。
SRI専用車
トヨタ・クラウンに通信装置などを取り付けたもの。トータスとは対照的に居住性を優先し、大掛かりな特殊装備は搭載されていない。外観もSRIのマークが描かれている以外は普通の乗用車と変わらず、決まった名前も設定されていない。三沢や的矢が通勤の際に使用したこともある。

この他、第22話では運転席に緊急用の脱出装置を搭載した車両が登場、神経ガスの採集に使用された。また、地方への出張時は現地で用意されたと思われる車両を使用している。

[編集] SRIの装備

主な物は以下の通りである。これらの他、必要に応じて様々な特殊装備が随時投入される。

SRIジャケット
牧、三沢、野村が携行する特殊繊維で作られた防護服。防毒・耐熱・防弾・耐寒・防刃など、様々な場面で優れた効果を発揮する。通常はコンパクトに折りたたまれて携帯ケースに収納されており、必要に応じて取り出す。ジッパーが斜め向きに付いているのが特徴。内容の深化に反比例するかのように、第二クールに入ってからは使用の頻度が極端に低下した。
それぞれの着用エピソードは以下の通り
  • 牧:1話、2話エンディング、3話、4話、8話、13話、16話
  • 三沢:1話、2話エンディング、3話、4話、10話、12話、16話、19話、22話
  • 野村:2話エンディング、8話、10話、16話、19話
発信機
ベルトのバックルに内蔵されており、緊急時に所在地を本部に知らせる。
ペンライト
小型ながら強力な照射力を持つ。暗闇での調査活動で多用された。
ケミカルメース
拳銃型のスプレー。各種薬品を使用することが可能。当時の少年雑誌などで紹介され、「人喰い蛾・初号試写版」で牧がチラス菌を持つ蛾を退治するため薬剤を射出するシーンがあるが、このシーンはリテイクの際にカットされ放映版には登場せず、以後全編を通じて使用されることはなかった[4]ことから、実質的には設定のみの存在となっている。

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌・挿入歌

[編集] 主題歌

  • 「恐怖の町」
    本作は30分番組としては珍しく、主題歌がエンディングに流れる構成になっていた。当時流行ったシェイクのリズムの導入は山本直純のアイディアだが、途中にリズムブレイクが入るのは「隙があったら(山本が)ブレイクしたがったから」と当時師の下でアレンジャーをしていた玉木宏樹はインタビューに答えている(怪奇大作戦大全)。

[編集] 挿入歌

  • 「怪奇ソング」
    • 作詞:今戸悠、作曲:山本直純、歌:サニー・トーンズ
    シングル盤のB面に収録された歌。
  • 「暗闇のバラード」
    • 作詞:今戸悠、作曲:山本直純、歌:サニー・トーンズ
    主題歌の候補として作られた歌。放送当時は発売されず、1986年に初めて商品化された。
  • 「死神の子守唄」
    • 作詞:佐々木守、作曲:玉木宏樹、歌:深山エミ
    第5話「死神の子守唄」のために作られた歌。歌手・高木京子(演:深山ユリ)のヒット曲という設定で、劇中で起こる連続殺人事件はこの歌の歌詞になぞらえたものだった。
    歌入りの完成版音源は現存せず、現在は歌詞3番から始まる仮歌のみが残されている。
    劇中で使用された完成版音源を歌ったのは高木京子を演じた深山ユリだが、仮歌は深山エミの歌唱とされている。両者の声が酷似していることからどちらかが誤記とも考えられるが、詳細は不明。

※このほか、第20話ではピンキーとキラーズの「恋の季節」、第24話では同じく「涙の季節」、第26話ではいしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」が使用されている。

[編集] キャスト

[編集] 放映リスト

( )内は演じた俳優。

放送日 話数 サブタイトル 登場人物 メカ他 スタッフ
1968/9/15 1 壁ぬけ男 怪盗キングアラジン・一鉄斉春光(田口計
春光の妻・紫乃(岩本多代
奇術師(木田三千雄
特殊繊維による「壁抜け」←→スペクトル破壊器 監督-飯島敏宏
脚本-上原正三
1968/9/22 2 人喰い蛾 宇野(杉田康)
新田秀実(森山周一郎
新田の妻・みどり(町田祥子)
人間を溶かすチラス菌を持つ毒蛾
ケミカルメース(※未放映版のみ)
監督-円谷一
脚本-金城哲夫
1968/9/29 3 白い顔 水上幸一郎(森幹太)
水上順子(市川暎子)
高出力レーザーガン[5] 監督-飯島敏宏
脚本-金城哲夫、上原正三
1968/10/6 4 恐怖の電話 滝口令子(桜井浩子
岡島(武藤英司
空中放電装置 監督-実相寺昭雄
脚本-佐々木守
1968/10/13 5 死神の子守唄 高木京子(深山マリ)
吉野貞夫(草野大悟
麻生博士(戸浦六宏
スペクトルG線発射機による冷凍殺人 監督-実相寺昭雄
脚本-佐々木守
1968/10/20 6 吸血地獄 朝倉ニーナ(ローラ・マン)
山本周作(中山克己)
事故死の後、吸血鬼としての蘇生 監督-円谷一
脚本-金城哲夫
1968/10/27 7 青い血の女 鬼島竹彦(浜村純
「あれ」
殺人人形 監督-鈴木俊継
脚本-若槻文三
1968/11/3 8 光る通り魔 燐光人間・山本(伊藤弘一)
林陽子(田村奈巳
青木係長(中村孝雄
火山での自殺未遂による燐光人間化。亜硫酸ガス 監督-円谷一
脚本-上原正三、市川森一
1968/11/10 9 散歩する首 峰村(鶴賀二郎) 鏡を使った浮遊生首のトリック、ジキトキシン 監督-小林恒夫
脚本-若槻文三
1968/11/17 10 死を呼ぶ電波 小山内健二(花上晃)
村木剛造(龍崎一郎)
村木秋彦(古谷敏
殺人電波発射テレビ 監督-長野卓
脚本-福田純
1968/11/24 11 ジャガーの眼は赤い 青木(清川新吾) ホログラフィ立体映像装置 監督-小林恒夫
脚本-高橋辰雄
1968/12/1 12 霧の童話 平八老人(吉田義夫
健一(高野浩幸
落武者の亡霊、精神錯乱ガス 監督-飯島敏宏
脚本-上原正三
1968/12/8 13 氷の死刑台 冷凍人間・岡崎(真弓田一夫)
加瀬(西沢利明
島村(住吉正博)
人体実験による冷凍人間化←→サンビーム500 監督-安藤達己
脚本-若槻文三
1968/12/15 14 オヤスミナサイ 志村竜夫・竜夫の弟(佐々木功
杉江ユキ(北島マヤ)
睡眠学習装置 監督-飯島敏宏
脚本-藤川桂介
1968/12/22 15 24年目の復讐 水棲人間・木村一人(天本英世 水棲可能に体質変化した元日本兵 監督-鈴木俊継
脚本-上原正三
1968/12/29 16 かまいたち 小野松夫(加藤修)
若手刑事(池田駿介
真空切断装置 監督-長野卓
脚本-上原正三
1969/1/5 17 幻の死神 谷崎特別捜査官(三田村元) 特殊X線照射装置
光源体パーフェクトライト
監督-仲木繁夫
脚本-田辺虎男
1969/1/12 18 死者がささやく 田原昭夫(景山泉)
田原澄子(牧紀子)
ユニ・ポリエステル製指紋手袋 監督-仲木繁夫
脚本-若槻文三
1969/1/19 19 こうもり男 こうもり男・岩井(伊藤惣一) リモコン蝙蝠、小型ジェット噴射 監督-安藤達己
脚本-上原正三
1969/1/26 20 殺人回路 神谷清一郎(平田昭彦
伊藤大助(神田隆
ダイアナ(キャシー・ホーラン)
神谷清五郎(宇佐美淳也
CRTディスプレイ[6] 監督-福田純
脚本-市川森一、福田純
1969/2/2 21 美女と花粉 大山伸子(田島和子) アルコールと反応して毒性を持つ熱帯植物花粉 監督-長野卓
脚本-石堂淑朗
1969/2/9 22 果てしなき暴走 眉村ユミ(久万里由香)
中村(近藤宏
Gガス(精神錯乱ガス) 監督-鈴木俊継
脚本-市川森一
1969/2/16 23 呪いの壷 日野統三(花ノ本寿
日野統吉(浮田左武郎)
市井店主(北村英三)
市井信子(松川純子)
日本軍が開発した放射性物質=リュート物質を塗りつけた壺 監督-実相寺昭雄
脚本-石堂淑朗
1969/2/23 24 狂鬼人間 美川冴子(姫ゆり子 脳波変調機 監督-満田かずほ
脚本-山浦弘靖
1969/3/2 25 京都買います 藤森教授(岩田直二)
須藤美弥子(斎藤チヤ子)
カドニウム光線発振機による物質電送 監督-実相寺昭雄
脚本-佐々木守
1969/3/9 26 ゆきおんな 角田彦次郎(小松方正
井上秋子(松木路子)
雪女(岡崎夏子)
強盗犯の一人(上西弘次
監督-飯島敏宏
脚本-藤川桂介
  • 第2話「人喰い蛾」には編集の異なる、通称「未放映バージョン」がある。上記のように放送直前にリテイクされたため幻のバージョンとなっていたが、これまでに何度か映像ソフトの特典として日の目を見ている。
  • 第24話は現在、欠番。理由については別項を参照の事。

注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 登場するガジェット

( )内は登場したエピソード。放映順。

  • スペクトル破壊器(「壁ぬけ男」)
  • チラス菌(「人喰い蛾」)
  • ケミカルメース(「人食い蛾」(未放映バージョンのみ))
  • レーザーガン(「白い顔」)
  • 空中放電装置(「恐怖の電話」)
  • スペクトルG線発射銃(「死神の子守唄」)
  • 殺人人形(「青い血の女」)
  • ジキトキシン(「散歩する首」)
  • ホログラフィ立体映像装置(「ジャガーの眼は赤い」)
  • 睡眠学習装置(「オヤスミナサイ」)
  • 水棲人間(「24年目の復讐」)
  • 燐光人間(「光る通り魔」)
  • サンビーム500(「氷の死刑台」)
  • 真空発生装置(「かまいたち」)
  • 光源体パーフェクトライト(「幻の死神」)
  • CRTディスプレイ (「殺人回路」)
  • Gガス(「果てしなき暴走」)
  • リュート物質(「呪いの壺」)
  • 脳波変調機(「狂鬼人間」)
  • カドニウム光線発振器(「京都買います」)

[編集] 第24話『狂鬼人間』の欠番について

[編集] 内容

殺人事件の犯人が精神異常と判断され、1968年(昭和43年)当時の刑法第39条第1項「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス」[7]、つまり「心神喪失者は殺人を犯しても罰せられない」[8]の規定により起訴されず、しかも異常な早さで精神病院を退院するいう事件が続発。SRIはそれら殺人犯が一時的に精神異常状態になっていたのではと考え捜査を開始した。

その後、再び殺人を犯したが、今度は精神異常ではなかった犯人の供述から、事件の裏には「夫と子を精神異常者に殺害されたが、犯人は無罪となった」という過去を持ち、夫の開発した脳波変調機を利用して社会に復讐しようとする"狂わせ屋"こと美川冴子(演:姫ゆり子)がいることが判明する。

SRIは、牧と野村を利用して囮捜査を行うが、冴子にそれを見抜かれてしまい、牧は脳波変調機にかけられてしまう。狂人と化した牧は往来で拳銃を乱射、危うく殺人犯になりかけるのだが…

なお、牧史郎役の岸田森もこの『狂鬼人間』に相当入れ込んで制作に臨んでおり、岸田の当時の自宅(東京都港区瑞聖寺の境内にあった)も撮影に使用されている。

[編集] 欠番後

公式な欠番理由は不明であり、この問題に関しては、2004年発行の『封印作品の謎』(安藤健二太田出版)でも取材が行われたが、その経緯や理由に於ける有力な情報は殆んど得られなかった。

この話を扱った非公式の出版物では「精神異常者の描写に問題があるため」「差別用語が頻発するため」などが理由として挙げられることもあるが、いずれも推測の域を出ていない。

過去、1980年代にはビデオソフトLDにて発売されたことはあるが、絶版のため現在は入手困難。その後、1995年(平成7年)に第24話を含む全話収録のLDボックス『怪奇大作戦パーフェクトコレクション』が発売されるが、発売日当日、「製品に不具合があるため」との理由で店頭から即時回収され、殆ど市場に出回らないまま廃盤となった。これを最後に、以降のビデオソフトの再発売やDVDでは、この第24話は収録されていない。ただし、1988年(昭和63年)にバンダイビジュアルから発売された「怪奇大作戦 実相寺昭雄監督作品集」(VHS)には、映像特典としてナレーション付の「狂鬼人間」予告編が収録されている。

なお、1990年(平成2年)に勁文社から発売された、歴代の特撮番組の怪獣・怪人を収録した書籍『全怪獣怪人』の上巻には、「狂鬼人間」の紹介が写真付きでされている。また、2002年(平成14年)に勁文社が倒産後、翌2003年(平成15年)に発売:英知出版、販売:インフォレストから発売された『全怪獣怪人大事典』にも、なぜかこの項目はしっかりと残っていた。またメディアファクトリー刊『空想法律読本2』で本編の事件が採り上げられている。

2006年(平成18年)1月から7月にかけて東京MXテレビの「円谷劇場」枠で本番組の再放送が行われた。5月中旬に発売された一部のテレビ情報誌において、6月27日の放送予定欄に第24話「狂鬼人間」のサブタイトルが記され、また、5月29日に更新された東京MXテレビ公式ウェブサイト内の本番組のページの「今月の放送あらすじ」(6月の放送予定を掲載)において、第24話のあらすじに加えて画像までが掲載された。しかし同サイトの当該記述は翌日削除され、6月27日には他番組が放送された。このような事態に至った原因は公表されていない。

[編集] 未製作作品

  • フランケン1968 (金城哲夫)
  • 海王奇談 (金城哲夫)
  • その受話器を外すな (浅間紅児)
  • 細い手 (砂田量爾)
  • 伝説の海 (須川栄三)
  • 死を配達する男X (若槻文三)
  • 平城京のミイラ (石堂淑郎)
  • 半漁人 (市川森一)

[編集] ビデオソフト類

  • 怪奇大作戦(ビデオカセット)
    • 1983年(昭和58年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 『怪奇大作戦』初のソフト化。全8巻。順不同だが全話が収録された。欠番の「狂鬼人間」収録の巻には「現在では放送コードの関係で再放送不可能であり、ビデオならではの登場です」等とジャケットに解説が記載されており、1983年(昭和58年)当時から「狂鬼人間」は欠番という認識が発売元にあったことが分かるが、同時に『ビデオソフトは放送コードに影響されないもの』であるという見解だったことを伺うことが出来る。
    • 1年後の1984年(昭和59年)に岡山放送で怪奇大作戦が再放送され、このときには一部をカットされながらも「狂鬼人間」も放送された。
  • 怪奇大作戦1(LD
    • 1985年(昭和60年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 『怪奇大作戦』初のディスクソフト。選抜で4話収録。「1」と銘打っているが、後続商品は発売されなかった。
  • 怪奇大作戦 実相寺昭雄監督作品集(ビデオカセット)
    • 1988年(昭和63年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 実相寺昭雄監督作品4本を選抜収録したソフト。
    • 映像特典としてSEなし「散歩する首」などのラッシュフィルムとともに、ナレーション付の第24話「狂鬼人間」予告編が収録されている。
  • 怪奇大作戦 実相寺昭雄スペシャル(LD)
    • 1990年(平成2年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 1988年(昭和63年)に発売された実相寺昭雄作品のみのカセットソフトのLD版。この翌年からバンダイビジュアルは「○○スペシャル」と銘打った単品LD3種を順次発売、順不同で全話を収録し、ディスクソフトで初の完全発売を実現した。
  • 怪奇大作戦 恐怖人間スペシャル(LD)
    • 1991年(平成3年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 全編から、怪人が主体の物語8話分を選抜収録したLD。欠番の「狂鬼人間」を収録している。ジャケットには「二度と手に入らないかも知れない」の見出しが付けられ、「狂鬼人間」に関して「今回の収録は円谷プロの勇気ある判断で実現しました」との断り書きがある。なお、「怪奇大作戦○○スペシャル」は好調に売れたため数度にわたって再発が行われたが、4種類のLDのうち「恐怖人間スペシャル」のみ再発されず、さらに1993年(平成5年)ころには僅かに各地の店頭に残っていた本品の在庫をバンダイビジュアルが回収していたことが分かっており、「狂鬼人間」の封印は事実上本品から始まったことが伺える。
  • 怪奇大作戦 魔界殺人スペシャル(LD)
    • 1991年(平成3年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 全編から、科学犯罪を主体にした物語8話分を選抜収録したLD。
  • 怪奇大作戦 妖奇幻想スペシャル(LD)
    • 1991年(平成3年) 発売元:バンダイビジュアル
    • 既発売のLDに未収録だった、オカルト性の強い物語8話を収録したLD。特典として未放映版「人喰い蛾」を収録。
  • 怪奇大作戦パーフェクト・コレクション(LD)
    • 1995年(平成7年) 発売元:ビームエンタテイメント
    • 全話収録+購入特典付きLDボックス。発売当日に「製品に不具合」という理由で発売中止・回収された。予約分に関しては販売されたため、現在も中古市場で超高額のレートで流通している。回収の真相は専ら「狂鬼人間」収録に関する何らかのトラブルというゴシップが主流だが、発売当日のタイミングで突然回収された過程的な不可解さがさまざまな憶測を呼んだ。
  • 怪奇大作戦 ベストファイル(ビデオカセット)
    • 1996年(平成8年) 発売元:ビームエンタテイメント
    • LDボックス回収騒動の翌年に発売された新版ソフト。全8巻。「狂鬼人間」と最終回「ゆきおんな」が割愛された。
  • 怪奇大作戦ベスト・ハーフボックス1(LD)
    • 1997年(平成9年) 発売元:ビームエンタテイメント
    • 全編から10話分+未放映版「人喰い蛾」を収録したLDボックス。
  • 怪奇大作戦ベスト・ハーフボックス2(LD)
    • 1997年(平成9年) 発売元:ビームエンタテイメント
    • 全編から、前巻に未収録の10話分+特典映像を収録したLDボックス。
  • 怪奇大作戦(DVD
    • 2004年(平成16年) 発売元:ビクターエンタテインメント
    • 初のDVD商品。全6巻。「狂鬼人間」のみ未収録。
    • 時折、インターネットオークションにあたかも正規品であるかのようなジャケットのこのDVDシリーズの「第7巻」(商品品番DUPJ-56、欠番「狂鬼人間」と「人喰い蛾(パイロット版)」を収録)を名乗る物品が出品される事があるが、「第7巻」は現時点でリリースされておらず、明らかに海賊盤なので注意。

[編集] コミカライズ

[編集] 連載

  • 週刊少年キング1968年(昭和43年)37号から1969年(昭和44年)10号まで25冊に8話が掲載された。
    • 第1話「人喰い蛾」(画:影丸譲也
    • 第2話「恐怖の電話」(画:影丸譲也)
    • 第3話「光る通り魔」(画:影丸譲也)
    • 第4話「死を呼ぶ電波」(画:影丸譲也)
    • 第5話「氷の死刑台」(画:中城けんたろう
    • 第6話「幻の死神」(画:中城けんたろう)
    • 第7話「かまいたち」(画:中城けんたろう)
    • 第8話「果てしなき暴走」(画:中城けんたろう)
  • 月刊少年ブック1968年(昭和43年)10月号から1969年(昭和44年)3月号まで本誌掲載および別冊付録としてコミック化された。画は桑田次郎で、第4話以降はオリジナルエピソード。
    • 第1話「蛾」(人喰い蛾)
    • 第2話「死を呼ぶ絵」(殺人回路)
    • 第3話「ふたつの顔の少女」(吸血地獄)
    • 第4話「まぼろし殺人事件」
    • 第5話「闇からの声」
    • 第6話「死霊の家」
  • 月刊幼稚園:画は中城けんたろう
  • 月刊小学一年生:脚本は井上智、画は成田マキホ
  • 月刊小学二年生:画は森藤よしひろ
  • 月刊小学三年生:6話が掲載された(第6話は二本立て)。画は池上遼一
    • 第1話「なぞのかべぬけ男」
    • 第2話「消えた地下鉄」
    • 第3話「空飛ぶ怪物X」
    • 第4話「ゆうれい城」
    • 第5話「死人島」
    • 第6話「SRI対怪人レスラー」
    • 第6話「SRI対とう明人間」
  • 月刊小学五年生:画は旭丘光志

[編集] 参考文献

  • 『怪奇大作戦大全』 ISBN 4-575-29284-2
    • 本編中で語られなかったものも含む詳細な設定、第24話を除く全話のデータとシナリオの改訂経過も含めてのストーリー検証、未映像化シナリオのプロット、関係者(勝呂誉松山政路など)へのインタビューなどを収録。実は本書には第24話についても「SRI 装備諸元」のページ等(P.13~22)に情報量は極めて少量であるが記載されている。どの記載がそれに当るか分かる人は本作のかなりの愛好者といえるだろう。
  • 安藤健二封印作品の謎』 ISBN 4872338871
    • 非特撮ライターの立場から取材した第24話封印に関するレポートを収録。

[編集] 関連作品

  • BLACK OUT
    • 原作となった短編小説シリーズ『ゲーム・キッズ』シリーズの著者でドラマ化にもアイデア提供などで関わった渡辺浩弐は、ドラマの基本的なストーリー構成(展開)や謎の解明に当たる警視庁科学捜査課の設定について本作より影響を受けたと語っている。

[編集] 脚注

  1. ^ 町田警部のみ警視庁の人間であり、メンバーではない。
  2. ^セカンドファイル』ではマツダ・オートザムAZ-1がベース。こちらはほぼ原型のまま。
  3. ^ AZ-1の起用はそれが故といわれており、いわばバック・トゥ・ザ・フューチャーにおけるデロリアンと同じ理由である。
  4. ^ 第8話では「ケミカルスプレー」という、同様の役割を果たす別の装備を使用している。
  5. ^ この高出力レーザーガンは前番組『ウルトラセブン』第11話「魔の山へ飛べ」でワイルド星人が使用した生命カメラのプロップを改造したものである。
  6. ^ コンピュータ端末としての「CRTディスプレイ」という呼称は1970年代後半以降のパーソナルコンピュータの普及によって一般的になったが、1960年代の当作品においては、近未来的な3次元投射装置として描かれている。
  7. ^ 現行の刑法では「心神喪失者の行為は、罰しない。」
  8. ^ 現実には不起訴となるか、起訴されても無罪判決が出ることがあるが、劇中では「不起訴」か「無罪」のどちらになったか、明確な描写がない。

[編集] 外部リンク

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